Le:168 ~Life expectancy 168~

星月結友

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プロローグ

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突然だがどこにでもいるような人間である■■はつまらない日常を過ごしていた。
でも■■といるときだけは幸せだった。いつかこの思いを伝えようと思っていた。

「ねぇ、ボーッとしてない?大丈夫?」

「ん、別に大丈夫」

■■の顔を覗きこむ■■に思わずそっけなく返してしまう。
いつもそうだ、素直に気持ちを伝えられない。
こうしてかれこれ5年は過ぎただろうか。

「へーならいいけど…そういえば■■付き合い始めたってほんと?」

思いもよらない質問に飲んでたジュースで噎せてしまう。

「それどこから聞いたの…?」

「えー■■からだけどーあいつ直接聞いたって言ってたからまさか■■嘘ついたのー?」

「んなわけないじゃん、付き合ってるよ!」

「へぇー…」

思わずそう返してしまった。
今思えばこれが悪夢の始まりだったのかもしれない。

にやにやしながら■■はへーそうだったんだーと■■の背中をつんつんする。

「ま、お幸せにしなよ?それじゃ」

そう言い■■はいつも通り信号を歩いていく。
■■もいつも通り信号の前の道を曲がり帰ろうとした

その時だった。

「ばいばい、また明日!」

ひときわ大きい声で■■に別れを告げた■■は赤信号になった横断歩道のど真ん中で涙を流しながら笑っていた。
ふと右を見るとトラックが走ってきている。

"ばいばい"の続きは?
"また明日"はいつまで続く?
そう、この世界は、この命はいつか必ず終わりを迎える。
■■も■■も"死"というゴールを目指してただ走っているだけであって。

…でも、たとえこの命があと1日になったとしてもまだ■■の隣にいたい。
最期まで■■と居ないと意味がないんだ。
そう思った■■は自然に走り出していた。

庇ったはずが自分の目の前にトラックが。
あ、死んだ。なんにも伝えられないままだった。

■■の血で真っ赤に染まった■■はもう意識のない__死んでしまった■■に呟いた。

「ごめんね、大好きだったよ」
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