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第二章 アカデミー編
第33話 『騎士団員との再会』
しおりを挟む王都騎士団・副団長オリバーの名を受けた、若い男性騎士団員は転げるように部屋を走り出ていった。
廊下の先で『ぐへっ!?』っという声が響いたあたり、壁か何かにぶつかったのだろう。
リク達にとってはオリバーは『兄弟子』にあたる、気の良いオジさんでしかないのだが、騎士団員たちにとっては鬼と畏怖されるお偉いさんである。
「・・・おじさん。あの若い騎士の人、今思いっきりぶつかったか何かしたっぽいけど?」
「放っておけばいい。もう少し落ち着きが欲しいとこなんだがな・・・まだ正規の騎士になったばかりだから、仕方ないところか」
騎士が走り去った先を暫く見ていたリクは、心配そうにオリバーの方へと向き直るのだが、そのオリバーはしかめっ面で座っているだけだった。
見習い騎士でこそないが、まだまだヒヨッコだからしょうがない。とフォローは入れたものの、所々に『鬼教官』ぶりが伺える口ぶりである。
それから数分して、今度は廊下の彼方・・・先程男性騎士が走り去った方向からこちらへ向かって、カツコツ、という規則正しいヒールと思しき音・・・二人分の足音が響き出す。
どうやら、無事に若い騎士団員は任務を果たす事が出来たようだ。部屋に残っていた三人は同時に安堵の溜息をつく。
程無く、部屋の前で足音は止まり・・・二人の若い女性騎士が綺麗なお辞儀を一つした後、部屋へと入って来た。
「アリシア、ヒルダ、両名参りました。副団長、何か御用でしょうか?」
「お待たせしましたー。副団長、あたし達今日は半休日ですよ?急ぎの用事ですかぁ?」
「おお、すまんなヒルダ・・・おい、アリシア。客人の前だ、いつもの調子はやめろ。王都騎士団のイメージが壊れるだろうが」
「えーっ?そう言われましても・・・さっき引き継ぎ終わった所で、スイッチ切れちゃって」
「アンタね・・・客人がお見えだと副団長がおっしゃてるでしょ?いいから騎士らしくしてなさいってば」
部屋に入って来た二人の女性騎士は、濃紺のジャケットに、同色のスカートとロングスパッツの様な出で立ちに、茶色のローヒールという・・・女性騎士用の立派な制服に身を包んでいた。
きびきびとした動作で先に口を開いた女性は、黒髪をボブカットにしており、所作から落ち着いた様子が伺える。
もう一人は赤毛をポニーテールにした、砕けた口調の女性だ。こちらはオリバーに窘められても、悪びれる事無くしれっとしたものであった。
「俺にとって大事な客なのは当然だがな、お前達にとっても命の恩人だぞ、この二人はな?」
「えっと、ガル・キマイラの時のお姉さん達・・・ですよね?」
「ああ!あの時俺が治療した・・・成程、おじさんが言う俺達が知ってる人って、こういう事だったのか」
現れた二人の女性騎士。その姿を見たシルヴィアは、懐かしく思いつつも、一応はと確認するのだが・・・リクは直接治療したのが自分だった為か、すぐに納得していた。
かの戦いの時はまだ、今のリク達と同じ年頃・・・成人してあまり経っていない少女だった彼女達も、5年の間相当オリバーにシゴかれたのか、すっかり一人前の騎士の風格を漂わせるに至っていた。
入室してすぐは訝しげにしていたアリシアとヒルダの二人も、リク達の姿を見つけると、その顔を驚きに染める。そして、勢いよくアリシアが身を乗り出してきた。
「えっ!?嘘!?君達、あの時の小さな勇者君と、神子ちゃんだよね!?」
「ふえっ!?」
「ちょっ、アリシア!!いきなり失礼でしょ!?確かに見間違いようないけどさ!?」
「やっぱりあの時のお姉さん達だったのか・・・元気そうで良かった。あ、久しぶり!」
「・・・大物だね、勇者君は・・・あたし達よりよっぽど落ち着いてるよ・・・」
それこそ、飛び掛からんばかりの勢いで抱きついてきたアリシアに面食らうシルヴィア。
それを慌ててヒルダが窘め、落ち着かせようとするのをスルーして・・・と言うよりマイペースすぎるリクは、笑顔で挨拶をする。あまりに動じないリクに、ヒルダは軽く驚く。
自分達の命を救ってくれた、当時10歳の子供達がすっかり成長した姿でここに居る。思わぬ再会にアリシアのテンションが爆上がりしたのも仕方ない。
実際、普段は彼女の抑え役を自認するヒルダも興奮している程だ。元々お調子者の気があるアリシアは言わずもがな、というものである。
「・・・まあ、そういう事だ。何故お前達を呼んだのか、大体察しはついたか?」
「いえ、全然?二人が訪ねて来てくれた事を知らせてくれたんじゃないんですか?」
「いやアンタ・・・いきなりあたし達を訪ねて来てくれる訳ないじゃない。副団長、何かお二人の力になれ、という事でしょうか?」
「ヒルダ一人を呼べば良かったな、これは・・・」
「そんなぁ!?酷いですよ、副団長!!あたしだってちゃんと勇者君と神子ちゃんの力になれますよ!?」
「・・・なら早速頼むが、お前達両名はこのリクとシルヴィアの二人を、ガーディ家の屋敷に案内してやって欲しい。本当なら俺が行きたいんだが、仕事が立て込んでいるんでな・・・見知ったお前達を呼んだという訳だ」
オリバーが二人の騎士に、呼び出された理由を尋ねてみたが・・・この始末である。
アリシアは本気で『ただ知らせてくれ、会わせてくれた』と思ったらしく、悪気無く答える。対するヒルダの方は、落ち着きを取り戻したようで、オリバーの用件を正確に読み取っていた。
現在、リク達が居るのは王都リスティアの西門付近・・・王都騎士団の詰所だが、ここから北区域にある住宅街への案内をオリバーはアリシアとヒルダの二人にさせようとしたのだ。
さして迷うような道でもないのだが、リクとシルヴィアは王都に来るのはこれが初めてであり、田舎の村しか知らない二人にとって、このリスティアは広すぎる街だ。
野宿でも困らない実力者ではあるが、街中でそんな事になっては違う意味で一大事になりかねない・・・オリバーはそう心配したのだった。
「お前達なら年も近いし、丁度都合の良いことに今日は半休だろう?・・・帰りがてら、道案内してやってくれ。頼んだぞ?」
「「はい!お任せ下さい。それではガーディ邸へお二人をご案内します!」」
副団長として、自分が処理しなければならない案件が多いオリバーは、本当に残念そうな顔でアリシアとヒルダに案内するように託す。その副団長に、きちんとした所作でアリシアとヒルダは返答するのだった。
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「へぇ~、勇者君・・・じゃない、リク君とシルヴィアちゃんはアカデミーを受験するんだ?」
「村を守れるように、もっと強くならなきゃいけないからね。アリシアさんとヒルダさんもアカデミー出身なんでしょ?」
「そうだけど・・・私達はあなた達には到底及ばない実力だったわ。・・・まあ、今もそうだけどね」
「そうなんですか?オリバーさんの訓練を受けてたのなら・・・『あの時』とは比べ物にならない実力になってるんじゃないんですか?」
「いやいや、とてもじゃないけど二人には全然及ばないよ?副団長の訓練だって、毎回死にそうになってるから・・・比喩抜きで」
アリシアとヒルダ、二人の女性騎士が案内役となり王都リスティアの街路を歩く四人は、あっという間に打ち解け、お互い名前で呼び合うようになった様で、会話を楽しんでいた。
オリバーの見立て通り、年齢が近いから・・・という訳ではなく。たまたま四人の波長が合った、というだけなのだが。
会話の間も、物珍しそうにあちこちを見回しては驚いているリクとシルヴィアに、アリシアとヒルダが説明する、という事を繰り返しつつ四人は北区域を目指す。
「しっかし、リスティアってホントに凄いんだなあ・・・村とは全然違うや」
「広いし、お店もいっぱいあるし・・・薬舗だけで、もう三軒はあったよね。私、高位回復薬作ってこなくて良かったんじゃ・・・」
「そんな事ないってば!!・・・騎士団の在庫はいつも火の車だし、正直幾ら有っても足りない始末だし!」
「あと・・・ここだけの話だけど、リスティアの薬舗の高位回復薬は、シルさんの所の低位回復薬にさえ劣る品質なのよ」
「・・・マジで?」
「うん、マジで。あとすっっっごく、不味いの。アレは何ていうか・・・飲む事自体が苦行だね」
「あ、あはは・・・じゃあ、これからも私、高位回復薬は作って届けるね?」
「ありがとう・・・副団長にも伝えるわ。本当に助かるわ、あらゆる意味で・・・」
沢山の商店が軒を連ねる、リスティア南区域を通った際に、シルヴィアは薬舗が複数ある事を見つけ、何故わざわざ自分の所・・・ライラックの村の薬品店に回復薬を発注するのか?と疑問を口にする。
これにアリシアとヒルダは、げんなりとした表情で答える。二人ともなかなか美人なのだが、盛大に溜息をつき、闇を背負った様なその姿で全部台無しである。
何でも、王都の薬師達はアカデミー卒業者であり、なかなかの腕を持つ優秀な人材が多いらしいのだが、肝心の材料となる薬草や薬品の類の質が悪く、シルヴィアの実家である『セルフィード薬品店』の良質な素材とは比べるべくもなかった。
加えて、ロイとメルディアの腕の良さはリスティアでも評判で、その二人から技術を叩き込まれたシルヴィアもまた、既に一流以上の腕前なのであった。
普段から、両者の回復薬を使い込んでいる王都騎士団員にとっては、違いは明白であり、どちらが先に無くなるのかは最早言うまでもないだろう。
シルヴィアの回復薬以外を使った事の無いリクは驚くが、更には味の面で非常に難がある、と言い切るアリシアの表情は真剣に嫌がっている。
そして、自分の作る回復薬を褒められているのに、シルヴィアは苦笑するしかなかった。
これからも用立てするから、と言われ安堵した表情を見せるヒルダの姿に、落ち着き次第、調合もしておこうと彼女は心に決めるのだった。
「っと。商店は大体今の南区域にあるからね。・・・さ、中央広場を抜けて北区域に入るよ。ガーディ邸は王城寄りの、結構坂を上ったとこだからねー」
「リスティアのお城って、あの丘の上っぽい奴だよね?・・・天然の要塞って感じがする。って、そうじゃない。お城の近くなの?」
「爵位を持つ貴族や、高位の騎士。後は名声高い冒険者や、金持ちの商人なんかが邸宅を構える地域。それが北区域よ」
「そ・・・そんな所に、おじ様とおば様はお家を持ってるんですか。確か、貰ったとか言ってたような・・・」
「あ、私達はここ。一応、近衛騎士って事で貸して貰ってるんだよ?」
「へぇ~・・・近衛騎士って、確か王都騎士団だと一番上の騎士だよね?」
「ええ、そうよ。私とアリシア、後は男性騎士が八名で、計十名の精鋭・・・全員、リク君とシルヴィアさんに命を救われた連中だけどね」
王都騎士団は、見習い騎士から始まり、一般騎士・上級騎士・熟練騎士・近衛騎士と段階ごとに位階を定めている。
彼女達を含める『かつてのヒヨッコ』こと、十名の騎士はガル・キマイラ討伐戦以後、オリバーのドSとも言える訓練を耐え抜いて成長し、今では最高位の近衛騎士へと出世していた。
あの頃とは比べようもない実力を身につけたのだろう、とシルヴィアは思ったのだが、アリシアは苦笑しつつ否定する。
確かに実力は上がり、こうして自分達の邸宅を借り受けるまでにはなったが、未だにオリバーの実力に遠く及ばない事は事実である。
そのオリバー自身が『リク達はあの師匠達の直弟子。俺が及ぶ訳が無い』と断言するのだ。
あの時、自分達の目前でリクとシルヴィアが見せた力にさえ、届いているか怪しいとさえアリシア達近衛騎士の面々は思っているのだった。
そんな話をしながら北区域を歩くこと10分。目的の屋敷に近づきアリシアが足を止める。
「ほら、見えてきた。あの大きなお屋敷、あれがラルフ様とエリス様が所有するガーディ邸だよ」
「門まで行けば管理人が迎えてくれる筈。私達は行った事あるけれど、最初はきっと驚くわよ?」
「そうなんだ?案内してくれてありがとう、アリシアさん、ヒルダさん」
「ありがとうございました。落ち着いたら連絡するので、良かったら遊びに来て下さいね?」
「ホント!?行く行く!!やったね、ヒルダ!!」
「ちょ、ちょっと!街中で大声出さないでよ!?・・・じゃあ、私達はこれで。連絡、待ってるわね」
「気を付けてねー・・・って、ここじゃそんな心配ないんだった。じゃあまた!!」
邸宅の近くまで辿り着いた事をアリシアとヒルダに伝えられ、案内してくれた事にお礼を言うリクとシルヴィア。ここでの生活に慣れたら是非招待したいと言うと、アリシアが目を輝かせて喜ぶ。
ヒルダが慌ててガッツポーズを決めようとする同僚を止め、彼女を引きずるようにして去っていく。しっかりとまた来る約束はしつつ・・・
「・・・でさ、シル」
「何?リっくん」
「・・・・・デカいよな、この家」
「・・・大きいね・・・大きすぎる、よね」
屋敷の前まで移動したリクとシルヴィアは、ポカンと口を開け暫し呆然とした後、小声で話し出す。驚きのあまり何となく小声になってしまった。
二人の前に現れた家・・・それは、まごう事なき『大邸宅』だったのだ。
北区域は貴族などの大きな屋敷がある区域、という事は先程アリシア達から聞いたのだが、実際に見てみるととんでもなかった。
大きさそのものが、ライラックの村の二人の家を合わせたよりも遥かに大きい。外から見るだけで建物には三階分は窓がある。
そもそも、その建物に至るまでは広大な庭が広がっており、中央には噴水まである始末。周りの邸宅も大体同じ作りなのだが、今の二人にとってはそんな事を見る余裕もなかった。
「・・・ここで俺達、二人だけで住むの?」
「あ、あぅ・・・そ、掃除とか大変そうだけど・・・」
まだ唖然とした顔のリク。そして『二人だけで』のくだりに反応し、赤面するシルヴィア。なかなか中へと入っていく事が出来ない二人だったが・・・
「・・・ん?・・・母さんから預かった魔力錠が光ってる?」
「えっ、えっ?どうなってるの??」
突如、ここまでずっと腰にぶら下げていた魔力錠が黄金の輝きを淡く放ちだす。気づいたリクが手にすると、その淡い光はすうっと、屋敷の大きな門へと吸い込まれていく。
するとガチャリ、と鍵が外れる音が響き、独りでに門が開いてゆく。魔力錠はそれを所有する者が対象に近づいた際、正規の持ち主かどうかを判別した上で自動的に動作する魔具である。
この場合、エリスによってリクとシルヴィアは『所有者』として追加で登録されており、正規の所有者の一人であると認証されたのだ。
驚きつつ、中へと歩みを進めた二人は更に驚くことになる。何故なら・・・
「何だアレ・・・?・・・銀色の、樽?」
「樽みたいだけど・・・なんだろう?・・・手と足が・・・・立ってるの??」
リクとシルヴィアの見つめる先、丁度噴水の前に、銀色の樽から蛇腹状の手足の様なものが生えた『モノ』が佇んでいた。
少し西に傾き始めた日の光を浴び、キラリと輝くそれは、リク達の存在に気付いたのか、ガシャンガシャン、とけたたましい音を立て二人の元へと駆けてくる。
よく見ると、樽の正面には球体が二つ付けられている・・・あれは、目という事なのだろうか。
「ようこそ、おいで下さいました。新たな主・・・若旦那様に若奥様。ワタクシ、当ガーディ邸を管理させて頂いております『マル』で御座います」
「た、樽が喋った!?」
「わ、わ、わ、若奥様!?」
走って来た銀色の『樽』が丁寧な言葉づかいで流暢に挨拶を述べ、恭しくお辞儀をする。
その驚愕の事態に、リクとシルヴィアは全く異なる驚きの叫びを打ち上げるのだった。
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