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第二章 アカデミー編
第32話 『王都リスティア』
しおりを挟むギガントボアとの遭遇という非常事態を、リクの活躍で切り抜けた一行はその場で野営の支度を始める。
被害こそ無かったものの、隊商内の混乱を収めないまま出発したのでは危険だとの判断だ。
どの道、日は大きく西に傾いており、無理をして進んだ所で次の停車場を備えた休憩場所には深夜にしか着けないだろう。
そんな危険を冒す位ならば、この場で安全を確保する方が余程まともであろう。
そうと決まるが早いか、天幕の設置に取り掛かる商人達を横目に、リクとシルヴィアは夕食の支度を進めていた。
リクはギガントボアの血抜きをする為、一行から少し離れた場所へと移動すると、おもむろに右の拳を握り、闘気を僅かに注ぎ込み・・・
「こんなもんかな?・・・・・おりゃっ!!」
地面に向かい、気合とともに拳を叩きつけた。ドゴオン!!という激しい音を立て、周囲に土砂が巻き上がる。要するに、闘気の拳で地面を砕いたのだ。
想定以上に深い穴が開いてしまったが、気にする素振りも見せずリクはギガントボアの首・・・があった部分を下に向け、その巨体を両手で持ち上げて、穴へと突き刺した。
一点に力を集めた結果、穴そのものは少し小さい位で、丁度具合よく胴体がつっかえた。これなら落下防止を考えてロープなどで吊り下げる必要はないだろう。
「さて、皮とか剥いじゃうか。早いとこやんないと夜になるし、シルを待たせても悪いし・・・なっ!」
今度はリク、両手で手刀を構えたかと思えば、猛烈な勢いでその両手を交互に振り下ろす。
技の名は【乱れ鎌鼬】・・・乱れ撃ちに大層な名前を付けたのは、あの父親の影響であろう。
魔力を使わず、腕を振り下ろす速度だけで発生する鎌鼬は、狙い違わず頑丈なギガントボアの皮を綺麗に剥ぎ取り、瞬く間に下処理の前段階を終える。
後は解体するだけ、とそのまま鎌鼬で適当に切り刻み、肉と骨、内臓とを分別した。勿体無いが、内臓は食べられないので血抜きに使った穴に纏めて捨て、火系統の魔法で焼き払った。
そうして残った肉と骨を、商人達の手も借りてシルヴィアへと届ければ、下処理は完了。ここからは彼女の出番だ。
「じゃあ・・・グリルと、スープとで今夜のご飯。後は少し日持ちがするように冷凍しちゃおうかな?」
どっさりと置かれたギガントボアの肉を、味付けをしてグリルした物をメイン料理に。
骨で出汁を取り、ミンチ状にすり潰した肉をつみれにしたスープを用意して今夜分。
・・・とシルヴィアは簡単に出来るレシピを選ぶ。
明日の朝昼の分までは何の処理もしなくとも、痛む事は無いのだが、想像した量よりも多くの食材になった巨体は、数日分の食を十分に賄える量になっていた。
そこでシルヴィアは、豪勢さよりも、後々隊商の人達が使える保存食に加工する方が良いだろうと判断する。
ある程度の設備・・・厨房さえあれば、彼女にも容易に作れるものなのだが、流石に野外では手間が掛かり過ぎる。
ならば加工は、王都で専門の料理人にお願いすれば良いだろうと考え、凍結系の魔法で冷凍保存する事にしようと思ったのである。
まず彼女は収納用魔具を開くと、中から自分用の調理道具を取り出した。
出てきたのは、簡易調理台・包丁・まな板・鉄製の寸胴鍋・鉄製の大きな網・鉄製の串多数、である。
シルヴィアは手際良くグリル料理の用意を進める。風系統の魔法を駆使して、食べやすいサイズに切りそろえた肉へ塩と胡椒を振り、次々と串に刺していく。
肉だけというのも何なので、商人達の売り物から野菜を少し分けて貰い、それを交互に並べて串に刺した。
鉄の網は、皆の手を借りて設置した石積みの竈もどきへと設置。これまたその辺りで拾ってきた木々の枝を集めた物を薪にし、火系統魔法で火を点け、準備が整う。
更に寸胴鍋へ水系統魔法で水を張り、竈の空いたスペースで湯を沸かす。沸騰を待ち、その中へギガントボアの骨を纏めて入れるシルヴィア。出汁が取れたら骨は捨て、味付けをする寸法だ。
スープは食事と同時に・・・といきたい所なのだが、この条件下で流石にそれは難しく、皆がグリルした肉料理を楽しんでいる間に完成すれば良しと妥協する事にした。
商人達がそれぞれに、いい具合に肉と野菜が焼けた串を手に食事を始める中、シルヴィアはスープの味見をしつつ、リクの手を借りてギガントボアのつみれを鍋へと投入していく。
少し完成に時間は掛かったものの、ギガントボアのつみれ汁は大変に好評で、全員がおかわりを求めた結果・・・寸胴鍋一杯に作ったスープは空になってしまった。
「な・・・無くなっちゃった。明日はスープ無しだけど・・・うん、しょうがないよね」
空になった寸胴鍋を、水系統魔法で発生させた水で洗いつつ。美味しそうにグリル料理とスープを平らげた面々を見つめ、シルヴィアは嬉しい誤算に頬を緩めるのだった。
-----------------------
明けて翌日。商人達の天幕の一つでぐっすりと眠ったリクとシルヴィアは、皆と一緒に朝食を取り、野営の後片付けをする。
今日の昼頃には予定通り王都に到着するとの事で、あまりゆっくりとしている余裕はないらしい。遅れているという程では無いが、ペースを落として昼を過ぎると商談に影響が出かねないとの事だった。
「昨日は退屈だったけど、考えてみればあっという間だったよな。一日半で着けるんじゃないか」
「そうだねぇ。ギガントボアはちょっと驚いたけど、結構すんなり来れたから・・・んしょっと」
馬車の外の景色に目をやりつつ、一応は周囲の警戒をしているリクと、残ったギガントボアの肉を凍結系統の魔法で冷凍処理を施すシルヴィアは、のんびりとした会話で短い旅路を振り返っていた。
昨日、ニンジンなどの美味しい餌を貰った馬達はすこぶる元気で、猛スピードを維持したまま、一回の休憩を挟んだだけで王都外周を守る砦を通過。
その勢いのまま、遠くに見え始めた王都の高い城壁を目指し走り続けていた。この分なら予定の時刻を過ぎる心配は無さそうだと、商人達が安堵の溜息を漏らしている。
「そろそろ到着だ。門での入国審査・・・この場合は都市入場審査になるかな?それが終われば、名残惜しいが君達ともお別れだな」
降りる為の荷造りをするようにと伝えに来た代表の商人が、本当に名残惜しそうにそんな言葉を口にする。
たった一日半の同行だったが、予想を遥かに超える護衛っぷりに、すっかりリクとシルヴィアの事を気に入ってくれたらしい。
「俺達、アカデミーに入学したら王都に住むつもりですから。何かあればいつでも言って下さい。本当に助かりました」
「私達だけだとこんなに早く着けたかも分かりませんし・・・ありがとうございました」
「いやいや!礼を言うのはこっちだよ。正直、昨日のギガントボアは下手をすれば壊滅的な被害を受けたかも知れなかったんだ。それが人員も積荷も全て無事で、こうして王都に辿り着けた。君達のおかげだよ。ありがとう!」
揃って頭を下げて、ここまでのお礼を言うリクとシルヴィアだったが、それ以上に代表に感謝されてしまった。大した事をしたつもりのない二人は困惑するが、素直にお礼の言葉を受け取る。
程無く、馬車は速度を落として王都・リスティアの巨大な門の前へと停車する。その前には何台かの馬車と、付き従う人達が審査を待つ為に列を成していた。
リスティアは、先程リク達一行が通過してきた『砦』に四方を囲まれており、その中央部に高い城壁を備えたやや歪な円形の街である。
ちなみに現在居るのは西側の門で、都合が良いことに王都騎士団専用の建物に最も近い場所だ。都市に入る為にはここで騎士団員による審査を受けなければならない。
これは王都に暮らす住民も例外ではなく、全員が義務付けられている事だ。もっとも、人族以外の国家からの来訪者に比べれば簡便化された物になるのだが・・・
「はい、通過して良いですよ。次の方、どうぞー」
そうこうする内に、リク達の一団が案内される。次々と身分を証明する物を提示し、商人達は中へと進む許可を得て都市へと入っていく。
リク達も自分の荷物を背負い直し、その後へと続き・・・自分達の身分を証明する為に、とラルフとエリスが用意してくれた『紹介状』を提出する。
「リク・ガーディ、シルヴィア・セルフィード。ライラックの村の出身で、アカデミー入学試験の為に来ました。これ、紹介状です」
「はい、リク・ガーディさんとシルヴィア・セルフィードさん。ライラックの村の方ですね?では、拝見し・・・ま!?」
「・・・?・・・え、えっと。何か不手際がありましたか?」
代表してリクが自分達の素性を名乗り、丁寧な動きで紹介状を騎士団員へと手渡す。笑顔でそれを受け取り、リクの言葉を規則通りに復唱していた騎士だったが・・・中身を見た途端に固まってしまった。その様子を見たシルヴィアは不安そうに訪ねるのだが、騎士は細かく震え出してしまう。
「・・・間違い無い。サインも本物だし、大体魔具の便箋なんて物を使う人なんて他に心当たりも無い・・・き、君達!」
「はい、何ですか?」
「・・・ランドルフ様とエリシエル様の関係者、なのかい?」
「父と母が何か?」
「私にとってはお師匠様、かな?・・・『ロイとメルと同様に親と思え!』って言われてるけれど・・・」
「!!!!!!」
血相を変え、受付台から身を乗り出すようにして問いかけてくる騎士に、リクとシルヴィアが答える。
時々聞くことがある、師匠達の『昔の名前』だ。別に隠す様な事では無いと思う二人は、あっさり自分達とラルフ達の関係を話したのだが、騎士団員は軽いパニックに陥ったのか、慌てふためいていた。
これはどうしたものか、と二人が悩み始めた時・・・奥から聞き覚えのある声が響く。
「何を騒いでいる?尊敬する恐ろしい名前が二人分聞こえてきたんだが・・・」
「こ、これは副団長!!・・・失礼しました。このお二方がですね・・・」
「あ!オリバーおじさん!!」
「なんだ、リクとシルヴィアじゃないか。久しぶりだな!二人とも!!・・・師匠達はお元気か?」
騒動を聞きつけたらしく、騎士団員に何事かと問い掛けたのはリク達も見知った顔・・・エリスに言わせれば『ハゲのヒゲ』こと、王都騎士団のオリバーである。
ジロリとまだ若手の騎士団員を一目見た後、目線を向けてきたオリバーはリクとシルヴィアの顔を見るなり、その強面を崩しニッコリと笑った。普通にしているより怖い顔になったとか言ってはいけない。
リク達二人とオリバーが初めて会ったのは10歳の時。あの『ガル・キマイラ討伐戦』の折りの事だった。
ヒヨッコの騎士団員達を助けるべく、駆け付けてきたのが当時騎士団の指導教官を務めていたオリバーだ。
その人物が今では王都騎士団のナンバー2・・・副団長に出世していたのだった。何でも、あれ以来超のつくスパルタな指導で、幾人もの優秀な騎士団員を育て上げた功績を認められたらしい。
「最近全然村に来なかったじゃん、おじさん。はいこれ、ハルバーさんから預かって来たおじさんの大戦斧。派手に壊すな!って怒ってたよ?」
「はっはっは・・・兄貴には怒られてばっかりだな。とはいえ、兄貴の作る武器でないとどうもしっくり来なくてな。助かったよ、リク」
「それからこっちは・・・セルフィード薬品店からです。高位回復薬50本、ご注文の品になりますっ」
「おお、シルヴィアもありがとう。魔物討伐での怪我人が多くてな。ロイさんにもお礼の手紙を送っておくよ」
「・・・すげぇ・・・あの鬼の副団長と普通に談笑してるよ・・・」
話が長くなりそうなので、オリバーは二人を騎士団の詰め所へと案内し、リクとシルヴィアは、それぞれの預かり物を収納用魔具から取り出し、オリバーへと手渡す。
兄貴、と言うようにライラックの村の鍛冶屋・ハルバーはオリバーの兄であり、年に一度か二度王国内の巡回で村を立ち寄る際には、オッサン同士のむさくるしい抱擁をリク達は見せられてきたのだ。
離れていても兄弟仲は良いのだが、オリバーがよく自分の作った武器を破損させる事には、渋い顔をしているハルバーからの伝言は結構堪えたらしい。
高位回復薬を一本ずつ確認しつつ、オリバーはスキンヘッドの頭を掻きつつリク達に礼を述べるのだった。
誰もが尊敬し、そして恐れる副団長と普通に会話している二人の姿に、若手の騎士団員はただただ驚く。あんな副団長見た事が無い、と。
「成程なぁ。お前達も成人したのか・・・それで、アカデミーを受験する為に来たって訳だ。何か手伝える事はあるか?」
「それなんですけど・・・エリスおば様から、住む場所は用意してあるから場所はオリバーさんに聞け!って言われて・・・」
「エリシ・・・コホン。エリス様も無茶振りをしてくれるなあ。場所は知ってるが、俺もそうそう自由に出歩ける立場でもないんだよ」
「だよね。母さんって、ホント無茶苦茶だから・・・なんかゴメン」
シルヴィアが事の次第を説明すると、オリバーは困った顔になった。自分が案内してやりたいのは山々だが、副団長としての業務はかなり忙しい様で時間が割けないのだそうだ。
恐らくそれを承知の上で、エリスは『案内しろ』と言うように仕向けたのだろう、と推測するリクは思わずオリバーに謝る。
「いや、お前達のせいじゃないから・・・そうだ!おい、そこのお前。悪いがアリシアとヒルダを呼んで来てくれ。大至急だ!」
「は?・・・・は、はい!!直ちに!!」
困り顔のままリクに手をひらひらと振り、謝る必要が無い事を口にするオリバーだったが、突然妙案を思いついたのか、固まっていた若手団員に声を掛ける。
指示を受け、慌てて飛び出していく騎士の背中を、呆然と見つめるリクとシルヴィア。二人のその様子を見たオリバーは再び笑顔に戻った。
「俺は動けないが、丁度これから暇が出来る奴等が居たのを思い出した。お前達は・・・覚えているかな?」
「・・・俺とシルが知ってる人って事?」
「ああ。お前達は命の恩人、って事になるんだがな。・・・あれから5年。早いもんだな」
二人が知っている、という人物。5年前という事は『ガル・キマイラ討伐戦』の時の騎士の誰かだろう、とまでは分かるのだが・・・
リクとシルヴィアは、思わぬ再会を果たす事になる二人の人物の事を顔を見合わせて考えるのであった。
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