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第二章 アルメリアでの私の日々
飛行授業(2)
「貴女のことは存じ上げています。ソルリアから来たアタナシア・ラスター様ですよね。ギルバート殿下の婚約者様」
大輪の花が咲くような笑みを浮かべて。異性が向けられれば一発で落ちてしまうであろう。
だって同性の私でさえドキンとしてしまう。
「わたくし、シェリル・ハウエル。ハウエル公爵家の者です」
ぺこりと頭を下げられ、つられて私も軽く会釈した。
「これでよろしいですか?」
「もう一つだけ、お尋ねしても……?」
「答えられる範囲なら」
すうっと息を吸って心を落ち着かせてから口を開いた。
「──ジェラルド様とのご関係は?」
シェリル様はぱちぱち瞬きしながらこてんと首を傾けた。
「どこにでもいる幼なじみですよ。至って平凡な関係ですけど」
(なのにジェリーだなんて。よくマーガレット王女の前で言えるわね)
口まで出かかるもやもやを飲み込む。幼なじみなら、婚約者が居ても愛称を呼び合っていいのだろうか。私はそうは思わない。
「……そうですかありがとうございます」
「では今度こそ失礼しますね」
にこやかにシェリル様はジェラルド様の元に戻り、先に行ってしまった。
「……何っなんですの! 仮にもまだ婚約者ですのに! 心配する素振りも見せないで最低ですわ!」
二人の姿が点になるほど離れ、エリザベス様は憤りを露わにする。
「わたくし、あの方も嫌いですわ。幼なじみだとかなんだとか盾にして。空気も読まずにタチ悪いんですの! ベタベタくっついて! 嫌いです! キライ!」
ふんっと鼻を鳴らたエリザベス様と共に、私は先生にマーガレット王女の体調不良を報告する。
「貴女達も心配だろう。早く医務室に行ってあげなさい」
そう言われてエリザベス様と一緒に向かおうとしたのだけれど、エリザベス様のクラスメイトが声をかけてきて、彼女は大泣きしながら連れていかれてしまった。
なので私だけで医務室のドアをノックする。
「はーい」
若い女の人の声が返ってくる。多分医務室の先生だろう。
「あの、マーガレット王女はいらっしゃいますか?」
ドアを開けると医務室特有のツンっとした薬品の匂いがした。
「ちょうど起きたところよ。こちらにおいで」
優しく迎え入れてくれた先生は複数台あるベッドのいちばん奥に案内してくれた。
そこで寝ていたマーガレット王女は、私と目が合うと体を半分起こした。彼女は髪を下ろしていて、髪留めがサイドテーブルに置かれていた。
「一時的に魔力が欠乏したみたいなの。お兄様に魔力を分けてもらって回復したわ。心配かけてごめんなさいね」
そばにある椅子に座るよう促される。
「もしかしてなのですが、眠れて……ないのですか?」
魔力欠乏の原因のひとつが「寝不足」だ。
寝不足のせいで使った魔力分を回復出来ず、本来保持する魔力より少ない量で一日が始まることがある。単発の魔法なら一回でどっと減るので気付きやすいが、今日は継続的に魔力を使う浮遊魔法だったから、枯渇しつつあることに気が付かなかったのだろう。
とはいえ、それほど大量の魔力を扱うわけではないので、浮遊魔法のみで欠乏するかは疑問が残るところだが。よほど残存量が少なかったのだろう。
「……昨日、夜遅くまで起きていたの」
弱々しく笑う。
「体調管理はきちんとしてくださいね。運ばれてきた時、魔力からっぽでしたよ」
海を思わせる青色の液体をコップに注ぎ、医務室の先生はマーガレット王女のベッドの周りに張られていたカーテンを開ける。
「魔力の回復速度を早める薬草茶。苦いけど飲んでね」
お礼を言って受け取り、マーガレット王女は一気に飲み干した。
「に、にがい」
すぐさまサイドテーブルに置かれていた水をごくごく飲む。それでもまだ口内には苦味が残っているようだ。顔が険しくなっている。
「文句も言わずに飲むなんてお利口さん。ご褒美よ」
そんな彼女の顔を見て先生はぷっと吹き出し、蜂蜜を溶かしたあまーいお茶と、蔦の模様が可愛い小皿を二枚置き、クッキーをその上に乗せた。
「私も頂いていいのですか?」
「もちろん。運動でお腹すいているでしょう」
「ありがとうございます!」
薔薇型の赤いクッキーを手に取る。齧るとサクッとしていて、薔薇の匂いが口の中を支配した。エキスを生地に塗り込んでいるのだろう。
「とっても美味しいです」
瞳を輝かせて感想を述べると、先生は嬉しそうに笑う。
「良かった。実はね、私が作ったのよ」
「先生が!? 凄いです!」
「ありがとう~。マーガレット王女様は念の為もう少しベッドで休んでね。私は薬の整理に戻るから、何かあったら呼んで」
「はい。ご迷惑おかけしました」
「迷惑だなんてそんなことないのよ。これが私の仕事だからね」
先生はそう言って引っ込んでいった。
そのままのんびりお茶を飲んでいると私はあることに気がつく。
「あれ? マーレそんなところにアザありました?」
ぽつんと首筋に親指くらいの大きさのものが。指摘すれば、マーガレット王女が手で覆う。
「何も無いわよ」
手が退くと、ほっそりとした首筋からアザのようなものは消えていた。蔦のようなイバラのようなものが見えたと思ったのだが。
(うーん私も疲れてるのかしら)
目を擦る。私も昨日、ちょこっと夜更かししていたのだ。
「気の所為だったみたいです。ところで、マーレは部屋に戻りますか?」
「そうね。万全ではないから……午後はお休みするわ。出席したらお兄様がそれこそ怒るだろうし。さっきまでこってり絞られちゃった」
カップを両手で持ちながら彼女は苦笑する。
「じゃあ私もマーレと一緒に部屋に戻ります。先程口頭で連絡がありまして、午後は先生の体調不良で休校なんですよ」
「そうなの?」
「ええ。部屋でのんびりしましょ!」
提案にゆっくり頷いてマーガレット王女は小さく欠伸する。
「もう一眠りしますか?」
魔力が欠乏している人は眠気も来るのだという。魔力を回復するために、身体が強制的に休ませようとするらしい。
「……ちょこっとだけ寝てもいいかしら」
「どうぞ私の事なんてお構いなく。また後で迎えに来ますね」
「お願い」
私の気配が邪魔になってもあれなので、頭を下げて一旦医務室を退出した。
◇◇◇
微かな音がして医務室のドアが開かれる。入ってきた人物は足音を消して、ある一台のベッドの前で止まる。
そこにはすやすや無防備に眠るマーガレットがいて。ベッドに広がる金髪のひと房を手に取った。
「……ごめん」
謝罪の言葉を口にし、髪から手を離した。
「あら、貴方も来たの?」
「あはは、すみません。手を怪我してしまったので」
訪問者は擦り傷のある手のひらを見せる。
「今日は多いわね~。手当てするからこっち座って」
大輪の花が咲くような笑みを浮かべて。異性が向けられれば一発で落ちてしまうであろう。
だって同性の私でさえドキンとしてしまう。
「わたくし、シェリル・ハウエル。ハウエル公爵家の者です」
ぺこりと頭を下げられ、つられて私も軽く会釈した。
「これでよろしいですか?」
「もう一つだけ、お尋ねしても……?」
「答えられる範囲なら」
すうっと息を吸って心を落ち着かせてから口を開いた。
「──ジェラルド様とのご関係は?」
シェリル様はぱちぱち瞬きしながらこてんと首を傾けた。
「どこにでもいる幼なじみですよ。至って平凡な関係ですけど」
(なのにジェリーだなんて。よくマーガレット王女の前で言えるわね)
口まで出かかるもやもやを飲み込む。幼なじみなら、婚約者が居ても愛称を呼び合っていいのだろうか。私はそうは思わない。
「……そうですかありがとうございます」
「では今度こそ失礼しますね」
にこやかにシェリル様はジェラルド様の元に戻り、先に行ってしまった。
「……何っなんですの! 仮にもまだ婚約者ですのに! 心配する素振りも見せないで最低ですわ!」
二人の姿が点になるほど離れ、エリザベス様は憤りを露わにする。
「わたくし、あの方も嫌いですわ。幼なじみだとかなんだとか盾にして。空気も読まずにタチ悪いんですの! ベタベタくっついて! 嫌いです! キライ!」
ふんっと鼻を鳴らたエリザベス様と共に、私は先生にマーガレット王女の体調不良を報告する。
「貴女達も心配だろう。早く医務室に行ってあげなさい」
そう言われてエリザベス様と一緒に向かおうとしたのだけれど、エリザベス様のクラスメイトが声をかけてきて、彼女は大泣きしながら連れていかれてしまった。
なので私だけで医務室のドアをノックする。
「はーい」
若い女の人の声が返ってくる。多分医務室の先生だろう。
「あの、マーガレット王女はいらっしゃいますか?」
ドアを開けると医務室特有のツンっとした薬品の匂いがした。
「ちょうど起きたところよ。こちらにおいで」
優しく迎え入れてくれた先生は複数台あるベッドのいちばん奥に案内してくれた。
そこで寝ていたマーガレット王女は、私と目が合うと体を半分起こした。彼女は髪を下ろしていて、髪留めがサイドテーブルに置かれていた。
「一時的に魔力が欠乏したみたいなの。お兄様に魔力を分けてもらって回復したわ。心配かけてごめんなさいね」
そばにある椅子に座るよう促される。
「もしかしてなのですが、眠れて……ないのですか?」
魔力欠乏の原因のひとつが「寝不足」だ。
寝不足のせいで使った魔力分を回復出来ず、本来保持する魔力より少ない量で一日が始まることがある。単発の魔法なら一回でどっと減るので気付きやすいが、今日は継続的に魔力を使う浮遊魔法だったから、枯渇しつつあることに気が付かなかったのだろう。
とはいえ、それほど大量の魔力を扱うわけではないので、浮遊魔法のみで欠乏するかは疑問が残るところだが。よほど残存量が少なかったのだろう。
「……昨日、夜遅くまで起きていたの」
弱々しく笑う。
「体調管理はきちんとしてくださいね。運ばれてきた時、魔力からっぽでしたよ」
海を思わせる青色の液体をコップに注ぎ、医務室の先生はマーガレット王女のベッドの周りに張られていたカーテンを開ける。
「魔力の回復速度を早める薬草茶。苦いけど飲んでね」
お礼を言って受け取り、マーガレット王女は一気に飲み干した。
「に、にがい」
すぐさまサイドテーブルに置かれていた水をごくごく飲む。それでもまだ口内には苦味が残っているようだ。顔が険しくなっている。
「文句も言わずに飲むなんてお利口さん。ご褒美よ」
そんな彼女の顔を見て先生はぷっと吹き出し、蜂蜜を溶かしたあまーいお茶と、蔦の模様が可愛い小皿を二枚置き、クッキーをその上に乗せた。
「私も頂いていいのですか?」
「もちろん。運動でお腹すいているでしょう」
「ありがとうございます!」
薔薇型の赤いクッキーを手に取る。齧るとサクッとしていて、薔薇の匂いが口の中を支配した。エキスを生地に塗り込んでいるのだろう。
「とっても美味しいです」
瞳を輝かせて感想を述べると、先生は嬉しそうに笑う。
「良かった。実はね、私が作ったのよ」
「先生が!? 凄いです!」
「ありがとう~。マーガレット王女様は念の為もう少しベッドで休んでね。私は薬の整理に戻るから、何かあったら呼んで」
「はい。ご迷惑おかけしました」
「迷惑だなんてそんなことないのよ。これが私の仕事だからね」
先生はそう言って引っ込んでいった。
そのままのんびりお茶を飲んでいると私はあることに気がつく。
「あれ? マーレそんなところにアザありました?」
ぽつんと首筋に親指くらいの大きさのものが。指摘すれば、マーガレット王女が手で覆う。
「何も無いわよ」
手が退くと、ほっそりとした首筋からアザのようなものは消えていた。蔦のようなイバラのようなものが見えたと思ったのだが。
(うーん私も疲れてるのかしら)
目を擦る。私も昨日、ちょこっと夜更かししていたのだ。
「気の所為だったみたいです。ところで、マーレは部屋に戻りますか?」
「そうね。万全ではないから……午後はお休みするわ。出席したらお兄様がそれこそ怒るだろうし。さっきまでこってり絞られちゃった」
カップを両手で持ちながら彼女は苦笑する。
「じゃあ私もマーレと一緒に部屋に戻ります。先程口頭で連絡がありまして、午後は先生の体調不良で休校なんですよ」
「そうなの?」
「ええ。部屋でのんびりしましょ!」
提案にゆっくり頷いてマーガレット王女は小さく欠伸する。
「もう一眠りしますか?」
魔力が欠乏している人は眠気も来るのだという。魔力を回復するために、身体が強制的に休ませようとするらしい。
「……ちょこっとだけ寝てもいいかしら」
「どうぞ私の事なんてお構いなく。また後で迎えに来ますね」
「お願い」
私の気配が邪魔になってもあれなので、頭を下げて一旦医務室を退出した。
◇◇◇
微かな音がして医務室のドアが開かれる。入ってきた人物は足音を消して、ある一台のベッドの前で止まる。
そこにはすやすや無防備に眠るマーガレットがいて。ベッドに広がる金髪のひと房を手に取った。
「……ごめん」
謝罪の言葉を口にし、髪から手を離した。
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