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第三章 誰が為の
かけらを掴む(2)
「お待たせしました」
応接室に行くとギルバート殿下はちょうど侍女が淹れた紅茶に口をつけているところだった。彼は立ち上がって私の腕を取る。
どうやらそのままエントランスホールに戻るようで、手を引かれながら彼は笑顔で私を褒める。
「そのドレスもよく似合っているよ」
「ありがとうございます」
普段通りの殿下に調子が狂う。どうして彼は平然としているのだろうか。私はこんなにもモヤモヤとしているのに。
出かける馬車は彼が乗ってきたものだった。お忍びでやって来たつもりなのだろう。馬車の紋章は王家のものではなくて、偽装された紋章だった。それでも質の良い馬車であることは、分かる人には分かる外装だ。
こんなにも用意周到なのに、連絡を寄越さず我が家に押しかけてくるなんて、もう本当にギルバート殿下が何を考えているのか分からない。
馬車に乗り込んでもムスッとしていた私に、彼は苦笑いする。
「怒っているだろう」
「…………怒ってませんよ」
「その言葉に含まれた意味を読み取れないほど、私はシアに疎くないよ。何年そばにいると思っている?」
「なら、私がどうしてこのような態度なのかお分かりでしょう?」
馬車が動き出す。ガタンゴトンと車輪が回って振動が伝わってきた。車輪の音に負けないよう少し声を張り上げたのだが、聞こえにくいと判断したらしい。正面に座っていたギルバート殿下が私の横に腰掛ける。
殿下は苦笑しながら私の頭をぽんぽんと撫でた。
「そんなにリトルアナ子爵家のパーティーに参加したかったの?」
「もちろんです。そのために朝早くから準備をしていたのですよ!」
(……一度目と異なる展開に進んでいるから、一刻も早くローズと接触して殿下との進展具合を確認したかったのに)
──とそんなことを言えるはずもなく。表向きありそうな理由を述べた。
(まあチャンスはまだあるわ)
今回は駄目だったが、今後もリトルアナ家はパーティーを開くだろうし、他の家門が主催するパーティーにローズは参加するはずだ。彼女が参加するパーティーを調べて、出席すればいい。
(さすがにもう妨害されないわよね……?)
ちらりとギルバート殿下を見る。
「その分は私とのデートで活かせるじゃないか。それとも、私と会うのにめかしこむ必要はないと?」
「それとこれとは別です。そもそも、事前に連絡してくれればよかっただけです! そうしましたら私も予定を変更しました」
「だって、ギルの方が大切ですもの」と少し拗ねたように続けると、ギルバート殿下は目を瞬いて、一瞬だけ嬉しそうに顔を綻ばせる。その表情にチクリと胸が痛む。
「それについては本当にすまない。片付けなければならなかった政務がようやく一区切りついて、余裕ができたのが今朝だったんだ。明日からはまた別の政務が立て込んでいて、期間内で動ける日が今日しかなくて……それにもうひとつ、シアを連れて行きたいと思っていて確保した劇の席も今日の昼の回だったんだ」
彼は胸ポケットから2枚の紙を取り出した。私からは何も書かれていない裏側が見えていて、何なのか分からない。
「どの劇でしょう。定番は眠り姫ですけれど」
(今鑑賞可能な劇は何だったっけ)
殿下がふふんと得意げに差し出してきたチケットを手に取る。
「えっ!」
驚きでチケットとギルバート殿下を交互に見遣る。
「このチケット」
「シアが観たいって手紙に書いていただろう? 手に入れるの苦労したよ」
「ど、ど、どうやってですか!? 私、帰国する前からこのチケットを入手しようとあの手この手を使いましたが、全く手に入れられなくて諦めていましたのに!」
一瞬にしてローズの件が頭から吹っ飛び、ギルバート殿下の持つチケットに目を奪われる。甘すぎると言われてしまえばそれまでなのだが、悩んでいても現状解決しない問題と比べたら優先するべきなのは目の前のことだ。
差し出されたチケットを手に取り、書かれた座席位置に目を見開く。
「『祈りの果てのきみに』の特別公演、しかも特典付きのプレミアムボックス席!」
『祈りの果てのきみに』とはソルリアだけでなく、大陸中で大ヒットしている恋愛小説だ。新たな言語で翻訳される度にその国でヒットする──を繰り返している。
もちろん私も原作を読んで物の見事にハマったファンだ。
(この物語、恋愛ものの中では珍しく男主人公なのよね)
一言で内容を説明するならば、恋人を死に追いやった男主人公が、贖罪として何度もループを繰り返してどうにか恋人を幸せに導こうとする恋愛小説。
男主人公の恋愛ものという切り口が新しく、一度目の生では最低なことをした主人公だが、自分の命を顧みず恋人の幸せを願って何度もやり直しの人生を送るその健気さに心打たれるのだ。
そんな大ヒット小説が劇になるということで、小説のファンが殺到し、お金を積んでもチケットが取れない状態になっていた。
(中でも特典付きのチケットは幻とまで言われているのに)
原作者のサイン入り台本ということで希少価値が高く、手に入れたと自慢する人の噂を聞くたびに、羨ましくて仕方なかった。
(…………手に入れるのは苦労したでしょうに。殿下が一人で鑑賞しに行くような劇ではないし、真に私のためだわ)
まるでローズとの対面を防ぐかのように来られたので疑ってしまったが、ギルバート殿下は純粋にお忙しくてギリギリまで来れるかどうか分からず、手配の難しさも相まって私に伝えるのも直前になってしまったに違いない。
チケットを手にして満面の笑みを浮かべていたと思う。年相応ではないはしゃぎ方をしていたが、そんな私を見てギルバート殿下は緩やかに目を細める。
「シアの喜んでいる顔が見れてよかったよ」
そこでふと疑問が浮かぶ。
「動きやすい服装で……とのことでしたが、目的地は劇場ですよね? この服装では少し劣ってしまうのでは」
殿下に言われて歩きやすいドレスにしたのだが、劇を鑑賞するならば他の貴族達もいる。彼らにこのような服装を見られるのは殿下の婚約者としても劣った娘だと言われかねない。どうしたって周りと比べると浮いてしまう。
それは殿下も同じだ。彼も私と同様、比較的ラフな格好でギルバート殿下の身元を事前に知らなければ、王子だとは分かりにくい服装だった。
「実は観劇の後に寄りたい場所があってね。今日の主目的は観劇の後に行く場所だ。歩くことになるだろうから質素な装いの方が動きやすい。だから今日はあえてこの格好にしてもらった。それに舞台の座席も周りから仕切られているからね。服装についてはあまり気にしなくても平気だろう」
「ですが……観劇後に着替えてから向かえばよろしいのでは? それとも戻る時間もないくらい遠い場所に行くのですか?」
「いや、劇場からは近い居場所だ。劇場に入る前にこれを使うから、服装についてそんなに心配しなくて平気だよ」
そう言って、殿下はポケットからイヤーカフを取り出した。
「魔具ですか?」
イヤーカフから魔力が漏れ出ている。
「そう。見た目を一時的に変える魔具だ。最近手に入れてね。便利な物でよく重宝している」
手のひらに乗ったその魔具は、真ん中に埋め込まれた宝石が角度によって光を反射し、虹色にきらめいて見える。見た目はシンプルなのに、とても高機能らしい。
(アルメリアでアレクシス殿下が改良された魔具と性能が似ているわ)
あちらは指輪型で5人まで同時使用可能、装着者同士は見た目の変化に巻き込まれないという性能が付随していたが。
ギルバート殿下が試しに耳に装着して魔力を込めると、瞳と髪色が変化した。確かにこれなら顔見知りに遭遇しても殿下だと気づかれないだろう。
そう思い、私もイヤーカフを耳につけたのだった。
***
お久しぶりです。更新滞っていてすみません。
下半期は更新頻度増えると思います。
今後もどうぞよろしくお願いいたします。
応接室に行くとギルバート殿下はちょうど侍女が淹れた紅茶に口をつけているところだった。彼は立ち上がって私の腕を取る。
どうやらそのままエントランスホールに戻るようで、手を引かれながら彼は笑顔で私を褒める。
「そのドレスもよく似合っているよ」
「ありがとうございます」
普段通りの殿下に調子が狂う。どうして彼は平然としているのだろうか。私はこんなにもモヤモヤとしているのに。
出かける馬車は彼が乗ってきたものだった。お忍びでやって来たつもりなのだろう。馬車の紋章は王家のものではなくて、偽装された紋章だった。それでも質の良い馬車であることは、分かる人には分かる外装だ。
こんなにも用意周到なのに、連絡を寄越さず我が家に押しかけてくるなんて、もう本当にギルバート殿下が何を考えているのか分からない。
馬車に乗り込んでもムスッとしていた私に、彼は苦笑いする。
「怒っているだろう」
「…………怒ってませんよ」
「その言葉に含まれた意味を読み取れないほど、私はシアに疎くないよ。何年そばにいると思っている?」
「なら、私がどうしてこのような態度なのかお分かりでしょう?」
馬車が動き出す。ガタンゴトンと車輪が回って振動が伝わってきた。車輪の音に負けないよう少し声を張り上げたのだが、聞こえにくいと判断したらしい。正面に座っていたギルバート殿下が私の横に腰掛ける。
殿下は苦笑しながら私の頭をぽんぽんと撫でた。
「そんなにリトルアナ子爵家のパーティーに参加したかったの?」
「もちろんです。そのために朝早くから準備をしていたのですよ!」
(……一度目と異なる展開に進んでいるから、一刻も早くローズと接触して殿下との進展具合を確認したかったのに)
──とそんなことを言えるはずもなく。表向きありそうな理由を述べた。
(まあチャンスはまだあるわ)
今回は駄目だったが、今後もリトルアナ家はパーティーを開くだろうし、他の家門が主催するパーティーにローズは参加するはずだ。彼女が参加するパーティーを調べて、出席すればいい。
(さすがにもう妨害されないわよね……?)
ちらりとギルバート殿下を見る。
「その分は私とのデートで活かせるじゃないか。それとも、私と会うのにめかしこむ必要はないと?」
「それとこれとは別です。そもそも、事前に連絡してくれればよかっただけです! そうしましたら私も予定を変更しました」
「だって、ギルの方が大切ですもの」と少し拗ねたように続けると、ギルバート殿下は目を瞬いて、一瞬だけ嬉しそうに顔を綻ばせる。その表情にチクリと胸が痛む。
「それについては本当にすまない。片付けなければならなかった政務がようやく一区切りついて、余裕ができたのが今朝だったんだ。明日からはまた別の政務が立て込んでいて、期間内で動ける日が今日しかなくて……それにもうひとつ、シアを連れて行きたいと思っていて確保した劇の席も今日の昼の回だったんだ」
彼は胸ポケットから2枚の紙を取り出した。私からは何も書かれていない裏側が見えていて、何なのか分からない。
「どの劇でしょう。定番は眠り姫ですけれど」
(今鑑賞可能な劇は何だったっけ)
殿下がふふんと得意げに差し出してきたチケットを手に取る。
「えっ!」
驚きでチケットとギルバート殿下を交互に見遣る。
「このチケット」
「シアが観たいって手紙に書いていただろう? 手に入れるの苦労したよ」
「ど、ど、どうやってですか!? 私、帰国する前からこのチケットを入手しようとあの手この手を使いましたが、全く手に入れられなくて諦めていましたのに!」
一瞬にしてローズの件が頭から吹っ飛び、ギルバート殿下の持つチケットに目を奪われる。甘すぎると言われてしまえばそれまでなのだが、悩んでいても現状解決しない問題と比べたら優先するべきなのは目の前のことだ。
差し出されたチケットを手に取り、書かれた座席位置に目を見開く。
「『祈りの果てのきみに』の特別公演、しかも特典付きのプレミアムボックス席!」
『祈りの果てのきみに』とはソルリアだけでなく、大陸中で大ヒットしている恋愛小説だ。新たな言語で翻訳される度にその国でヒットする──を繰り返している。
もちろん私も原作を読んで物の見事にハマったファンだ。
(この物語、恋愛ものの中では珍しく男主人公なのよね)
一言で内容を説明するならば、恋人を死に追いやった男主人公が、贖罪として何度もループを繰り返してどうにか恋人を幸せに導こうとする恋愛小説。
男主人公の恋愛ものという切り口が新しく、一度目の生では最低なことをした主人公だが、自分の命を顧みず恋人の幸せを願って何度もやり直しの人生を送るその健気さに心打たれるのだ。
そんな大ヒット小説が劇になるということで、小説のファンが殺到し、お金を積んでもチケットが取れない状態になっていた。
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チケットを手にして満面の笑みを浮かべていたと思う。年相応ではないはしゃぎ方をしていたが、そんな私を見てギルバート殿下は緩やかに目を細める。
「シアの喜んでいる顔が見れてよかったよ」
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「動きやすい服装で……とのことでしたが、目的地は劇場ですよね? この服装では少し劣ってしまうのでは」
殿下に言われて歩きやすいドレスにしたのだが、劇を鑑賞するならば他の貴族達もいる。彼らにこのような服装を見られるのは殿下の婚約者としても劣った娘だと言われかねない。どうしたって周りと比べると浮いてしまう。
それは殿下も同じだ。彼も私と同様、比較的ラフな格好でギルバート殿下の身元を事前に知らなければ、王子だとは分かりにくい服装だった。
「実は観劇の後に寄りたい場所があってね。今日の主目的は観劇の後に行く場所だ。歩くことになるだろうから質素な装いの方が動きやすい。だから今日はあえてこの格好にしてもらった。それに舞台の座席も周りから仕切られているからね。服装についてはあまり気にしなくても平気だろう」
「ですが……観劇後に着替えてから向かえばよろしいのでは? それとも戻る時間もないくらい遠い場所に行くのですか?」
「いや、劇場からは近い居場所だ。劇場に入る前にこれを使うから、服装についてそんなに心配しなくて平気だよ」
そう言って、殿下はポケットからイヤーカフを取り出した。
「魔具ですか?」
イヤーカフから魔力が漏れ出ている。
「そう。見た目を一時的に変える魔具だ。最近手に入れてね。便利な物でよく重宝している」
手のひらに乗ったその魔具は、真ん中に埋め込まれた宝石が角度によって光を反射し、虹色にきらめいて見える。見た目はシンプルなのに、とても高機能らしい。
(アルメリアでアレクシス殿下が改良された魔具と性能が似ているわ)
あちらは指輪型で5人まで同時使用可能、装着者同士は見た目の変化に巻き込まれないという性能が付随していたが。
ギルバート殿下が試しに耳に装着して魔力を込めると、瞳と髪色が変化した。確かにこれなら顔見知りに遭遇しても殿下だと気づかれないだろう。
そう思い、私もイヤーカフを耳につけたのだった。
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