32 / 38
Take the devil 17
しおりを挟む「ブレイク!!」
その言葉で四方を囲っていた土壁が崩れ砂埃が舞う。
男は台上に刺してあった刀を仕舞いマシンガンを取り出した。
このマシンガンもチートアイテムでどれほど撃っても弾はなくなることが無く、弾は普通の銃弾と着弾すれば破裂するバルカン弾に切り替えが可能だった。
そして、銃口の下にはグレネードや照明弾が発射できるようになっていた。
「お前ら! これから終わりの始まりだ!! 俺からのプレゼントだ! 真の恐怖を味あわせてやる!
出て来い!! 召喚! デビルロード!!」
男が左腕を前に突き出すと二つの召喚紋が浮かび上がり眩い光を発する。
二つの召喚紋から人型のシルエットが浮かび上がる。
一つは痩せ型、もう一つはあんこ型をしていた。
召喚紋が光り終わり全形がはっきり分かる。
身長に比べ明かに腕が長く爪が異様に発達していた。
痩せ型は長く、あんこ型は異様に太く。
唇は血の色よりも赤く切れ上がっていた。
そして背中には黒く大きな翼が生えていた。
「クハーーーーーーー!!」
「キエーーーーーーー!!」
2匹の悪魔が雄たけびを上げる。
「うわーーー悪魔!」
「悪魔だーーーーーーーーーーー!」
ギロチン台の周りにいた兵士たちが驚きの声を上げ蜘蛛の子を散らすように逃げ出す。
ダダダダダダダダダダダーン!
男は逃げ惑う兵士たちへ向けマシンガンを掃射した。
「デブー! ガーリ! オペレーションZだ!! 遠慮するな!!」
「ヒャッハーーー!!」
「ヒー ハッ!!」
2匹の悪魔が奇声を発しながら男の声に反応する。
「さすが、アニキ!! 太っ腹!!」
「お譲と違って情け容赦ないっすなー!!」
男が言った『オペレーションZ』とは皆殺しの隠語だった。
そこにいるすべての生物を排除。
民間人だろうが、女子供だろうが関係なかった。
すべてを排除せよ!と言う絶対命令であった。
2匹の悪魔は心行くまで殺戮を繰り返す。
「アニキ、キレまくりだな!」
「相当、ヘルザイムをヤラレて怒っていたんだろうな」
「こんなにキレたのは久しぶりだな! 何年ぶりだ?」
「千年? 2,3千年くらい経ってんるんじゃ無いか?」
「遠慮なく暴れられるのは気持ちいいねーー!!
「お譲じゃ許してくれなかったからな~」
『お譲』と言うのは男の妹で、とある世界を幾度となく救った『伝説の勇者』であった。
「アニキは気前がいいからな~」
「何もすることなく暇だったがアニキに付いて来て正解だったな」
デブーとガーリが話すたびに死体の山が出来上がっていった。
^-^-^-^-^-^-^-^-^-^
「ライザ様!! ライザ様は何処に!!」
ペンザは時計台に到着するなり声を上げた。
「ペンザ! 良かった! 怪我は?」
と物陰からライザが出てきてペンザに飛びついた。
「ペンザ様。魔王様をお守りできずに申し訳ございません」
「うんうん。ペンザこそ死にそうになりながらパパのために戦ってくれてありがとう」
「もったいなきお言葉!」
「ペンザ卿! ご無事で」
「サイサリーか! お前も俺なんか置いて逃げれば良かったものを・・・・・・」
「ライザ様! 早くここから逃げましょう! シロ・ブルーノがゼンセン城の跡地まで逃げろと」
「そうね!」
とライザが答えた瞬間、4人の兵士が時計塔の部屋の中へ突入してきたかと思うと巨体のペンザに斬りかかった。
4人が代わる代わる入り口に背を向けていたペンザは一方的に斬りつけられた。
「ペンザ!」 「ペンザ卿!」
ペンザは何事も無かったかのように振り向くと両手に持つアダマンタイトの棍棒で兵士たちを殴りつけ吹き飛ばした。
「ペンザ! 大丈夫なの?」
「このローブ、シロの着ていたローブのおかげで傷一つございません」
「さぁ~ライザ様!早く脱出しましょう!」
サイサリーの声で部屋を飛び出て時計塔の螺旋階段を下りる。
幾人かの兵士と階段で行き会うがペンザがすべてを排除していく。
ライザたちが時計塔から出ると広場の方では、ダダダダーン! ダダダーン!と言う聞いたことの無い音が響く。王国の兵士たちが魂を抜かれたように倒れていく。
「殺されるーーー!「逃げろーーー!」
10人ほどの兵士が死に物狂いの形相でこちらへやって来る。
「逃がさねーーよ!」
何者かの声のあと10人の兵士が次々に倒れていく。
何が起こったか分からなかったが倒れた者たちが二度と動くことはないだろうとライザたちは本能的に感じた。
視線を前に戻すと見たことの無い太った翼の生えた悪魔が立っていた。
ペンザは咄嗟に2本の棍棒を構えた。
アンコ型の悪魔は太い爪の先をぺろぺろと舐めながらペンザを見た。
「うん!? ペンギン! なぜ、お前ごときがロゼ様のローブを着ているんだ!」
と太く短めな爪でペンザを指す。
ペンザはライザとサイサリーを自分の後ろに下がらせ
「お逃げください。こいつは危険です。私が時間を稼いでいる間にお逃げください。
サイサリー! ライザ様を頼む!」
「ぺ、ペンザ卿!・・・・分かりました。ご武運を!」
と言うとサイサリーはライザの手を引っ張り走り去ろうとしたとき
「あん? お前、アニキが話していたペンゴの息子か?」
ライザはその声に聴き覚えがあった。
「待ってサイサリー!」
と言うと立ち止まり振り返りながら
「デブー?」
その声に太った悪魔はペンザ越しに二人の少女を見た。
「ライザか!」
「あなたは何やってるのよ!?」
「皆殺し!」
とデブーは楽しそうに即答した。
「アニキの命令だ。そうとう頭に来ているみたいだな」
と男のいる方へ振り返ると、男はギロチン台の上で囲まれ兵士たちの剣が男を突き刺すのが見えた。
「キャーーー!」
ライザは手を口にやり驚く。
兵士たちが男の周りから離れると突き刺しになった男がゆっくりと膝から崩れ落ちた。
「あぁ~あ! アニキ、何回目だ? 乱戦は乱戦の戦い方があるからな~ もっと高いところに行かないとダメだな」
デブーは他人事のように言った。
男の遺体が消えると今度はギロチン台の上に出現し、左手を前に出すと空中にいくつもの足場が出現しピョンピョンと移りながら場所を変えた。
「おっ、考えたね。マシンガンがあれば上空からの攻撃が有効だからな~」
とボソボソと口にしていた。
再度、ライザたちのほうへ振り向くと
「おい!ペンギン! ロゼ様のローブを汚すんじゃねーぞ!! いいな!
分かったらさっさと行け!」
と手払いをした。
0
あなたにおすすめの小説
【魔女ローゼマリー伝説】~5歳で存在を忘れられた元王女の私だけど、自称美少女天才魔女として世界を救うために冒険したいと思います!~
ハムえっぐ
ファンタジー
かつて魔族が降臨し、7人の英雄によって平和がもたらされた大陸。その一国、ベルガー王国で物語は始まる。
王国の第一王女ローゼマリーは、5歳の誕生日の夜、幸せな時間のさなかに王宮を襲撃され、目の前で両親である国王夫妻を「漆黒の剣を持つ謎の黒髪の女」に殺害される。母が最後の力で放った転移魔法と「魔女ディルを頼れ」という遺言によりローゼマリーは辛くも死地を脱した。
15歳になったローゼは師ディルと別れ、両親の仇である黒髪の女を探し出すため、そして悪政により荒廃しつつある祖国の現状を確かめるため旅立つ。
国境の街ビオレールで冒険者として活動を始めたローゼは、運命的な出会いを果たす。因縁の仇と同じ黒髪と漆黒の剣を持つ少年傭兵リョウ。自由奔放で可愛いが、何か秘密を抱えていそうなエルフの美少女ベレニス。クセの強い仲間たちと共にローゼの新たな人生が動き出す。
これは王女の身分を失った最強天才魔女ローゼが、復讐の誓いを胸に仲間たちとの絆を育みながら、王国の闇や自らの運命に立ち向かう物語。友情、復讐、恋愛、魔法、剣戟、謀略が織りなす、ダークファンタジー英雄譚が、今、幕を開ける。
莫大な遺産を相続したら異世界でスローライフを楽しむ
翔千
ファンタジー
小鳥遊 紅音は働く28歳OL
十八歳の時に両親を事故で亡くし、引き取り手がなく天涯孤独に。
高校卒業後就職し、仕事に明け暮れる日々。
そんなある日、1人の弁護士が紅音の元を訪ねて来た。
要件は、紅音の母方の曾祖叔父が亡くなったと言うものだった。
曾祖叔父は若い頃に単身外国で会社を立ち上げ生涯独身を貫いき、血縁者が紅音だけだと知り、曾祖叔父の遺産を一部を紅音に譲ると遺言を遺した。
その額なんと、50億円。
あまりの巨額に驚くがなんとか手続きを終える事が出来たが、巨額な遺産の事を何処からか聞きつけ、金の無心に来る輩が次々に紅音の元を訪れ、疲弊した紅音は、誰も知らない土地で一人暮らしをすると決意。
だが、引っ越しを決めた直後、突然、異世界に召喚されてしまった。
だが、持っていた遺産はそのまま異世界でも使えたので、遺産を使って、スローライフを楽しむことにしました。
クラス転移したら種族が変化してたけどとりあえず生きる
アルカス
ファンタジー
16歳になったばかりの高校2年の主人公。
でも、主人公は昔から体が弱くなかなか学校に通えなかった。
でも学校には、行っても俺に声をかけてくれる親友はいた。
その日も体の調子が良くなり、親友と久しぶりの学校に行きHRが終わり先生が出ていったとき、クラスが眩しい光に包まれた。
そして僕は一人、違う場所に飛ばされいた。
家ごと異世界転移〜異世界来ちゃったけど快適に暮らします〜
奥野細道
ファンタジー
都内の2LDKマンションで暮らす30代独身の会社員、田中健太はある夜突然家ごと広大な森と異世界の空が広がるファンタジー世界へと転移してしまう。
パニックに陥りながらも、彼は自身の平凡なマンションが異世界においてとんでもないチート能力を発揮することを発見する。冷蔵庫は地球上のあらゆる食材を無限に生成し、最高の鮮度を保つ「無限の食料庫」となり、リビングのテレビは異世界の情報をリアルタイムで受信・翻訳する「異世界情報端末」として機能。さらに、お風呂の湯はどんな傷も癒す「万能治癒の湯」となり、ベランダは瞬時に植物を成長させる「魔力活性化菜園」に。
健太はこれらの能力を駆使して、食料や情報を確保し、異世界の人たちを助けながら安全な拠点を築いていく。
神々の愛し子って何したらいいの?とりあえずのんびり過ごします
夜明シスカ
ファンタジー
アリュールという世界の中にある一国。
アール国で国の端っこの海に面した田舎領地に神々の寵愛を受けし者として生を受けた子。
いわゆる"神々の愛し子"というもの。
神々の寵愛を受けているというからには、大事にしましょうね。
そういうことだ。
そう、大事にしていれば国も繁栄するだけ。
簡単でしょう?
えぇ、なんなら周りも巻き込んでみーんな幸せになりませんか??
−−−−−−
新連載始まりました。
私としては初の挑戦になる内容のため、至らぬところもあると思いますが、温めで見守って下さいませ。
会話の「」前に人物の名称入れてみることにしました。
余計読みにくいかなぁ?と思いつつ。
会話がわからない!となるよりは・・
試みですね。
誤字・脱字・文章修正 随時行います。
短編タグが長編に変更になることがございます。
*タイトルの「神々の寵愛者」→「神々の愛し子」に変更しました。
【完結】異世界で魔道具チートでのんびり商売生活
シマセイ
ファンタジー
大学生・誠也は工事現場の穴に落ちて異世界へ。 物体に魔力を付与できるチートスキルを見つけ、 能力を隠しつつ魔道具を作って商業ギルドで商売開始。 のんびりスローライフを目指す毎日が幕を開ける!
安全第一異世界生活
朋
ファンタジー
異世界に転移させられた 麻生 要(幼児になった3人の孫を持つ婆ちゃん)
新たな世界で新たな家族を得て、出会った優しい人・癖の強い人・腹黒と色々な人に気にかけられて婆ちゃん節を炸裂させながら安全重視の異世界冒険生活目指します!!
大ッ嫌いな英雄様達に告ぐ
鮭とば
ファンタジー
剣があって、魔法があって、けれども機械はない世界。妖魔族、俗に言う魔族と人間族の、原因は最早誰にもわからない、終わらない小競り合いに、いつからあらわれたのかは皆わからないが、一旦の終止符をねじ込んだ聖女様と、それを守る5人の英雄様。
それが約50年前。
聖女様はそれから2回代替わりをし、数年前に3回目の代替わりをしたばかりで、英雄様は数え切れないぐらい替わってる。
英雄の座は常に5つで、基本的にどこから英雄を選ぶかは決まってる。
俺は、なんとしても、聖女様のすぐ隣に居たい。
でも…英雄は5人もいらないな。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる