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第三部 俺のハーレム・パーティはやっぱりおかしい/ラッキースケベは終了しました!

今後、どうするべきか?

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遅れて栗原、高沢、芦沢もやって来た。

「白田、申し訳ない。
 赤城の魔法に操られていたとしても緑山を救出するのを妨害して・・・・・すまない」

と栗原は頭を下げた。

「ごめんなさい」
「ごめんなさい」

と高沢、芦沢も頭を下げた。

「赤城に消化された他の女子には申し訳ないが、俺は将太が助かったからいいよ」
 高沢、芦沢、怪我は無いか? 焼肉プレートでブッ飛ばして悪かったな」

「え、あれ焼肉プレートなの? 盾だと思っていたわ」

「お前らに散々罵られた『とても便利なキッチンセット』のオマケだぜ!
 神剣といわれているタナの剣と同じ材質だそうだ」

「「「「ええええ!!」」」

「何それ!」
「チート・アイテムってヤツ?」
「なんか凄いわね」

「だろ~」
と俺は驚く女子たちに対して勝ち誇った顔をして見せた。

「白田!その顔ムカつく!!」

「とは言うが篠原! お前、俺の敬愛する女神様のキッチンセットを馬鹿にしていたよな~
 他にも色々便利な物が盛り沢山だぞ!
 機会があったら色々自慢させてもらうよ」

と、より勝ち誇った顔をして見せた。




「でさぁ? 今後どうするのお前たち?
 俺たちはお前たちを救出するためにガルメニアの王都へ向かう予定だったのだが・・・・・
 赤城があんな風になってしまったから」

と、女子たちを見やった後に智弘の顔を見る

「一度、ナミラーへ戻るべきかもな」

智弘が答える。
女子たちを放っておく訳にはいかないし、赤城もこの世にいない。
智弘の言うとおり一度、出直すべきかもしれない。
今回もガルメニア遠征は失敗してしまった。

「今、俺たちはここから車で1日ほど北上したオリタリア共和国のナミラーを拠点にしている。
 そこの人たちと良い関係を築けているから、とりあえずナミラーに来ないか?」

俺は女子メンバーに尋ねた。

「白田たちさえ良ければ一緒に連れて行ってもらえると助かるのだけど」

と申し訳無さそうに井原は答えた。

「じゃ、そうしよ。細かい事はナミラーに着いてから決めればいいさ」

と俺が立ち上がろうとしたとき

「が、小幡だけは断る!」

智弘が腕を組みながら断言した。

「俺はあいつだけは許せん!
 ここにほっぽらかしておくべきだ!
 それとも今すぐ俺が手を掛けようか?」

「智弘! それは言いすぎだ!」
「トモ君!」
「智弘殿!」
「水原君、そこまで言わなくても」

「「「水原!!」」」

井原たち女子も声を上げた。

「おかしいか?
 碧を刺したんだぞ!
 赤城も死んで、魔法も切れたシラフの状態で刺したんだぞ。
 弁解の余地は無いだろ!
 俺、間違っていること言っているか?
 信用できる、できない! とかいう問題じゃない。
 あいつと一緒に安心して旅ができるとは思えない。 
 ここは日本じゃない。
 安全に旅ができる環境じゃないんだぞ!
 モンスターやガルメニア軍も襲ってくるんだ。
 腹の中に爆弾抱えて旅なんか出来るかよ!
 俺が間違っているのか? あぁ?」

「確かに智弘の言うとおりだと思うよ。
 だけど、放っておく訳にもいかないだろ」

「碧、お前は御人好し過ぎるぞ!」

「とりあえずナミラーまで行ってから決めるようにしたらどうだ?」

と智弘は腕組みをしながらしばらく考え続けた。

「・・・・・碧が言うなら仕方が無い。
 小幡に詫びを入れさせろ!
 小幡を連れて来い」


しばらくすると井原が小幡と姫川を連れてきた。
幼女・智弘は腕組をし二人を見上げながら

「お前ら! することあるよな!
 何をするか分かっているんだろうな!」

「ごめん。赤城君が殺されて小幡も動揺していたのよ。
 私たち・・・・・赤城君のことが大好きだから・・・・・」

と姫川が最初に謝り始めた。




その後、しばらくの間、沈黙が支配する。

「小幡はどうなんだよ!
 何故、謝らない!
 お前は悪いと思っていないのか?」

何も言わない小幡に痺れを切らした智弘が尋ねる。

「ご、ごめんなさい」

小幡が少々不貞腐れながら口を開いた。

「それだけか! 碧は死ぬところだったんだぞ!」

「ごめんなさい」

と今度は俺の方を向き、頭を下げた。

「分かったよ。もういい。
 ただ一言言っておく。
 『3度目は無い!』
 分かるか? 
 俺の『3度目は無い』というのは2回目まで許されるという意味じゃ無いからな。
 『3度目は永遠に来ない』という意味だからな。
 その時は覚悟しておけ!」

「白田。それはあまりにも・・・・」

井原が言い出した。

何故、このような事を言ったのだろうか?
刺されて頭にきていた?
違う。
俺は冷静だ。
何故か分からないが口から出てきたのだ。
多分、警告したかったのだろう。


「嘘だと思わないほうがいいぞ。
 一昨日、1000人は人間を殺してきたから。
 町ひとつ廃墟にした。
 嘘だと思うなら、智弘に聞いてみろ」

女子たちは全員、幼女・智弘を見ると智弘は黙って頷いた。

「もし、俺の仲間に手を出したら許さないからな。
 今さら一人二人増えても俺の心は痛むことは無い」


俺は新たに合流した女子たちへ向かって言った。

・・・・・栗原たちがおかしくなっていったように俺も少しずつおかしくなっているのかもしれない。


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