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3章.銀髪のイケメンに愛される
01.
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一言モノ申してやる勢いでキングがいるという執務室へ急ぐと、
「まああ、姫さま。何という足の速さ」
「一刻も早く王の御許に参られたいんですわね」
「執務中の麗しい王をご覧になりたいのは当然ですわ~」
どこまでも脳内ピンクなワニ娘たちがウキウキと一緒にダッシュしてくれた。
執務するキング。を見てみたい。一刻も早く。
などということは少しも考えていない。…こともない。
いやいや、俺。しっかりしろ。乙女チックなワニモードに流されるな。そいつは俺に恥ずかしい噛み痕を付けた男だぞ。
ワニ娘たちのピンクモードを振り払いながら、王が執務している玉座の間に乗り込むと、そこは通路や厨房、王の居室とは打って変わって荘厳な雰囲気が漂い、正装した要人たちが顔をそろえていた。
さすがに無遠慮に突入するには高貴すぎて手前で立ち止まり、物陰から様子を伺う。
ひと際高い玉座に、キングがいる。
美しく着飾った正装姿に銀髪が映える。恐ろしく長い足を尊大に組み、気だるげに見降ろしているキングの横顔はため息が出るほど麗しい。キングオブキングズ。生まれながらにして頂点に立つ力を持った男。
自分が怒っていたことも忘れて、思わず見惚れる。世の中にあんなに完璧に整った男が存在していいものだろうか。
無意識にキングをガン見していたら、キングの隣に控えているネコ獣人が何やらキングに耳打ちした。ネコなんだから当たり前だけど、きりりと吊り上がった猫目の美人。人目を引く赤いドレスコードでメリハリのある美ボディが艶めかしい。
「…あの人、誰?」
「ネメシス様ですか? この国きっての才女でジョシュア様の片腕ですわ」
「ネメシス女史は各国の宰相でも並ぶものがいないと名高い出来る女子の見本ですわ」
「憧れますわね~~~」
ネコ獣人。ネメシス女史。
あれだな、あれ。生徒会長とか国会議員とかやってる、頭脳明晰、容姿端麗で31歳童貞社畜なんてゴミだと思ってるタイプの女子だな。絶対にお近づきになりたくない。
そこはかとない敗北感が沸き上がる。
にしても。
近くないか。キングとの距離が密密じゃないか。耳打ちって、もはやあれは触ってないか。つーか、一体いつまでひそひそ2人だけの世界に浸ってるんだよ。
美しいキングと並ぶと絵になって、親密度合いが半端ないネメシス女史を見ていると、なんだか胸がチクチクして、胃がむかむかしてきた。
噛み痕まで付けたくせに。
理不尽な怒りが込み上げる。
お前は俺の唯一だけど、お前の唯一は俺じゃないんだな。
相手はキングなんだから当たり前かもしれないけれど、急激に猛烈な怒りに駆られて、気が付いたらフローズンヨーグルトをすくって投げていた。
「キャっ‼ 冷た~~~いっ」
忘れていたけど、俺はコントロールも中の下の男で、加えて今は女の細腕だったりするわけで、アイスはキングから大きく外れて、品物を持って交渉に訪れたと思しき客人にヒットした。
「まああ、姫さま。何という足の速さ」
「一刻も早く王の御許に参られたいんですわね」
「執務中の麗しい王をご覧になりたいのは当然ですわ~」
どこまでも脳内ピンクなワニ娘たちがウキウキと一緒にダッシュしてくれた。
執務するキング。を見てみたい。一刻も早く。
などということは少しも考えていない。…こともない。
いやいや、俺。しっかりしろ。乙女チックなワニモードに流されるな。そいつは俺に恥ずかしい噛み痕を付けた男だぞ。
ワニ娘たちのピンクモードを振り払いながら、王が執務している玉座の間に乗り込むと、そこは通路や厨房、王の居室とは打って変わって荘厳な雰囲気が漂い、正装した要人たちが顔をそろえていた。
さすがに無遠慮に突入するには高貴すぎて手前で立ち止まり、物陰から様子を伺う。
ひと際高い玉座に、キングがいる。
美しく着飾った正装姿に銀髪が映える。恐ろしく長い足を尊大に組み、気だるげに見降ろしているキングの横顔はため息が出るほど麗しい。キングオブキングズ。生まれながらにして頂点に立つ力を持った男。
自分が怒っていたことも忘れて、思わず見惚れる。世の中にあんなに完璧に整った男が存在していいものだろうか。
無意識にキングをガン見していたら、キングの隣に控えているネコ獣人が何やらキングに耳打ちした。ネコなんだから当たり前だけど、きりりと吊り上がった猫目の美人。人目を引く赤いドレスコードでメリハリのある美ボディが艶めかしい。
「…あの人、誰?」
「ネメシス様ですか? この国きっての才女でジョシュア様の片腕ですわ」
「ネメシス女史は各国の宰相でも並ぶものがいないと名高い出来る女子の見本ですわ」
「憧れますわね~~~」
ネコ獣人。ネメシス女史。
あれだな、あれ。生徒会長とか国会議員とかやってる、頭脳明晰、容姿端麗で31歳童貞社畜なんてゴミだと思ってるタイプの女子だな。絶対にお近づきになりたくない。
そこはかとない敗北感が沸き上がる。
にしても。
近くないか。キングとの距離が密密じゃないか。耳打ちって、もはやあれは触ってないか。つーか、一体いつまでひそひそ2人だけの世界に浸ってるんだよ。
美しいキングと並ぶと絵になって、親密度合いが半端ないネメシス女史を見ていると、なんだか胸がチクチクして、胃がむかむかしてきた。
噛み痕まで付けたくせに。
理不尽な怒りが込み上げる。
お前は俺の唯一だけど、お前の唯一は俺じゃないんだな。
相手はキングなんだから当たり前かもしれないけれど、急激に猛烈な怒りに駆られて、気が付いたらフローズンヨーグルトをすくって投げていた。
「キャっ‼ 冷た~~~いっ」
忘れていたけど、俺はコントロールも中の下の男で、加えて今は女の細腕だったりするわけで、アイスはキングから大きく外れて、品物を持って交渉に訪れたと思しき客人にヒットした。
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