【完結】銀の龍瑠璃色の姫君を愛でる―31歳童貞社畜の俺が異世界転生して姫になり、王になった育ての息子に溺愛される??

remo

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12章.真犯人を突き止める

01.

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アクアブルーの水槽に頭から放り込まれた。

そもそも水中にいるはずなんだけど。さらに水の中。
もう何が何だか本当によく分からない。

シューノに引きずられて青い宮殿の浴室らしきところに辿り着き、長い尻尾に勢いよく持ち上げられ、浴槽というか、浄化槽みたいなところに沈められた。自分から無数の気泡が発生して、もしかしたらこのまま、一面のアクアブルーに骨まで溶けてしまうんじゃないかという恐怖に駆られる。しかも、このアクアブルーの水は傷口にめちゃめちゃ沁みる。思わず悲鳴を上げ、しこたま水を飲んだ。味は苦くもなく甘くもなく、普通の水の味だったけど、何だか胃の中身まで溶かされたような気がする。

ややあって、シューノの尻尾と思しきものに巻き付かれ、水槽から出されて吊るし上げられた。そのまま左右に振り回されて、髪や指先から水が滴り落ちた。物凄く心許ない気分で、妙に全身がスース―すると思ったら、身に纏っていたものが何もなくなっていた。

「ちょ、…っ‼」

反射的に胸と腹下に腕を巻き付けるが、何の慰めにもならない。

あの水、衣類を溶かしてたのか。気づけば擦り傷もうち身もなくなっているけど、今はちょっとそれどころじゃない。真っ裸なんだけど⁉

「おい、服っ‼」

いつの間にか痛みもなくなっていて、思いっきり大声で叫ぶと、シューノにも他の獣人たちにも嘲笑われた。

「家畜が服だってよ」
「これから調理されるってのに、余裕だな」

ぶんっ、とシューノが尻尾を振って、浄化槽の隣に積み重ねられたタオルの山の中に俺を落とす。それは意外とふかふかで、俺が深々と沈んでいると、上から何かサラリとしたものが降ってきた。

「それを着な」
「楽しい調理の時間だぜ」

タオルに水分をふき取られ、起き上がって着ろと言われたものを広げてみると、物凄く透明な浴衣のような服だった。

このスケスケを着ろと。
こいつら悪趣味じゃね? 

俺を辱めて楽しんでいるとしか思えない。
前世はともかく、今の俺は花も恥じらううら若き乙女で、令嬢で、お前らの獣人国王の花嫁なんですけど⁉

しかしまあ、何にも着ないよりはマシなような気がするから、天の羽衣みたいなスケスケにやむを得ず袖を通す。こんなの、…ジョシュアにしか見せたくない。

ていうか。
ジョシュアに忠誠を誓っていた側近獣人たちの変わり身の早さについていけない。これが本性で、俺のことは最初から受け入れてなんかいなかったのか、それとも、…

みんな何か、得体のしれない巨大な力に操られてでもいるのか。

ゾク、…

気づいたら、考えたら、それが本当になってしまう気がする。でも、この違和感、この変わり身の早さ、腑に落ちない言動の連続。妖魔みたいな赤目の存在。

『ジェイの洞窟は魔物の巣窟とも言われている。ジェームズ王の怨念や滅ぼされたイキナ国の死霊が彷徨っている』

こいつらは、怨念とか死霊とかに取り憑かれているんだろうか。
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