Blue Bird ―初恋の人に再会したのに奔放な同級生が甘すぎるっ‼【完結】

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「あんた、やっぱり研究室から干されたんじゃないっ!」

翌朝、和泉さんの研究室に行くと、冷たく門前払いされ、和泉さんには会えずじまいだった。

えー、…なんで?

と思って、よくわからないままとぼとぼと広報課に顔を出すと、

「本宮の手伝いはもういいって、丁寧な連絡が研究室からあったわ」

橙子さんから冷静なお告げを受けた。

え? なんで干された?
いや、確かに使えなかったけど。全く使えなかったけどさ。

「和泉さん、何か言ってましたか?」
「いや? 所長からの連絡で、もう充分ですって」

充分、かあ。
やっぱり和泉さんにとっても迷惑だったのかな。
間違いなく仕事を増やしていた自覚はあるけど。

なんだか胃がむかむかした。

『離したくない』

って言ってくれた和泉さんの声が、
どんどん遠くなって、いつの間にか全然聞こえなくなった。

それでも、助手の横尾さんのこと、言っておいた方がいいんじゃないかと思った。気を付けて下さい、って。

終業後、もう一度研究室に行ってみようと思っていたら、

「お先に失礼します」

定時退席の木下さんが、足を止めて戻ってきた。

「…聖女にも裏の顔があるんですよ」

平坦な声で一言、私にささやきかけてから、

「それじゃ」

今度こそ退席していった。

聖女。…って。
ぼんやりと麻雪さんの顔が浮かんだ。

穢れを知らない。優しくて柔らかくて儚くて。
降り積もったばかりの真っ白な雪。
和泉さんに選ばれた人。

昨日麻雪さん、悲しそうな顔してたな。

「…本宮、校正全然終わってないじゃん。こっちはサルの手も必要なんだからね。今日はこれを終わらせてから帰るんだよ」

なんかしょげてたら隣の橙子さんにはっぱをかけられた。

う。愛が重い…

ようやく仕事を終えた時には、終業からだいぶ時間が経っていて、エナジードリンクを置いて森先輩も先に帰っていた。

照れやさんの先輩、いつもありがとうございます。
エナジードリンクを一気飲みする。

任せてもらえる仕事があるって有難いこと、だよね。

両腕を上に伸ばして首を回す。
めっちゃ肩凝った。

研究室の皆さんは、絶対まだ残ってるよね。
あそこじゃホントにやれることなかった。

帰り支度をしてから、研究所に向かった。
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