Blue Bird ―初恋の人に再会したのに奔放な同級生が甘すぎるっ‼【完結】

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「じゃ、とりあえず、乾杯!」

研究室での勤務を終え、
会社まで迎えに来てくれた奏くんに連れられて、
木の温もりと柔らかな灯りが落ち着いた雰囲気の新鮮野菜と地鶏がお勧めというお店にやってきた。

「こんにちは」「初めまして」

窓から街の夜景が見えるL字型ソファの半個室に案内されると、

「イケメン類友!」
「レベル高っ」

ミオちゃんとサリちゃんを歓喜させる男性が2人待っていてくれた。

大根とセロリのピクルス、だしの染みたポテトサラダ、カボチャとパプリカのグリル、おでん盛り合わせ、軟骨とつくねの串焼き、野菜とソーセージの串揚げ、地鶏と牛のそぼろご飯、ゆずアイス…
  
美味しすぎる―――――っ!!

お料理とお酒を堪能しながら、2人ずつ並んで座ったテーブルは、なかなか話も弾んでいる模様。

ミオちゃんの隣には、

「武邑裕理です。奏と同じオックスフォードで大学に通ってました。年は奏より2個上です」

官公庁勤めの年上男性。
ち、…知性が透けて見えるっ

っていうか。

「奏くん、大学、オックスフォードなの!?」

隣に座っている奏くんにこっそり囁きかけたら、秒で頭をはたかれた。

「今更か!」

…痛い。…おでんウマし。

サリちゃんの隣には、

「片瀬秋です。奏くんのいとこで大学生です。年は奏くんの2個下です」

わんこ系年下男子。
か、…可愛いっ

っていうか。

「奏くん、いとこくんのこと弄んでないよね!?」

ふとよぎった不安を口にしたら、また秒ではたかれた。

「どんなキャラだよ!」

…痛い。…そぼろサイコー。

合コン初参加だけど、こんな感じなんだな。
美味しいし、まったりしてて楽しいし。

「津軽りんごレモネード、おかわり――っ」

調子よく飲んでいたら、

「お前、飲みすぎんなよ」

のぞきこまれた奏くんの顔が思いのほか近くて、なんかドキっとした。

奏くん。まつ毛長い。二重きれい。
鼻高い。肌滑らか。唇ぴんく。

柔らかくて甘い唇。
やばい、なんか、…余計なこと思い出した。

「すげー顔赤いけど」

それは全部奏くんのせい―――っ

更に奏くんのきれいな顔が近づいて、なんかいっぱいいっぱいになって思わずきつく目をつむったら、

「お前の頬っぺ、餅みたいだな」

両頬を指でつまんで伸ばされた。

…無駄にドキドキさせるの止めて欲しい。
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