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blue.49
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「のい、キスしたいの?」
「え、…?」
和泉さんに言われて、我に返った。
データ入力していたはずの画面が、…
kiss kiss kiss kiss kiss kiss kiss kiss kiss kiss kiss kiss kiss kiss kiss kiss kiss kiss…
「うわあぁぁっ!」
私は一体、何を。
慌ててデスクの後ろに立って見ている和泉さんから画面をひた隠した。
「やっ、これは、…違います! 違うんです!」
動揺して大声を出してしまい、研究室の皆さんから無言の圧力を感じていると、
「よしよし」
和泉さんになだめられた。
いや――――――っ、恥ずかし過ぎて死ねる。
淫らよ、のい。
昼間っから、淫らよ――――――っ‼︎
「…する?」
「…はい?」
もはや和泉さんに合わせる顔がなく、両手で顔を覆って恐る恐る振り向いたら、
耳に温かくて柔らかな唇の感触と甘い吐息を感じた。
う、うお、うおおおあああああ―――っっ
発火。爆死。昇天。
「おっ、お手洗いいいいい―――っ」
全身の熱が顔から放射されて、血管が沸騰して、敵前逃亡をはかった。
ただでさえ恥ずかしくて死んでたのに、和泉さんたら何てことをっ!
え。キスしたよね?
研究室でキス。
わ―――っ、脳みそ沸く――――――っ
耳が熱い―――――っ
トイレの便座に腰掛けて、一人反省会。
落ち着け、落ち着け。
昨日の夜から、奏くんのキスが頭から離れない。ふとした瞬間に、あの柔らかくて甘くて優しいぬくもりがよみがえってのたうち回りたくなる。
いや、落ち着け。
あれは挨拶って言ってた。
奏くんは帰国子女で、彼女も彼氏もいっぱいいて、簡単にそういうことするから。
うん。和泉さんも『する?』って簡単に、…
そんな簡単に、するものなのかなぁ。
奏くん、あんなこと、みんなにしてるのかぁ…
足をぶらぶらさせると便座にガンガンぶつかって、外から咳払いが聞こえた。
あ。やばい。誰か待ってる。
とりあえず、九九を逆から唱えて精神安定を図ってから、
「お待たせしました―――っ」
無駄に笑顔で個室を開けてみた。
見たことないから違う研究室と思われる白衣姿の女史みたいな人から、めっちゃうさん臭い顔で見られた。
「おかえり、のい。…驚かせて悪かった」
研究室に戻ると、あんまり悪いと思ってない感じの和泉さんが待っていて、大きな手で私の頭を撫でてくれた。
そしてそのまま、くすぐるように耳を撫でる。
「うおっ!?」
軽く膝が崩れた私を支え起こして和泉さんがいたずらっぽい笑顔でニコニコしている。
…和泉さんて、意外と大胆だよね。
なんか寿命が縮むよね。
いや、ダメだよ。秘密のオフィスラブ。
って、オフィスラブでも何でもないけど。
何とか気を取り直してデスクに座る。
今日、麻雪さんがいなくて良かった。
なんか用があるらしくお休みしている。
そう思って、なんだか罪悪感に胸が痛んだ。
「え、…?」
和泉さんに言われて、我に返った。
データ入力していたはずの画面が、…
kiss kiss kiss kiss kiss kiss kiss kiss kiss kiss kiss kiss kiss kiss kiss kiss kiss kiss…
「うわあぁぁっ!」
私は一体、何を。
慌ててデスクの後ろに立って見ている和泉さんから画面をひた隠した。
「やっ、これは、…違います! 違うんです!」
動揺して大声を出してしまい、研究室の皆さんから無言の圧力を感じていると、
「よしよし」
和泉さんになだめられた。
いや――――――っ、恥ずかし過ぎて死ねる。
淫らよ、のい。
昼間っから、淫らよ――――――っ‼︎
「…する?」
「…はい?」
もはや和泉さんに合わせる顔がなく、両手で顔を覆って恐る恐る振り向いたら、
耳に温かくて柔らかな唇の感触と甘い吐息を感じた。
う、うお、うおおおあああああ―――っっ
発火。爆死。昇天。
「おっ、お手洗いいいいい―――っ」
全身の熱が顔から放射されて、血管が沸騰して、敵前逃亡をはかった。
ただでさえ恥ずかしくて死んでたのに、和泉さんたら何てことをっ!
え。キスしたよね?
研究室でキス。
わ―――っ、脳みそ沸く――――――っ
耳が熱い―――――っ
トイレの便座に腰掛けて、一人反省会。
落ち着け、落ち着け。
昨日の夜から、奏くんのキスが頭から離れない。ふとした瞬間に、あの柔らかくて甘くて優しいぬくもりがよみがえってのたうち回りたくなる。
いや、落ち着け。
あれは挨拶って言ってた。
奏くんは帰国子女で、彼女も彼氏もいっぱいいて、簡単にそういうことするから。
うん。和泉さんも『する?』って簡単に、…
そんな簡単に、するものなのかなぁ。
奏くん、あんなこと、みんなにしてるのかぁ…
足をぶらぶらさせると便座にガンガンぶつかって、外から咳払いが聞こえた。
あ。やばい。誰か待ってる。
とりあえず、九九を逆から唱えて精神安定を図ってから、
「お待たせしました―――っ」
無駄に笑顔で個室を開けてみた。
見たことないから違う研究室と思われる白衣姿の女史みたいな人から、めっちゃうさん臭い顔で見られた。
「おかえり、のい。…驚かせて悪かった」
研究室に戻ると、あんまり悪いと思ってない感じの和泉さんが待っていて、大きな手で私の頭を撫でてくれた。
そしてそのまま、くすぐるように耳を撫でる。
「うおっ!?」
軽く膝が崩れた私を支え起こして和泉さんがいたずらっぽい笑顔でニコニコしている。
…和泉さんて、意外と大胆だよね。
なんか寿命が縮むよね。
いや、ダメだよ。秘密のオフィスラブ。
って、オフィスラブでも何でもないけど。
何とか気を取り直してデスクに座る。
今日、麻雪さんがいなくて良かった。
なんか用があるらしくお休みしている。
そう思って、なんだか罪悪感に胸が痛んだ。
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