Blue Bird ―初恋の人に再会したのに奔放な同級生が甘すぎるっ‼【完結】

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舞茸ごはん、豚汁、海老とブロッコリーのサラダ、炒りナス、蓮根のきんぴら、…

和泉さんと璃乙くんが仲良く夕ご飯を作ってくれた。

いやさ、私だって手伝おうとしたんだけどさ。

「のいは退院したばかりなんだから、座ってて」
「って言うか、頼むからおサルはジャマしないで」

男子2人に厨房から追い出された。

「美味しい――――っっ」

夕ご飯が美味し過ぎて幸せに浸っていたら、和泉さんがすごく優しい顔をして見ていた。

和泉さんが居てくれて良かった。
ね、璃乙。

満腹でお風呂を頂くという至れり尽くせり状態を噛み締めていると、スマートフォンが震えた。

あ。

『calling " 俺 ”』

やばい。お父さん…
言い訳がない。けど、出ないわけにもいかない。

そうっと画面に触れて恐る恐る耳にあてると、

「…おい。お父さんてなんだよ?」

やっぱりお父さん――――っ

不機嫌な奏くんの声。…なのに愛しい。

「…ずるい」

アメリアといちゃいちゃして、お見舞いの女の子が殺到して、挨拶でキスするくせに。

「は?」

ほんのひと声で、心を全部持っていく。

「…のい」

…ずるい。
そんな甘い声。ずるい。

奏くんの甘くかすれた声。深く沁みる声。
その声で、大切なものみたいに名前を呼ばれたら。

もう全部奏くんでいっぱいになる。

「ちゃんと明日も会いに来いよ」
「…うん」

どうしよう。
奏くんのこと、独り占めしたい。



「いや、無理でしょう」
「なぜならイケメン独占禁止法があるから」
「そう、そして秋が電話に出ないから」

「え?」

「遊びなの? 遊びだったの、秋―――っ」

久しぶりの出社。お昼休みの社食。
大変だったね!とハグしてくれたのは一瞬で、
ミオちゃんとサリちゃんの容赦なさは今日も健在だった。
いや、むしろ安心するけども。

「あれだね、秋くん独禁法にかかったね」
「くぅう、将来有望な学生ってのが決め手か」

本日のAランチ定食は白身魚の甘酢あんかけ。
熱い。うまい。甘酸っぱい。

「資本主義の健全で公正な競争社会が呪わしい」
ざるそばを噛みしめるサリちゃんに、

「まあまあ。結局のところ、素直に言ったもん勝ちじゃん?」
カツカレーを頬張るミオちゃん。

「何を?」
「好き、って」

…好き。

想うだけで胸が痛い。
いつから? ずっと? いつの間に?

好き。…大好き。

「言って白黒はっきりしちゃったらどうすんの?」
「どっちにしても、打ち上げしよっ」
「飲みたいだけじゃん!」

奏くんが好き。
言葉にしたら、心が納得した。

素直に、…って、ちょっと待てよ。

『俺、お前のこと好きだった』

私、好きって言われてた―――――っ (でかした、のい! 100点!)

いや、でも待てよ。

『…好き

過去形だった――――っ (痛恨のミス! 50点!)

しかも、この前。

『過去はいらない』

いらない宣言された―――っ (解答欄まちがい! 0点!)

「どうした、ジョージ?」
「赤くなったり、青くなったり」
「食べ過ぎか、食べ過ぎなのか?」

…甘酸っぱい。甘酸っぱすぎる。
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