108 / 124
blue.107
しおりを挟む
奏くんの美しい瞳。
永遠に続く深い闇を明るく照らすアースアイ。
宇宙に浮かぶ地球のような青と淡褐色の瞳。
いつも私の心を照らし出す不思議な色の瞳。
奏くんの揺れる瞳を見たら、涙が込み上げてきた。
バカで。どうしようもなくて。
情けなくて。みっともなくて。
何も持ってない。
誇れるものも、あげられるものも、何にもない。
だけど。
「…奏くんが好きです」
涙を噛み締めて奏くんを見上げた。
それしかないけど。
他には何にも持ってないけど。
「バカだけど分かるよ。奏くんが好きだよ。これだけは確かだよ、…」
胸が詰まって泣き声になった。
この想いを、
どうやって伝えたらいいか分からない。
どうやったら伝わるのか分からない。
「奏くんが好き。奏くんだけ。ずっとずっと奏くんだけが好きだよ。絶対絶対、奏くんだけ、…っ」
胸がいっぱいで息が苦しくて、途切れそうになる声を振り絞った。
奏くんの美しい瞳が切なさをたたえて私を映し、
その桜色の麗しい唇を一度噛みしめると、
奏くんが全てを奪い去るようなキスをした。
深くて熱くて狂おしくて
溺れて揺られて何もかも吹き飛ばすような
理性も思考も常識も
頭も身体も脳みそも全部がとろけるような
甘く激しく痺れるキスに息が出来ない。
嵐のような愛しさに流されて
気が付いたら奏くんに力いっぱい抱きしめられていた。
「お前、…ホント、バカ」
甘く震えるかすれた声。
優しさと愛しさに溢れた声。
力強い腕。硬い胸板。
奏くんの匂い。繰り返す鼓動の音。
「しょうがねえから、このバカは俺が一生面倒みてやるよ」
奏くんの優しい声が心に沁みてどうしようもなく涙が溢れて止まらなかった。
「わしもバナナは好きじゃ」
喜四郎おじいちゃんがダイニングテーブルで優雅にバナナを食べている。
「のう、アミィ?」
おじいちゃんの丸い指が、アメリアの艶やかな金髪を優しく撫でた。
「アミィもバナナは好きよ。アミィも、アミィも、…」
アメリアは美しい碧眼に大粒の涙をためて頷くと、テーブルに突っ伏して泣き声を上げた。
「武士の端くれとして仁義を重んじるわっ! でもでもっ、アミィの愛は永遠よ―――っ!」
…ぶし?
どうもアメリアはアニメと時代劇で日本語を学んだ節がある。
「せっかくだからバナナケーキを焼こうかしら。ねえ、あなた」
「最高だよ、ハニー。ナギサの作るバナナケーキは世界一なんだ」
奏くんのお母さんの陽気な声とお父さんの甘い声が、バナナと共に仲良くキッチンに向かう。
「手伝います。うち、洋菓子屋なんです」
「まあ、ありがとう。碧くん」
和泉さんがスマートに立ち上がり、2人に続くと、
「…きたわ、雷鳴! 運命よ! ジャジャジャジャーン‼」
アメリアが急に覚醒して、一瞬で涙を乾かし、長い脚を更に伸ばして浮き浮きと後を追いかけて行った。
「アオ~、アミィも手伝うわ~~~」
永遠、短いな、おい。
それを見送っていたら、
「…俺、部屋にこもるから」
ふいに奏くんが私を抱き上げて、すたすたとらせん階段を上り始めた。
え。ちょっと待って。
これっていわゆるお姫様抱っこというやつでは。
それで、部屋にこもって、いったい何を…
「お前、覚悟できてるんだろうな?」
覚悟――――――っ⁉︎
ごっくん…‼
下斜め45度から見ても完璧に麗しい顔に意地悪セクシーな笑みを浮かべて、奏くんが私の息の根を止めにきた。
「もう、奏ったらはしゃいじゃって。ケーキが焼けたら呼びに行っちゃうわよ?」
永遠に続く深い闇を明るく照らすアースアイ。
宇宙に浮かぶ地球のような青と淡褐色の瞳。
いつも私の心を照らし出す不思議な色の瞳。
奏くんの揺れる瞳を見たら、涙が込み上げてきた。
バカで。どうしようもなくて。
情けなくて。みっともなくて。
何も持ってない。
誇れるものも、あげられるものも、何にもない。
だけど。
「…奏くんが好きです」
涙を噛み締めて奏くんを見上げた。
それしかないけど。
他には何にも持ってないけど。
「バカだけど分かるよ。奏くんが好きだよ。これだけは確かだよ、…」
胸が詰まって泣き声になった。
この想いを、
どうやって伝えたらいいか分からない。
どうやったら伝わるのか分からない。
「奏くんが好き。奏くんだけ。ずっとずっと奏くんだけが好きだよ。絶対絶対、奏くんだけ、…っ」
胸がいっぱいで息が苦しくて、途切れそうになる声を振り絞った。
奏くんの美しい瞳が切なさをたたえて私を映し、
その桜色の麗しい唇を一度噛みしめると、
奏くんが全てを奪い去るようなキスをした。
深くて熱くて狂おしくて
溺れて揺られて何もかも吹き飛ばすような
理性も思考も常識も
頭も身体も脳みそも全部がとろけるような
甘く激しく痺れるキスに息が出来ない。
嵐のような愛しさに流されて
気が付いたら奏くんに力いっぱい抱きしめられていた。
「お前、…ホント、バカ」
甘く震えるかすれた声。
優しさと愛しさに溢れた声。
力強い腕。硬い胸板。
奏くんの匂い。繰り返す鼓動の音。
「しょうがねえから、このバカは俺が一生面倒みてやるよ」
奏くんの優しい声が心に沁みてどうしようもなく涙が溢れて止まらなかった。
「わしもバナナは好きじゃ」
喜四郎おじいちゃんがダイニングテーブルで優雅にバナナを食べている。
「のう、アミィ?」
おじいちゃんの丸い指が、アメリアの艶やかな金髪を優しく撫でた。
「アミィもバナナは好きよ。アミィも、アミィも、…」
アメリアは美しい碧眼に大粒の涙をためて頷くと、テーブルに突っ伏して泣き声を上げた。
「武士の端くれとして仁義を重んじるわっ! でもでもっ、アミィの愛は永遠よ―――っ!」
…ぶし?
どうもアメリアはアニメと時代劇で日本語を学んだ節がある。
「せっかくだからバナナケーキを焼こうかしら。ねえ、あなた」
「最高だよ、ハニー。ナギサの作るバナナケーキは世界一なんだ」
奏くんのお母さんの陽気な声とお父さんの甘い声が、バナナと共に仲良くキッチンに向かう。
「手伝います。うち、洋菓子屋なんです」
「まあ、ありがとう。碧くん」
和泉さんがスマートに立ち上がり、2人に続くと、
「…きたわ、雷鳴! 運命よ! ジャジャジャジャーン‼」
アメリアが急に覚醒して、一瞬で涙を乾かし、長い脚を更に伸ばして浮き浮きと後を追いかけて行った。
「アオ~、アミィも手伝うわ~~~」
永遠、短いな、おい。
それを見送っていたら、
「…俺、部屋にこもるから」
ふいに奏くんが私を抱き上げて、すたすたとらせん階段を上り始めた。
え。ちょっと待って。
これっていわゆるお姫様抱っこというやつでは。
それで、部屋にこもって、いったい何を…
「お前、覚悟できてるんだろうな?」
覚悟――――――っ⁉︎
ごっくん…‼
下斜め45度から見ても完璧に麗しい顔に意地悪セクシーな笑みを浮かべて、奏くんが私の息の根を止めにきた。
「もう、奏ったらはしゃいじゃって。ケーキが焼けたら呼びに行っちゃうわよ?」
0
あなたにおすすめの小説
時間を止めて ~忘れられない元カレは完璧な容姿と天性の才能を持つ世界一残酷な人でした 【完結】
remo
恋愛
どんなに好きになっても、彼は絶対に私を愛さない。
佐倉ここ。
玩具メーカーで働く24歳のOL。
鬼上司・高野雅(がく)に叱責されながら仕事に奔走する中、忘れられない元カレ・常盤千晃(ちあき)に再会。
完璧な容姿と天性の才能を持つ世界一残酷な彼には、悲しい秘密があった。
【完結】ありがとうございました‼
好きな人の好きな人
ぽぽ
恋愛
"私には何年も思い続ける初恋相手がいる。"
初恋相手に対しての執着と愛の重さは日々増していくばかりで、彼の1番近くにいれるの自分が当たり前だった。
恋人関係がなくても、隣にいれるだけで幸せ……。
そう思っていたのに、初恋相手に恋人兼婚約者がいたなんて聞いてません。
皇宮女官小蘭(シャオラン)は溺愛され過ぎて頭を抱えているようです!?
akechi
恋愛
建国して三百年の歴史がある陽蘭(ヤンラン)国。
今年16歳になる小蘭(シャオラン)はとある目的の為、皇宮の女官になる事を決めた。
家族に置き手紙を残して、いざ魑魅魍魎の世界へ足を踏み入れた。
だが、この小蘭という少女には信じられない秘密が隠されていた!?
さんかく片想い ―彼に抱かれるために、抱かれた相手が忘れられない。三角形の恋の行方は?【完結】
remo
恋愛
「めちゃくちゃにして」
雨宮つぼみ(20)は、長年の片想いに決着をつけるため、小湊 創(27)に最後の告白。抱いてほしいと望むも、「初めてはもらえない」と断られてしまう。初めてをなくすため、つぼみは養子の弟・雨宮ななせ(20)と関係を持つが、―――…
【番外編】追加しました。
⁂完結後は『さんかく両想い』に続く予定です。
私が素直になったとき……君の甘過ぎる溺愛が止まらない
朝陽七彩
恋愛
十五年ぶりに君に再開して。
止まっていた時が。
再び、動き出す―――。
*◦*◦*◦*◦*◦*◦*◦*◦*◦*◦*◦*◦*◦*◦*◦*◦*
衣川遥稀(いがわ はるき)
好きな人に素直になることができない
松尾聖志(まつお さとし)
イケメンで人気者
*◦*◦*◦*◦*◦*◦*◦*◦*◦*◦*◦*◦*◦*◦*◦*◦*
年下男子に追いかけられて極甘求婚されています
あさの紅茶
恋愛
◆結婚破棄され憂さ晴らしのために京都一人旅へ出かけた大野なぎさ(25)
「どいつもこいつもイチャイチャしやがって!ムカつくわー!お前ら全員幸せになりやがれ!」
◆年下幼なじみで今は京都の大学にいる富田潤(20)
「京都案内しようか?今どこ?」
再会した幼なじみである潤は実は子どもの頃からなぎさのことが好きで、このチャンスを逃すまいと猛アプローチをかける。
「俺はもう子供じゃない。俺についてきて、なぎ」
「そんなこと言って、後悔しても知らないよ?」
溺婚
明日葉
恋愛
香月絢佳、37歳、独身。晩婚化が進んでいるとはいえ、さすがにもう、無理かなぁ、と残念には思うが焦る気にもならず。まあ、恋愛体質じゃないし、と。
以前階段落ちから助けてくれたイケメンに、馴染みの店で再会するものの、この状況では向こうの印象がよろしいはずもないしと期待もしなかったのだが。
イケメン、天羽疾矢はどうやら絢佳に惹かれてしまったようで。
「歳も歳だし、とりあえず試してみたら?こわいの?」と、挑発されればつい、売り言葉に買い言葉。
何がどうしてこうなった?
平凡に生きたい、でもま、老後に1人は嫌だなぁ、くらいに構えた恋愛偏差値最底辺の絢佳と、こう見えて仕事人間のイケメン疾矢。振り回しているのは果たしてどっちで、振り回されてるのは、果たしてどっち?
出逢いがしらに恋をして 〜一目惚れした超イケメンが今日から上司になりました〜
泉南佳那
恋愛
高橋ひよりは25歳の会社員。
ある朝、遅刻寸前で乗った会社のエレベーターで見知らぬ男性とふたりになる。
モデルと見まごうほど超美形のその人は、その日、本社から移動してきた
ひよりの上司だった。
彼、宮沢ジュリアーノは29歳。日伊ハーフの気鋭のプロジェクト・マネージャー。
彼に一目惚れしたひよりだが、彼には本社重役の娘で会社で一番の美人、鈴木亜矢美の花婿候補との噂が……
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる