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blue.112
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テムズ川のほとりを奏くんと手をつないで歩いた。
夜風が頬をくすぐって心地よく、
ライトアップされた巨大なタワーブリッジが見える。
のんびり歩いて青く光るミレニアムブリッジに差し掛かると、
川の反対側に白く輝く美しいセントポール大聖堂が浮かび上がっていた。
恋人繋ぎの奏くんの手が滑らかで温かくて優しくて
心臓を全部持って行かれる。
足元がふわふわして意味もなくスキップしたくなる。
道行く人がみんな微笑みを浮かべて私たちを見ていた。
「恋人同士に見えるのかもっ!」
浮かれて奏くんを見上げたら、
奏くんが足を止めて斜めに屈み込み、そのきれいな顔を近づけた。
柔らかくて甘い桜色の唇が一瞬優しく唇に触れる。
「恋人だろ? 他に何に見えんだよ」
恋人だった―――っ‼
でかした、のい。パーフェクト‼
ガッツポーズで飛び跳ねた私の耳に流暢な英語が届く。
「Oh, prince has a monkey with him.」
「The prince is kissing the monkey. so cute!」
「……」
なんか奏くんが固まった。
やっぱりサルに見えるんか―――いっ
夜空に浮かぶロンドンの象徴ビッグベンを間近に見上げた。
150年以上もイギリスの歴史を刻んて来た荘厳な建物に圧倒される。
これから先、何年も何十年も奏くんと手をつないで生きていけたらいいな。
繋いだ手に力を込めたら、優しく握り返してくれた。
虹色に光り輝くロンドン・アイから街を見下ろした。
どこまでも続く街の明かりが綺麗で、涙が出る。
「奏くん。私に幸せをくれてありがとう」
隣に奏くんがいる。笑顔で手を繋いでくれる。
奇跡みたいなこの瞬間に心から感謝した。
奏くんがふっと笑って、優しい横顔を見せた。
顔を斜めに傾けて私を見る美しい瞳が愛しさに溢れている。
「お前、ホント、バカだよな」
奏くんの長い指が優しく涙に触れる。
奏くんの向こうに夜空をよぎる青い鳥が見えた。
「お前が俺にくれたんだろ」
月の光を浴びて夜の空を羽ばたく青い鳥。
青い鳥は幸せの象徴。
過去の面影が目の前の奏くんに重なる。
奏くんが私をそっと抱き寄せた。
宇宙に浮かぶ地球のような青と淡褐色の瞳が私だけを映して、
どこまでも優しい唇があの日と同じキスをした。
夜風が頬をくすぐって心地よく、
ライトアップされた巨大なタワーブリッジが見える。
のんびり歩いて青く光るミレニアムブリッジに差し掛かると、
川の反対側に白く輝く美しいセントポール大聖堂が浮かび上がっていた。
恋人繋ぎの奏くんの手が滑らかで温かくて優しくて
心臓を全部持って行かれる。
足元がふわふわして意味もなくスキップしたくなる。
道行く人がみんな微笑みを浮かべて私たちを見ていた。
「恋人同士に見えるのかもっ!」
浮かれて奏くんを見上げたら、
奏くんが足を止めて斜めに屈み込み、そのきれいな顔を近づけた。
柔らかくて甘い桜色の唇が一瞬優しく唇に触れる。
「恋人だろ? 他に何に見えんだよ」
恋人だった―――っ‼
でかした、のい。パーフェクト‼
ガッツポーズで飛び跳ねた私の耳に流暢な英語が届く。
「Oh, prince has a monkey with him.」
「The prince is kissing the monkey. so cute!」
「……」
なんか奏くんが固まった。
やっぱりサルに見えるんか―――いっ
夜空に浮かぶロンドンの象徴ビッグベンを間近に見上げた。
150年以上もイギリスの歴史を刻んて来た荘厳な建物に圧倒される。
これから先、何年も何十年も奏くんと手をつないで生きていけたらいいな。
繋いだ手に力を込めたら、優しく握り返してくれた。
虹色に光り輝くロンドン・アイから街を見下ろした。
どこまでも続く街の明かりが綺麗で、涙が出る。
「奏くん。私に幸せをくれてありがとう」
隣に奏くんがいる。笑顔で手を繋いでくれる。
奇跡みたいなこの瞬間に心から感謝した。
奏くんがふっと笑って、優しい横顔を見せた。
顔を斜めに傾けて私を見る美しい瞳が愛しさに溢れている。
「お前、ホント、バカだよな」
奏くんの長い指が優しく涙に触れる。
奏くんの向こうに夜空をよぎる青い鳥が見えた。
「お前が俺にくれたんだろ」
月の光を浴びて夜の空を羽ばたく青い鳥。
青い鳥は幸せの象徴。
過去の面影が目の前の奏くんに重なる。
奏くんが私をそっと抱き寄せた。
宇宙に浮かぶ地球のような青と淡褐色の瞳が私だけを映して、
どこまでも優しい唇があの日と同じキスをした。
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