【完結】君への祈りが届くとき

remo

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Ⅱ.有輝

11.

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「もう、大丈夫だから」

緊張の糸が切れたのか、小さな子どもみたいにあかりが泣いた。
いつもの、何でもしっかりやりこなしている姿からは想像もつかないくらい、手放しで泣いているあかりは、儚くて、頼りなくて、小さくて、

…愛しかった。

生まれて初めて、自分以外の誰かを心から想った。

あかりを離したくない。
俺の腕の中に閉じ込めておきたい。

ずっと。ずっと。
このまま。

もちろん、そんなことが許されるはずはなかった。

「…あかりっ!」

どのくらい時間が経ったのかわからない。

荒い足音とともに深山聖人が書庫に飛び込んできて、あかりを俺から引きはがし、俺の胸ぐらをつかんだ。

「お前! あかりに何してんだよっ」

普段落ち着いている深山聖人が感情をむき出しにして、殺気立った目で俺を睨み上げる。

「違うっ!違う、聖人!鳴瀬は何にもしてないっ」

あかりが慌てた様子で、俺と深山の間に割って入った。

「あかり。それ、一体…!」

深山があかりの痛々しい姿に目を止め、たまらないといった感じで、強くあかりを抱きしめた。

「あかり? 大丈夫か? 何があった?」

あかりに起こったことの詳細を確かめるように、深山はあかりの身体中に手を触れた。

あかりに必要なのは、この手だ。
あかりを慰めて、あかりを満たすのは、俺じゃない。

あかりを失った自分の手を握りしめた。

「…良かったな。彼氏来て」

あかりの方を見ることができなかった。

俺に出来ることは。
ここから立ち去ることだけだ。

そして、もう二度とあかりの前に現れないことだ。

『天使の梯子
どうか 早く 僕のもとへ』

神様。俺をこの世界から連れ出して。
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