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2章.なりゆきリレーション
07.
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ななせの綺麗に引き締まった身体がしなやかに動く。
ななせの目も手も唇も。全部が夢みたいに優しく私の身体に触れて、滑って辿って突き詰めて、限りなく甘やかに私を溶かした。
美しい瞳で、長い指で、甘い声で、優しく優しく抱きしめて、身体中全部余すところなく包み込む。
ななせはあの後、私を抱え上げるとタクシーを呼んで家に帰った。タクシーの中でもずっと私を腕に抱いたまま、お互いの体温が伝わる距離で心臓の音を聞いていた。
多分。全部伝わっている。緊張して壊れそうで本当にどうしようもないけれどやめないで欲しいこと。華奢そうに見えるのに、私を抱えるななせの身体は見た目よりずっと硬くて逞しくしっかりしていた。
時折。確かめるようにななせの長い指が私の髪を撫でた。
タクシーを降りてからもずっと離れないように、ななせが私を片腕で担ぎ上げてななせのベッドまで連れていった。
ななせの部屋のななせのベッドで下からななせを見上げたら、ななせが綺麗過ぎて涙が出た。
「…つぼみ」
ななせの声が耳元をくすぐる。甘くかすれて柔らかい。
まだ、私たちが小さかった頃。怖い時、寂しい時、眠れない時。
ななせはいつも歌ってくれた。
ななせの声は耳に心地よく溶ける。
「つぼみ、…」
私を呼ぶななせの唇が耳に触れる。涙に触れる。
頬に鼻に唇に。ななせが優しいキスをした。
「なな、せ…」
ななせを呼んだら呼吸ごとななせの甘い舌に絡めとられた。
奔放に掻き回させて乱されて満たされて一つに溶ける。
吐息と涙と行き場を失くした想いがななせの唇に溶けていく。
身体の奥から衝動が沸き起こって零れ落ちる。ななせを求めて緩んで潤む。きゅうきゅう鳴いて濡れて溢れる。
ななせに触れられると身体が跳ねて、ななせに呼ばれると涙が出て、ななせにキスされると心が溢れる。
全部。あばかれて何も隠せない。
愛されるってこういうことなんだ。と錯覚するくらい、ななせは私を甘く優しく蕩けさせた。この世界にたった一つだけの大切なものを愛でるみたいに、その美しい身体全てで抱きしめてくれた。
私の全ては、ななせのために作られていたんだと思うほど、何もかもが心地良くぴったりはまる。熱くて滑らかなななせの身体がしなやかに揺れ動いて熱くほとばしってどこまでも優しく私を揺らす。
髪の先から足のつま先までななせでいっぱいになる。
「ななせ、…」
どうしよう。ななせしか見えない。
「ななせ。ななせ、…」
どこまでも。ななせに溺れる。
「…溶けちゃう」
ななせにしがみついて縋り付くと、
「いいよ」
ななせの瞳が優しく緩んだ。
「…つかまえててやるから」
ななせが全てを受け入れて受け止めて抱きしめてくれた。
溶かされて穿たれて粉々に砕けてどこまでも落ちていく。私の中にななせがいる。こんなに奥深くまで明け渡してさらけ出して繋がる。ななせと溶け合って境界がなくなる。
哀しみも切なさも苦しさも痛みも。
穿たれて砕かれて飛び散って泡と溶けた。
慰めてくれたとか忘れさせてくれたとかよりもっとずっと強くずっと深く、私の身体にななせが刻み込まれて新しく作り変えられた。
ずっと。ななせの腕の中で幸福に満たされて流されて漂ってまどろんだ。
目を開けるとななせに甘く塞がれて、奥底から揺らされて、恍惚に酔わされて、究極の快感に溶け落ちる。
何度も何度も注がれて。ななせが溢れる。
ななせが全てで、ななせしか見えなくて、ななせだけしかいらないのに、最後に目を覚ましたら、
もうななせはいなかった。
ななせの目も手も唇も。全部が夢みたいに優しく私の身体に触れて、滑って辿って突き詰めて、限りなく甘やかに私を溶かした。
美しい瞳で、長い指で、甘い声で、優しく優しく抱きしめて、身体中全部余すところなく包み込む。
ななせはあの後、私を抱え上げるとタクシーを呼んで家に帰った。タクシーの中でもずっと私を腕に抱いたまま、お互いの体温が伝わる距離で心臓の音を聞いていた。
多分。全部伝わっている。緊張して壊れそうで本当にどうしようもないけれどやめないで欲しいこと。華奢そうに見えるのに、私を抱えるななせの身体は見た目よりずっと硬くて逞しくしっかりしていた。
時折。確かめるようにななせの長い指が私の髪を撫でた。
タクシーを降りてからもずっと離れないように、ななせが私を片腕で担ぎ上げてななせのベッドまで連れていった。
ななせの部屋のななせのベッドで下からななせを見上げたら、ななせが綺麗過ぎて涙が出た。
「…つぼみ」
ななせの声が耳元をくすぐる。甘くかすれて柔らかい。
まだ、私たちが小さかった頃。怖い時、寂しい時、眠れない時。
ななせはいつも歌ってくれた。
ななせの声は耳に心地よく溶ける。
「つぼみ、…」
私を呼ぶななせの唇が耳に触れる。涙に触れる。
頬に鼻に唇に。ななせが優しいキスをした。
「なな、せ…」
ななせを呼んだら呼吸ごとななせの甘い舌に絡めとられた。
奔放に掻き回させて乱されて満たされて一つに溶ける。
吐息と涙と行き場を失くした想いがななせの唇に溶けていく。
身体の奥から衝動が沸き起こって零れ落ちる。ななせを求めて緩んで潤む。きゅうきゅう鳴いて濡れて溢れる。
ななせに触れられると身体が跳ねて、ななせに呼ばれると涙が出て、ななせにキスされると心が溢れる。
全部。あばかれて何も隠せない。
愛されるってこういうことなんだ。と錯覚するくらい、ななせは私を甘く優しく蕩けさせた。この世界にたった一つだけの大切なものを愛でるみたいに、その美しい身体全てで抱きしめてくれた。
私の全ては、ななせのために作られていたんだと思うほど、何もかもが心地良くぴったりはまる。熱くて滑らかなななせの身体がしなやかに揺れ動いて熱くほとばしってどこまでも優しく私を揺らす。
髪の先から足のつま先までななせでいっぱいになる。
「ななせ、…」
どうしよう。ななせしか見えない。
「ななせ。ななせ、…」
どこまでも。ななせに溺れる。
「…溶けちゃう」
ななせにしがみついて縋り付くと、
「いいよ」
ななせの瞳が優しく緩んだ。
「…つかまえててやるから」
ななせが全てを受け入れて受け止めて抱きしめてくれた。
溶かされて穿たれて粉々に砕けてどこまでも落ちていく。私の中にななせがいる。こんなに奥深くまで明け渡してさらけ出して繋がる。ななせと溶け合って境界がなくなる。
哀しみも切なさも苦しさも痛みも。
穿たれて砕かれて飛び散って泡と溶けた。
慰めてくれたとか忘れさせてくれたとかよりもっとずっと強くずっと深く、私の身体にななせが刻み込まれて新しく作り変えられた。
ずっと。ななせの腕の中で幸福に満たされて流されて漂ってまどろんだ。
目を開けるとななせに甘く塞がれて、奥底から揺らされて、恍惚に酔わされて、究極の快感に溶け落ちる。
何度も何度も注がれて。ななせが溢れる。
ななせが全てで、ななせしか見えなくて、ななせだけしかいらないのに、最後に目を覚ましたら、
もうななせはいなかった。
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