セカンドラブ ー30歳目前に初めての彼が7年ぶりに現れてあの時よりちゃんと抱いてやるって⁉ 【完結】

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私がどんなに柚くんのこと好きか。
柚くんだけ。
どんなにどんなに大好きか。
大好きよりもっと。
言葉に出来ない。この想いを。

何も伝えていない。

震えながら柚くんの唇に口づけた。
涙が溢れて柚くんの滑らかな肌を濡らした。

柚くんがゆっくり目を開けて、焦点が定まらないまま私を見る。

「…っと、…つかまえ、た」

そのまま目を閉じた柚くんは、口元に少しだけ微笑みを浮かべて、
もうどんなに呼んでも揺らしても、決して目を開けなかった。


救急搬送された大学病院では、すぐに地下の緊急手術室に通された。

「ここで待っていて下さい」

幅の広い廊下には簡易なベンチソファが置かれ、白く塗られた壁には所どころに染みがある。

ドアの上に灯る「手術中」の赤いランプが不安をあおる。
座っていられず廊下に立ち尽くしたまま、祈るしかなかった。

扉が閉ざされてから、それほど経たずして、
ふいに赤いランプが消え、手術室の中からスタッフの方々が出てきた。

「あ、…あのっ」

柚くんの様子を知りたくて立ち上がると、

「先生からお話がありますよ」

スタッフの方々はそのまま立ち去り、最後に部屋から出てきた長身の医師が私を認めて近づいてきた。

「あのっ、…あの、どのくらいで治りますか? 跡は残りますか? 命に別状はありませんよね!?」

掴みかからんばかりに詰め寄った私に、「Dr.結城」のネームプレートを下げた医師はその美しい顔を優しく緩めた。

「まあ、…彼女さん次第かな」

か、彼女さん、て誰っ!?

てか、なんかこの美形の先生、ちょっと面白がってない?

私がよく分からないまま結城医師を見上げると、やっぱりどこか笑いを含んだ顔で、

「どうぞ。目、覚ましてますよ」

ぽん、と頭を軽くなでられ、手術室の隣の部屋に案内された。

…なんでしょう、この、仕草一つに色気が漂う感じ。恐るべし、美形、…

安静室らしき部屋はそれほど広くはなく、壁紙とカーテンが温かみのあるベージュで統一され、1台だけ置かれたベットの上に病院の服を着た柚くんが座っていた。

「柚くん!」

私が駆け寄ると、柚くんはちょっとふて腐れたような顔をして横を向いた。

「ま、お大事にね」

結城医師が意味ありげな表情で柚くんに近づくと、バシッと音が鳴るほど強く柚くんの背中をたたいた。

「いって!」
「全く心配ないよ。かすり傷1つ付いてないから」

「…はあ?」
本気で間の抜けた声を上げてしまった。

「ちゃんと自分で説明しろ。彼女ものすごく心配してたぞ。…で、落ち着いたらさっさと帰れ」

結城医師は口調とは裏腹に優しい表情で柚くんを見ると、私に頷いてみせてから部屋を出て行った。
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