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iiyori.04
09.
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「なんという荒唐無稽な、…」
「にわかには信じられない設定というか、…」
「もはやあり得ないというか、…」
穂月の話を聞いていた保健室の面々が率直な感想を呟く。
全くもって同感だけど、でもさ、でもさっ
穂月が私の家の前にいたっていうのが、ほらもう、運命というか? 私が穂月の『なえ』だっていう証っていうか??
引きずり降ろされそうなヒロインの座に必死でしがみつく私に、
「…時切丸は霊魂をも切り裂く妖刀で、神話時代に滅ぼされた悪霊の呪いを受けているんです。愛する人の血によって時空を切断する、という」
三宮さんの冷静な声が聞こえた。
なんでそんなこと知ってるの!?
という、いかにも本物っぽい知識が出てきた。これはヤバい。
「私の家は三宮寺という代々伝わる古いお寺なんですけど、奉納されているものの中に剣もあるんです。私、刀剣の美しさに魅せられていて、ある時、決して触ってはいけないと言われていた宝物殿の刀に触わり、誤って腕を切ってしまったんです。そうしたら、霊魂が飛ばされて戦国時代の娘になり、穂月様に出会いました」
そしてなんか、もっともらしい理由も出てきた。完全にヤバい。
私の運命論、風前の灯火じゃん、…
「後は、穂月様が語られた通りです。私は現在の三宮なえに戻ったんですけど、今朝方どうしようもなく心が騒いで、外に出てみると、皇居外苑に時切丸を持った穂月様がたたずんでらして、…もう矢も楯もたまらず飛びつきました」
しんと静まり返った保健室に熱を帯びた三宮さんの声が響く。
「お会いしたかった、…」
カーテン越しでも、どんな表情で穂月を見ているのか分かる。
あの非の打ちどころのない美少女は、全身全霊を捧げて穂月を恋い慕っているんだろう。
これ、もう、…勝ち目なくない?
運命論、終わったわ。
私ってばただの、愛し合う二人を引き裂く、痛い勘違い女じゃん。流行りの悪役令嬢じゃん、…(←違う)
穂月の腕の中からもそもそと抜け出そうとすると、穂月にぎゅっと閉じ込められた。
「でも、俺のなえはお前だけだ、…」
低くかすれた、苦しそうな穂月の声。
運命の相手である三宮さんを前にして大変申し訳ないけど、そう言ってくれる穂月の気持ちはすごく嬉しい。
だからもう、それだけでいいことにしよう。
「素朴な疑問なんだけどさ、戦国のなえと現代のなえの、見た目とか特徴とかは、全然違うのかな?」
「何か面影みたいな?」「霊魂に面影とかあるのかよ」
マキちゃんと坂下さん、鷹峰くんがぼそぼそ言い合っている。
「俺にはなえはなえにしか見えん、…」
ちょっと不貞腐れたように穂月がつぶやく。
「戦国のなえってどんな娘だったの?」
坂下さんの問いかけに、
「…可愛い」
穂月が答えると、保健室の皆さんが、私と三宮さんを見比べて、無言でジャッジを下したのが分かった。
ねえ!?
みんなまとめて失礼じゃない??
「にわかには信じられない設定というか、…」
「もはやあり得ないというか、…」
穂月の話を聞いていた保健室の面々が率直な感想を呟く。
全くもって同感だけど、でもさ、でもさっ
穂月が私の家の前にいたっていうのが、ほらもう、運命というか? 私が穂月の『なえ』だっていう証っていうか??
引きずり降ろされそうなヒロインの座に必死でしがみつく私に、
「…時切丸は霊魂をも切り裂く妖刀で、神話時代に滅ぼされた悪霊の呪いを受けているんです。愛する人の血によって時空を切断する、という」
三宮さんの冷静な声が聞こえた。
なんでそんなこと知ってるの!?
という、いかにも本物っぽい知識が出てきた。これはヤバい。
「私の家は三宮寺という代々伝わる古いお寺なんですけど、奉納されているものの中に剣もあるんです。私、刀剣の美しさに魅せられていて、ある時、決して触ってはいけないと言われていた宝物殿の刀に触わり、誤って腕を切ってしまったんです。そうしたら、霊魂が飛ばされて戦国時代の娘になり、穂月様に出会いました」
そしてなんか、もっともらしい理由も出てきた。完全にヤバい。
私の運命論、風前の灯火じゃん、…
「後は、穂月様が語られた通りです。私は現在の三宮なえに戻ったんですけど、今朝方どうしようもなく心が騒いで、外に出てみると、皇居外苑に時切丸を持った穂月様がたたずんでらして、…もう矢も楯もたまらず飛びつきました」
しんと静まり返った保健室に熱を帯びた三宮さんの声が響く。
「お会いしたかった、…」
カーテン越しでも、どんな表情で穂月を見ているのか分かる。
あの非の打ちどころのない美少女は、全身全霊を捧げて穂月を恋い慕っているんだろう。
これ、もう、…勝ち目なくない?
運命論、終わったわ。
私ってばただの、愛し合う二人を引き裂く、痛い勘違い女じゃん。流行りの悪役令嬢じゃん、…(←違う)
穂月の腕の中からもそもそと抜け出そうとすると、穂月にぎゅっと閉じ込められた。
「でも、俺のなえはお前だけだ、…」
低くかすれた、苦しそうな穂月の声。
運命の相手である三宮さんを前にして大変申し訳ないけど、そう言ってくれる穂月の気持ちはすごく嬉しい。
だからもう、それだけでいいことにしよう。
「素朴な疑問なんだけどさ、戦国のなえと現代のなえの、見た目とか特徴とかは、全然違うのかな?」
「何か面影みたいな?」「霊魂に面影とかあるのかよ」
マキちゃんと坂下さん、鷹峰くんがぼそぼそ言い合っている。
「俺にはなえはなえにしか見えん、…」
ちょっと不貞腐れたように穂月がつぶやく。
「戦国のなえってどんな娘だったの?」
坂下さんの問いかけに、
「…可愛い」
穂月が答えると、保健室の皆さんが、私と三宮さんを見比べて、無言でジャッジを下したのが分かった。
ねえ!?
みんなまとめて失礼じゃない??
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