異世界転移 異世界へと召喚された神様達は世界の常識をぶち壊す!

夢見叶

文字の大きさ
2 / 26

転移

しおりを挟む
 ざわざわ! ざわざわ!

 平日の昼下がり。四時限目の授業も終わり騒がしくなる教室。

 その中に一人、静かに教科書を読んでいる少年がいる。

 その少年こそ音無優輝おとなしゆうき、俺である。

 この高校に入って半年。

 二学期に入って一か月が経とうとしていた。

 まだ少し暑い気温。衣替えの季節になり学ランを着ている者や、まだ薄着のカッターシャツでいる者などそれぞれであった。

 その中で俺は、学ランを着て不細工なメガネかけ、ぼさぼさの髪、はたから見たらただのがり勉の陰キャのように見えているだろう。

 ほとんどの者が友達を作り、グループを作って話している中、俺にそんな友はいない。いわゆるボッチと言うやつである。

 それも俺自身がの望んで作り出した現状。

 そもそも、俺のこの学校での目標は、『目立たずに、静かな学園生活を送る』

 今現在、その目標は達成されていると言えよう。

 だがそれも今日までかもしれない。

なぜならば、

「今日だよね?」

「何が?」

「レインボーガールズだよ。今日この学校でテレビの撮影があるから午後から来るんだよ」

「マジで!」

「昨日、SNSで呟いてるよ、ほら」

 クラスの女子達の会話から、聞こえてきた。レインボーガールズ、今若者達のなかでもっとも人気のアイドルグループ。

 三人組で、可愛くて、歌もダンスもトップクラス。人気が出ない方がおかしいくらい。

 そして今日、そんなレインボーガールズがこの学校にへとやってくることになっていた。

 俺はそのことを考えるだけでため息が出てくる。
 
 それは昨夜のこと、

「優輝! 優輝! 私達明日、優輝の学校に行くからね!」

「っは! なんでだよ!」

 神の仕事の帰り、パーティーを組んでいるメンバーのリナがそんなことを言ってきた。

「あれ~? 先週話さなかったっけ? 私達の番組で優輝の学校を紹介することになったから来週行くよって!」

 頭を捻りながら言ってくるリナ。

「言ってなかったわよ」

 それに対して突っ込みを入れるフィート。

「……」

 無言で頭を縦に振っているレナ。

 この、レナ・フィート・リナの三人が三人組のアイドルグループ、レインボーガールズのメンバーなのである。

 そんな三人は俺と同じく神をやっており、実力は神の中でもトップファイブに入っていて、俺と同じパーティー組んで仕事をこなしている。

 いつも仕事帰りは他愛もない話をしているのだが、今回は他愛ない話しで終われない。

 なぜなら、俺の学校生活での目標が終わるからである。

「俺、明日は学校休むわ!」

 三人の話を聞いて俺の口から出たのはこの一言だった。

 休めば三人が来ても何も起こらない。平穏を潰されないですむ。

 だが、

「嫌だー! 優輝がいないと行く意味がないよ! 優輝がどんな生活しているか見たいのにー!」

 無茶苦茶駄々をこねるリナ。

(確か、俺と同い年だよなこいつ)

 などと思ってしまった。

「優輝、ズル休みなんてダメですよ! 私達は神なのです。人々の見本になる存在なのですからね」

 フィートの言葉に対して何も言えない俺。

 このパーティーの中でフィートは副リーダーでいて、実質的にこのパーティーを仕切っている存在であった。

 そのため、俺だけでなくリナやレナもフィートに逆らうことは出来ない。

 そして、レインボーガールズの中ではリーダーをしている。

 そんなこんなで、俺は今日休まずに学校に来ているのであった。

「俺、フィートちゃんと話せたら今日死んでもいいかも」

「俺はリナちゃんだな、あの元気で明るいところいいよな~」

「俺はぜっていレナちゃんだよ。物静かで身長の小さいところが守ってあげたって思っちゃうんだよな」

 周りの男子達の話声。

「私、絶対サインもらうんだ」

「私だって! 色紙三枚持ってきてるんだから」

「私は六枚よ」

 女子達の声。

 その声を聴くたびに、胃が痛くなってくる。

 そんな中、一人の女子が窓の外を指さして、

「来た!」

 大声で発した一言。

 その一言により、クラス中の生徒が教室の窓へと駆け寄っていく。


「フィートちゃんだ! 長い髪にあのすらっとしたスタイル。三人の中で一番スタイル良いよな」

「リナちゃんよ! 手を振ってくれてる」

「レナちゃんもいる!」

 三人を見て異常なテンションになっているクラスメイト達。

(もういーやーだー!)

 心の中で大声で叫んでいた。

 そんな感じに俺が苦しんでいると教室の扉が開いた。

「優輝! 来たよー!」

 教室の扉が勢いよく開かれてリナが入ってくる。

 金髪の髪を左右で結んだツインテールを揺らしながら元気よく入ってきた。

「リナちゃんだ!」

「まじかで見るとめっちゃ可愛い!」

「お人形さんみたい」

 などと、リナを見ていろいろな反応を見せるクラスメイト達。

 俺は、リナの呼びかけをスルーして教科書を見ていると、

「居たー! 優輝見っけ!」

 俺の方を指さしながらダッシュで近づいてくるリナ。

 それを見たクラスメイト達。

「あれって、いつも机で教科書ばっか読んでいるがり勉君だよね」

「うんうん。 なんであんな友達もいない陰キャの所にアイドルのリナちゃんが?」

「でも、名前読んでたから知り合いじゃないの?」

「なんであんなにダサいがり勉君のことをリナちゃんが?」

 周りのクラスメイト達のひそひそ話。

 何を言われているかは大体想像がつく。

「リナ、何勝手に動いてるの!」

 フィート達も教室にやってきた。

(これで平穏な学園生活も終わりか)

 心の中でため息交じりに呟く俺。

 だがそんな俺とは裏腹にレインボーガールズ達が三人そろってこの教室に集まったことでまたテンションが上がるクラスメイト。

「フィート、優輝いたよ!」

 元気に俺を見つけたことを叫ぶリナ。

 そんな中、

「見つけました!」

 聞き覚えのない少女の声がどこからともなく聞こえてきた。

 ただの空耳だと思い気にしなようにしながら胃を痛め続ける俺。

「ここで優輝は毎日授業を受けてるんだね」

「優輝の教室。私もここで学校生活送りたい」

「ダメですよ! そんなことできるわけないでしょ」

 フィートにダメ出しをされるレナ。

 いつも見ている光景だと思いながらも、これからの学園生活のことを考えるとため息が出てくる。
 
 そんなとき、クラスの床より青白い光、魔法陣のような物が現れた。

「なんなのこれ!」

「窓も扉も開かねえぞ!」

 急激な事態に戸惑うクラスメイト達。

 そんな中、

「フィート! レナ! リナ! 戦闘準備! 何があってもいいように備えろ!」

「了解!」

 三人に対して指示を出す。

(一体何が起きてるんだ)

 俺自身、心の動揺を隠せない。

 そんな中、床より青白く光っている魔法陣の輝きがより一層強くなりクラス中がこの光に包まれた。

 そして気が付くと俺達は見知らぬ城の中にいた。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

異世界ビルメン~清掃スキルで召喚された俺、役立たずと蔑まれ投獄されたが、実は光の女神の使徒でした~

松永 恭
ファンタジー
三十三歳のビルメン、白石恭真(しらいし きょうま)。 異世界に召喚されたが、与えられたスキルは「清掃」。 「役立たず」と蔑まれ、牢獄に放り込まれる。 だがモップひと振りで汚れも瘴気も消す“浄化スキル”は規格外。 牢獄を光で満たした結果、強制釈放されることに。 やがて彼は知らされる。 その力は偶然ではなく、光の女神に選ばれし“使徒”の証だと――。 金髪エルフやクセ者たちと繰り広げる、 戦闘より掃除が多い異世界ライフ。 ──これは、汚れと戦いながら世界を救う、 笑えて、ときにシリアスなおじさん清掃員の奮闘記である。

どうも、命中率0%の最弱村人です 〜隠しダンジョンを周回してたらレベル∞になったので、種族進化して『半神』目指そうと思います〜

サイダーボウイ
ファンタジー
この世界では15歳になって成人を迎えると『天恵の儀式』でジョブを授かる。 〈村人〉のジョブを授かったティムは、勇者一行が訪れるのを待つ村で妹とともに仲良く暮らしていた。 だがちょっとした出来事をきっかけにティムは村から追放を言い渡され、モンスターが棲息する森へと放り出されてしまう。 〈村人〉の固有スキルは【命中率0%】というデメリットしかない最弱スキルのため、ティムはスライムすらまともに倒せない。 危うく死にかけたティムは森の中をさまよっているうちにある隠しダンジョンを発見する。 『【煌世主の意志】を感知しました。EXスキル【オートスキップ】が覚醒します』 いきなり現れたウィンドウに驚きつつもティムは試しに【オートスキップ】を使ってみることに。 すると、いつの間にか自分のレベルが∞になって……。 これは、やがて【種族の支配者(キング・オブ・オーバーロード)】と呼ばれる男が、最弱の村人から最強種族の『半神』へと至り、世界を救ってしまうお話である。

~唯一王の成り上がり~ 外れスキル「精霊王」の俺、パーティーを首になった瞬間スキルが開花、Sランク冒険者へと成り上がり、英雄となる

静内燕
ファンタジー
【カクヨムコン最終選考進出】 【複数サイトでランキング入り】 追放された主人公フライがその能力を覚醒させ、成り上がりっていく物語 主人公フライ。 仲間たちがスキルを開花させ、パーティーがSランクまで昇華していく中、彼が与えられたスキルは「精霊王」という伝説上の生き物にしか対象にできない使用用途が限られた外れスキルだった。 フライはダンジョンの案内役や、料理、周囲の加護、荷物持ちなど、あらゆる雑用を喜んでこなしていた。 外れスキルの自分でも、仲間達の役に立てるからと。 しかしその奮闘ぶりは、恵まれたスキルを持つ仲間たちからは認められず、毎日のように不当な扱いを受ける日々。 そしてとうとうダンジョンの中でパーティーからの追放を宣告されてしまう。 「お前みたいなゴミの変わりはいくらでもいる」 最後のクエストのダンジョンの主は、今までと比較にならないほど強く、歯が立たない敵だった。 仲間たちは我先に逃亡、残ったのはフライ一人だけ。 そこでダンジョンの主は告げる、あなたのスキルを待っていた。と──。 そして不遇だったスキルがようやく開花し、最強の冒険者へとのし上がっていく。 一方、裏方で支えていたフライがいなくなったパーティーたちが没落していく物語。 イラスト 卯月凪沙様より

狙って追放された創聖魔法使いは異世界を謳歌する

マーラッシュ
ファンタジー
旧題:狙って勇者パーティーから追放される~異世界転生前の記憶が戻ったのにこのままいいように使われてたまるか!  【第15回ファンタジー小説大賞の爽快バトル賞を受賞しました】 ここは異世界エールドラド。その中の国家の1つ⋯⋯グランドダイン帝国の首都シュバルツバイン。  主人公リックはグランドダイン帝国子爵家の次男であり、回復、支援を主とする補助魔法の使い手で勇者パーティーの一員だった。  そんな中グランドダイン帝国の第二皇子で勇者のハインツに公衆の面前で宣言される。 「リック⋯⋯お前は勇者パーティーから追放する」  その言葉にリックは絶望し地面に膝を着く。 「もう2度と俺達の前に現れるな」  そう言って勇者パーティーはリックの前から去っていった。  それを見ていた周囲の人達もリックに声をかけるわけでもなく、1人2人と消えていく。  そしてこの場に誰もいなくなった時リックは⋯⋯笑っていた。 「記憶が戻った今、あんなワガママ皇子には従っていられない。俺はこれからこの異世界を謳歌するぞ」  そう⋯⋯リックは以前生きていた前世の記憶があり、女神の力で異世界転生した者だった。  これは狙って勇者パーティーから追放され、前世の記憶と女神から貰った力を使って無双するリックのドタバタハーレム物語である。 *他サイトにも掲載しています。

異世界に召喚されて2日目です。クズは要らないと追放され、激レアユニークスキルで危機回避したはずが、トラブル続きで泣きそうです。

もにゃむ
ファンタジー
父親に教師になる人生を強要され、父親が死ぬまで自分の望む人生を歩むことはできないと、人生を諦め淡々とした日々を送る清泉だったが、夏休みの補習中、突然4人の生徒と共に光に包まれ異世界に召喚されてしまう。 異世界召喚という非現実的な状況に、教師1年目の清泉が状況把握に努めていると、ステータスを確認したい召喚者と1人の生徒の間にトラブル発生。 ステータスではなく職業だけを鑑定することで落ち着くも、清泉と女子生徒の1人は職業がクズだから要らないと、王都追放を言い渡されてしまう。 残留組の2人の生徒にはクズな職業だと蔑みの目を向けられ、 同時に追放を言い渡された女子生徒は問題行動が多すぎて退学させるための監視対象で、 追加で追放を言い渡された男子生徒は言動に違和感ありまくりで、 清泉は1人で自由に生きるために、問題児たちからさっさと離れたいと思うのだが……

無尽蔵の魔力で世界を救います~現実世界からやって来た俺は神より魔力が多いらしい~

甲賀流
ファンタジー
なんの特徴もない高校生の高橋 春陽はある時、異世界への繋がるダンジョンに迷い込んだ。なんだ……空気中に星屑みたいなのがキラキラしてるけど?これが全て魔力だって? そしてダンジョンを突破した先には広大な異世界があり、この世界全ての魔力を行使して神や魔族に挑んでいく。

異世界あるある 転生物語  たった一つのスキルで無双する!え?【土魔法】じゃなくって【土】スキル?

よっしぃ
ファンタジー
農民が土魔法を使って何が悪い?異世界あるある?前世の謎知識で無双する! 土砂 剛史(どしゃ つよし)24歳、独身。自宅のパソコンでネットをしていた所、突然轟音がしたと思うと窓が破壊され何かがぶつかってきた。 自宅付近で高所作業車が電線付近を作業中、トラックが高所作業車に突っ込み運悪く剛史の部屋に高所作業車のアームの先端がぶつかり、そのまま窓から剛史に一直線。 『あ、やべ!』 そして・・・・ 【あれ?ここは何処だ?】 気が付けば真っ白な世界。 気を失ったのか?だがなんか聞こえた気がしたんだが何だったんだ? ・・・・ ・・・ ・・ ・ 【ふう・・・・何とか間に合ったか。たった一つのスキルか・・・・しかもあ奴の元の名からすれば土関連になりそうじゃが。済まぬが異世界あるあるのチートはない。】 こうして剛史は新た生を異世界で受けた。 そして何も思い出す事なく10歳に。 そしてこの世界は10歳でスキルを確認する。 スキルによって一生が決まるからだ。 最低1、最高でも10。平均すると概ね5。 そんな中剛史はたった1しかスキルがなかった。 しかも土木魔法と揶揄される【土魔法】のみ、と思い込んでいたが【土魔法】ですらない【土】スキルと言う謎スキルだった。 そんな中頑張って開拓を手伝っていたらどうやら領主の意に添わなかったようで ゴウツク領主によって領地を追放されてしまう。 追放先でも土魔法は土木魔法とバカにされる。 だがここで剛史は前世の記憶を徐々に取り戻す。 『土魔法を土木魔法ってバカにすんなよ?異世界あるあるな前世の謎知識で無双する!』 不屈の精神で土魔法を極めていく剛史。 そしてそんな剛史に同じような境遇の人々が集い、やがて大きなうねりとなってこの世界を席巻していく。 その中には同じく一つスキルしか得られず、公爵家や侯爵家を追放された令嬢も。 前世の記憶を活用しつつ、やがて土木魔法と揶揄されていた土魔法を世界一のスキルに押し上げていく。 但し剛史のスキルは【土魔法】ですらない【土】スキル。 転生時にチートはなかったと思われたが、努力の末にチートと言われるほどスキルを活用していく事になる。 これは所持スキルの少なさから世間から見放された人々が集い、ギルド『ワンチャンス』を結成、努力の末に世界一と言われる事となる物語・・・・だよな? 何故か追放された公爵令嬢や他の貴族の令嬢が集まってくるんだが? 俺は農家の4男だぞ?

レベルが上がらない【無駄骨】スキルのせいで両親に殺されかけたむっつりスケベがスキルを奪って世界を救う話。

玉ねぎサーモン
ファンタジー
絶望スキル× 害悪スキル=限界突破のユニークスキル…!? 成長できない主人公と存在するだけで周りを傷つける美少女が出会ったら、激レアユニークスキルに! 故郷を魔王に滅ぼされたむっつりスケベな主人公。 この世界ではおよそ1000人に1人がスキルを覚醒する。 持てるスキルは人によって決まっており、1つから最大5つまで。 主人公のロックは世界最高5つのスキルを持てるため将来を期待されたが、覚醒したのはハズレスキルばかり。レベルアップ時のステータス上昇値が半減する「成長抑制」を覚えたかと思えば、その次には経験値が一切入らなくなる「無駄骨」…。 期待を裏切ったため育ての親に殺されかける。 その後最高レア度のユニークスキル「スキルスナッチ」スキルを覚醒。 仲間と出会いさらに強力なユニークスキルを手に入れて世界最強へ…!? 美少女たちと冒険する主人公は、仇をとり、故郷を取り戻すことができるのか。 この作品はカクヨム・小説家になろう・Youtubeにも掲載しています。

処理中です...