異世界転移 異世界へと召喚された神様達は世界の常識をぶち壊す!

夢見叶

文字の大きさ
6 / 26

冒険者 2

しおりを挟む
 他のクラスメイト達

 優輝達が冒険者登録のための適性検査を受けるためギルドの地下へと案内されていた頃、その姿を見ていたクラスメイト達各々にいろいろとひそひそ話をしていた。

 その中に一人、優輝のことを気にしている少女が一人いた。

 その少女、村西亜理紗はクラスでもリーダー的な存在。

 それに合わせて整った顔に、抜群のスタイル。その容姿は学年でもトップクラスの可愛さを誇っていた。

「亜理紗、音無のことどう思う?」

 近くにいた友達が私にそんなことを聞いてきた。

「どうって何が?」

「だから、なんであの不細工君とあの三人が一緒にいるのかってことよ」

「そのことね。ただの友達なんじゃないのかな? 教室に居たときも仲良さそうだったし」

 私は、音無君なんかに興味はない。

 無かった。

 だけどこの世界に連れてこられて他のクラスメイト達は驚きのあまり冷静さを欠いていた。

 だけど、彼とその近くにいたレインボーガールズの三人だけは少し違った。

 何か他のクラスメイト達とは違う雰囲気を纏い全体を見渡す冷静さ、それにあの三人に対して瞬間的な判断で何か指示を出しているようにも見えた。

 それからも、いろいろな違和感がいろいろとあった。

 国王の執事と言いあの男の話に対して私は頭が追い付かなかった。正直これが現実でこれから私達は命を懸けて戦わないといけないなんて嘘だとばかり頭の中で考えていた。

 でも彼は、その話に対して何かを全てを理解しているような顔で話を聞いていてやはり教室にいた頃と何かが違う。

 その後にあった全員のステータス確認。

 私は辛うじてCランクと言うことで王様達にも認めてもらえた。そのことに少しほっとした。

 だけど彼はDランク。

 しかもその中でもステータスが一番低いと言われたり、勇者の中のごみなど言われていた。

 それに対して悔しがるでもなく、怒るでもなく全てを冷静に受け入れていた。

 その姿を見て、もしかすると今の姿こそが本当の彼で、何かいろいろと私達の知らないことが彼らにはあるのではないかと私は考えていた。

 だけど他のクラスメイト達の話を聞いると、

「何故あいつばかりフィートさんと一緒に」

「あんな奴のどこがいいんだ」

「この世界に来ても陰キャらは陰キャらのままか」

 などと、彼を嫉む声や、特に興味ないみたいな声しか聞こえてこなかった。

「そうなのかな~~? まあどうでもいいか! だって音無君Dランクで最も低いステータスなんでしょう」

「そうみたいね」

「あんなのが冒険者になったところですぐ死んじゃうでしょ」

 そうかもしれない。

 表面上ではそう考えていたんだが、心の奥底でそんなことを考えている私がいる。

「そうだよ。俺達みたいな選ばれた者達は違うんだよ」

 他の男子達も話に入ってくる。

「でも彼とは正反対にあの不良四人組がまさかこの世界でまさかあそこまで重宝される存在なんてね」

「本当にね。こっちの世界に来なければただの社会のくずにしかならないような存在がね」

「人生何があるか分からないわよね」

 などと友達どうして先ほどの城の中での出来事で話は盛り上がっていた。

 そしてしばらくその話題で盛り上がっていると、

「勇者様方、説明会のご準備が整いましたのでこちらへどうぞ」

 ギルド職員の方に別の部屋へと案内されていくのだった




 冒険者適正試験

 俺達の目の前にある的。

 この的に攻撃をすることでその者の戦闘力を確認すると言うの最初の試験のようだった。

 だがこの試験の内容聞いたとき思わず笑いそうになってしまった。

「五パー程度でいいか」

「そうだね」

「それ以上出す必要もないでしょ」

「余裕」

 ぞれぞれが俺の言葉に反応を返す。

 だが、その言葉に対して頭に疑問符浮かべている者が一人。

 冒険者ギルドの受付にいた女性であった。

「一体何を言っておられるのですか? 五パーとか聞こえましたが」

「はい、全力の五パー程度の攻撃でいいかと思っただけですが?」

「はい?」

 理解できな。そんな反応であった。

「お姉さん、一つ質問なんですが」

「はい」

「あの的に対して行う攻撃は、どんな魔法や攻撃でもいいのですか?」

「はい、あなた方が使える最大の物をぶつけていただければ結構です」

「回復魔法でもですか」

「は……え」

「だ・か・ら、回復魔法でも大丈夫かと聞いているのです」

「上位系統の魔法であれば大丈夫かと思いますが」

「と、いうことだ。レナ」

「了解!」

 お姉さんへの質問は終わるとすぐ、俺達それぞれの的の前へと移動。

 それぞれ一番得意とする攻撃手段で狙いを定める。

 俺はフィートは剣で近接攻撃。リナは支援魔法、レナは回復魔法と、後半二人は攻撃魔法とは少し離れているがそれでも確かなものであると言える。

 ただ一つ女性が驚く出来事があった。

「空間魔法」

 その一言が出てきたのは、俺とフィートが剣を何もない空間より取り出したのを見てのことであった。

「こんな子達が何故ごく一部の者しか使えない魔法を」

「これのことですか?」

「俺は剣以外の物を出し入れしてみると」

「それです。しかもそれは空間魔法の上位収納ゲイトではありませんか!」

 だがここで一つ勘違いがった。

 俺やフィート、それにリナやレナも使えるこの魔法は宝物庫と呼ばれて神でも上位の者しか使うことが出来ない物でどんな物でも無制限に入れたときの状態で収納できると言う物。

「何ですかそれ?」

「収納ゲートとは、空間魔法の上位に存在す魔法で、ある一定数の武器屋、食料などを収納することの出来る魔法で、使える者をごく一部。しかも使用者の殆どお城などで王様などのそば仕えなどをしています」

「そうなのですか、ですがあなたが知っているも物とはこの魔法は別物ですのでお気になさらないで下さい」

 それだけ言って的へと向き直る。

 それから、俺とフィートは正面から的へ一直線に攻撃を加える。

 リナは防御魔法『プロテクト』、レナは蘇生魔法『リオーネ』を発動。

 的の上に表示されたのはこちらの世界の文字が浮かび上がるとすぐ、全ての的が爆発したのだった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

防御力を下げる魔法しか使えなかった俺は勇者パーティから追放されたけど俺の魔法に強制脱衣の追加効果が発現したので世界中で畏怖の対象になりました

かにくくり
ファンタジー
 魔法使いクサナギは国王の命により勇者パーティの一員として魔獣討伐の任務を続けていた。  しかし相手の防御力を下げる魔法しか使う事ができないクサナギは仲間達からお荷物扱いをされてパーティから追放されてしまう。  しかし勇者達は今までクサナギの魔法で魔物の防御力が下がっていたおかげで楽に戦えていたという事実に全く気付いていなかった。  勇者パーティが没落していく中、クサナギは追放された地で彼の本当の力を知る新たな仲間を加えて一大勢力を築いていく。  そして防御力を下げるだけだったクサナギの魔法はいつしか次のステップに進化していた。  相手の身に着けている物を強制的に剥ぎ取るという究極の魔法を習得したクサナギの前に立ち向かえる者は誰ひとりいなかった。 ※小説家になろうにも掲載しています。

『急所』を突いてドロップ率100%。魔物から奪ったSSRスキルと最強装備で、俺だけが規格外の冒険者になる

仙道
ファンタジー
 気がつくと、俺は森の中に立っていた。目の前には実体化した女神がいて、ここがステータスやスキルの存在する異世界だと告げてくる。女神は俺に特典として【鑑定】と、魔物の『ドロップ急所』が見える眼を与えて消えた。  この世界では、魔物は倒した際に稀にアイテムやスキルを落とす。俺の眼には、魔物の体に赤い光の点が見えた。そこを攻撃して倒せば、【鑑定】で表示されたレアアイテムが確実に手に入るのだ。  俺は実験のために、森でオークに襲われているエルフの少女を見つける。オークのドロップリストには『剛力の腕輪(攻撃力+500)』があった。俺はエルフを助けるというよりも、その腕輪が欲しくてオークの急所を剣で貫く。  オークは光となって消え、俺の手には強力な腕輪が残った。  腰を抜かしていたエルフの少女、リーナは俺の圧倒的な一撃と、伝説級の装備を平然と手に入れる姿を見て、俺に同行を申し出る。  俺は効率よく強くなるために、彼女を前衛の盾役として採用した。  こうして、欲しいドロップ品を狙って魔物を狩り続ける、俺の異世界冒険が始まる。

高校生の俺、異世界転移していきなり追放されるが、じつは最強魔法使い。可愛い看板娘がいる宿屋に拾われたのでもう戻りません

下昴しん
ファンタジー
高校生のタクトは部活帰りに突然異世界へ転移してしまう。 横柄な態度の王から、魔法使いはいらんわ、城から出ていけと言われ、いきなり無職になったタクト。 偶然会った宿屋の店長トロに仕事をもらい、看板娘のマロンと一緒に宿と食堂を手伝うことに。 すると突然、客の兵士が暴れだし宿はメチャクチャになる。 兵士に殴り飛ばされるトロとマロン。 この世界の魔法は、生活で利用する程度の威力しかなく、とても弱い。 しかし──タクトの魔法は人並み外れて、無法者も脳筋男もひれ伏すほど強かった。

勇者召喚に巻き込まれ、異世界転移・貰えたスキルも鑑定だけ・・・・だけど、何かあるはず!

よっしぃ
ファンタジー
9月11日、12日、ファンタジー部門2位達成中です! 僕はもうすぐ25歳になる常山 順平 24歳。 つねやま  じゅんぺいと読む。 何処にでもいる普通のサラリーマン。 仕事帰りの電車で、吊革に捕まりうつらうつらしていると・・・・ 突然気分が悪くなり、倒れそうになる。 周りを見ると、周りの人々もどんどん倒れている。明らかな異常事態。 何が起こったか分からないまま、気を失う。 気が付けば電車ではなく、どこかの建物。 周りにも人が倒れている。 僕と同じようなリーマンから、数人の女子高生や男子学生、仕事帰りの若い女性や、定年近いおっさんとか。 気が付けば誰かがしゃべってる。 どうやらよくある勇者召喚とやらが行われ、たまたま僕は異世界転移に巻き込まれたようだ。 そして・・・・帰るには、魔王を倒してもらう必要がある・・・・と。 想定外の人数がやって来たらしく、渡すギフト・・・・スキルらしいけど、それも数が限られていて、勇者として召喚した人以外、つまり巻き込まれて転移したその他大勢は、1人1つのギフト?スキルを。あとは支度金と装備一式を渡されるらしい。 どうしても無理な人は、戻ってきたら面倒を見ると。 一方的だが、日本に戻るには、勇者が魔王を倒すしかなく、それを待つのもよし、自ら勇者に協力するもよし・・・・ ですが、ここで問題が。 スキルやギフトにはそれぞれランク、格、強さがバラバラで・・・・ より良いスキルは早い者勝ち。 我も我もと群がる人々。 そんな中突き飛ばされて倒れる1人の女性が。 僕はその女性を助け・・・同じように突き飛ばされ、またもや気を失う。 気が付けば2人だけになっていて・・・・ スキルも2つしか残っていない。 一つは鑑定。 もう一つは家事全般。 両方とも微妙だ・・・・ 彼女の名は才村 友郁 さいむら ゆか。 23歳。 今年社会人になりたて。 取り残された2人が、すったもんだで生き残り、最終的には成り上がるお話。

異世界に召喚されて2日目です。クズは要らないと追放され、激レアユニークスキルで危機回避したはずが、トラブル続きで泣きそうです。

もにゃむ
ファンタジー
父親に教師になる人生を強要され、父親が死ぬまで自分の望む人生を歩むことはできないと、人生を諦め淡々とした日々を送る清泉だったが、夏休みの補習中、突然4人の生徒と共に光に包まれ異世界に召喚されてしまう。 異世界召喚という非現実的な状況に、教師1年目の清泉が状況把握に努めていると、ステータスを確認したい召喚者と1人の生徒の間にトラブル発生。 ステータスではなく職業だけを鑑定することで落ち着くも、清泉と女子生徒の1人は職業がクズだから要らないと、王都追放を言い渡されてしまう。 残留組の2人の生徒にはクズな職業だと蔑みの目を向けられ、 同時に追放を言い渡された女子生徒は問題行動が多すぎて退学させるための監視対象で、 追加で追放を言い渡された男子生徒は言動に違和感ありまくりで、 清泉は1人で自由に生きるために、問題児たちからさっさと離れたいと思うのだが……

ゲームの悪役パパに転生したけど、勇者になる息子が親離れしないので完全に詰んでる

街風
ファンタジー
「お前を追放する!」 ゲームの悪役貴族に転生したルドルフは、シナリオ通りに息子のハイネ(後に世界を救う勇者)を追放した。 しかし、前世では子煩悩な父親だったルドルフのこれまでの人生は、ゲームのシナリオに大きく影響を与えていた。旅にでるはずだった勇者は旅に出ず、悪人になる人は善人になっていた。勇者でもないただの中年ルドルフは魔人から世界を救えるのか。

神様、ちょっとチートがすぎませんか?

ななくさ ゆう
ファンタジー
【大きすぎるチートは呪いと紙一重だよっ!】 未熟な神さまの手違いで『常人の“200倍”』の力と魔力を持って産まれてしまった少年パド。 本当は『常人の“2倍”』くらいの力と魔力をもらって転生したはずなのにっ!!  おかげで、産まれたその日に家を壊しかけるわ、謎の『闇』が襲いかかってくるわ、教会に命を狙われるわ、王女様に勇者候補としてスカウトされるわ、もう大変!!  僕は『家族と楽しく平和に暮らせる普通の幸せ』を望んだだけなのに、どうしてこうなるの!?  ◇◆◇◆◇◆◇◆◇  ――前世で大人になれなかった少年は、新たな世界で幸せを求める。  しかし、『幸せになりたい』という夢をかなえるの難しさを、彼はまだ知らない。  自分自身の幸せを追い求める少年は、やがて世界に幸せをもたらす『勇者』となる――  ◇◆◇◆◇◆◇◆◇ 本文中&表紙のイラストはへるにゃー様よりご提供戴いたものです(掲載許可済)。 へるにゃー様のHP:http://syakewokuwaeta.bake-neko.net/ --------------- ※カクヨムとなろうにも投稿しています

異世界帰りの勇者、今度は現代世界でスキル、魔法を使って、無双するスローライフを送ります!?〜ついでに世界も救います!?〜

沢田美
ファンタジー
かつて“異世界”で魔王を討伐し、八年にわたる冒険を終えた青年・ユキヒロ。 数々の死線を乗り越え、勇者として讃えられた彼が帰ってきたのは、元の日本――高校卒業すらしていない、現実世界だった。

処理中です...