異世界転移 異世界へと召喚された神様達は世界の常識をぶち壊す!

夢見叶

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最前線ソロ

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 日向達前衛が後退しきり、フィート達が合流するまでの間最前線は俺一人となった。

「久々のこの緊張感だ!」

 俺はこの他から見たら不利にしか見えない状況の楽しんでいた。

「アーカイブ発動! 宝物庫」

 俺は自分の視界内に戦場全てを映し出すモニターを表示。

 それと同時に今持っている鉄の剣を宝物庫にしまい、日本刀を取り出した。

 久々に扱う愛刀。

 アーカイブのモニターに映し出される圧倒的な数の不利。

 だがそんなこと関係ない。

『グラキエースフィールド!』

 水属性上位魔法、グラキエースフィールドは氷属性。自身を中心とした半径一キロ以内にいる者全てを氷漬けにする魔法。

 目の前にいる敵の実力でこれを防ぐことはまず無理。出来たとしても戦闘はほぼ不可能。

 俺は、探索で様子を見ると、すでに半分近くの敵兵が氷漬けになり動けないでいた。

 まずまず、力をかなり抑えて使ったにしては上々の結果。

 それに、前衛に部隊が氷漬けになりやられたことにより後衛部隊に混乱が起きている。

 だがそんな敵部隊に一人冷静な者がいた。

「僕達並みの魔法の使い手がいるんだね、面白い」

 前衛部隊の凍結を見てニヤリと笑っている者が、

『イグニスフィールド、ヒーリングフィールド』

 フィールド系の魔法全て属性魔法の上位に位置している。しかもその魔法を同時に使用。

 それにより、前衛部隊を氷漬けにしていた氷は溶け、ダメージは完全に回復してしまった。

「ははは」

 俺はびっくりのあまり言葉が出なかった。

 いくら力を抑えたと言っても上位魔法、そう簡単に使える魔法ではないし、さき程の探索の際にはそれほどの力を持つ者の反応はなかった。

 それともう一つ、この世界の概念から言うと、最初に俺達が考えていた舞台全体の移動速度上げる魔法を使う者と今回の火魔法と回復魔法を使う者は別の人間だと推測できる。だとすれば最低でも俺達に近い実力を持つ者が最低でも二人以上は敵国にいる事になる。

 それに今回発動されたイグニスフィールドは魔法で見方が死なないように絶妙な手加減がされていた。

 並みの魔法師には不可能な芸当。

 久々にワクワク感が俺の心の中で生まれてきた。

 俺は、後衛にいるであろう何者かのことを探りながら、前衛にいる敵国兵士を倒して行く。

 先ほどのように魔法一撃で倒そうとせずに一人一人を刀で切り伏せていく。

 回復魔法の実力もかなり物だと思い、一撃で即死、その後の復活ができない首を斬り落とすようにした。

 無駄な動きをそぎ落とし、敵から敵へ流れるように倒す。

「すごいね~! あんな動き出来るやつは初めてだよ! 木村ならできる?」

「俺にも無理だ! 俺の武器とあいつの武器ではそもそも扱いが違うぜ!」

「それもそうだね。それに、どれだけ凄い動きが出来ようと僕らには勝てないしね」

「ああ、敵は一人、俺達は四人だ! しかも連携もバッチしときたもんだからな」

「かわいそうにね」

 後方でアクリル王国の勇者達が優輝達の戦闘を見ながら話していた。

 そんなことをするはずもない俺は、前衛にいる兵士達を倒して行く。

 ただ、数が多い。

 そのため時間がかかってしょうがない。

 全力を出すのはいい。ただ、そうするとフィート達三人は問題ないがそれ以外のクラスメイト達に街の住人にまで影響を与えてし合う。

 中途半端な魔法は相手の魔法で相殺される。

 そう考えると時間はかかるが今の状態が一番いいともいえる。

「あれだけ動き回って疲れないのかな?」

 敵後衛部隊ではまだ話が続いていた。

「それがあいつの能力かもな」

「どうかしら? あの子からは私でも計り知れない程のオーラを感じるわ。しかもまだ全力では無い様子よ」

 二人の会話に入ってきた女性。

「アリアか! 魔法部隊から離れていいのか?」

「ええ、今の所前衛部隊だけで事足りているし、あの人が指示を出しているなら負けることもないでしょ」

「え~、でもさっきは魔法で氷漬けだったよ!」

「さすがにあんな化け物がいるなんて知らなかったからね。でもあの子、さっきと同じ魔法はもう使えないでしょ」

「うん、僕の魔法を警戒しているみたいだからね」

「そうなのか?」

「ええ、いくら広範囲の上位魔法を使おうがその全てを打ち消された魔力の使い損だからね」

「でもよ、相手だってこっちふが全属性魔法を使えるなんて知らないだろうし、他の属性魔法をつかうてもあるんじゃないか?」

「確かにね。でももし、水魔法しか使えないとしたら、これ以上の無駄な事はしてこないでしょ」

「それに、全属性を使えるやつ、僕以外にいるわけないしね」

「それもそうだ! そんなやつが何人もいたら恐ろしいぜ!」

「ほんと、ほんと」

 などとのんきな会話をしている内に、俺の元へとフィート達が合流してくる。

「お待たせ!」

「遅いぞ!」

「しょうがないじゃん! 東門を出ようとしたら優輝のクラスメイト達に全力で止められたんだから! それを振り切るの結構大変だったんだよ」

「少し疲れた」

 肩を落としながらあからさまな態度を見せてくる。

「わかった、分かった」

 三人の集合により、戦争は第二ラウンドへと移行していく。

 


 
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