最強剣士異世界で無双する

夢見叶

文字の大きさ
14 / 162
序章 第2章 総合魔法学院入学

第13話 授業スタート

しおりを挟む
 俺は、朝食を食べようと制服に着替えて部屋を出た。それと同じタイミングで隣の部屋の扉が開く音がした。

「おはようケンイチ、あんたも今から朝食?」

「そうだよ。シェリーもかい?」

「そうよ。ケンイチも一緒にどう?」

「いいよ」

 シェリーと一緒に朝食をする約束をした。その後、シェリーはヒョウカを起こすために彼女の部屋へと向かった。その間、部屋で待っていようと思い自分の部屋へと戻った。

 待つこと数分、俺の部屋の扉を叩くノックオンが聞こえてきた。

「おまたせケンイチ、朝食に行きましょう」

 俺は、シェリーの声を聞き扉を開くと、彼女の後ろ眠たい目をこすりながらヒョウカが制服に着替えて待っていた。

「おはよう、ケンイチ君。朝は眠いね」

 すごく眠そうな声で挨拶をしてきた。俺もヒョウカに挨拶を交わした後、俺達は三人寮の食堂へと向かった。食堂は、人で溢れかえっていた。なんとか空いている席を見つけて朝食を食べた俺達は、一度部屋へと戻り授業の準備をして教室へと向かった。

 俺達は教室へと入り自分の席に座ると、ヒソヒソ話が聞こえてきた。殆どが俺やシェリーのことのようだった。まだ二日目と言うこともあり、皆少しよそよそしくもあった。俺がそんなことを考えていると、

「私たちに何か言いたいことがあるならこそこそ話してないで出てきて直接言いなさいよ」

 シェリーは、空気を読まず他の生徒に向かって大きな声で言い放った。その言葉を聞いた瞬間クラスが一気に静かになった。それからすぐに学院の鐘が鳴り、ミシェル先生が教室に入ってきた。そのとき他の生徒は、心の中で安堵のため息をついていた。

 それか午前中は魔法基礎の授業が行われた。やっている内容は俺が母さんから入試までの半年間で教えられてきたことと変わりなくかなりつまらない授業だった。これが午前中一杯続き、昼食ののち、午後の実技の授業となった。

 実技の授業は今回魔法実技と近接実技が合同で行われることもあり、校庭で行われることになった。この授業はAクラスBクラス合同で行われる。校庭に集合した俺達の前に二人の教師が立っていた。一人は俺達Aクラスの担任のミシェル先生である。もう一人はおそらくBクラスの担任教師であろうと推測が出来た。

「ではただいまより、実技の授業を開始する。その前にだ、俺のことを知らないAクラスの生徒もいるだろうし簡単に自己紹介をしておくとしようか」

 俺達の前に立っていた、筋肉質の男性教師は自分の自己紹介を開始した。

「俺は、Bクラスの担任のレオン・ド・フィオネだ。近接実技の担当になるから選択している者はよろしくな」

 レオン先生の自己紹介の後、ミシェル先生も自己紹介を行った。教師の自己紹介が終わると、今回の授業の説明が行われた。

 今回の合同授業では魔法実技と近接実技関係なく二人一組での模擬戦を行う。俺は、何故かレオン先生と組むことになってしまった。シェリーはヒョウカと組むことになり他の生徒達もペアが出来ていった。

 レオン先生のかけ声とともに模擬戦が開始となった。

 授業が始まった最初は、レオン先生が他の生徒の指導などをしていた為俺は見学となった。一通り生徒への指導が終わると、俺の元へと戻ってきて、

「では主席君模擬戦を始めようか」

 レオン先生は俺のことを主席君と呼び、片手に持っていた剣を俺に渡してきた。その剣は刃が付いていない模擬戦用のもになっていた。レオン先生は、俺に近づいてきた時に、

「君が入試試験の時に試験官の先生を倒したのは知っている。その為他の生徒と組ましても練習にならんと思って俺と組んでもらった。それにわしも一度お主とやってみたかったのよ」

 先生は、そんなことを言いながら剣を構えてきた。俺も剣を構えて臨戦態勢入った。

 最初に攻めてきたのはレオン先生の方だった。右足で思い切り地面を蹴りもの凄いスピード迫ってきた。先生は両手で持っていた大剣を俺の頭めがけて振り下ろしてくる。その攻撃を俺は右に動くことでかわした。その後俺のいたところに剣が振り下ろされてもの凄い音が鳴り響いた。模擬戦をしていた他の生徒達は、その手を止めて一瞬こちらを見て驚いていた。

「おおやるじゃないか。この攻撃を避けるとはさすがだな」

 先生は、自分の攻撃をかわされたのにもかかわらず悔しがらずに、かなりうれしそうだった。こっちは、かなりギリギリの回避でヒヤヒヤものだったのにだ。もしも俺が先ほどの攻撃を剣で受けていたら、今持っているこの剣は、今頃へし折られていただろうと思った。

 それからも、先生は攻撃の手を辞めずに縦や斜めから斬りかかってきた。俺も少しずつその攻撃に目が慣れていきかわすのに余裕ができはじめた。

 先生が横なぎに剣を振ってきた。その攻撃をジャンプしながらかわすのと同時に、その剣を地面に叩きつけるような感じに上から踏みつけて、先生の手から剣を取り払った。剣がなくなり攻撃手段を失った先生は降参した。

「強いと思っていたがここまでとは恐れ入ったぞ。まさかAランク冒険者までいったこの俺が新入生ごときに負けてしまうとわな」

 悔しさをみじんも見せずに笑っていた。今回は強化を使わずにAランク冒険者だった人に勝つことが出来た。以前父さんと戦った時は、強化を使ってなんとか勝てたが今回はそれよりは少しよ余裕もあった。

「だが驚いたぞ。俺の最後の攻撃をジャンプしてかわしたのと思ったが、そのまま剣を踏みつけてくるとは驚いたぞ。だが久々に戦っていて楽しかったぞ」

 レオン先生は自分が負けたことなどどうでもいいかのように笑っていた。

「いえいえ成功したのはたまたまですよ。それに最初の一撃を僕がかわせなかったら俺はあのときに負けていましたよ」

 俺はこの勝負がかなりギリギリの試合だったと言った。俺の言葉を聞いたレオン先生は勝った者が強かっただけといい他の生徒達の模擬戦を見に行ってしまった。俺は、また一人になってしまった為、他の生徒のやっているのを見ようと思い見学して回った。

 授業開始から二時間ほどが経ち学院の鐘が鳴ると先生から終了が告げられた。AクラスBクラス両生徒は皆へとへとになりながら教室へと戻っていった。俺もシェリー達と一緒に教室へと戻っていったのだった。

しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

自力で帰還した錬金術師の爛れた日常

ちょす氏
ファンタジー
「この先は分からないな」 帰れると言っても、時間まで同じかどうかわからない。 さて。 「とりあえず──妹と家族は救わないと」 あと金持ちになって、ニート三昧だな。 こっちは地球と環境が違いすぎるし。 やりたい事が多いな。 「さ、お別れの時間だ」 これは、異世界で全てを手に入れた男の爛れた日常の物語である。 ※物語に出てくる組織、人物など全てフィクションです。 ※主人公の癖が若干終わっているのは師匠のせいです。 ゆっくり投稿です。

攻撃魔法を使えないヒーラーの俺が、回復魔法で最強でした。 -俺は何度でも救うとそう決めた-【[完]】

水無月いい人(minazuki)
ファンタジー
【HOTランキング一位獲得作品】 【一次選考通過作品】 ---  とある剣と魔法の世界で、  ある男女の間に赤ん坊が生まれた。  名をアスフィ・シーネット。  才能が無ければ魔法が使えない、そんな世界で彼は運良く魔法の才能を持って産まれた。  だが、使用できるのは攻撃魔法ではなく回復魔法のみだった。  攻撃魔法を一切使えない彼は、冒険者達からも距離を置かれていた。 彼は誓う、俺は回復魔法で最強になると。  --------- もし気に入っていただけたら、ブクマや評価、感想をいただけると大変励みになります! #ヒラ俺 この度ついに完結しました。 1年以上書き続けた作品です。 途中迷走してました……。 今までありがとうございました! --- 追記:2025/09/20 再編、あるいは続編を書くか迷ってます。 もし気になる方は、 コメント頂けるとするかもしれないです。

異世界召喚でクラスの勇者達よりも強い俺は無能として追放処刑されたので自由に旅をします

Dakurai
ファンタジー
クラスで授業していた不動無限は突如と教室が光に包み込まれ気がつくと異世界に召喚されてしまった。神による儀式でとある神によってのスキルを得たがスキルが強すぎてスキル無しと勘違いされ更にはクラスメイトと王女による思惑で追放処刑に会ってしまうしかし最強スキルと聖獣のカワウソによって難を逃れと思ったらクラスの女子中野蒼花がついてきた。 相棒のカワウソとクラスの中野蒼花そして異世界の仲間と共にこの世界を自由に旅をします。 現在、第四章フェレスト王国ドワーフ編

最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。

みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。 高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。 地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。 しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。

家ごと異世界転移〜異世界来ちゃったけど快適に暮らします〜

奥野細道
ファンタジー
都内の2LDKマンションで暮らす30代独身の会社員、田中健太はある夜突然家ごと広大な森と異世界の空が広がるファンタジー世界へと転移してしまう。 パニックに陥りながらも、彼は自身の平凡なマンションが異世界においてとんでもないチート能力を発揮することを発見する。冷蔵庫は地球上のあらゆる食材を無限に生成し、最高の鮮度を保つ「無限の食料庫」となり、リビングのテレビは異世界の情報をリアルタイムで受信・翻訳する「異世界情報端末」として機能。さらに、お風呂の湯はどんな傷も癒す「万能治癒の湯」となり、ベランダは瞬時に植物を成長させる「魔力活性化菜園」に。 健太はこれらの能力を駆使して、食料や情報を確保し、異世界の人たちを助けながら安全な拠点を築いていく。

異世界帰りの少年は現実世界で冒険者になる

家高菜
ファンタジー
ある日突然、異世界に勇者として召喚された平凡な中学生の小鳥遊優人。 召喚者は優人を含めた5人の勇者に魔王討伐を依頼してきて、優人たちは魔王討伐を引き受ける。 多くの人々の助けを借り4年の月日を経て魔王討伐を成し遂げた優人たちは、なんとか元の世界に帰還を果たした。 しかし優人が帰還した世界には元々は無かったはずのダンジョンと、ダンジョンを探索するのを生業とする冒険者という職業が存在していた。 何故かダンジョンを探索する冒険者を育成する『冒険者育成学園』に入学することになった優人は、新たな仲間と共に冒険に身を投じるのであった。

【完結】悪役に転生したのにメインヒロインにガチ恋されている件

エース皇命
ファンタジー
 前世で大好きだったファンタジー大作『ロード・オブ・ザ・ヒーロー』の悪役、レッド・モルドロスに転生してしまった桐生英介。もっと努力して意義のある人生を送っておけばよかった、という後悔から、学院で他を圧倒する努力を積み重ねる。  しかし、その一生懸命な姿に、メインヒロインであるシャロットは惚れ、卒業式の日に告白してきて……。  悪役というより、むしろ真っ当に生きようと、ファンタジーの世界で生き抜いていく。  ヒロインとの恋、仲間との友情──あれ? 全然悪役じゃないんだけど! 気づけば主人公になっていた、悪役レッドの物語! ※小説家になろう、カクヨム、エブリスタにも投稿しています。

【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜

一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m ✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。 【あらすじ】 神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!   そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!  事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます! カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。

処理中です...