32 / 162
序章 第3章 夏休み
第31話 それぞれの過去
しおりを挟む
夕食中、
「ケンイチ、温泉はどうだった?」
「凄くよかったよ。でも登ってる最中にゴブリンと遭遇して戦闘になったよ。」
「大丈夫だったのか?」
「余裕だよ。シェリーもヒョウカもいるんだから。」
2人はなんだか嬉しそうな顔をしていた。
「シェリーちゃん、ヒョウカちゃんこれからもケンちゃんのことよろしくね。」
「はい、この私にお任せくださいお母様。」
「はい、お任せください。」
シェリーもヒョウカも笑顔で答えていた。
夕食が終わった後は、部屋へと戻りベットに入り横になった。
「私ケンイチに聞きたかったことがあるんだけどいいかしら?」
「俺に聞きたい事って何かな?」
「ケンイチの転生する前がどんな人だったか聞かせてくれない。」
「私も気になってた。」
何故この2人が俺の過去なんかを聞きたいのか不思議であったが、隠すような事でも無かったので反してあげることにした。
「別にいいよ。じゃぁ何から話そうか?」
「ケンイチ君は向こうで何歳だったの?」
「死ぬ前は、18歳で高校っていう学校に通ってたんだ。」
「向こうではもう大人だったんだ。」
「違うよ。こちらでは15歳で大人と認められるけど俺のいた世界では20歳からが大人なんだ。まあそれでもヒョウカ達よりは年上だったね。」
それを聞いた瞬間シェリーの顔が真っ赤になった。
「じゃぁ、ケンイチは私たちより年上って事?」
「そう言うことだね。」
「ケンイチのエッチ!!」
「急に何だよ。」
「昼間私達と一緒に温泉に入ったじゃ無ない。」
「それは、お前らが無理矢理入らせたんだろが。」
「そうでした。ごめん。」
「分かってくれればいいよ。」
素直に謝ってくるシェリーが珍しくあっさり許してしまった。
「ケンイチのいた世界って魔法は、あったの?」
「無かったよ。それとモンスターも存在しないんだ。」
「そうなんだ。じゃぁ、どうしてケンイチはその世界で死んでしまったの?」
「少しうっかりして車って言うのに引かれて死んでしまったんだ。でもそれを見ていた神様が可哀想だからってもう一度チャンスをくれてこの世界に転生してきたんだよ。」
「家族はいたの?」
「いたよ。俺に剣を教えてくれた父さんに、母さんそれと妹が1人いたよ。」
家族の事を思い出してしまった。眼に涙が浮かんできた。
「どうしたのケンイチ?」
「気にしないで、家族の事を思い出したら勝手に出てきたんだよ。」
「悲しいことを思い出させてしまったみたいね。ごめんなさい。」
「いいんだよ。今の俺の使命は、向こうでは早く死んで父さん達を悲しまった。だからこそ、こっちでは、長く生きて両親に親孝行することだと思ってるんだ。」
「そうね。もしもケンイチに危険が迫ったら私達が全力であなたを守るわ。」
「私もケンイチ君の事守る。」
「2人ともありがとう。最高の友達に出会えてよかったよ。」
「それは私達の方もよ。」
俺はまた目元に涙を浮かべてしまった。
「2人のことも聞かせてもらっていいかな?」
この4ヵ月間学院では殆ど3人で一緒にいたが彼女らの過去について聞いたことは殆ど無かった。
「そうね、私達の家が伯爵家だって事は知ってるわよね。」
「知ってるさ。自己紹介のときにシェリーが言ってたからね。」
「だから私達2人は、それぞれ魔法と近接戦闘の英才教育を小さい頃から受けてたの。」
「だから2人ともそんなに強いんだね。」
「まあね。でも私達父さんは、私たちを自分の出世の道具に使おうと考えているのよ。」
「そうなんだ。それで2人はどうしたいの?」
「私達は、そんな父さんの言いなりになるのは嫌だから学院を卒業したら冒険者になって2人でいろいろな国を旅しようって決めてるのよねヒョウカ。」
「はい、私はお姉様に一生ついていきます。」
「一生じゃなくていいわよ。ヒョウカにやりたいことが見つかったそれをしたらいいんだからね。」
「はい!!」
いい姉妹だなと2人見ていて思った。
「もしよかったら、俺もその旅に同行させてくれないかな?」
「いいに決まってるじゃない。私達はパーティーなんだから。」
「そうだな。じゃぁこれは俺達3人の約束だ。」
「約束ね。」
「約束。」
3人で右手の小指をくっつけて誓い合った。それから、少しして3人とも寝てしまっていた。
それから1週間が経ち、2人が王都へと帰る日がやって来た。この1週間、シェリー達は父さんから指導を受けたり、母さんから料理を教えてもらったりと充実した日常を送っていた。
2人が荷物をまとめて帰ろうとしたとき、入り口で母さんが話しかけてきた。
「シェリーちゃん達が家に来てからも2週間が経ったのね。2人が帰っちゃうと寂しくなったわね。またいつでも遊びに来ていいんだからね。」
「ありがとうございます。2週間お世話になりました。」
「まあた遊びに来ます。」
「やっぱり2人ともケンちゃんのお嫁さんにしたいくらいいこだわ。」
母さんの言葉に顔を真っ赤にしながら照れてしまった2人を見て、
「ママそれ位にしてあげてよ。2人とも何も言えなくなっちゃてるよ。」
「そうね。ケンちゃんに免じてこのくらいにしといてあげましょ。」
それだけ言うと母さんは、家の中へと入っていった。
「ママがごめんね。そこまで送るよ。」
村の外まで2人ついていき、
「王都近くまでテレポートで送るから、俺の手を握って。」
手を差し伸べた。その手を2人がとった事を確認してテレポートを使った。
「送ってくれてありがとう。また学院でね。」
「またね。」
「ああ、1ヵ月後にな。」
別れの挨拶をして村へと戻るのだった。
「ケンイチ、温泉はどうだった?」
「凄くよかったよ。でも登ってる最中にゴブリンと遭遇して戦闘になったよ。」
「大丈夫だったのか?」
「余裕だよ。シェリーもヒョウカもいるんだから。」
2人はなんだか嬉しそうな顔をしていた。
「シェリーちゃん、ヒョウカちゃんこれからもケンちゃんのことよろしくね。」
「はい、この私にお任せくださいお母様。」
「はい、お任せください。」
シェリーもヒョウカも笑顔で答えていた。
夕食が終わった後は、部屋へと戻りベットに入り横になった。
「私ケンイチに聞きたかったことがあるんだけどいいかしら?」
「俺に聞きたい事って何かな?」
「ケンイチの転生する前がどんな人だったか聞かせてくれない。」
「私も気になってた。」
何故この2人が俺の過去なんかを聞きたいのか不思議であったが、隠すような事でも無かったので反してあげることにした。
「別にいいよ。じゃぁ何から話そうか?」
「ケンイチ君は向こうで何歳だったの?」
「死ぬ前は、18歳で高校っていう学校に通ってたんだ。」
「向こうではもう大人だったんだ。」
「違うよ。こちらでは15歳で大人と認められるけど俺のいた世界では20歳からが大人なんだ。まあそれでもヒョウカ達よりは年上だったね。」
それを聞いた瞬間シェリーの顔が真っ赤になった。
「じゃぁ、ケンイチは私たちより年上って事?」
「そう言うことだね。」
「ケンイチのエッチ!!」
「急に何だよ。」
「昼間私達と一緒に温泉に入ったじゃ無ない。」
「それは、お前らが無理矢理入らせたんだろが。」
「そうでした。ごめん。」
「分かってくれればいいよ。」
素直に謝ってくるシェリーが珍しくあっさり許してしまった。
「ケンイチのいた世界って魔法は、あったの?」
「無かったよ。それとモンスターも存在しないんだ。」
「そうなんだ。じゃぁ、どうしてケンイチはその世界で死んでしまったの?」
「少しうっかりして車って言うのに引かれて死んでしまったんだ。でもそれを見ていた神様が可哀想だからってもう一度チャンスをくれてこの世界に転生してきたんだよ。」
「家族はいたの?」
「いたよ。俺に剣を教えてくれた父さんに、母さんそれと妹が1人いたよ。」
家族の事を思い出してしまった。眼に涙が浮かんできた。
「どうしたのケンイチ?」
「気にしないで、家族の事を思い出したら勝手に出てきたんだよ。」
「悲しいことを思い出させてしまったみたいね。ごめんなさい。」
「いいんだよ。今の俺の使命は、向こうでは早く死んで父さん達を悲しまった。だからこそ、こっちでは、長く生きて両親に親孝行することだと思ってるんだ。」
「そうね。もしもケンイチに危険が迫ったら私達が全力であなたを守るわ。」
「私もケンイチ君の事守る。」
「2人ともありがとう。最高の友達に出会えてよかったよ。」
「それは私達の方もよ。」
俺はまた目元に涙を浮かべてしまった。
「2人のことも聞かせてもらっていいかな?」
この4ヵ月間学院では殆ど3人で一緒にいたが彼女らの過去について聞いたことは殆ど無かった。
「そうね、私達の家が伯爵家だって事は知ってるわよね。」
「知ってるさ。自己紹介のときにシェリーが言ってたからね。」
「だから私達2人は、それぞれ魔法と近接戦闘の英才教育を小さい頃から受けてたの。」
「だから2人ともそんなに強いんだね。」
「まあね。でも私達父さんは、私たちを自分の出世の道具に使おうと考えているのよ。」
「そうなんだ。それで2人はどうしたいの?」
「私達は、そんな父さんの言いなりになるのは嫌だから学院を卒業したら冒険者になって2人でいろいろな国を旅しようって決めてるのよねヒョウカ。」
「はい、私はお姉様に一生ついていきます。」
「一生じゃなくていいわよ。ヒョウカにやりたいことが見つかったそれをしたらいいんだからね。」
「はい!!」
いい姉妹だなと2人見ていて思った。
「もしよかったら、俺もその旅に同行させてくれないかな?」
「いいに決まってるじゃない。私達はパーティーなんだから。」
「そうだな。じゃぁこれは俺達3人の約束だ。」
「約束ね。」
「約束。」
3人で右手の小指をくっつけて誓い合った。それから、少しして3人とも寝てしまっていた。
それから1週間が経ち、2人が王都へと帰る日がやって来た。この1週間、シェリー達は父さんから指導を受けたり、母さんから料理を教えてもらったりと充実した日常を送っていた。
2人が荷物をまとめて帰ろうとしたとき、入り口で母さんが話しかけてきた。
「シェリーちゃん達が家に来てからも2週間が経ったのね。2人が帰っちゃうと寂しくなったわね。またいつでも遊びに来ていいんだからね。」
「ありがとうございます。2週間お世話になりました。」
「まあた遊びに来ます。」
「やっぱり2人ともケンちゃんのお嫁さんにしたいくらいいこだわ。」
母さんの言葉に顔を真っ赤にしながら照れてしまった2人を見て、
「ママそれ位にしてあげてよ。2人とも何も言えなくなっちゃてるよ。」
「そうね。ケンちゃんに免じてこのくらいにしといてあげましょ。」
それだけ言うと母さんは、家の中へと入っていった。
「ママがごめんね。そこまで送るよ。」
村の外まで2人ついていき、
「王都近くまでテレポートで送るから、俺の手を握って。」
手を差し伸べた。その手を2人がとった事を確認してテレポートを使った。
「送ってくれてありがとう。また学院でね。」
「またね。」
「ああ、1ヵ月後にな。」
別れの挨拶をして村へと戻るのだった。
11
あなたにおすすめの小説
自力で帰還した錬金術師の爛れた日常
ちょす氏
ファンタジー
「この先は分からないな」
帰れると言っても、時間まで同じかどうかわからない。
さて。
「とりあえず──妹と家族は救わないと」
あと金持ちになって、ニート三昧だな。
こっちは地球と環境が違いすぎるし。
やりたい事が多いな。
「さ、お別れの時間だ」
これは、異世界で全てを手に入れた男の爛れた日常の物語である。
※物語に出てくる組織、人物など全てフィクションです。
※主人公の癖が若干終わっているのは師匠のせいです。
ゆっくり投稿です。
攻撃魔法を使えないヒーラーの俺が、回復魔法で最強でした。 -俺は何度でも救うとそう決めた-【[完]】
水無月いい人(minazuki)
ファンタジー
【HOTランキング一位獲得作品】
【一次選考通過作品】
---
とある剣と魔法の世界で、
ある男女の間に赤ん坊が生まれた。
名をアスフィ・シーネット。
才能が無ければ魔法が使えない、そんな世界で彼は運良く魔法の才能を持って産まれた。
だが、使用できるのは攻撃魔法ではなく回復魔法のみだった。
攻撃魔法を一切使えない彼は、冒険者達からも距離を置かれていた。
彼は誓う、俺は回復魔法で最強になると。
---------
もし気に入っていただけたら、ブクマや評価、感想をいただけると大変励みになります!
#ヒラ俺
この度ついに完結しました。
1年以上書き続けた作品です。
途中迷走してました……。
今までありがとうございました!
---
追記:2025/09/20
再編、あるいは続編を書くか迷ってます。
もし気になる方は、
コメント頂けるとするかもしれないです。
異世界召喚でクラスの勇者達よりも強い俺は無能として追放処刑されたので自由に旅をします
Dakurai
ファンタジー
クラスで授業していた不動無限は突如と教室が光に包み込まれ気がつくと異世界に召喚されてしまった。神による儀式でとある神によってのスキルを得たがスキルが強すぎてスキル無しと勘違いされ更にはクラスメイトと王女による思惑で追放処刑に会ってしまうしかし最強スキルと聖獣のカワウソによって難を逃れと思ったらクラスの女子中野蒼花がついてきた。
相棒のカワウソとクラスの中野蒼花そして異世界の仲間と共にこの世界を自由に旅をします。
現在、第四章フェレスト王国ドワーフ編
最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。
みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。
高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。
地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。
しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。
最強無敗の少年は影を従え全てを制す
ユースケ
ファンタジー
不慮の事故により死んでしまった大学生のカズトは、異世界に転生した。
産まれ落ちた家は田舎に位置する辺境伯。
カズトもといリュートはその家系の長男として、日々貴族としての教養と常識を身に付けていく。
しかし彼の力は生まれながらにして最強。
そんな彼が巻き起こす騒動は、常識を越えたものばかりで……。
【完結】悪役に転生したのにメインヒロインにガチ恋されている件
エース皇命
ファンタジー
前世で大好きだったファンタジー大作『ロード・オブ・ザ・ヒーロー』の悪役、レッド・モルドロスに転生してしまった桐生英介。もっと努力して意義のある人生を送っておけばよかった、という後悔から、学院で他を圧倒する努力を積み重ねる。
しかし、その一生懸命な姿に、メインヒロインであるシャロットは惚れ、卒業式の日に告白してきて……。
悪役というより、むしろ真っ当に生きようと、ファンタジーの世界で生き抜いていく。
ヒロインとの恋、仲間との友情──あれ? 全然悪役じゃないんだけど! 気づけば主人公になっていた、悪役レッドの物語!
※小説家になろう、カクヨム、エブリスタにも投稿しています。
インターネットで異世界無双!?
kryuaga
ファンタジー
世界アムパトリに転生した青年、南宮虹夜(ミナミヤコウヤ)は女神様にいくつものチート能力を授かった。
その中で彼の目を一番引いたのは〈電脳網接続〉というギフトだ。これを駆使し彼は、ネット通販で日本の製品を仕入れそれを売って大儲けしたり、日本の企業に建物の設計依頼を出して異世界で技術無双をしたりと、やりたい放題の異世界ライフを送るのだった。
これは剣と魔法の異世界アムパトリが、コウヤがもたらした日本文化によって徐々に浸食を受けていく変革の物語です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる