最強剣士異世界で無双する

夢見叶

文字の大きさ
33 / 162
序章 第3章 夏休み

第32話 父との再戦 1

しおりを挟む
 シェリー達が帰ってから2日がたったある日。

「ケンイチ、モンスター討伐に行かないか?」

「パパ唐突に何?」

「いやな、剣術大会で対人戦で成長は見れたが、モンスターに対してお前がどんな風に戦うか見てみたくてな。どうだ?」

「そう言うことならいいよ。」

 帰ってきてから殆ど1人でトレーニングするか、シェリー達といるかで父さんを構ってなかった。多分父さんも息子が構ってくれなくて寂しかったんだと思ったので、話に乗ることにした。

「何のモンスターの討伐に行くの?」

「それは着いてからのお楽しみだ。」

 父さんは凄く笑顔であった。

「ママ行ってきます。」

「気をつけてね。ケンちゃんも父さんも。」

「おお、行ってくるな。」

 母さんの見送られて、出発した。

 父さんに連れてこられたのは、村を出てすぐの高原であった。

「ほらケンイチ見てみろ。」

 父さんが指を指す方を見てみると、

「ゴブリン?」

 見えるのはゴブリンであったが、動いてるスピードがそれとは明らかに違っている。

「ゴブリンで間違えないぞ。」

「でも、ゴブリンよりかなりスピードが速いよ。」

「そらそうだ。あれはゴブリンライダーなんだからな。」

「何それ?」

「ゴブリンライダーはな、ウォルフと言うEランクのモンスター乗っているゴブリンだ。」

「それだけ?」

「それだけだ。」

 全然説明になっていなかったが、何故か胸を張っていた。

 とりあえず戦ってみるしかないかと思い、ゴブリン達の前に出ていった。

「ケンイチ、俺は今回手を出さないからお前の好きに戦ってみろ。」

 父さんの方を見てみると少し離れたところで座って叫んでいた。

「はぁ~~。」

 父さんの言葉にため息をついてしまった。

 それから1度深呼吸をして心を切り替えてから、剣を構えた。

 気配察知を使って数を確認して所、合計で10体のゴブリン達がいた。

 数が多いためバラバラに動かれては、倒すのに時間がかかってしまう。そのためヘイトアップを自身に付与して注意を引きつける。

 10体のゴブリンが俺を睨みながら突撃してきた。

 しめしめと思いつつ眼と足に強化を使い、動体視力最大限まで上げて、動きをとらえる。

「やるか。」

 小さな声で呟き、ゴブリン達に向かって行った。足に強化を集中していたため、いつも以上のスピードが出ている。そのスピードを利用して、ゴブリン達とのすれ違い際に4体切り倒した。

 仲間がいきなりやられて何が起こったか分からず動きを止めてしまったゴブリン達。そこを狙って、近づき残りの6体を切り倒して父さんの所へと戻っていった。

「パパ、終わったよ。」

「見てればそれくらい分かるが、お前の動き早すぎて見えなかったぞ。」

「それは、距離も離れていたからだよ。近くで見てたら目で動きを追うぐらいパパなら余裕だったと思うよ。」

「そうか?」

「そうだよ。それよりも早く帰ろ。」

 父さんの手を引っ張って起こし村へと戻っていった。その道中、

「でもなんであんな所にゴブリン達がいたの?」

「そのことか。ほんの1ヵ月前なんだが、村にゴブリンの集団が押し寄せてきた事があったんだ。」

「それ大丈夫だったの?」

「村に死者は出てないし、討伐に出た冒険者にも被害は0で終わったよ。ただ、倒し損なったゴブリン達があっちこっちで暴れ回ってるんだよ。」

「それでこの前も山の中にゴブリンが現れたんだね。」

「そう言うことだろうな。」

 それであの時ゴブリンキングまで現れたのか。この辺りには普段いないモンスターだったから不思議におもっていたが、これで解決だなっと思った。

 話をしながら歩いていたらいつの間にかギルドの前まで来ていた。

「父さん、今回の依頼の報告してくるから待っておいてくれ。」

「分かったよ。いってらっしゃい。」

 父さんはギルドの中へとはいっていった。待ってる間、いろいろな人が俺の方を見てきていたが、声をかけようとする人はいなかった。

「ケンイチ待たせて悪かったな。」

「大丈夫だよ。それより早く帰ろうよ。母さんが待ってるよ。」

「そうだな。帰ろうか。」

 家へと帰っている途中も、擦れちがう人達が俺の方を見ていた。

「パパ、なんで村の皆僕の方をチラチラ見てくるのに話しかけてこないの?」

「それはな、お前が剣術大会で最年少優勝した事を知ってて、興味はあるけど話しかける勇気が出ないから見てるんしゃないか。」

 なんだそうだったのかと安心した。なんだか悪い気はしないと感じた。

 家に着くと、

「ただいま!!」

 元気な声で叫んだ。

「ケンちゃんに父さんお帰りなさい。」

 母さんが迎えてくれた。家の中ではすでに昼食の準備がされていた。

 俺も父さんもお腹ぺこぺこで急いで家の中へと入り席へと座った。それを見ていた母さんは、少し笑い名がら席に着き家族3人で昼食を食べた。

「そうだケンイチ、後で父さんと模擬戦をしないか?」

「また突然だね。」

「いいじゃないか。モンスターと戦っているお前を見てやりたいと思ったんだから。」

「別に僕はいいよ。今度は父さんに余裕で勝つから。」

「そう簡単にはいか無いぞ。今回は父さん魔法も使っていくからな。」

「それって本気ってこと?」

「そう言うことだな。」

「なら少しは楽しめそうだね。」

 心の中でわくわくが止まらなかった。1年前戦った時は、魔法なしの剣術のみ戦闘だった。だが今回は、魔法有りでの本気の父さんと戦えるのだから。

「言いよるな。」

「まあね。」

 お互いに気合いは十分だった。

しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

自力で帰還した錬金術師の爛れた日常

ちょす氏
ファンタジー
「この先は分からないな」 帰れると言っても、時間まで同じかどうかわからない。 さて。 「とりあえず──妹と家族は救わないと」 あと金持ちになって、ニート三昧だな。 こっちは地球と環境が違いすぎるし。 やりたい事が多いな。 「さ、お別れの時間だ」 これは、異世界で全てを手に入れた男の爛れた日常の物語である。 ※物語に出てくる組織、人物など全てフィクションです。 ※主人公の癖が若干終わっているのは師匠のせいです。 ゆっくり投稿です。

攻撃魔法を使えないヒーラーの俺が、回復魔法で最強でした。 -俺は何度でも救うとそう決めた-【[完]】

水無月いい人(minazuki)
ファンタジー
【HOTランキング一位獲得作品】 【一次選考通過作品】 ---  とある剣と魔法の世界で、  ある男女の間に赤ん坊が生まれた。  名をアスフィ・シーネット。  才能が無ければ魔法が使えない、そんな世界で彼は運良く魔法の才能を持って産まれた。  だが、使用できるのは攻撃魔法ではなく回復魔法のみだった。  攻撃魔法を一切使えない彼は、冒険者達からも距離を置かれていた。 彼は誓う、俺は回復魔法で最強になると。  --------- もし気に入っていただけたら、ブクマや評価、感想をいただけると大変励みになります! #ヒラ俺 この度ついに完結しました。 1年以上書き続けた作品です。 途中迷走してました……。 今までありがとうございました! --- 追記:2025/09/20 再編、あるいは続編を書くか迷ってます。 もし気になる方は、 コメント頂けるとするかもしれないです。

異世界召喚でクラスの勇者達よりも強い俺は無能として追放処刑されたので自由に旅をします

Dakurai
ファンタジー
クラスで授業していた不動無限は突如と教室が光に包み込まれ気がつくと異世界に召喚されてしまった。神による儀式でとある神によってのスキルを得たがスキルが強すぎてスキル無しと勘違いされ更にはクラスメイトと王女による思惑で追放処刑に会ってしまうしかし最強スキルと聖獣のカワウソによって難を逃れと思ったらクラスの女子中野蒼花がついてきた。 相棒のカワウソとクラスの中野蒼花そして異世界の仲間と共にこの世界を自由に旅をします。 現在、第四章フェレスト王国ドワーフ編

最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。

みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。 高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。 地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。 しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。

家ごと異世界転移〜異世界来ちゃったけど快適に暮らします〜

奥野細道
ファンタジー
都内の2LDKマンションで暮らす30代独身の会社員、田中健太はある夜突然家ごと広大な森と異世界の空が広がるファンタジー世界へと転移してしまう。 パニックに陥りながらも、彼は自身の平凡なマンションが異世界においてとんでもないチート能力を発揮することを発見する。冷蔵庫は地球上のあらゆる食材を無限に生成し、最高の鮮度を保つ「無限の食料庫」となり、リビングのテレビは異世界の情報をリアルタイムで受信・翻訳する「異世界情報端末」として機能。さらに、お風呂の湯はどんな傷も癒す「万能治癒の湯」となり、ベランダは瞬時に植物を成長させる「魔力活性化菜園」に。 健太はこれらの能力を駆使して、食料や情報を確保し、異世界の人たちを助けながら安全な拠点を築いていく。

異世界帰りの少年は現実世界で冒険者になる

家高菜
ファンタジー
ある日突然、異世界に勇者として召喚された平凡な中学生の小鳥遊優人。 召喚者は優人を含めた5人の勇者に魔王討伐を依頼してきて、優人たちは魔王討伐を引き受ける。 多くの人々の助けを借り4年の月日を経て魔王討伐を成し遂げた優人たちは、なんとか元の世界に帰還を果たした。 しかし優人が帰還した世界には元々は無かったはずのダンジョンと、ダンジョンを探索するのを生業とする冒険者という職業が存在していた。 何故かダンジョンを探索する冒険者を育成する『冒険者育成学園』に入学することになった優人は、新たな仲間と共に冒険に身を投じるのであった。

【完結】悪役に転生したのにメインヒロインにガチ恋されている件

エース皇命
ファンタジー
 前世で大好きだったファンタジー大作『ロード・オブ・ザ・ヒーロー』の悪役、レッド・モルドロスに転生してしまった桐生英介。もっと努力して意義のある人生を送っておけばよかった、という後悔から、学院で他を圧倒する努力を積み重ねる。  しかし、その一生懸命な姿に、メインヒロインであるシャロットは惚れ、卒業式の日に告白してきて……。  悪役というより、むしろ真っ当に生きようと、ファンタジーの世界で生き抜いていく。  ヒロインとの恋、仲間との友情──あれ? 全然悪役じゃないんだけど! 気づけば主人公になっていた、悪役レッドの物語! ※小説家になろう、カクヨム、エブリスタにも投稿しています。

【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜

一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m ✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。 【あらすじ】 神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!   そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!  事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます! カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。

処理中です...