最強剣士異世界で無双する

夢見叶

文字の大きさ
60 / 162
セレモニア王国編 第2章 正体

第59話 アペル村 

しおりを挟む
 盗賊達との戦闘から1週間が経った。

 あの時捕まえた盗賊達は3日前に立ち寄った村のギルドで引き渡た。

 今俺達は、王都の1つ前にある村へ向かっていた。

「ミレイさん、次の村までははどれくらいなのですか?」

 前の村を出てから3日が経ったがまだ見えてこない。

「後もう少しです。夜までには着けるはずでわ。」

 本日中に着けると聞き少し安心した。前の村をでてから1日に数回モンスターとの遭遇している。ランク自体は低いモンスターばかりだが何回も続くとさすがにしんどい。

「次の村ってなんて所なんですか?」

「次の村はアルペン村と言って、果物を栽培で有名な村ですの。半年に1回収穫祭など開かれている凄く活気の村ですの。」

 それを聞き一気に疲れが消えた感じがした。

「お兄ちゃん、楽しみだね。」

 果物の話しを聞きミカが言ってくる。それもそのはず俺もミカも果物全般が大好物であったのである。

「そうだな。どんな物があるんだろうな。」

「何?ケンイチって果物好きなの?」

「好きで悪いかよ。」

「別に~、 子どもぽいところのあるんだなと思ってね。」

「別に果物好きと、子どもぽいのは関係ないだろ。」

「そうね。」

 シェリーがクスクス笑いながらかえしてくる。

「皆さん仲がよくて羨ましいわ。」

 ミレイが俺達のやり取りを見ながら言ってくる。

「ミレイさんには仲がいい人とかいないの?」

「いないわ。私家から出たことがなくて同い年くらいの子達と遊んだりしたことがないから。」

 暗い空気になってしまった。

 質問したシェリーも何も言おうとしない。

「そんな顔しないで。別に寂しいとか思ったことなんて無かったのよ。だっていつも大好きなお父様とお母様がいてくれたのですもの。」

「そうだったんだ。じゃぁ、ご両親も今ミレイの事凄く心配してるね。」

「そ・・・・・・そうね。」

 急にミレイの目に涙が浮かんできた。

「急にごめんなさい。」

 それだけ言って馬車の中に入っていった。

「何か私悪いこと言ったかな?」

 多分、両親の事ではないかと思う。

 馬車の中からはミレイの鳴き声が聞こえてきた。

「何かつらいことあったのかしら?」

「そうだろうな。多分ミレイさんのご両親に何かがあったんだと思うよ。」

「それで、私がご両親の事を言ったからミレイさんわ。」

「そう言うことね。」

「ミレイさん、かわいそう。」

 皆悲しい顔になっていた。

「皆様ご心配をおかげして申し訳ございません。ですが、時が来ればミレイ様ご自身で話されますと思いますのでそれまではそっとしておりてもらえると助かります。」

 馬車からグレーさんが出てきて俺達に言ってきた。

「分かりました。」

 それだけ聞くと、また馬車の中に入っていった。





 日が暮れ始めた頃、アペル村に着いた。

 だが道中でミレイに聞いていた雰囲気とは正反対で物音一つ聞こえない。

「ここが、アペル村ですか?」

「そのはずですが・・・・・・。」

 ミレイさんもびっくりしているようだった。

 俺は村の中に人の気配があるか探ろうと気配察知を使うが何も引っかからない。

 何かがおかしいと思い、

「皆、取り会えず人がいないか探してみよ。」

「了解!!」(シェリー・ミカ・ヒョウカ)

 手分けして近くの家の中やお店を見て回るが誰1人として見当たらない。

「もぬけの殻ね。」

「そうだな。ミレイさんどうなっているのでしょうか?」

「それは分かりませんが、一旦今日の宿に向かいましょう。」

 ミレイさんは何かを知ってそうな感じだが何も話さず宿へと向かっていった。

「ねぇ、ケンイチ何かおかしくない?」

 シェリーが小声で話しかけてきた。

「ああ、多分ミレイさんはこの件とミリセレス村での魔族の一件について何か知ってるんだと思う。」

「じゃぁなんで話してくれないのかな?」

「それは分からないが、ミレイさんにも何か理由があるんだと思う。グレーさんも時が来たら話すと言ってたしな。」

「それもそうね。」

 俺達がそんな事を話している間に宿へと着いた。

 宿中に入る。だが、受付からの『いらしゃいませ』の声が聞こえてこなず、誰もいなかった。

「今日はここで休みます。そして明日王都に向けて出発とします。」

 ミレイさんから告げられる。

 それから、1人1部屋が割り与えられ、自分の部屋へと向かった。



 夜

 部屋のベットの上で横になっていると、

「コンコン、コンコン。」

 ドアをノックする音が聞こえた。

「どちら様ですか。」

 呼びかけてみる。

「ミレイですが、中に入ってもいいですか?」

 それを聞きすぐにドアをあけて中に案内する。俺は部屋にあったイスにミレイさんを座らせると、

「こんな夜遅くに何のご用件ですか?」

「ケンイチ様に全てをお話ししたく参りました。」

 それを聞き、俺はシェリー達を呼びに行ってくると言って部屋を後にしたのだった。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

自力で帰還した錬金術師の爛れた日常

ちょす氏
ファンタジー
「この先は分からないな」 帰れると言っても、時間まで同じかどうかわからない。 さて。 「とりあえず──妹と家族は救わないと」 あと金持ちになって、ニート三昧だな。 こっちは地球と環境が違いすぎるし。 やりたい事が多いな。 「さ、お別れの時間だ」 これは、異世界で全てを手に入れた男の爛れた日常の物語である。 ※物語に出てくる組織、人物など全てフィクションです。 ※主人公の癖が若干終わっているのは師匠のせいです。 ゆっくり投稿です。

攻撃魔法を使えないヒーラーの俺が、回復魔法で最強でした。 -俺は何度でも救うとそう決めた-【[完]】

水無月いい人(minazuki)
ファンタジー
【HOTランキング一位獲得作品】 【一次選考通過作品】 ---  とある剣と魔法の世界で、  ある男女の間に赤ん坊が生まれた。  名をアスフィ・シーネット。  才能が無ければ魔法が使えない、そんな世界で彼は運良く魔法の才能を持って産まれた。  だが、使用できるのは攻撃魔法ではなく回復魔法のみだった。  攻撃魔法を一切使えない彼は、冒険者達からも距離を置かれていた。 彼は誓う、俺は回復魔法で最強になると。  --------- もし気に入っていただけたら、ブクマや評価、感想をいただけると大変励みになります! #ヒラ俺 この度ついに完結しました。 1年以上書き続けた作品です。 途中迷走してました……。 今までありがとうございました! --- 追記:2025/09/20 再編、あるいは続編を書くか迷ってます。 もし気になる方は、 コメント頂けるとするかもしれないです。

異世界召喚でクラスの勇者達よりも強い俺は無能として追放処刑されたので自由に旅をします

Dakurai
ファンタジー
クラスで授業していた不動無限は突如と教室が光に包み込まれ気がつくと異世界に召喚されてしまった。神による儀式でとある神によってのスキルを得たがスキルが強すぎてスキル無しと勘違いされ更にはクラスメイトと王女による思惑で追放処刑に会ってしまうしかし最強スキルと聖獣のカワウソによって難を逃れと思ったらクラスの女子中野蒼花がついてきた。 相棒のカワウソとクラスの中野蒼花そして異世界の仲間と共にこの世界を自由に旅をします。 現在、第四章フェレスト王国ドワーフ編

最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。

みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。 高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。 地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。 しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。

家ごと異世界転移〜異世界来ちゃったけど快適に暮らします〜

奥野細道
ファンタジー
都内の2LDKマンションで暮らす30代独身の会社員、田中健太はある夜突然家ごと広大な森と異世界の空が広がるファンタジー世界へと転移してしまう。 パニックに陥りながらも、彼は自身の平凡なマンションが異世界においてとんでもないチート能力を発揮することを発見する。冷蔵庫は地球上のあらゆる食材を無限に生成し、最高の鮮度を保つ「無限の食料庫」となり、リビングのテレビは異世界の情報をリアルタイムで受信・翻訳する「異世界情報端末」として機能。さらに、お風呂の湯はどんな傷も癒す「万能治癒の湯」となり、ベランダは瞬時に植物を成長させる「魔力活性化菜園」に。 健太はこれらの能力を駆使して、食料や情報を確保し、異世界の人たちを助けながら安全な拠点を築いていく。

異世界帰りの少年は現実世界で冒険者になる

家高菜
ファンタジー
ある日突然、異世界に勇者として召喚された平凡な中学生の小鳥遊優人。 召喚者は優人を含めた5人の勇者に魔王討伐を依頼してきて、優人たちは魔王討伐を引き受ける。 多くの人々の助けを借り4年の月日を経て魔王討伐を成し遂げた優人たちは、なんとか元の世界に帰還を果たした。 しかし優人が帰還した世界には元々は無かったはずのダンジョンと、ダンジョンを探索するのを生業とする冒険者という職業が存在していた。 何故かダンジョンを探索する冒険者を育成する『冒険者育成学園』に入学することになった優人は、新たな仲間と共に冒険に身を投じるのであった。

【完結】悪役に転生したのにメインヒロインにガチ恋されている件

エース皇命
ファンタジー
 前世で大好きだったファンタジー大作『ロード・オブ・ザ・ヒーロー』の悪役、レッド・モルドロスに転生してしまった桐生英介。もっと努力して意義のある人生を送っておけばよかった、という後悔から、学院で他を圧倒する努力を積み重ねる。  しかし、その一生懸命な姿に、メインヒロインであるシャロットは惚れ、卒業式の日に告白してきて……。  悪役というより、むしろ真っ当に生きようと、ファンタジーの世界で生き抜いていく。  ヒロインとの恋、仲間との友情──あれ? 全然悪役じゃないんだけど! 気づけば主人公になっていた、悪役レッドの物語! ※小説家になろう、カクヨム、エブリスタにも投稿しています。

【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜

一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m ✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。 【あらすじ】 神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!   そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!  事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます! カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。

処理中です...