最強剣士異世界で無双する

夢見叶

文字の大きさ
65 / 162
セレモニア王国編 第3章王都奪還

第64話 救出部隊侵入

しおりを挟む
 ケンイチ達が王都に侵入した頃、

「ケンイチ君とお姉ちゃん、王都の中に入ったかな?」

「どうかな? でも中に入ったら合図があるよ」

「そうだね」

 さっきの作戦会議でケンイチ君とお姉ちゃんが先に王都の中に入ることに決まった。中に入った後、お姉ちゃんのが魔法を空に向かって放つことになっている。その後、私達が王様達の救出の為に王都へと進入することになっている。

「ヒョウカ、緊張してる?」

「うん」

 ヒョウカの質問に頷く。

「私もだよ。でも凄いよお兄ちゃん達」

「凄い。怖くないのかな?」

「怖いとは思うけど、それよりもエレナ様を助けたい気持ちの方がきっと強いんだと思うよ」

「それでも私は無理かな」

「でも、シェリーから家を飛び出したときのヒョウカ凄かったって聞いたよ」

 正直あの時の事は殆ど覚えていない。お姉ちゃんを助けようと必死でしたことだったから。

「私、そのこと殆ど覚えてない」

「そうなんだ。でもきっとヒョウカだっておにいちゃん達みたいに動けるよ」

「そうかな?」

「そうだよ」

「うん」

 そんなたわいもない話で盛り上がっていると王都の中から空に赤い光が空へと上がった。

「ヒョウカ、合図が来たね」

 ミカさんは王都の方を指さしながら言った。

「そうだね。ミカさん行きましょう」

「うん。その前に、ミカさんじゃなくてミカでいいよ。もう三年のも一緒にいるんだし」

「そうだね。ミ……ミカ」

 なんか恥ずかしい。

 私は少し顔を赤くしていた。

「うん。恥ずかしがるヒョウカ可愛いよ」

「早く行こ」

「そうだね。お兄ちゃんがいたら怒られちゃうね」

 そんな事をいいながら王都に向かって行動を開始した。

 王都北門に着くと門は開いており中にかなりの魔族がいる。

「凄い数だね」

「あれ全部魔族?」

「そうだと思うよ。その魔族達と今お兄ちゃん達が戦っているんだよ」

「そうだね。私達も救出がんばろ」

「お~!!」

 魔族達が戦っているのを見ながらそんな事を話していた。

「いてて、不覚を取ったぜ」

 急に声が聞こえてきた。ふとそちらを見てみると二体の魔族が立ち上がりこちらに向かって歩いてくる。

「ミカ、魔族がこっちに来るよ」

「大丈夫だよ。お兄ちゃんの魔法で私達の姿は、見えないんだし」

「そうだよね」

 小声で話していた。

 そして、魔族達が私達の目を通り過ぎていく。

「怖かったね」

「うん。見えてないと分かっていてもドキドキしたよ」

「そうだね」

 魔族達が通りすぐ後に話していると、

「おい、今何か話し声聞こえなかったか?」

「気のせいだろ。誰もいないぜ」

「そうだな」

 こちらを振り向いた魔族達は、後ろに誰もいないことを確認した後、ケンイチ君達の戦っている所へと向かっていた。それを見て少しホットした。

「ヒョウカ行くよ」

 ミカの顔が先程違い真剣な顔になっていた。それにケンイチ君もお姉ちゃんも王都に向かうとき凄く真剣な顔をしていた。私も気持ちを引き締めないと。そんな事を思っていた。

「分かった」

 ミカの言葉に返事をして、王都の中に入っていった。

 中に入ってからは魔族との遭遇は殆ど無く、たまに擦れちがうことはあったけど気づかれることはなかった。

「何とかここまでたどり着いたね」

「そうだね。どうやって中に入ろう?」

 何とか城の近くへとたどり着くことが出来た。







 王都北門入り口で魔族達の集団戦が終わり一息ついていたケンイチ達。

「そろそろ、先へ進みましょう」

「そうだな。ヒョウカとミカも無事に王都に侵入できたみたいだし」

「そうなの!!」

 少しびっくりした声で聞いてくる。

「ああ、戦闘中もずっと気配察知を使っていたけどヒョウカ達の気配は今城に向かっている所みたいだな」

「それなら私達も急ぎましょう。城の入り口を開けないと」

「そうだな。行こうか」

 城へと向かって歩きださい。

 その道中何回か魔物に遭遇したが、簡単に倒すことができた。

 そしてもうすぐで城にたどり着こうとしていたとき、

「シェリー、少し待って」

「どうしたのよ。早く城に行かないと」

「分かってるけど少しやばい気配がこっちに近づいて来てる」

 先程まで城の中心にいたでかい気配の内一つがこちらへと近づいて来ている。このままで移動して城に着いてしまってはヒョウカ達を巻き込む可能性がある。それならここで戦うしかない。

 そう考えて、前を走っていたシェリーに声をかけた。

「やばい気配って何よ」

「多分、エレナ様の話にあった王都を襲った時に最初にいた三人の内の一人だと思うけど、かなり強いと思う」

「勝てそうなの?」

「分からないけど、今城に着いちゃうと先に着いているヒョウカ達を巻き込む事になりかねないと思う」

「そうね。ならここで戦うしかないって事ね」

「そう言うことになるな」

 シェリーも納得してくれた。

 そして俺達の目の前に一人の魔族が降りてきたのだった。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

自力で帰還した錬金術師の爛れた日常

ちょす氏
ファンタジー
「この先は分からないな」 帰れると言っても、時間まで同じかどうかわからない。 さて。 「とりあえず──妹と家族は救わないと」 あと金持ちになって、ニート三昧だな。 こっちは地球と環境が違いすぎるし。 やりたい事が多いな。 「さ、お別れの時間だ」 これは、異世界で全てを手に入れた男の爛れた日常の物語である。 ※物語に出てくる組織、人物など全てフィクションです。 ※主人公の癖が若干終わっているのは師匠のせいです。 ゆっくり投稿です。

攻撃魔法を使えないヒーラーの俺が、回復魔法で最強でした。 -俺は何度でも救うとそう決めた-【[完]】

水無月いい人(minazuki)
ファンタジー
【HOTランキング一位獲得作品】 【一次選考通過作品】 ---  とある剣と魔法の世界で、  ある男女の間に赤ん坊が生まれた。  名をアスフィ・シーネット。  才能が無ければ魔法が使えない、そんな世界で彼は運良く魔法の才能を持って産まれた。  だが、使用できるのは攻撃魔法ではなく回復魔法のみだった。  攻撃魔法を一切使えない彼は、冒険者達からも距離を置かれていた。 彼は誓う、俺は回復魔法で最強になると。  --------- もし気に入っていただけたら、ブクマや評価、感想をいただけると大変励みになります! #ヒラ俺 この度ついに完結しました。 1年以上書き続けた作品です。 途中迷走してました……。 今までありがとうございました! --- 追記:2025/09/20 再編、あるいは続編を書くか迷ってます。 もし気になる方は、 コメント頂けるとするかもしれないです。

異世界召喚でクラスの勇者達よりも強い俺は無能として追放処刑されたので自由に旅をします

Dakurai
ファンタジー
クラスで授業していた不動無限は突如と教室が光に包み込まれ気がつくと異世界に召喚されてしまった。神による儀式でとある神によってのスキルを得たがスキルが強すぎてスキル無しと勘違いされ更にはクラスメイトと王女による思惑で追放処刑に会ってしまうしかし最強スキルと聖獣のカワウソによって難を逃れと思ったらクラスの女子中野蒼花がついてきた。 相棒のカワウソとクラスの中野蒼花そして異世界の仲間と共にこの世界を自由に旅をします。 現在、第四章フェレスト王国ドワーフ編

最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。

みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。 高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。 地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。 しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。

家ごと異世界転移〜異世界来ちゃったけど快適に暮らします〜

奥野細道
ファンタジー
都内の2LDKマンションで暮らす30代独身の会社員、田中健太はある夜突然家ごと広大な森と異世界の空が広がるファンタジー世界へと転移してしまう。 パニックに陥りながらも、彼は自身の平凡なマンションが異世界においてとんでもないチート能力を発揮することを発見する。冷蔵庫は地球上のあらゆる食材を無限に生成し、最高の鮮度を保つ「無限の食料庫」となり、リビングのテレビは異世界の情報をリアルタイムで受信・翻訳する「異世界情報端末」として機能。さらに、お風呂の湯はどんな傷も癒す「万能治癒の湯」となり、ベランダは瞬時に植物を成長させる「魔力活性化菜園」に。 健太はこれらの能力を駆使して、食料や情報を確保し、異世界の人たちを助けながら安全な拠点を築いていく。

異世界帰りの少年は現実世界で冒険者になる

家高菜
ファンタジー
ある日突然、異世界に勇者として召喚された平凡な中学生の小鳥遊優人。 召喚者は優人を含めた5人の勇者に魔王討伐を依頼してきて、優人たちは魔王討伐を引き受ける。 多くの人々の助けを借り4年の月日を経て魔王討伐を成し遂げた優人たちは、なんとか元の世界に帰還を果たした。 しかし優人が帰還した世界には元々は無かったはずのダンジョンと、ダンジョンを探索するのを生業とする冒険者という職業が存在していた。 何故かダンジョンを探索する冒険者を育成する『冒険者育成学園』に入学することになった優人は、新たな仲間と共に冒険に身を投じるのであった。

【完結】悪役に転生したのにメインヒロインにガチ恋されている件

エース皇命
ファンタジー
 前世で大好きだったファンタジー大作『ロード・オブ・ザ・ヒーロー』の悪役、レッド・モルドロスに転生してしまった桐生英介。もっと努力して意義のある人生を送っておけばよかった、という後悔から、学院で他を圧倒する努力を積み重ねる。  しかし、その一生懸命な姿に、メインヒロインであるシャロットは惚れ、卒業式の日に告白してきて……。  悪役というより、むしろ真っ当に生きようと、ファンタジーの世界で生き抜いていく。  ヒロインとの恋、仲間との友情──あれ? 全然悪役じゃないんだけど! 気づけば主人公になっていた、悪役レッドの物語! ※小説家になろう、カクヨム、エブリスタにも投稿しています。

【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜

一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m ✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。 【あらすじ】 神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!   そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!  事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます! カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。

処理中です...