最強剣士異世界で無双する

夢見叶

文字の大きさ
71 / 162
セレモニア王国編 第3章王都奪還

第70話 VSエメル 3

しおりを挟む
 魔族達との戦いが開始されてからもケンイチに呼びかけている。

「起きて、起きてよケンイチ」

 少しずつ押され始めている。もう何体倒したか分らない。

 正面の敵だけならまだなんとかなる、でも後ろや左右いろんな方向から攻めてきている。それに今はケンイチをかばいながら戦っている。

「ケンイチもあの時こんなにきつかったのかな」

 私は王都の北門での魔族との戦闘を思い出していた。あの時は自分がケンイチに守られていた。そのときケンイチはどんな気持ちで戦っていたのか考えてしまう。

「私、どうしたらいいのかな? このままじゃ二人とも死んじゃうよ」

 不安な気持ちで一杯になっていく。

「ケンイチ、ケンイチ起きて、起きてよ」

 もう本当にどうしていいのか分らない。それなのに魔族達が休むこと無く襲いかかってくる。

「お嬢ちゃん頑張るね。だけどそろそろ限界かな?」

「限界だよな。もしそこの後ろで寝ている奴をこっちに渡してくれたら見逃してやってもいいぜ」

「おいおい、見逃すだけかよ。どうせなら楽しましてもらおうじゃねえか」

「それでも死ぬよりましだよな」

 好き勝手に何かを言っている魔族達。

「誰が魔族になんて渡すもんですか。そんな事するくらいなら一緒に死ぬ方がましよ」

 言葉が自然と出てきていた。

「そうかい。ならお望み通り二人仲良く殺してやるよ」

 もうダメだ。私がそう思った時、

「心配掛けてごめん。でももう大丈夫だよ」

 その言葉を聞いた瞬間に止まったはずの涙が溢れてきた。

「ケンイチ遅いわよ」

 声のした方を見てみるそこに先程まで倒れていたケンイチが起上がっていた

「ごめん。後は俺に任せて」

 私はその言葉にしたがってケンイチの後ろに下がった。





 エメルを倒した後、魔力の使いすぎで体に力が入らなくなってしまい倒れてしまった。

「俺何やってんだろ」

 ぼそりと呟くしか出来なかった。魔族幹部のエメルを倒すことは出来たが倒れてしまったは意味が無い。まだ近くには魔族が沢山いる。このままではシェリーが危ない。

 そんな考えばかり浮かんでくるが体を動かすことが出来ない。それに何とか意識を保つので精一杯である。

 魔族達がこちらに向かって何かを言っているようだが聞こえない。もしかした俺死ぬのかな。そんな言葉が頭をよぎった。

 魔族達が俺に向かって攻めてくる。それと同時に俺の前にシェリーが現れた。

「逃げろ!!」

 何とか声を出すことが出来たが、小さすぎてシェリーに聞こえていない。俺の事なんて気にしないでいいから逃げろ。心の中で叫び続ける。

 その気持ちは届かない。

 そしてシェリーと魔族の戦いが始まってしまた。確かに一対一ならシェリーは魔族に負けることはないだろう。でも今は一対多。どう見てもシェリーが不利である。

 それにシェリーは俺に魔力まで分けてくれている。俺をかばって戦っているだけでも辛いだろう。それなのにそんな事をすれば君のが先にやられてしまう。

 どうしたら彼女を、仲間を守れるんだ。頭の中にその言葉だけが響いている。

 そんな中で魔族達がシェリーに何かを言っているがよく聞こえなかった。

 でも最後に魔族が言った言葉だけが聞こえてきた。シェリーに向かって『死ね』その言葉を聞いた瞬間体の奥底から何かが湧き上がってくるのを感じた。この気持ちが何かは分らない。

 でも、

「心配掛けてごめん。でももう大丈夫だよ」

 その言葉が自然と出ていた。シェリーは俺の方を見ながら目に涙を浮かべている。

「ケンイチ遅いわよ」

 涙を拭きながら言ってく。俺は、彼女の頭に撫でながら、

「ごめん。後は俺に任せて」

 その言葉を聞いたシェリーは俺の後ろへと隠れた。体を震わせている。よっぽど怖かったのだろ。

「お前ら俺の仲間をよくも可愛がってくれたな」

 周りを人睨み効かせてみる。

「こっからは俺が相手だ。たっぷりとお返ししてやる覚悟しろ」

 俺の声はかなり怒りに満ちているのが自分でも分る。

「人間ごときが、エメル様に勝ったからっていい気になるなよ」

「この数を相手に勝算があると思っているのか」

「そこでおとなしく寝ていれば痛い思いしなくて済んだのによ」

 魔族達は好き勝手に何か言っている。

「さっさとかかってこい」

 少し挑発してみるとすぐに乗ってくる魔族達。

 地面に落ちている剣を広い構えなおす。

 そして怒りをそのまま魔力とともに左手に握っている剛炎剣に魔力を流して周りの魔族を全て焼き払う。手加減なしで。

 一瞬で全ての魔族を撃退した。気配察知にも魔族の反応はない。これで一安心と思った。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

修復スキルで無限魔法!?

lion
ファンタジー
死んで転生、よくある話。でももらったスキルがいまいち微妙……。それなら工夫してなんとかするしかないじゃない!

攻撃魔法を使えないヒーラーの俺が、回復魔法で最強でした。 -俺は何度でも救うとそう決めた-【[完]】

水無月いい人(minazuki)
ファンタジー
【HOTランキング一位獲得作品】 【一次選考通過作品】 ---  とある剣と魔法の世界で、  ある男女の間に赤ん坊が生まれた。  名をアスフィ・シーネット。  才能が無ければ魔法が使えない、そんな世界で彼は運良く魔法の才能を持って産まれた。  だが、使用できるのは攻撃魔法ではなく回復魔法のみだった。  攻撃魔法を一切使えない彼は、冒険者達からも距離を置かれていた。 彼は誓う、俺は回復魔法で最強になると。  --------- もし気に入っていただけたら、ブクマや評価、感想をいただけると大変励みになります! #ヒラ俺 この度ついに完結しました。 1年以上書き続けた作品です。 途中迷走してました……。 今までありがとうございました! --- 追記:2025/09/20 再編、あるいは続編を書くか迷ってます。 もし気になる方は、 コメント頂けるとするかもしれないです。

ガチャで領地改革! 没落辺境を職人召喚で立て直す若き領主

雪奈 水無月
ファンタジー
魔物大侵攻《モンスター・テンペスト》で父を失い、十五歳で領主となったロイド。 荒れ果てた辺境領を支えたのは、幼馴染のメイド・リーナと執事セバス、そして領民たちだった。 十八歳になったある日、女神アウレリアから“祝福”が降り、 ロイドの中で《スキル職人ガチャ》が覚醒する。 ガチャから現れるのは、防衛・経済・流通・娯楽など、 領地再建に不可欠な各分野のエキスパートたち。 魔物被害、経済不安、流通の断絶── 没落寸前の領地に、ようやく希望の光が差し込む。 新たな仲間と共に、若き領主ロイドの“辺境再生”が始まる。

S級冒険者の子どもが進む道

干支猫
ファンタジー
【12/26完結】 とある小さな村、元冒険者の両親の下に生まれた子、ヨハン。 父親譲りの剣の才能に母親譲りの魔法の才能は両親の想定の遥か上をいく。 そうして王都の冒険者学校に入学を決め、出会った仲間と様々な学生生活を送っていった。 その中で魔族の存在にエルフの歴史を知る。そして魔王の復活を聞いた。 魔王とはいったい? ※感想に盛大なネタバレがあるので閲覧の際はご注意ください。

転生先は上位貴族で土属性のスキルを手に入れ雑魚扱いだったものの職業は最強だった英雄異世界転生譚

熊虎屋
ファンタジー
現世で一度死んでしまったバスケットボール最強中学生の主人公「神崎 凪」は異世界転生をして上位貴族となったが魔法が土属性というハズレ属性に。 しかし職業は最強!? 自分なりの生活を楽しもうとするがいつの間にか世界の英雄に!? ハズレ属性と最強の職業で英雄となった異世界転生譚。

異世界転生おじさんは最強とハーレムを極める

自ら
ファンタジー
定年を半年後に控えた凡庸なサラリーマン、佐藤健一(50歳)は、不慮の交通事故で人生を終える。目覚めた先で出会ったのは、自分の魂をトラックの前に落としたというミスをした女神リナリア。 その「お詫び」として、健一は剣と魔法の異世界へと30代後半の肉体で転生することになる。チート能力の選択を迫られ、彼はあらゆる経験から無限に成長できる**【無限成長(アンリミテッド・グロース)】**を選び取る。 異世界で早速遭遇したゴブリンを一撃で倒し、チート能力を実感した健一は、くたびれた人生を捨て、最強のセカンドライフを謳歌することを決意する。 定年間際のおじさんが、女神の気まぐれチートで異世界最強への道を歩み始める、転生ファンタジーの開幕。

企業再生のプロ、倒産寸前の貧乏伯爵に転生する 

namisan
ファンタジー
数々の倒産寸前の企業を立て直してきた敏腕コンサルタントの男は、過労の末に命を落とし、異世界で目を覚ます。  転生先は、帝国北部の辺境にあるアインハルト伯爵家の若き当主、アレク。  しかし、そこは「帝国の重荷」と蔑まれる、借金まみれで領民が飢える極貧領地だった。  凍える屋敷、迫りくる借金取り、絶望する家臣たち。  詰みかけた状況の中で、アレクは独自のユニーク魔法【構造解析(アナライズ)】に目覚める。  それは、物体の構造のみならず、組織の欠陥や魔法術式の不備さえも見抜き、再構築(クラフト)するチート能力だった。  「問題ない。この程度の赤字、前世の案件に比べれば可愛いものだ」  前世の経営知識と規格外の魔法で、アレクは領地の大改革に乗り出す。  痩せた土地を改良し、特産品を生み出し、隣国の経済さえも掌握していくアレク。  そんな彼の手腕に惹かれ、集まってくるのは一癖も二癖もある高貴な美女たち。 これは、底辺から這い上がった若き伯爵が、最強の布陣で自領を帝国一の都市へと発展させ、栄華を極める物語。

クラス全員で転移したけど俺のステータスは使役スキルが異常で出会った人全員を使役してしまいました

髙橋ルイ
ファンタジー
「クラス全員で転移したけど俺のステータスは使役スキルが異常で出会った人全員を使役してしまいました」 気がつけば、クラスごと異世界に転移していた――。 しかし俺のステータスは“雑魚”と判定され、クラスメイトからは置き去りにされる。 「どうせ役立たずだろ」と笑われ、迫害され、孤独になった俺。 だが……一人きりになったとき、俺は気づく。 唯一与えられた“使役スキル”が 異常すぎる力 を秘めていることに。 出会った人間も、魔物も、精霊すら――すべて俺の配下になってしまう。 雑魚と蔑まれたはずの俺は、気づけば誰よりも強大な軍勢を率いる存在へ。 これは、クラスで孤立していた少年が「異常な使役スキル」で異世界を歩む物語。 裏切ったクラスメイトを見返すのか、それとも新たな仲間とスローライフを選ぶのか―― 運命を決めるのは、すべて“使役”の先にある。 毎朝7時更新中です。⭐お気に入りで応援いただけると励みになります! 期間限定で10時と17時と21時も投稿予定 ※表紙のイラストはAIによるイメージです

処理中です...