最強剣士異世界で無双する

夢見叶

文字の大きさ
104 / 162
テルト王国編 第二章 クラーケン討伐

第103話 出航

しおりを挟む
 俺もヒョウカも目の前にある船を見てかなり驚きのあまり声が出なかった。

 俺は、小さな船で乗れるのは数人ほどの物を想像していた。だが今、目の前にあるのはそれこそ、海の旅に数ヶ月単位で出られるような船であった。

「これがリクさんの船ですか?」

「ああ、そうだ! どうだ、立派なもんだろ」

 俺達はコクりと頷くことしか出来なかった。

 凄く笑顔で自分の船を語っているリクさん。

 それから、船の中に案内される。

 中には客室、など数十もの部屋があり、攻撃ようの大砲までも用意されている。

 今回の依頼には最適の船と言える。

 それからも船の中の案内は続き、気がつくと日が暮れ始めている。

 俺はリクさんに明日の予定を伝えて別れた。

「凄い船だった!」

 リクさんと別れて宿へと帰っていた時ヒョウカがぽつりと呟いた。

「そうだな。あの生活ぶりでは想像出来ない位すごかったな!」

「海のでの戦闘では最適!」

「そうだな。あれくらいの大きさならこっちの足場にも十分だろう」

 お互いに今回の作戦がうまくいくと個この時は思っていた。

 日が暮れてしまった頃、宿へと戻ってきた。

 受付で夕食を頼み部屋へと戻ると、先にシェリー達が戻っていた。

「おかえり!」

 部屋に入ってすぐシェリーとミカの声が聞こえてくる。

「ただいま~」

 ヒョウカと声をそろえて返す。

 二人は、買ってきた回復薬の仕分けをしていたようである。今回の頼んでいたのは、体力回復薬五十個と魔力回復薬五十個、これだけあれば問題ないと考えていた。

 セレモニア王国での魔族幹部達との戦いで魔力切れを起こしたこともありしっかり準備をしておっく。

「船の方はどうだったの?」

「何とか確保できたよ。なかなかいい船だったぞ。お前ら明日びっくりするなよ」

「はいはい、そんな事よりも作戦は何か考えてあるの?」

 そっちから聞いてきたくせにそこまで興味がないみたいな反応。

 とりあえず今はいいかと思いながら、俺は明日の討伐作戦を話す。

 その前に、

「ミカ、フライの魔法は使えるか?」

 今回の作戦の肝ともなること、

「使えるよ。四人くらいなら余裕で掛けられるよ」

 それを聞いて安心した。

 俺は、皆に明日の作戦を話す。

 まず初めに全員にミカがフライの魔法を掛ける。その後シェリーは船の上で待機。クラーケンが見え次第魔法での遠距離からの攻撃。ヒョウカはシェリーへの攻撃を防御。俺とミカで近接戦を仕掛けていく。なので、シェリーに雷属性の魔法は俺が指示を出すまで禁止。もしかすると海に潜ることあるかもしれないからである。

 それから、今回買った回復薬の内魔力回復薬は半分はシェリーに、残りを俺達三人で分ける事に、回復薬は俺達三人で分けて、少しをシェリーに。

 など簡単にそれぞれの役割について説明する。

「ケンイチ、クラーケンはどうやって呼び出すの?」

 俺の説明が終るとすぐシェリーが質問をしてきた。

「俺がやるよ。もし向こうから出てこなかったら俺が海に潜って海面まで連れてくる」

「でもそれかなり危険じゃない?」

「大丈夫だよ! それに話によれば船が近くを通りかかると向こうから出てくるみたいだから俺が海に入ることはないと思うしな」

「それならいいんだけど」

 とても不安そうな声。

 だが、今回の依頼は俺達にとってもかなり重要。何故ならこの町に来たもう一つの目的が果たせるかどうかは今回の依頼が成功するかどうかにかかっているのだから。

「シェリー、お兄ちゃんの言葉を信じよう。今までだって大丈夫だったでしょ」

「うん」

 頷くシェリー。

「それに私が付いているんだから安心して」

「そうよね。ケンイチ一人じゃないもんね」

「そうだよ」

 俺をのけ者にして二人で話しをしている。

「私もいざとなったらケンイチ君、助ける」

 そしてそこにヒョウカまでもが加わり、俺が助けられることになっていた。

 それから、明日の予定を確認して寝ることになった。

 翌日。

 朝が早く辺りは少し霧がかかっている。

 俺達が港に着くとすでにリクさんが船の準備をしていた。

「おはようございます!」

「早いな! 予定の時間までまだだろう」

 本当は日が少し昇り仕事に出る人が動き始める頃を目安に集ることになっていた。

 だが、どうしても気持ちが焦ってしまい全員こんなに朝早く朝早く起きてしまったのである。

「どうしても気持ちが焦ってしまって。でもリクさんも早いですね」

「俺の方は、長いこと使ってなかったこいつの手入れをしてやらないといけないと思ってな」

 などと凄く楽しそうに言っている。

「後どれくらいで準備は出来そうですか?」

「そうだな~、この霧が晴れる頃には出来ると思うぜ」

「分かりました」

 俺達は、しばらく待つことにした。

 しばらくして街の中から人の声が聞こえてき始めた頃、船の準備も整い出航することになった。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

自力で帰還した錬金術師の爛れた日常

ちょす氏
ファンタジー
「この先は分からないな」 帰れると言っても、時間まで同じかどうかわからない。 さて。 「とりあえず──妹と家族は救わないと」 あと金持ちになって、ニート三昧だな。 こっちは地球と環境が違いすぎるし。 やりたい事が多いな。 「さ、お別れの時間だ」 これは、異世界で全てを手に入れた男の爛れた日常の物語である。 ※物語に出てくる組織、人物など全てフィクションです。 ※主人公の癖が若干終わっているのは師匠のせいです。 ゆっくり投稿です。

攻撃魔法を使えないヒーラーの俺が、回復魔法で最強でした。 -俺は何度でも救うとそう決めた-【[完]】

水無月いい人(minazuki)
ファンタジー
【HOTランキング一位獲得作品】 【一次選考通過作品】 ---  とある剣と魔法の世界で、  ある男女の間に赤ん坊が生まれた。  名をアスフィ・シーネット。  才能が無ければ魔法が使えない、そんな世界で彼は運良く魔法の才能を持って産まれた。  だが、使用できるのは攻撃魔法ではなく回復魔法のみだった。  攻撃魔法を一切使えない彼は、冒険者達からも距離を置かれていた。 彼は誓う、俺は回復魔法で最強になると。  --------- もし気に入っていただけたら、ブクマや評価、感想をいただけると大変励みになります! #ヒラ俺 この度ついに完結しました。 1年以上書き続けた作品です。 途中迷走してました……。 今までありがとうございました! --- 追記:2025/09/20 再編、あるいは続編を書くか迷ってます。 もし気になる方は、 コメント頂けるとするかもしれないです。

異世界召喚でクラスの勇者達よりも強い俺は無能として追放処刑されたので自由に旅をします

Dakurai
ファンタジー
クラスで授業していた不動無限は突如と教室が光に包み込まれ気がつくと異世界に召喚されてしまった。神による儀式でとある神によってのスキルを得たがスキルが強すぎてスキル無しと勘違いされ更にはクラスメイトと王女による思惑で追放処刑に会ってしまうしかし最強スキルと聖獣のカワウソによって難を逃れと思ったらクラスの女子中野蒼花がついてきた。 相棒のカワウソとクラスの中野蒼花そして異世界の仲間と共にこの世界を自由に旅をします。 現在、第四章フェレスト王国ドワーフ編

最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。

みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。 高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。 地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。 しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。

家ごと異世界転移〜異世界来ちゃったけど快適に暮らします〜

奥野細道
ファンタジー
都内の2LDKマンションで暮らす30代独身の会社員、田中健太はある夜突然家ごと広大な森と異世界の空が広がるファンタジー世界へと転移してしまう。 パニックに陥りながらも、彼は自身の平凡なマンションが異世界においてとんでもないチート能力を発揮することを発見する。冷蔵庫は地球上のあらゆる食材を無限に生成し、最高の鮮度を保つ「無限の食料庫」となり、リビングのテレビは異世界の情報をリアルタイムで受信・翻訳する「異世界情報端末」として機能。さらに、お風呂の湯はどんな傷も癒す「万能治癒の湯」となり、ベランダは瞬時に植物を成長させる「魔力活性化菜園」に。 健太はこれらの能力を駆使して、食料や情報を確保し、異世界の人たちを助けながら安全な拠点を築いていく。

異世界帰りの少年は現実世界で冒険者になる

家高菜
ファンタジー
ある日突然、異世界に勇者として召喚された平凡な中学生の小鳥遊優人。 召喚者は優人を含めた5人の勇者に魔王討伐を依頼してきて、優人たちは魔王討伐を引き受ける。 多くの人々の助けを借り4年の月日を経て魔王討伐を成し遂げた優人たちは、なんとか元の世界に帰還を果たした。 しかし優人が帰還した世界には元々は無かったはずのダンジョンと、ダンジョンを探索するのを生業とする冒険者という職業が存在していた。 何故かダンジョンを探索する冒険者を育成する『冒険者育成学園』に入学することになった優人は、新たな仲間と共に冒険に身を投じるのであった。

【完結】悪役に転生したのにメインヒロインにガチ恋されている件

エース皇命
ファンタジー
 前世で大好きだったファンタジー大作『ロード・オブ・ザ・ヒーロー』の悪役、レッド・モルドロスに転生してしまった桐生英介。もっと努力して意義のある人生を送っておけばよかった、という後悔から、学院で他を圧倒する努力を積み重ねる。  しかし、その一生懸命な姿に、メインヒロインであるシャロットは惚れ、卒業式の日に告白してきて……。  悪役というより、むしろ真っ当に生きようと、ファンタジーの世界で生き抜いていく。  ヒロインとの恋、仲間との友情──あれ? 全然悪役じゃないんだけど! 気づけば主人公になっていた、悪役レッドの物語! ※小説家になろう、カクヨム、エブリスタにも投稿しています。

【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜

一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m ✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。 【あらすじ】 神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!   そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!  事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます! カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。

処理中です...