最強剣士異世界で無双する

夢見叶

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テルト王国編 第二章 クラーケン討伐

第105話 戦闘開始

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 クラーケン討伐が始まった。

 船は結界で守ってある。俺は気兼ねなくこいつと戦える。

「ミカ、俺が攻めるから最初はそこで見ていてくれ」

 その言葉にこくりと頷く。

「シェリー、俺が合図したら魔法を頼む!」

「分かったわ!」

 大声で伝えると、シェリーも大声で返してくる。

 指示を出し終わった俺は、右手に剣を持ち向かって行く。フライの魔法の操作に少し慣れないがまあ問題ないだろう。

 正面から攻めていく。クラーケンは足を伸ばして攻撃を仕掛けてくる。俺は切れるか試そうと剣で斬りかかるがはじかれてしまう。

 意外と堅い。

 それなら当初の予定通り目を狙っていくことにした。目を潰し動きを止めてから攻める。

 だが、予定通りには行かせてくれない。

 クラーケンは口からスミを吐き攻撃をしてくる。俺は結界でスミを防ぐが動きが止まった。その隙を突かれて左右同時にクラーケンの足が二本向ってくる。

 一度元の場所に戻りそれをかわす。

「シェリー!」

 大声で名前を呼ぶと同時に風の刃が複数飛んで来る。だが、クラーケンはそれを軽く払う。

 開いている足で俺達めがけて攻撃を仕掛けてきた。ミカと二手に分かれてそれを回避するがこちらを追ってくる。

 異空間収納から氷魔剣を取り出し剣に切れ味アップを付与して魔力を流す。

 正面から来るクラーケンの足。俺は足を切り裂く。先程切れなかったが今回は楽に切ることが出来た。

 それと同時に切り口を凍らして回復も防ぐ。

 だが、そんな事お構いなしに切り口から足が復活してきた。

 ミカの方も同じ感じであった。

 とんでもない回復力に防御力。それに思っている以上に攻撃速度、反応速度が早い。

 だが、こちらに考える暇を与えてもくれない。

 休む暇なく俺達に向ってくる足。それを交わしながら近づいていくがどうしても他の足で行き先を防がれるか、スミをはかれて動きを止められてしまう。

「ミカ! 同時に攻めよう」

「わかった!」

 俺達は左右に分かれた同時に攻撃を仕掛けていく。

 それに合わせて向ってくる足。だが、今回はその足はミカだけを捕らえている。

 俺は透明化を付与した結界を張りクラーケンに近づいていた。

 これならいけると思ったのだがなかなか感がよくギリギリの所で気づかれたのか周囲一帯にスミを吐いてくる。俺は少し回避が遅れてしまい少し体に辺り服が解けてしまった。

 溶解液に似たような物のようだ。

「ミカ! あのスミに当たるなよ、溶かされるぞ」

「ウソでしょ!」

 少し青い顔になっているミカ。

 正直打つ手がなくなってきた。

 やるしかないのかと思いながらため息をつく。

「シェリー! 雷系の魔法を使っていいぞ」

 その言葉と同時に服に雷耐性を付与。ミカにも付与しておく。

「ミカ、上に向って火魔法を一つ放ってくれ」

「いいけどどうするの?」

「それと同時にシェリーに魔法を撃ってもらうから」

「でも、お兄ちゃんはどうするの?」

「潜る! したからクラーケンに攻撃を仕掛けてみる。ミカも遠距離からの魔法攻撃を頼む」

「分かった」

「シェリー、空にファイアーボールが上がったら雷魔法を頼む!」

 返事は返ってこなかったが大丈夫だと思った。

「ミカ、頼む」

 それにファイアーボールが放たれた。それを見ていたシェリーが雷魔法を放つ。クラーケンの頭上に黒い雲がかかり始まる。クラーケンの頭上を覆い隠すとそこから電撃が放たれた。

『サンダーボルト』

 雷魔法の中でもかなり威力の高い魔法の一つ。魔法を受けたクラーケンは少し麻痺している。

 俺はその隙に海へと潜る。まだ先ほどの電撃の残りがあるが服に付与した雷耐性のおかげで影響はない。

 こちらの動きに気づいていない。このチャンスを逃すものかとフライの魔法を応用してクラーケンに近づいていく。

 まず一つ。クラーケンの足を切り落とした。
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