最強剣士異世界で無双する

夢見叶

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テルト王国編 第三章 海底遺跡

第107話 報告 1

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 水上へと上がった俺の所にミカ達がやってくる。

 水中での戦闘は思ったより長く皆心配していたみたいだ。三人とも目から少し涙がこぼれている。

「何してたのよ! 死んだんじゃないかって思ったんだから」

「凄く心配した」

「お兄ちゃんのバカ!」

 各々俺に言ってくる。

 まさかここまで心配されるとは思って居なかった。

 とりあえず泣いている三人を抱えて船へと戻っていく。

 俺の姿を見るとリクさんがこちらへと向ってくる。

「どうなった!?」

 戦闘の状況を把握できていないリクさん。

「勝ちましたよ。これで漁の方も再開できますよ」

「そうか」

 とても嬉しそうな顔で言ってきた。

 それよりも、

「三人ともそろそろ離してくれないか、動きにくいんだが」

 未だに俺から離れようとしないしない三人。

 少し大げさ過ぎないかなどと思いながら、

「リクさん、急いで街へと戻っていただいていいですか? 早めに報告しないといけないことがありますので」

「分かった! すぐに出発しよう」

 船室へと戻っていくリク。

 そんな会話お構いなしにひっつき続ける三人。

「あ~も~、心配掛けて悪かったよ」

 その言葉を聞いた瞬間三人は俺から離れていく。

 そして顔は何故か少し笑っていた。

「それじゃ一日私達の言うことを聞いてくれたら許してあげる!」

 三人声をそろえて言ってくる。

 完全にやられてしまった。途中から鳴き声が聞こえてこなかったと思ったらそん事を考えていたのか。

 だが、俺は言い返せずに、

「分かったよ。だがそれはまた後でな」

 と、海底で見たことをシェリー達に話す。

 俺は神殿の中に入ったとき何かが俺を呼んでいる気がしていた。それが何かは分からないが俺はもう一度あの神殿に行かないといけないと思って居たのだ。

「確かに凄く気になるわね」

 シェリーが食いついてきた。それに続きミカヒョウカと興味を持ってくれた。

 だが、俺達だけの考えで神殿を調査することは出来ない。なので一度街に戻りこの事を報告した後、神殿の調査に行こうと考えていた。

 そのときはまたリクさんに船を出して貰わないといけないなと思っていた。

 それからしばらくして港へと戻ってきた。

 日はすでに落ち始めており空はあかね色になっていた。

「今日はありがとうございます」

 一言リクさんにお礼を言って船を下りた。

 それから真っ直ぐギルドへと向う。

 ギルドに着く頃には日は完全に落ちて夜になっていた。

 ギルドの中はとても賑わっている。依頼の報告をする者や、酒を飲んで騒いでいる者など様々である。

 俺達は、昨日と同じ受付の所の列に並ぶ。

 しばらく待っていると俺達の番がやって来た。

「お待たせいたしました」

 昨日と同じ受付のお姉さんが笑顔で挨拶をしてくれる。

「昨日受けた依頼の報告に来たのですがギルドマスターおられますか!?」

 今回の件はさすがにここで話すことではなく直接ギルドマスターへと思っていた。

「少しお待ちください」

 お姉さんがギルドマスターの所へと向かって行く。

 それからしばらくして、お姉さんが帰ってきた。

「こちらへ」

 それだけ行って何処かへと向かって行く。俺達もそれに付いていくとギルドの奥にある部屋へと連れてこられた。

「中でお待ちください」

 俺達は中のイスに座って待つことになった。

 それからすぐお茶を持った先程のお姉さんと老人の男性が部屋の中に入ってくる。

 見た目からして六十代くらいに見える。白いひげを生やしていて、いかにもなお爺さんであった。

 老人は俺達の前のイスに座ると、お姉さんはお茶を出して部屋から出て行く。

「待たせてスマンかった。わしがこの街のギルドマスターじゃ、それでなんのようかの?」

 早速話しに入ってきた。俺は、冒険者カードを出しながら、

「俺はSランク冒険者のケンイチと言います。横の三人は俺のパーティーメンバーで同じSランク冒険者です」

 それから簡単にシェリー達が自己紹介をする。

 俺達の冒険者カードを確認し終えると、

「まずクラーケン討伐の依頼は完了しました」

 それを聞いたとたんギルドマスターは驚きのあまり口に含んでいたお茶を吹き出してしまった。

 数回咳払いをした後、

「いくらSランク冒険者だと言ってもたった四人であの怪物を討伐出来るわけがなかろう」

 そんな事を言われたので異空間収納からクラーケンの一部を出して見せる。

「これはほんの一部ですが、クラーケンの足になります」

 さすがにこれをみたら信じるしかないだろう。

「確かにあのクラーケンの物のようだな」

 一応信じてくれたようだな。

 だが本題はこれからだ。
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