最強剣士異世界で無双する

夢見叶

文字の大きさ
110 / 162
テルト王国編 第三章 海底遺跡

第109話 海底遺跡 1

しおりを挟む
 翌朝、宿で朝食を済ませた俺達は昨日と同じ港へとやって来ていた。

 昨日ギルドで海底遺跡の調査の許可を取り早速今日向おうとしている。

「遅かったな!」

 こちらに向って手を振っているリクさん。昨日のクラーケン討伐の際に船を出してくれた人である。

 そして今日も昨日と同じ場所まで船を出して貰う事になっていた。

 俺達よりも先に港に来て船の準備をしてくれているみたいであった。

「今日もお願いいたします」

 俺は二日続けて船を出してもらえることに対して頭を下げてお礼を言った。

 それに続きシェリー達三人も頭を下げた。

「おいおい、やめてくれよ」

 顔を赤くしながら言ってくるリクさん。

 昨日のクラーケンの討伐の話しはすでに街全体へと伝わっていて早速漁師さん達が準備を始めていた。そのため港の中にはすでに多くの人が居るのである。

 そして俺達が頭を下げている事で港にいる者の視線の殆どがこちらへと集っているのであった。

 そのことに対して少し困った顔になっている。

「早く出発するぞ!」

 俺達が頭を上げるの待たずに一人先に船へと乗っていく。

 俺達はそれに続き船の中に入る。

 リクさんはこちらに顔を見せなかったが見るからに恥ずかしそうにしていた。

 全員の乗り込みを確認するとすぐに船が動き出したのである。全員と言ってもリクさんを合わせて五人しか居ないんだけど。

 船が出発すると同時に朝二の鐘が鳴っていた。



 それからしばらくの間はゆったりとした船旅となっていた。

 今回の目的は海底遺跡の調査でもあったため皆緊張感はなくのびのびしている。ただそれは昨日も同じだったような気もするけど。

 船の上でボール遊びをしているシェリー達三人。

「ケンイチも一緒に遊ぼう~よ」

 海を見ていた俺にシェリーが声を掛けてきた。

 正直無駄な体力を使いたくないと思っていたのだが、ここで拒否するとシェリーとミカがうるさそうだったので渋々参加する事にした。

 それから暫くの間は四人でバレー的な物をして遊んでいた。最初の内はただボールを回して遊んでいたのだがミカが

「せっかくなら二対二で勝負しようよ」

 などと言い始めたのである。それにシェリーものってしまい俺とヒョウカは断れなくなってしまった。

 船の中にネットがありそれを使い簡単なコートを作った。

 チームは俺とヒョウカ、シェリーとミカに別れて試合が行われることになった。どうやって決めたのか、じゃんけんである。結果に対して二人は文句を言っていたが俺はそれを無視してさっさと試合を始めて行く。

 最初の内はお互いにいい勝負をしていたのだがシェリーのミスから息が合わなくなっていき、最終的に俺達圧勝と言う結果で試合は終っていた。

 シェリー達はとても悔しがっていた。

 すると、

「もうすぐ目的の場所に着くぞ!」

 船室からリクさんの声が聞こえてきた。

 その声を聞き準備に取りかかる俺達。ただ、先程の負けを未だに引きずっている二人。

「お前らも早く準備をしろ!」

 正直準備と言うほどたいそうなことはしない。ただ先程遊んでいた物を片付けたり。持ち物の確認をしたり位である。

「は~い」

 だるそうに返事をする二人。

 本番はこれからなのに大丈夫なのか? と思いながら準備を進めていく。

 そんな事をしている間に昨日と同じ場所へと到着した。

 クラーケンが居たと時とは違い、空の色も普通に戻っていて、昨日のような暗い雰囲気もなくなっている。

 ミレイのフライの魔法と俺の酸素と付与した結界を全員に掛けて海の中へと入り海底遺跡へと向っていく。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

自力で帰還した錬金術師の爛れた日常

ちょす氏
ファンタジー
「この先は分からないな」 帰れると言っても、時間まで同じかどうかわからない。 さて。 「とりあえず──妹と家族は救わないと」 あと金持ちになって、ニート三昧だな。 こっちは地球と環境が違いすぎるし。 やりたい事が多いな。 「さ、お別れの時間だ」 これは、異世界で全てを手に入れた男の爛れた日常の物語である。 ※物語に出てくる組織、人物など全てフィクションです。 ※主人公の癖が若干終わっているのは師匠のせいです。 ゆっくり投稿です。

攻撃魔法を使えないヒーラーの俺が、回復魔法で最強でした。 -俺は何度でも救うとそう決めた-【[完]】

水無月いい人(minazuki)
ファンタジー
【HOTランキング一位獲得作品】 【一次選考通過作品】 ---  とある剣と魔法の世界で、  ある男女の間に赤ん坊が生まれた。  名をアスフィ・シーネット。  才能が無ければ魔法が使えない、そんな世界で彼は運良く魔法の才能を持って産まれた。  だが、使用できるのは攻撃魔法ではなく回復魔法のみだった。  攻撃魔法を一切使えない彼は、冒険者達からも距離を置かれていた。 彼は誓う、俺は回復魔法で最強になると。  --------- もし気に入っていただけたら、ブクマや評価、感想をいただけると大変励みになります! #ヒラ俺 この度ついに完結しました。 1年以上書き続けた作品です。 途中迷走してました……。 今までありがとうございました! --- 追記:2025/09/20 再編、あるいは続編を書くか迷ってます。 もし気になる方は、 コメント頂けるとするかもしれないです。

異世界召喚でクラスの勇者達よりも強い俺は無能として追放処刑されたので自由に旅をします

Dakurai
ファンタジー
クラスで授業していた不動無限は突如と教室が光に包み込まれ気がつくと異世界に召喚されてしまった。神による儀式でとある神によってのスキルを得たがスキルが強すぎてスキル無しと勘違いされ更にはクラスメイトと王女による思惑で追放処刑に会ってしまうしかし最強スキルと聖獣のカワウソによって難を逃れと思ったらクラスの女子中野蒼花がついてきた。 相棒のカワウソとクラスの中野蒼花そして異世界の仲間と共にこの世界を自由に旅をします。 現在、第四章フェレスト王国ドワーフ編

最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。

みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。 高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。 地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。 しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。

家ごと異世界転移〜異世界来ちゃったけど快適に暮らします〜

奥野細道
ファンタジー
都内の2LDKマンションで暮らす30代独身の会社員、田中健太はある夜突然家ごと広大な森と異世界の空が広がるファンタジー世界へと転移してしまう。 パニックに陥りながらも、彼は自身の平凡なマンションが異世界においてとんでもないチート能力を発揮することを発見する。冷蔵庫は地球上のあらゆる食材を無限に生成し、最高の鮮度を保つ「無限の食料庫」となり、リビングのテレビは異世界の情報をリアルタイムで受信・翻訳する「異世界情報端末」として機能。さらに、お風呂の湯はどんな傷も癒す「万能治癒の湯」となり、ベランダは瞬時に植物を成長させる「魔力活性化菜園」に。 健太はこれらの能力を駆使して、食料や情報を確保し、異世界の人たちを助けながら安全な拠点を築いていく。

異世界帰りの少年は現実世界で冒険者になる

家高菜
ファンタジー
ある日突然、異世界に勇者として召喚された平凡な中学生の小鳥遊優人。 召喚者は優人を含めた5人の勇者に魔王討伐を依頼してきて、優人たちは魔王討伐を引き受ける。 多くの人々の助けを借り4年の月日を経て魔王討伐を成し遂げた優人たちは、なんとか元の世界に帰還を果たした。 しかし優人が帰還した世界には元々は無かったはずのダンジョンと、ダンジョンを探索するのを生業とする冒険者という職業が存在していた。 何故かダンジョンを探索する冒険者を育成する『冒険者育成学園』に入学することになった優人は、新たな仲間と共に冒険に身を投じるのであった。

【完結】悪役に転生したのにメインヒロインにガチ恋されている件

エース皇命
ファンタジー
 前世で大好きだったファンタジー大作『ロード・オブ・ザ・ヒーロー』の悪役、レッド・モルドロスに転生してしまった桐生英介。もっと努力して意義のある人生を送っておけばよかった、という後悔から、学院で他を圧倒する努力を積み重ねる。  しかし、その一生懸命な姿に、メインヒロインであるシャロットは惚れ、卒業式の日に告白してきて……。  悪役というより、むしろ真っ当に生きようと、ファンタジーの世界で生き抜いていく。  ヒロインとの恋、仲間との友情──あれ? 全然悪役じゃないんだけど! 気づけば主人公になっていた、悪役レッドの物語! ※小説家になろう、カクヨム、エブリスタにも投稿しています。

【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜

一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m ✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。 【あらすじ】 神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!   そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!  事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます! カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。

処理中です...