最強剣士異世界で無双する

Sランクトーナメント戦編 第1章Sランクトーナメント一回戦

第122話 一回戦 2

　審判の合図で試合が開始された。

「挨拶がてら、良い物見せてやるぜ!」

　雷鳴のリーダーんも男がこちらに向ってそんな事を言いながら右手を空に向って伸ばした。

『雷鳴!』

　手から一筋の光が空へと上がっていく。次の瞬間もの凄い雷撃が落ちてきた。

「皆回避!」

　俺が叫んだ次の瞬間雷撃が落ちてきた。声を掛けるのが後少し遅かったら俺達はこの一撃で終っていたかも知れない。そして、俺達が元いた場所は黒く焦げていた。それに煙で三人の様子が見えない。

「皆大丈夫か!？」

「大丈夫よ!」

「こっちも無事だよ」

「大丈夫」

　皆大丈夫なようでよかった。

　少しずつ煙も晴れてきてシェリー達の様子が見えるようになってきた。ミカは一人で攻撃を避けたようだ。ヒョウカはシェリーを守るようにして避けている。

　そんな俺達を見ながら薄ら笑いを浮かべている雷鳴の四人。

「お見事、お見事」

　手を叩きながらそんな事を言ってくる。

「今のは雷魔法の雷撃だろうが!　そんなのを避けれたくらい何って事ないよ!」

「ほほ、今のを見てただの雷撃と言うか。だが後ろの女はそんな事を思っていないようだぞ」

　俺は後ろを向きシェリーの方を見てみると、顔色が少し悪い。

「シェリーどうした」

　だが俺の言葉に対して何も答えようとしない。

「何故、あの女が何も答えないか教えてやるよ!　今俺が放った魔法は雷鳴と言う雷魔法の雷撃には違いね。だがな、ただの雷撃とは威力が桁違いに違うんだよ」

　雷を空から落とすのが雷撃。それと今のでは何が違うのか俺にはわからない。

「それもそうだけ、それだけじゃないわ」

　シェリーが口を開き始めた。

「雷鳴はどんな盾、防御魔法を持ってしても防ぐことができない魔法なのよ」

「その通りだ。そしてこの魔法ｗ使える者は殆どいないと、言うよりも俺以外居ないがな。だからこのパーティー名が雷鳴なのだ」

「そんな事を言うためにそんな魔法を放ってきたのか」

「なに!？」

　たかがそんな事であんな魔法を放ってきたのかと思うと頭に血が上ってきた。遊び半分で放たれた魔法。確かに今はもう試合が始まっているがそれでもこちらをバカにされたようで余計に頭にきてしまう。

「そんな魔法ごとき簡単に防いでやるって言ってんだよ」

「ガキだと思って手加減してやってたらふざけたことを言いやがる。やれるもんならやって見やがれ!　雷鳴!」

　リーダーの男はまた空に手を上げて同じ魔法放つ。

「魔法反射付与」

　俺は剣に付与魔法を掛ける。それと同時に空からもの凄い雷撃がそれから落ちてくる。

「ケンイチ」

　小さな声でシェリーが俺の名前を呼んだ気がした。

「大丈夫だ!　そこで見とけ」
　雷鳴に合わせて剣で一振りする。すると雷鳴は何もなかったかのように消えてしまった。

　それに対して声を出せずに驚いている雷鳴の四人。それに観客も声が出ないようだ。

「どうした!？　どんな盾、防御魔法でも防げないんじゃなかったのか、その魔法は？」

　やってやったりと言う顔で言ってやるととても悔しそうな顔をしている。

「何故だ!　何故防げる」

「さあな、だがその魔法もその程度だっただけじゃないのか？」

「ふざけるな!　この魔法は火竜ですら一撃で倒した魔法なんだぞ!」

　かなり怒っているようだ。だがこちらも十分に時間を稼げた。そのおかげでシェリー達三人も戦闘準備を整えられている。相手が乗せやすい奴で助かったぜ。

「全員、準備はいいよな!」

「ええ、私達をバカにしたこと後悔させてやりましょう」

「あいつらに一泡吹かせたやるんだから」

　それは今俺がやったよと、ミカの一言に対して突っ込んでしまった。

「倒す!」

　ヒョウカの力強い決意。それとともに俺達は雷鳴に向っていった。