最強剣士異世界で無双する

夢見叶

文字の大きさ
130 / 162
Sランクトーナメント戦編 第1章Sランクトーナメント一回戦

第129話 一回戦 9

しおりを挟む
 男の放ったサンダーショットをスルーしてとこへと突っ込んでいく。それに対して、

「そんな事したって無駄さ!」

 何を思ったのかそんな事を言ってくる。

 背後から迫ってくるサンダーショット。

 俺は男の目の前まで来たところで攻撃を仕掛けていく。だがそれを軽くかわしてくるが、俺はその隙を突き、サンダーショット切り裂いて消滅させる。

 魔法を消滅刺せても男の顔から余裕の表情が消えない。

「これならどうだ!」

 先程と同じサンダーショットを五発放ってくるが、その全て切り裂いて見せた。今度は変な小細工などせずに剣速だけを上げて切り裂いていく。差の早さに回避させることが出来ず終った。

「これで終わりですか?」

 少し挑発気味に言ってみると、明らかに怒りを表に出してきた。

「たかが最下位Sランク冒険者風情が調子に乗るなよ」

 今度は雷の矢が数本こちらに向って放たれる。

 先程と同じかと思い、切り裂こうと剣を振ってみるとやはり雷の矢は剣を避けて俺の方へと飛んで来る。

「は~」

 俺は思わずため息をついてしまった。

 いくら何でもサンダーショットからサンダーアローに切り替えただけでそれ以外が全く同じだけの魔法なんて普通使ってかないだろう。そんな事を思わず考えてしまった。

 サンダーショットと同じく剣で切り裂いてやる。

「!!」

 驚きのあまり声が出ない男。

 俺自身、この男から何も学ぶことがないと思いそろそろこの戦いも終らそうかと思った時、

「サンダーイーグル」

 聞いたこと無い魔法名が聞こえた。それと同士に雷で作られた鳥が三羽現われた。

   雷の鳥たちは俺に向って真っ直ぐに飛んで来る。また男が操っていると思いさっきのサンダーショットと同じように剣で切ろうと考えたのだが、今度は先程のように消滅させることが出来ずにかわされてしまう。男が反応出来ない速度で剣を振ったはずなのにもかかわらずかわされてしまった。しかも三匹ともが別々の方向へと逃げている。

「驚いてくれて嬉しいよ」

 サンダーイーグルに戸惑っている俺に対して声を掛けてくル。その顔は俺を見下すような余裕の表情。

「この魔法は俺の意思で操っていない。だからお前がどんな小細工をしてこようが関係ないのさ。それにだ」

 男はそこで言葉を切ると同時に姿を消した。俺は、完全に男の姿を見失うと同時に腹に打撃を受けていた。

「何を!?」

「教えるかよ」

 その瞬間、頭の中でシェリーの使っている魔法が頭に浮かんだ。雷装、雷の魔法を纏わせて自身の能力を上げる魔法。それに学院にいるときに戦った三年の先輩が足に纏わせていた雷の魔法の事が頭に浮かんできた。

 昨晩、ミカにあんなことを言った以上前回のように結界で防ぐことが出来ない。それに、男とは別方向からサンダーイーグルが飛んでくる。

 正直どうしようかと頭を悩ませていると、

「これで終わりか?」

 ニヤリと言ってくる。

 一回戦では使わないようにしようと考えていたが相手がランキング四位のチームなら少し位は使っても良いかと思い、

「いえいえ、戦いはこれからですよ。ただ、あなたが俺のスピードについてこられたらですけどね」

 俺は、自身が出せる最大の力で地面を蹴り近づいていく。ただ真っ正面から突っ込むのでなく左右に動きながら的を絞らせない。

 後ろからこちらに向ってくるサンダーイーグル達も近づいてくるが的が絞れずにいた。

 男の正面に来た瞬間俺は、先程よりもスピードを上げて右へと動く。

「大口を叩いてこの程度か! 雑魚が」

 誰も居ない所に魔法を放つ。

「!!」

 何が起こったのか分からないと言う顔をしている。

 俺は男の正面に一つの残像を作っていた。そのため男は目の前に止まっている俺が見えたいたのである。だが。それはただの幻で俺はすでに男の左側面にいた。

「これで終わりです」

 その一言と同時に一撃を与えて男の意識を奪い取る。そして、雷鳴メンバー全員の戦闘不能が確認されると、

「ソウルメイトの勝利」

「うぉ~!」

 審判の声が上がるとすぐに観客達からもの凄い声が上がってきた。

 俺達は、舞台から降り控え室へと戻っていくのだった。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

自力で帰還した錬金術師の爛れた日常

ちょす氏
ファンタジー
「この先は分からないな」 帰れると言っても、時間まで同じかどうかわからない。 さて。 「とりあえず──妹と家族は救わないと」 あと金持ちになって、ニート三昧だな。 こっちは地球と環境が違いすぎるし。 やりたい事が多いな。 「さ、お別れの時間だ」 これは、異世界で全てを手に入れた男の爛れた日常の物語である。 ※物語に出てくる組織、人物など全てフィクションです。 ※主人公の癖が若干終わっているのは師匠のせいです。 ゆっくり投稿です。

攻撃魔法を使えないヒーラーの俺が、回復魔法で最強でした。 -俺は何度でも救うとそう決めた-【[完]】

水無月いい人(minazuki)
ファンタジー
【HOTランキング一位獲得作品】 【一次選考通過作品】 ---  とある剣と魔法の世界で、  ある男女の間に赤ん坊が生まれた。  名をアスフィ・シーネット。  才能が無ければ魔法が使えない、そんな世界で彼は運良く魔法の才能を持って産まれた。  だが、使用できるのは攻撃魔法ではなく回復魔法のみだった。  攻撃魔法を一切使えない彼は、冒険者達からも距離を置かれていた。 彼は誓う、俺は回復魔法で最強になると。  --------- もし気に入っていただけたら、ブクマや評価、感想をいただけると大変励みになります! #ヒラ俺 この度ついに完結しました。 1年以上書き続けた作品です。 途中迷走してました……。 今までありがとうございました! --- 追記:2025/09/20 再編、あるいは続編を書くか迷ってます。 もし気になる方は、 コメント頂けるとするかもしれないです。

異世界召喚でクラスの勇者達よりも強い俺は無能として追放処刑されたので自由に旅をします

Dakurai
ファンタジー
クラスで授業していた不動無限は突如と教室が光に包み込まれ気がつくと異世界に召喚されてしまった。神による儀式でとある神によってのスキルを得たがスキルが強すぎてスキル無しと勘違いされ更にはクラスメイトと王女による思惑で追放処刑に会ってしまうしかし最強スキルと聖獣のカワウソによって難を逃れと思ったらクラスの女子中野蒼花がついてきた。 相棒のカワウソとクラスの中野蒼花そして異世界の仲間と共にこの世界を自由に旅をします。 現在、第四章フェレスト王国ドワーフ編

最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。

みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。 高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。 地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。 しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。

家ごと異世界転移〜異世界来ちゃったけど快適に暮らします〜

奥野細道
ファンタジー
都内の2LDKマンションで暮らす30代独身の会社員、田中健太はある夜突然家ごと広大な森と異世界の空が広がるファンタジー世界へと転移してしまう。 パニックに陥りながらも、彼は自身の平凡なマンションが異世界においてとんでもないチート能力を発揮することを発見する。冷蔵庫は地球上のあらゆる食材を無限に生成し、最高の鮮度を保つ「無限の食料庫」となり、リビングのテレビは異世界の情報をリアルタイムで受信・翻訳する「異世界情報端末」として機能。さらに、お風呂の湯はどんな傷も癒す「万能治癒の湯」となり、ベランダは瞬時に植物を成長させる「魔力活性化菜園」に。 健太はこれらの能力を駆使して、食料や情報を確保し、異世界の人たちを助けながら安全な拠点を築いていく。

異世界帰りの少年は現実世界で冒険者になる

家高菜
ファンタジー
ある日突然、異世界に勇者として召喚された平凡な中学生の小鳥遊優人。 召喚者は優人を含めた5人の勇者に魔王討伐を依頼してきて、優人たちは魔王討伐を引き受ける。 多くの人々の助けを借り4年の月日を経て魔王討伐を成し遂げた優人たちは、なんとか元の世界に帰還を果たした。 しかし優人が帰還した世界には元々は無かったはずのダンジョンと、ダンジョンを探索するのを生業とする冒険者という職業が存在していた。 何故かダンジョンを探索する冒険者を育成する『冒険者育成学園』に入学することになった優人は、新たな仲間と共に冒険に身を投じるのであった。

【完結】悪役に転生したのにメインヒロインにガチ恋されている件

エース皇命
ファンタジー
 前世で大好きだったファンタジー大作『ロード・オブ・ザ・ヒーロー』の悪役、レッド・モルドロスに転生してしまった桐生英介。もっと努力して意義のある人生を送っておけばよかった、という後悔から、学院で他を圧倒する努力を積み重ねる。  しかし、その一生懸命な姿に、メインヒロインであるシャロットは惚れ、卒業式の日に告白してきて……。  悪役というより、むしろ真っ当に生きようと、ファンタジーの世界で生き抜いていく。  ヒロインとの恋、仲間との友情──あれ? 全然悪役じゃないんだけど! 気づけば主人公になっていた、悪役レッドの物語! ※小説家になろう、カクヨム、エブリスタにも投稿しています。

【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜

一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m ✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。 【あらすじ】 神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!   そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!  事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます! カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。

処理中です...