131 / 162
Sランクトーナメント戦編 第2章決勝と過去の英雄
第130話 決勝へ
しおりを挟む
俺達の試合が終った後、順調に一回戦が終っていった。
どの試合も予想通りの展開で進んでいき結果俺達の試合だけが皆の予想外の展開となっていったのである。ただ、王様達だけは俺達が勝つことを確信していたみたいな顔をしていたのだが。
一回戦全ての試合が終ると少し休憩の後、準決勝が開始された。相手はランキング七位の冒険者パーティーとなった。だが、最初から二逃げ腰で準決勝はあっさりと終ってしまった。正直俺達からしたら物足りないと感じずにはいられなかった。
そして、準決勝第二試合はランキング三位とランキング六位の試合になっていた。四位のチームブルームは毎年雷鳴とは決勝戦で接戦を繰り広げているチームであった。観客達も今年はどちらが三位になるのかを楽しみにしているほどであった。そのため、六位のパーティーフォートを圧倒的な力で倒してしまった。ほぼ無傷の状態での勝利。
「さすがに上位ランクのチームだけあって強いわね」
「でも私達だってランキング三位のチームに勝ってるんですから、余裕ですよ」
「そうよね。それでケンイチは何処に行ったのかしら?」
シェリーとミカが準決勝の試合を見て感想を話していると先程まで一緒に試合を見ていたはずのケンイチの姿がないことに気づいた二人。そしてケンイチだけでなくヒョウカもいなくなっているのである。
「私達の試合もすぐなのに何処に行ったのよ」
少し怒っているシェリー。
「心配しなくても決勝開始までには二人とも戻ってきますよ」
「二人とも? ……ヒョウカも居ないじゃない!」
ミカの言葉でヒョウカがいない事にやっと気づいたシェリー。
「シェリー気づいてなかったの?」
「まさかあの子まで居ないとは思ってなかったわ。まさかケンイチに付いていったわけではないわよね」
「まさかね」
などと考えながら二人は決勝戦の準備を始めるのだった。
シェリーとミカがケンイチ達はいない事に気づいていた頃、
「なかなか面白いパーティーが出てきたわね」
「そうだな。何でも全員のSランク冒険者らしいぜ」
「それは凄いじゃね~か。あの年のメンバーのパーティーで俺達と同じとはな」
「でも俺達の相手にはならないだろうな」
「そうですね。雷鳴相手にギリギリの試合をしている程度のパーティーなんて相手になりませんね」
会場から少し離れた所から試合を見ていた謎の集団。
「正直まだ分からないぞ」
ケンイチ達の評価を自分達よりも遙かにしたな冒険者であると判断しようとしたときメンバーの一人が口を挟んだ。
「どういうことだよ!」
「確かに雷鳴のリーダー以外の奴らと戦っていた奴らは今見たのが全てだと思う。だが、リーダーの奴と戦っていた奴だけはまだ実力の半分も見せてないかと思う」
ケンイチ達の試合を冷静に分析している男。
「確かに、お前の言うことも一理あるかもな。追い込まれたときでも何処か余裕の表情を見せていたからな」
「ではあの方には」
「ああ、要注意人物がいると報告するべきだろうな」
ある程度話しも纏まると会場から姿を消していったのである。
そして、謎の集団がこの町を去ったとき、
「ケンイチ君どうしたの?」
いきなり会場を出て行ってしまったケンイチに一人だけ気づき後を付けていたヒョウカ。走るのをやめてその場で立ち止まっているケンイチ。
「ヒョウカ、付いてきていたのか」
「うん、ケンチ君が急に会場を飛び出していくからどうしたのかと思って」
「そうだったのか」
「なにかあったの?」
首をかしげながら聞いてくるヒョウカ。
「遠くからこちらをみている気配を感じて、少し気になってな」
「今は?」
俺が走るのをやめたことで状況が変わったと判断したヒョウカ、
「何処かに行ってしまったみたいだ」
一体何だったのだろうか。俺の中で先程の気配のことを疑問に残しながらシェリー達の元へと戻って行くのだった。
どの試合も予想通りの展開で進んでいき結果俺達の試合だけが皆の予想外の展開となっていったのである。ただ、王様達だけは俺達が勝つことを確信していたみたいな顔をしていたのだが。
一回戦全ての試合が終ると少し休憩の後、準決勝が開始された。相手はランキング七位の冒険者パーティーとなった。だが、最初から二逃げ腰で準決勝はあっさりと終ってしまった。正直俺達からしたら物足りないと感じずにはいられなかった。
そして、準決勝第二試合はランキング三位とランキング六位の試合になっていた。四位のチームブルームは毎年雷鳴とは決勝戦で接戦を繰り広げているチームであった。観客達も今年はどちらが三位になるのかを楽しみにしているほどであった。そのため、六位のパーティーフォートを圧倒的な力で倒してしまった。ほぼ無傷の状態での勝利。
「さすがに上位ランクのチームだけあって強いわね」
「でも私達だってランキング三位のチームに勝ってるんですから、余裕ですよ」
「そうよね。それでケンイチは何処に行ったのかしら?」
シェリーとミカが準決勝の試合を見て感想を話していると先程まで一緒に試合を見ていたはずのケンイチの姿がないことに気づいた二人。そしてケンイチだけでなくヒョウカもいなくなっているのである。
「私達の試合もすぐなのに何処に行ったのよ」
少し怒っているシェリー。
「心配しなくても決勝開始までには二人とも戻ってきますよ」
「二人とも? ……ヒョウカも居ないじゃない!」
ミカの言葉でヒョウカがいない事にやっと気づいたシェリー。
「シェリー気づいてなかったの?」
「まさかあの子まで居ないとは思ってなかったわ。まさかケンイチに付いていったわけではないわよね」
「まさかね」
などと考えながら二人は決勝戦の準備を始めるのだった。
シェリーとミカがケンイチ達はいない事に気づいていた頃、
「なかなか面白いパーティーが出てきたわね」
「そうだな。何でも全員のSランク冒険者らしいぜ」
「それは凄いじゃね~か。あの年のメンバーのパーティーで俺達と同じとはな」
「でも俺達の相手にはならないだろうな」
「そうですね。雷鳴相手にギリギリの試合をしている程度のパーティーなんて相手になりませんね」
会場から少し離れた所から試合を見ていた謎の集団。
「正直まだ分からないぞ」
ケンイチ達の評価を自分達よりも遙かにしたな冒険者であると判断しようとしたときメンバーの一人が口を挟んだ。
「どういうことだよ!」
「確かに雷鳴のリーダー以外の奴らと戦っていた奴らは今見たのが全てだと思う。だが、リーダーの奴と戦っていた奴だけはまだ実力の半分も見せてないかと思う」
ケンイチ達の試合を冷静に分析している男。
「確かに、お前の言うことも一理あるかもな。追い込まれたときでも何処か余裕の表情を見せていたからな」
「ではあの方には」
「ああ、要注意人物がいると報告するべきだろうな」
ある程度話しも纏まると会場から姿を消していったのである。
そして、謎の集団がこの町を去ったとき、
「ケンイチ君どうしたの?」
いきなり会場を出て行ってしまったケンイチに一人だけ気づき後を付けていたヒョウカ。走るのをやめてその場で立ち止まっているケンイチ。
「ヒョウカ、付いてきていたのか」
「うん、ケンチ君が急に会場を飛び出していくからどうしたのかと思って」
「そうだったのか」
「なにかあったの?」
首をかしげながら聞いてくるヒョウカ。
「遠くからこちらをみている気配を感じて、少し気になってな」
「今は?」
俺が走るのをやめたことで状況が変わったと判断したヒョウカ、
「何処かに行ってしまったみたいだ」
一体何だったのだろうか。俺の中で先程の気配のことを疑問に残しながらシェリー達の元へと戻って行くのだった。
1
あなたにおすすめの小説
自力で帰還した錬金術師の爛れた日常
ちょす氏
ファンタジー
「この先は分からないな」
帰れると言っても、時間まで同じかどうかわからない。
さて。
「とりあえず──妹と家族は救わないと」
あと金持ちになって、ニート三昧だな。
こっちは地球と環境が違いすぎるし。
やりたい事が多いな。
「さ、お別れの時間だ」
これは、異世界で全てを手に入れた男の爛れた日常の物語である。
※物語に出てくる組織、人物など全てフィクションです。
※主人公の癖が若干終わっているのは師匠のせいです。
ゆっくり投稿です。
攻撃魔法を使えないヒーラーの俺が、回復魔法で最強でした。 -俺は何度でも救うとそう決めた-【[完]】
水無月いい人(minazuki)
ファンタジー
【HOTランキング一位獲得作品】
【一次選考通過作品】
---
とある剣と魔法の世界で、
ある男女の間に赤ん坊が生まれた。
名をアスフィ・シーネット。
才能が無ければ魔法が使えない、そんな世界で彼は運良く魔法の才能を持って産まれた。
だが、使用できるのは攻撃魔法ではなく回復魔法のみだった。
攻撃魔法を一切使えない彼は、冒険者達からも距離を置かれていた。
彼は誓う、俺は回復魔法で最強になると。
---------
もし気に入っていただけたら、ブクマや評価、感想をいただけると大変励みになります!
#ヒラ俺
この度ついに完結しました。
1年以上書き続けた作品です。
途中迷走してました……。
今までありがとうございました!
---
追記:2025/09/20
再編、あるいは続編を書くか迷ってます。
もし気になる方は、
コメント頂けるとするかもしれないです。
異世界召喚でクラスの勇者達よりも強い俺は無能として追放処刑されたので自由に旅をします
Dakurai
ファンタジー
クラスで授業していた不動無限は突如と教室が光に包み込まれ気がつくと異世界に召喚されてしまった。神による儀式でとある神によってのスキルを得たがスキルが強すぎてスキル無しと勘違いされ更にはクラスメイトと王女による思惑で追放処刑に会ってしまうしかし最強スキルと聖獣のカワウソによって難を逃れと思ったらクラスの女子中野蒼花がついてきた。
相棒のカワウソとクラスの中野蒼花そして異世界の仲間と共にこの世界を自由に旅をします。
現在、第四章フェレスト王国ドワーフ編
最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。
みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。
高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。
地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。
しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。
家ごと異世界転移〜異世界来ちゃったけど快適に暮らします〜
奥野細道
ファンタジー
都内の2LDKマンションで暮らす30代独身の会社員、田中健太はある夜突然家ごと広大な森と異世界の空が広がるファンタジー世界へと転移してしまう。
パニックに陥りながらも、彼は自身の平凡なマンションが異世界においてとんでもないチート能力を発揮することを発見する。冷蔵庫は地球上のあらゆる食材を無限に生成し、最高の鮮度を保つ「無限の食料庫」となり、リビングのテレビは異世界の情報をリアルタイムで受信・翻訳する「異世界情報端末」として機能。さらに、お風呂の湯はどんな傷も癒す「万能治癒の湯」となり、ベランダは瞬時に植物を成長させる「魔力活性化菜園」に。
健太はこれらの能力を駆使して、食料や情報を確保し、異世界の人たちを助けながら安全な拠点を築いていく。
貧弱の英雄
カタナヅキ
ファンタジー
この世界では誰もが生まれた時から「異能」と「レベル」呼ばれる能力を身に付けており、人々はレベルを上げて自分の能力を磨き、それに適した職業に就くのが当たり前だった。しかし、山奥で捨てられていたところを狩人に拾われ、後に「ナイ」と名付けられた少年は「貧弱」という異能の中でも異質な能力を身に付けていた。
貧弱の能力の効果は日付が変更される度に強制的にレベルがリセットされてしまい、生まれた時からナイは「レベル1」だった。どれだけ努力してレベルを上げようと日付変わる度にレベル1に戻ってしまい、レベルで上がった分の能力が低下してしまう。
自分の貧弱の技能に悲観する彼だったが、ある時にレベルを上昇させるときに身に付ける「SP」の存在を知る。これを使用すれば「技能」と呼ばれる様々な技術を身に付ける事を知り、レベルが毎日のようにリセットされる事を逆に利用して彼はSPを溜めて数々の技能を身に付け、落ちこぼれと呼んだ者達を見返すため、底辺から成り上がる――
※修正要請のコメントは対処後に削除します。
最強無敗の少年は影を従え全てを制す
ユースケ
ファンタジー
不慮の事故により死んでしまった大学生のカズトは、異世界に転生した。
産まれ落ちた家は田舎に位置する辺境伯。
カズトもといリュートはその家系の長男として、日々貴族としての教養と常識を身に付けていく。
しかし彼の力は生まれながらにして最強。
そんな彼が巻き起こす騒動は、常識を越えたものばかりで……。
ギャルい女神と超絶チート同盟〜女神に贔屓されまくった結果、主人公クラスなチート持ち達の同盟リーダーとなってしまったんだが〜
平明神
ファンタジー
ユーゴ・タカトー。
それは、女神の「推し」になった男。
見た目ギャルな女神ユーラウリアの色仕掛けに負け、何度も異世界を救ってきた彼に新たに下った女神のお願いは、転生や転移した者達を探すこと。
彼が出会っていく者たちは、アニメやラノベの主人公を張れるほど強くて魅力的。だけど、みんなチート的な能力や武器を持つ濃いキャラで、なかなか一筋縄ではいかない者ばかり。
彼らと仲間になって同盟を組んだユーゴは、やがて彼らと共に様々な異世界を巻き込む大きな事件に関わっていく。
その過程で、彼はリーダーシップを発揮し、新たな力を開花させていくのだった!
女神から貰ったバラエティー豊かなチート能力とチートアイテムを駆使するユーゴは、どこへ行ってもみんなの度肝を抜きまくる!
さらに、彼にはもともと特殊な能力があるようで……?
英雄、聖女、魔王、人魚、侍、巫女、お嬢様、変身ヒーロー、巨大ロボット、歌姫、メイド、追放、ざまあ───
なんでもありの異世界アベンジャーズ!
女神の使徒と異世界チートな英雄たちとの絆が紡ぐ、運命の物語、ここに開幕!
※不定期更新。最低週1回は投稿出来るように頑張ります。
※感想やお気に入り登録をして頂けますと、作者のモチベーションがあがり、エタることなくもっと面白い話が作れます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる