最強剣士異世界で無双する

夢見叶

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Sランクトーナメント戦編 第2章決勝と過去の英雄

第131話 決勝戦 1

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 ヒョウカと会場の控え室へと戻った俺に、

「一体何処に行ってたのよ!?」

「お兄ちゃん、可愛い妹を残し何処に行ってたの?」

 シェリーとミカが迫ってきて、同じ事を二人して聞いてくる。

「少し気になる事があって調べに行ってたんだよ、な」

「うん」

 俺の答えに対して頷くヒョウカ。だが、

「本当~に?」

「ウソ話よくないと思うよ」

 何故か信じてくれない二人。

「二人で屋台とか回ってたんじゃないの?」

「そんな事してない」

 シェリーの言葉に対してヒョウカが反論した。それに対して二人は何も言わない。

「二人とも何を勘違いしたか知らないが、今は試合に集中するときだろ。次は決勝戦なんだからな」

「はい」

 二人は少しがっかりとしながら答えた。

 次に当たるのはランキング三位のチーム。実力では一回戦に当たった雷鳴と同じくらいだと話しでは聞いている。だが、試合を見ている限りこちらの方が上に思えていた。ただ、相手が弱く詳細は分からない。今言えることは、ただ一つ。

「気を抜かずに行こう」

 皆の前で言って控え室を後にした。それに続きシェリー達もついてくる。

 それと同時に、

「ただいまより、Sランクランキング戦決勝戦を始める」

 王様の声が聞こえてきた。

「最初に入場してくるのは一回戦で優勝候補の雷鳴を倒して、準決勝も余裕で勝った現ランキング十位Sランクパーティーソウルメイト」

 俺達は王様からの紹介が終ると同時に舞台へと出ていく。周りの観客からもの凄い拍手と歓声が飛び交ってきた。

「頑張れよ!」

「ここまで来たら優勝しろよ!」

 などと俺達を応援する声がちらほらと聞こえてくる。

「そして次に入場してくるのは現ランキング三位、ここまでの試合を圧倒的な実力で勝ち上がってきたSランクパーティーブルーム」

 ブルームは紹介が終ると同時にもの凄い歓声。殆どの観客はブルームを応援している。

 舞台の上で向かい合う俺達とブルーム。

「ソウルメイトの皆様初めまして、私はブルームのリーダーをしておりますケイと申します。どうぞ、よろしく。」

 俺達に近づいてきたブロンド髪で身長の高いいかにもな男が挨拶をしながら近づいて来た。

「申し訳ないが、ソウルメイトのリーダーは誰かな?」

「これはご丁寧にありがとうございます。私がソウルメイトのリーダーをしておりますケンイチと申します。こちらこそ本日はよろしくお願いいたします」

「君がリーダーを、その年で凄いじゃないか。それに一回戦も見ていたよ。まさか雷鳴のリーダーを一人で倒してしまうとは驚いたよ」

「お褒めにあずかり光栄にございます」

 一回戦雷鳴と違い凄く礼儀正しいように思えた。

「良い戦いをしよう」

「はい」

 最後にケイと握手を交わした後、お互いに元のパーティーへと戻る。

 シェリー達の元へと戻った俺は、

「今回は普通の勝負が出来そうだな」

 とても良い気持ちでいた俺とは反対にシェリー達の顔は雷鳴との戦いの時と同じような顔になっていた。

「どうしたんだよ?」

 俺は何か嫌なことでもあったのかと思い聞いて見ると、

「別に、ただ」

「ただ?」

「なんだか嫌な気がするだけよ」

「ミカ達もか?」

「正直あのパーティーからは雷鳴の奴らと同じような感じがする」

 俺自身は何も感じなかったがシェリー達には何か思う所があるのかも知れない。その辺りは戦いの中で調べていくしかないかと考える。

「とりあえず、全力で戦おう。一回戦のような個人戦はしないでチームワークでな」

「そうね。決勝戦なんだもんね」

「私達なら余裕よ」

「やってやります」

 皆気合い十分のようだ。





 自分のパーティーの元へと戻ったケイ。

「ケイお帰り、それでどうだったの?」

「思った通り甘ちゃんばかりだ。少し痛い目を見ることにはなるがあいつらに取っては良い経験になるだろう」

「そうだな」

 企み満ちた顔をしているブルームのパーティーメンバー達。

「俺はやっぱりあの槍を持ってるこの相手をしたいね」

「私はやっぱりあの坊やかしら」

 ケンイチ達とは反対に個人戦を仕掛ける気でいるブルーム。ケイ達は雷鳴が負けたのは油断したからだと考えていた。自分達にそれはない、だから負けないとブルーム全員が考えていたのである。

「ちょい待てよ、あいつの相手は俺がする。お前は後ろの魔道士の嬢ちゃんどっちかの相手をしろよ」

「しょうがないわね。すぐに片付けて私もそっちに入れなさいよ」

「私もすぐに片付けるんだから」

「分かってるって。じっくりと遊んでやるよ」

 それぞれ打ち合わせも終ると、ケンイチ達の方を見る。

 そして、

「決勝戦始め!!」

 審判の合図とともに試合が開始された。
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