純情令嬢は執事の大きすぎる愛に包まれる。

咲蓮

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本編

お父様に言えない

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マイラside

「ん……」

ゆっくりと目を開ける。

「起きましたか、マイラ様」
「あ…今何時?」

服もネグリジェに着替えていて、メイクも落ちている。

「夕方頃です。よくお眠りになってましたね」

ルイがそっと私を抱きしめる。

「ルイ…」
「愛していますマイラ様」

ルイの体温が心地いい。

あぁ、私、ルイと結ばれたのね。

「あぁ、ルイ…。私も愛してるわ」

ニッコリと微笑みあって、軽いキスをした。

私だって何も知らないおバカさんじゃなくてよ。

執事のルイとの愛。
それはきっと大きな障害が待ち受ける。

なにせ私は、ウォールデン家の娘なのだから。

だけど、乗り越えてみせる。

ルイの事がこんなにも好き。
この気持ちは変わらない。

立場がなによ、家柄がなによ。

そんなの関係ないわよね、ね、ルイ…。




「マイラ。アリシアから聞いたよ、お見合いの話を全て断っているそうじゃないか」
「はい……」

それから間もなく、お父様の部屋に呼ばれた。

「マイラもそろそろ結婚相手を見つける時期だよ。分かっているね?お相手に会いもしないとはどういう心境なんだ?」
「お父様、私、もう心に決めた人がいるのよ」
「ほう。そうなのか?そんな事は早く言いなさい。そして、誰だね?」

「ル、………」

なぜか言葉が出てこない。

『お父様を悲しませたくない、なんて…どうしてそんな事考えるの』

ルイはどこに出しても恥ずかしくない男性よ。
私も彼を愛していて、彼も私を愛してる。

お父様はきっと分かってくれる。

そう思うのに、ハッキリと言えない。

「ん?」

微笑むお父様に言えない。

恥ずべき愛ではないのに。
なぜ。

「なんでもないわ…」
「あ、マイラ。まだ話は終わっていないよ」

思わず、部屋を飛び出した。

「……………………」

陰でじっと耳を傾けていたルイに気づかずに。
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