落ちてきましたが、良くあるそうです

まつぼっくり

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6 第二の人生

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 両手でそこを隠す俺はさぞかし滑稽だろう。でもリオンは怒ることなく薄く笑う。
 今日は終わりかな?そう思った俺が甘かった。
 担がれて運ばれるのはお風呂場…?

「しょうがない。惚れた弱味です。気にならないくらい綺麗に丁寧に洗ってあげますね?」






「あーッ、やぁッアッ、も、だめ。」

 お風呂ですっかりまるっと洗われた俺は今ベッドでうつ伏せで、お尻だけ高くあげさせられている。
 出入りしているのが舌なのか、指なのか、両方なのかわからないほど何度も達しているにも関わらずリオンは止めてくれない。

「嫌と無理と駄目は良いって言うことでしょう?ユキト、本当に可愛い。ほら、ここ。そろそろこれで擦って欲しくないですか?」

「あああッ、う、あっ」

 ここ、としこりをこすこすと擦られて、また。

「ふぇ、も、なにも、でないぃ。」

「えぇ。何も出ないですね?最初は辛いかもしれませんが、顔をみて抱き合いたい。」

 くるりと回転させられて、開かれた足の間にリオンが入る。リオンの裸は彫刻みたいに美しくて思わず腹筋に手を伸ばす。

「きれい」

 ふにゃりと力の入らない笑顔を向ければ、ばさりという大きな羽音と一緒にものすごい圧迫感を後ろに感じた。

「う、おあァッ」

「クソっ、悪い、このまま、」

 言い終わる前にガツガツと腰を振るリオンには大きな翼が生えていて、リオンの動きに合わせてバサバサと揺れる。 

「アアアァーッ!」

 目の前が霞んで、翼が生えたリオンが天使みたくて、笑いかけたところで意識が飛んだ。






 パチリと目を開けば直ぐにリオンと目が合った。

「ユキト、体調はどうですか?無理をさせてしまってすみません。」

 しょんぼりと眉を下げるリオンが可愛くて。でも、裸で同じシーツにくるまっている状況が恥ずかしくて思わず下にずり下がって隠れた。

「ふふ。可愛い。かくれんぼですか?昨夜はユキトがあまりに可愛くて翼までだしてしまいました…吃驚したでしょう?これからは気を付けますね?」

 その言葉に思わず顔を出す。

「え!なんで?格好良かったよ?また、みたい。前に俺のこと抱えて飛べるって言ってたよな?俺も飛んでみたい!」

「怖くなかったですか?」

「怖くなんてない。その、いきなり激しくて驚いたけど…気持ち良かったし、余裕なさそうなリオンも格好良くて、好きだ。」

 怖いわけなんてない。どんなリオンも好きなんだ。

「あぁ、本当に…幸せです。今度のお休みは一緒に飛んでみましょうね?」

 だから、もう少しこうして抱き合って眠りましょう?ぎゅっと抱き締めながらそう告げるリオンに「おれもしあわせ。」と言ったのは聞こえたかな?聞こえなくてもいいか。起きたらまた言おう。 

 異世界にきて、どうなるか心配していたけど
 これからもまだどうなるかわからないけど、リオンと一緒にいられれば何でも良い。

 第二の人生、しっかり幸せになってやる。






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