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真実×愛=?
食べ頃
しおりを挟むーーそしてついに、その日が来た。
ハノンはまだ知らない。俺達2人は完全、いわゆる完熟。
俺達2人は、ハノンの為に今まで育てられてきたって事になる。
ハノンには食事会と伝えただけ。彼女には申し訳ないがこうするしかない。
「…ユウ?…シン??」
「「ハノン」」
「食事会っていうから来たのに…」
「お前痩せた??」
「なんか細くなってる」
「ユウ、シン。本当に痩せてないし、お世辞いりませーん」
いやいや。痩せすぎ。絶対何も食べてないな。
「そうだっ!久しぶりに写真とろう!!」
「「いいよ!思い出だしね」」
「いくよー?」
ーパシャッ
「ちゃんと撮れたか?」
「うん!プリントして持ってくよね!」
「それなら、良かった♪」
俺達2人は必死に演技をする。
「んで、食事会ってココなの?」
「そうだよ」
「うん、そうだぜ」
「2人ともどうかしたの?って、2人ともコンタクトしてるの?シンの目にダイヤのマークみたいなのが映ってるし、ユウにはハートのマークがうつってる」
そう。これが完熟した証拠。
「別に気のせいじゃん?」
まさかね。気づかれないよね。
「シン、俺先に行くよ?」
「ユウ、俺から行くって決めただろ?」
「でも…」
「大丈夫だから、、今までありがとな」
「シ……ン……やっぱ…」
「ハノンこっち来て」
ーガチャ
「シンどこ連れてくのー?」
「いいか。ハノン落ち着いて聞けよ。お前は今日食事をしにきてるんだ。」
「は?食べ物ないじゃん」
「あるよ、食べ物って俺…」
「な、何いってんの?シンが食べ物?馬鹿じゃないの!?」
「落ち着け。俺達は…俺ら2人はお前の為に今まで育てられてきた。お前知らなかっただろ?こんな話馬鹿みたいだけどお前ハーフだからな。だから俺達を喰う。」
あたしの中で何かが壊れて時が止まった気がした。
「意味分かんないよ…あたし、人間。」
「そうだよな。でも血好きだよな?」
「…それはっ………」
「それが証拠。後はユウに聞いてな。俺、お前と一緒に毎日過ごせて楽しかったし後悔してない。」
「何いって、なんで近づいてきてんの?」
「……早く食べて?俺の望み。」
「私にはできないっ!!!!!!!!!!!!!無理っ!!!!!!」
無理に決まってる。幼い時から毎日のように一緒に過ごしてきたのにあたしの為に育てられてきたって…
「わ、私は…」
「ハノン、俺のお願い聞いてくれないの?」
「…無……んっ」
「キスもこれで最後。後はお前が食べるまで待っとくから。」
「………っつ、シン」
その時だった。
ーガチャ
「ユウ……」
「………ハノン、俺もね。ハノンに食べて欲しい」
ードクンッ
嫌。絶対嫌。ユウまで………シンと同じこと言ってる。
何故か今までの日々の記憶が蘇ってきた。
「「…ハノン?」」
‐カチカチカチカチッ
「…………………もう…………む……………り…」
!?
「…っ!ハノン!!!!!!????」
「あ、あたしが死ねばユウと…シンは死ななくて済む」
「クソ、とまんねぇ」
そう。あたしは手首をカッターで切った。
どくどくと流れ溢れる血。とまるわけないよ。絶対死ねる部分切ったから。あ、視界が…
「……ユ……ウ、シ………ン幸………せになってね…」
「「ハノンッ」」
「………それとユウ……………よ」
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ーーここは?
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「あたしが吸血鬼とのハーフ…」
『そうだ。だから人間になるには難しい。もしこの方法失敗すると本当に命がなくなる。それでもいいなら教える。』
「女に二言はない」
『その方法は…』
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