タケノコの里とキノコの山

たけ

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プロローグ タケノコ村とキノコ村

第八話 初任務と足の怪我

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…なんだって?

「明日の朝9時、タケノコ軍がいつもの強奪に来ると伺った。それを撃退したい。」

殺してもかまわない。と続ける。

人生初の戦闘、となるのだろうか?自分は人に刃を立てられるか?命を奪えるか?命を奪われる覚悟はあるのか?人に斬られる感覚はわかるのか?

短い時間で、沢山のことを考えた。だが、思い出す。
俺はここに、恩返ししにきたんだ。

「ーーはい。やります」

「…え、マジで?もう少し悩んで私が説得する感じかと…」

「やります。俺は貴女に恩返しがしたいんです。」

震えた体は、気のせいだ




「ま、まじか…」

ハルと別れ、レイは自室に入る。

誘ったのは単純にそろそろ一ヶ月が立つし頃合いだろうと思ったこと、あと、誘ったよしみ

まあでも、一級がその辺にきたタケノコ軍を追い払うなんてあまりやらないし、

入って一ヶ月の新人&キノコ軍一級がダックで
任務に行くのは、客観的に見れば恐ろしいことだろうか。

よく考えれば、こんなことははじめてか。

「やめたほうがよかったかなぁ…?」






「って、レイさん。足いつの間に治ってるんだ…



次の日朝五時、コーヒーを飲みながらそうつぶやく。

ハルは緊張で眠れなかった。人生で一番眠くなかった。しかし体がだるいということはない。

これから、人を殺しにいく から


「…でも殺せとはいってない。追い払うだけだ。まあ…結果的に殺すのか?」

もんもんとしながら紙をみつめる

任務に行く前に、仕事机に向かい、任務をすることを伝える旨の紙に名前やら何やらを 書くのど。

早朝なので、ここにいる人はいない。

自分と同じ新人で、タケノコ軍をすでに殺したことがある人はどれくらいいるのだろうか。




「よし、じゃあ しゅっぱーつ」

のんきな声でそういうのはレイ、一級なのだから、余裕があるのだろうし、ハルの緊張をほぐすためだろう。後者の割合が多いか

「はい…」

レイとは真逆のテンションの低い声。背中に担いだ剣を邪魔だなぁとか思って気を紛らわしながら、レイについて行く。

今回の任務の概要はこうだ。

まず、タケノコ軍がキノコ村の北の森から潜入してくると情報が入った。それをキノコ軍が森に潜み、追い払う(殺す)ことが今回の任務。

誰でもやっている単純な仕事だ。多分、キノコ軍のほぼ全員が経験している任務だろう。

それでも、ハルにとっては拷問のようにつからったが

そこに一級がいるというのは異例の自体なので、今回、レイはハルがピンチになったときにしか出てこず、戦闘が起こっても森に潜み続けるらしい

「まあ、おそらくは2~3にんしか敵いないから、大丈夫大丈夫!」

大丈夫じゃない…

「あ、あの…ずっとききたかったことがあるんですけど…足の…怪我は…」

なんの脈略もない事を言う。それくらい頭が別の事に支配されていた。

「…もう、またそれか」

「あっ…すみません」

レイが急接近して、言う

「私は人を助けるのが仕事。それはお前も含まれている。ましてや、あのときは小さな子供だっていた。見過ごすことなんてできない」

聖人である。

「じゃあ、この怪我があったから、今の君がある。そう考えてよ。」

「え?」

「全ての出会いには意味がある。悪い出会いをしたら次のエネルギーに繋がるし、良い出会いをしたら世界が少しかわっていく。今回の事は、悪い出会いではないでしょ?ふふ」

確かにそうだ。レイに招待されていなければ、自分はずっと。卑屈な生活にもどり、どうせいつか死んでいただろう。だったら、村を守れて、人間関係が広がっていく今の方が幸せだ。

「…はい。俺、皆と出会えてよかったです。」

無理矢理言いくるめられて終わった。

「な、じゃあもう、この話なし!」

レイが頬を緩ませ、笑みを浮かべる

近い

自分の顔が火照っているのがバレないように斜め後ろを向いてたじたじしていた。

その時だった




「頼むよ」


声色が変わったレイがそういった。気付いたらレイはどこかにいなくなっていた。

最初は自分一人が戦い、ピンチになれば一級が駆けつける。そういう計画だ。

…つまり、タケノコ軍がいるってこと?

「え?どこ?北の森じゃぁ…」

突然、左側に石が落ちる音。恐らくレイがやってくれたんだろう。そこへ目を向けると、
二人のタケノコ軍がいた。





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