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プロローグ タケノコ村とキノコ村
二十二話 キク
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キク…自分は一人が好きだ 否 一人が好きになった
何をしても見られないから怒られない
誰とも悪い関係を築く必要がない
そして
誰も失わずに、済む
そんなことを考え二人を振り切るために全力疾走を続ける。
死んでしまった元一級の叔父により肉体は完璧なまでに鍛えられた。新人の5級どもを振り切るなど容易である。自分も5級だが
もう彼らがこちらに追いつくまでに物凄い時間を消費するはずだ、やっと一人で戦える。自分より弱いやつが死ぬのを見ることはない
「ーーーーーー」
いる
殺意の塊がいる。目の前に
自分は鉢合わせたのだ
恐らくあいつもあいつから攻めるつもりだったんだ
そしてこちらもこちらから攻めるつもりで、たまたま鉢合わせてしまった…と
「…多分気付いてんな、俺のこと」
剣を構える ここは視界の悪い森、ヤミらしき影もやはりこちらに気づいていて、剣を構えている
無言の時間が続き ヤミの影が動く
ーーーー来る!!!!!!
「はははッ!」
「っっああああっ!」
2つの剣が鍔迫り合いを起こす、単純なパワー勝負では、やはりこちらが劣る
「ちっ…!剣が欠けた…ッ!!」
ヤミが自分をみて暗い笑みを浮かべる
「ばったりねぇキクとかいうやつ…この前の雑魚二人は連れてこなかったのかしら?彼らがなければ負けていたものを、また繰り返そうだなんて
」
「うるせえよしね…あれは偶々だ、あいつらは弱すぎて肉壁にすらならない、俺一人で十分だ」
「そうなのね………………………………
ーーーーじゃあッッッッ!!!!!!!!!死ねええええええっ!!!
」
「!!!ぐあっ!!」
ヤミが振り下ろした剣を辛うじていなすが、ダメージはゼロではない、肩が外れる感覚がする
「あらぁ~?さっきの威勢が弱まったわねぇ~?」
「ああああっ…!くそがくそがくそがぁっ!」
首根っこを掴まれる。もうこれでヤミは勝ったようなものなのに剣を刺してこないのは、俺を煽り尽くす為だろう
「死ね!!死ねたけのこ軍!!お前らが!居なければっ…!お前ら全員死ねば!世界は平和になるんだよ!!!!」
「ふーん。今、不死鳥様を冒涜したわね?
えい」
「っっっああああああああつ!!!」
右足が、骨が、痛い、結局俺はこいつにダメージを与えていない
人と戦ってて ・・・
こんな一瞬で苦戦するなんて、今まで無かった
俺は焦ってるんだ。自分のした選択が正しかったのか、わからなくて、焦ってるんだ
何人も何人も自分の前で死んだ。見るたびに心が崩れていった
誰にも頼らずにたけのこ軍をころすことは出来ない。物理的に考えて無理だ。仲間が必要に決まってる。
だが、組織をつくれば痛々しい世界を見ることになる
自分を育ててくれた人
自分と仲良くしてくれた人
ーー自分が大切に想っていた人
「そんな死をみるのがいやなら…俺は戦わないほうがいいのか?」
「…?どうしたのかしらキク…狂っちゃった?」
「狂っちまったよ……ああ…いってぇな…クソが…お前等のせいで…!お前らが、お前らがぁ……っお前らがお前らお前らがお前らがお前らがお前らがお前らがお前らがお前らがお前らがお前らがお前らがお前らがお前らがお前らがお前らがお前らがお前らがお前らがお前らがああああああああっ………!」
キクという人間はどこかで、助けを呼んでいたんだ。なのに、差し伸べてきた手を全て振り払ってきた。
絶体絶命というこの状況をまえにそんなことに気付いた、狂っていたのだろうか、自分は
「…もう、殺してくれ…」
「…ほう?」
キクは目を閉じる。死ぬのは怖いと今知った
だれかに、閉ざした自分の心を、無理矢理こじ開けてほしかった
ーそんな自分勝手 ゆるされないか
何をしても見られないから怒られない
誰とも悪い関係を築く必要がない
そして
誰も失わずに、済む
そんなことを考え二人を振り切るために全力疾走を続ける。
死んでしまった元一級の叔父により肉体は完璧なまでに鍛えられた。新人の5級どもを振り切るなど容易である。自分も5級だが
もう彼らがこちらに追いつくまでに物凄い時間を消費するはずだ、やっと一人で戦える。自分より弱いやつが死ぬのを見ることはない
「ーーーーーー」
いる
殺意の塊がいる。目の前に
自分は鉢合わせたのだ
恐らくあいつもあいつから攻めるつもりだったんだ
そしてこちらもこちらから攻めるつもりで、たまたま鉢合わせてしまった…と
「…多分気付いてんな、俺のこと」
剣を構える ここは視界の悪い森、ヤミらしき影もやはりこちらに気づいていて、剣を構えている
無言の時間が続き ヤミの影が動く
ーーーー来る!!!!!!
「はははッ!」
「っっああああっ!」
2つの剣が鍔迫り合いを起こす、単純なパワー勝負では、やはりこちらが劣る
「ちっ…!剣が欠けた…ッ!!」
ヤミが自分をみて暗い笑みを浮かべる
「ばったりねぇキクとかいうやつ…この前の雑魚二人は連れてこなかったのかしら?彼らがなければ負けていたものを、また繰り返そうだなんて
」
「うるせえよしね…あれは偶々だ、あいつらは弱すぎて肉壁にすらならない、俺一人で十分だ」
「そうなのね………………………………
ーーーーじゃあッッッッ!!!!!!!!!死ねええええええっ!!!
」
「!!!ぐあっ!!」
ヤミが振り下ろした剣を辛うじていなすが、ダメージはゼロではない、肩が外れる感覚がする
「あらぁ~?さっきの威勢が弱まったわねぇ~?」
「ああああっ…!くそがくそがくそがぁっ!」
首根っこを掴まれる。もうこれでヤミは勝ったようなものなのに剣を刺してこないのは、俺を煽り尽くす為だろう
「死ね!!死ねたけのこ軍!!お前らが!居なければっ…!お前ら全員死ねば!世界は平和になるんだよ!!!!」
「ふーん。今、不死鳥様を冒涜したわね?
えい」
「っっっああああああああつ!!!」
右足が、骨が、痛い、結局俺はこいつにダメージを与えていない
人と戦ってて ・・・
こんな一瞬で苦戦するなんて、今まで無かった
俺は焦ってるんだ。自分のした選択が正しかったのか、わからなくて、焦ってるんだ
何人も何人も自分の前で死んだ。見るたびに心が崩れていった
誰にも頼らずにたけのこ軍をころすことは出来ない。物理的に考えて無理だ。仲間が必要に決まってる。
だが、組織をつくれば痛々しい世界を見ることになる
自分を育ててくれた人
自分と仲良くしてくれた人
ーー自分が大切に想っていた人
「そんな死をみるのがいやなら…俺は戦わないほうがいいのか?」
「…?どうしたのかしらキク…狂っちゃった?」
「狂っちまったよ……ああ…いってぇな…クソが…お前等のせいで…!お前らが、お前らがぁ……っお前らがお前らお前らがお前らがお前らがお前らがお前らがお前らがお前らがお前らがお前らがお前らがお前らがお前らがお前らがお前らがお前らがお前らがお前らがお前らがああああああああっ………!」
キクという人間はどこかで、助けを呼んでいたんだ。なのに、差し伸べてきた手を全て振り払ってきた。
絶体絶命というこの状況をまえにそんなことに気付いた、狂っていたのだろうか、自分は
「…もう、殺してくれ…」
「…ほう?」
キクは目を閉じる。死ぬのは怖いと今知った
だれかに、閉ざした自分の心を、無理矢理こじ開けてほしかった
ーそんな自分勝手 ゆるされないか
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