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ニ章
第二十七話 準備タイム
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墓の前で手を合わせる。ずっとその行為の意味がわからなかった
手を合わせたら生き返るのか 手を合わせたら墓の骨は喜んでくれるのか
否 そんなものはもちろんない
大昔に作られたこの行為は風化してゆき、誰もこれの意味なんて知らない でも
今はそれをしなければいけない気持ちに駆られていた 自分が それをしたかったのだ
(シズさん…)
自分が手を合わせてもシズは喜んでくれない
もっと手を合わせてもらいたかった人がきっといるはずなのに
「最初の墓参りが俺なんて ごめんなさい
……って、何言ってるんだ。そういうところを無くしたほうがいいんだよな」
シズの墓を立ち去る 後ろを振り向いたらシズがいたとか 声が聞こえたとか、そんな体験は一切しなかった
人は死んだら 死ぬのだ
死ぬ。ただただ死ぬ それだけ
それでも…
覚悟は決まった
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「…で、どーするんだハル」
「はい 俺は…」
「うん」
覚悟を 決めた
「俺は今回の調査で、必ず何か一つ 役に立ちます」
「……んん?」
「えっ…伝わらなかった??んですか??えっとお…はい、行きます、あの、行きますよ!おれも」
「締まらなえな!」
レイが苦笑する。少なくとも、こちらの気持ちは伝わってくれたみたいだ。
ハルは今日 アポロ族の調査に加わる
そこで力をつけ、後継者として次の一歩を歩むのだ
「死ぬことはない。死なない 絶対に…俺は」
「まて」
聞き覚えのある男の声がした 後ろから
"離せ"の叫ぶもう一人の男の声 キクとカイムだ
「カイム!?」
「…二人とも、一応ここは大切な空間だから、お辞儀とかしような」とレイがいう
「ああ…失礼しますあの…」
「いや俺はいかねえよ離せカイムなんでたけのこ軍関係ないのにt」
そこでカイムが放つ言葉は、ハルにとって衝撃の一言だった
「俺達も、行かせてくれませんか」
「だめだ」
(レイさん即トォ!?)
ハルが心のなかでツッコミを入れる
あまりの一瞬の会話にお笑いのような何かを感じる
しかし自分は後継者を口実に付いていって良いとしても、この二人の場合ヤミ討伐に関わったとはいえ、立場的にはただの一般の軍人なのだ
「いいじゃぁないか、面白くなる」
次は女の声
「!?」
「いいから!俺はいかねえんだよ!一人でいけカス!」
「ちょっそこ静かに!イアンが来てる、どうした」
人の声が雨のように降り注ぐ。やって来たのはイアン
「カイム あぁとキクも 連れて行こうと思わないか?」
「ええ、何で…?」
レイが困惑している
「力量を図るためだよ
正直ヤミと戦ったときはピンチになったら私達が出て戦おうと話をしただろ?レイ」
「んんん、まあ…」
レイが金色の長髪を弄りながら答える。
(……………そうなのか)
そこにいた男衆が同じことを思う
そう言えば意識してなかったが、レイは金髪で、地毛
イワンは白髪とはちがう美しい真っ白
パアワも髪の先端が赤みがかっている
(今まで意識してなかったけど 上級になると髪の毛の色変わんのかな…)
「本人たちは知らなかったとはいえ、ヤミ戦では一応安全は保たれていた。逃げれたしね
…ただ今回は話が全く違う」
「…なるほど」
「今回の戦いは何も知らない状態から手探りで情報を探し出す戦い。アポロ族は油断していたとは言えパアワを圧倒する強さ あいつらの本気がわからない以上 お前よりも強いかもしれない」
「うむ」
「私 レイ ハルの三人じゃ人数が足りない
少数でいった方が良いのは分かるがもう少し欲しい こいつらにマジバトル を、みせるためにも、ここは連れて行かないか?」
「お~…」
(一級が二級に言い負かされてる…)
失礼ながらそう感じる
「そして、理由はもう一つ
キクは元一級の孫だ。訓練などを見て分かるが、この男、たしかに同期とくらべて素のポテンシャルが高い」
「へっ!だまれ白髪ババアぁ!!俺は興味ないね!」
「いーやだめだ。君は行くんだよ。そして白髪ババアといった罪でお前は最前列を警戒してもらう」
「あああ…?」
ここまでくれは拒否権はない。半ば強引にキクの参加が決定した
「そしてカイム……君の事がずっと気になっていた」
「お、おれ?ですか?」
「そうだ
ーーーー君、強いだろ」
沈黙が走る
「…………………………………………そんな事無いっすよ」
「何で、本気で戦わないんだ?」
「い やそんな事…」
「おい、カイムが困ってるだろイアン。変なプレッシャーかけてやるな」
レイが言う
「へいへい…まあそういう事だよ。以下の理由で、追加二名だ。分かってると思うがパアワは怪我してるから来ない。
仲間の士気をあげてくれるアイツがいないのは少し痛いが…まあいい。しばらく見舞いとか行ってないけど確実に傷は治っているらしいしな。出発は荷物を整えて今からgoな」
「わーったよ。行ってやるクソ」
「………………」
「ごめんごめんカイム さっきのは軽い冗談だ。プレッシャーをかけてしまったね。"君はとても強そう"って言いたかったんだ」
綺麗な棒読みである。
「……そうか、ーーじゃなくて、そうですか…」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
手を合わせたら生き返るのか 手を合わせたら墓の骨は喜んでくれるのか
否 そんなものはもちろんない
大昔に作られたこの行為は風化してゆき、誰もこれの意味なんて知らない でも
今はそれをしなければいけない気持ちに駆られていた 自分が それをしたかったのだ
(シズさん…)
自分が手を合わせてもシズは喜んでくれない
もっと手を合わせてもらいたかった人がきっといるはずなのに
「最初の墓参りが俺なんて ごめんなさい
……って、何言ってるんだ。そういうところを無くしたほうがいいんだよな」
シズの墓を立ち去る 後ろを振り向いたらシズがいたとか 声が聞こえたとか、そんな体験は一切しなかった
人は死んだら 死ぬのだ
死ぬ。ただただ死ぬ それだけ
それでも…
覚悟は決まった
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「…で、どーするんだハル」
「はい 俺は…」
「うん」
覚悟を 決めた
「俺は今回の調査で、必ず何か一つ 役に立ちます」
「……んん?」
「えっ…伝わらなかった??んですか??えっとお…はい、行きます、あの、行きますよ!おれも」
「締まらなえな!」
レイが苦笑する。少なくとも、こちらの気持ちは伝わってくれたみたいだ。
ハルは今日 アポロ族の調査に加わる
そこで力をつけ、後継者として次の一歩を歩むのだ
「死ぬことはない。死なない 絶対に…俺は」
「まて」
聞き覚えのある男の声がした 後ろから
"離せ"の叫ぶもう一人の男の声 キクとカイムだ
「カイム!?」
「…二人とも、一応ここは大切な空間だから、お辞儀とかしような」とレイがいう
「ああ…失礼しますあの…」
「いや俺はいかねえよ離せカイムなんでたけのこ軍関係ないのにt」
そこでカイムが放つ言葉は、ハルにとって衝撃の一言だった
「俺達も、行かせてくれませんか」
「だめだ」
(レイさん即トォ!?)
ハルが心のなかでツッコミを入れる
あまりの一瞬の会話にお笑いのような何かを感じる
しかし自分は後継者を口実に付いていって良いとしても、この二人の場合ヤミ討伐に関わったとはいえ、立場的にはただの一般の軍人なのだ
「いいじゃぁないか、面白くなる」
次は女の声
「!?」
「いいから!俺はいかねえんだよ!一人でいけカス!」
「ちょっそこ静かに!イアンが来てる、どうした」
人の声が雨のように降り注ぐ。やって来たのはイアン
「カイム あぁとキクも 連れて行こうと思わないか?」
「ええ、何で…?」
レイが困惑している
「力量を図るためだよ
正直ヤミと戦ったときはピンチになったら私達が出て戦おうと話をしただろ?レイ」
「んんん、まあ…」
レイが金色の長髪を弄りながら答える。
(……………そうなのか)
そこにいた男衆が同じことを思う
そう言えば意識してなかったが、レイは金髪で、地毛
イワンは白髪とはちがう美しい真っ白
パアワも髪の先端が赤みがかっている
(今まで意識してなかったけど 上級になると髪の毛の色変わんのかな…)
「本人たちは知らなかったとはいえ、ヤミ戦では一応安全は保たれていた。逃げれたしね
…ただ今回は話が全く違う」
「…なるほど」
「今回の戦いは何も知らない状態から手探りで情報を探し出す戦い。アポロ族は油断していたとは言えパアワを圧倒する強さ あいつらの本気がわからない以上 お前よりも強いかもしれない」
「うむ」
「私 レイ ハルの三人じゃ人数が足りない
少数でいった方が良いのは分かるがもう少し欲しい こいつらにマジバトル を、みせるためにも、ここは連れて行かないか?」
「お~…」
(一級が二級に言い負かされてる…)
失礼ながらそう感じる
「そして、理由はもう一つ
キクは元一級の孫だ。訓練などを見て分かるが、この男、たしかに同期とくらべて素のポテンシャルが高い」
「へっ!だまれ白髪ババアぁ!!俺は興味ないね!」
「いーやだめだ。君は行くんだよ。そして白髪ババアといった罪でお前は最前列を警戒してもらう」
「あああ…?」
ここまでくれは拒否権はない。半ば強引にキクの参加が決定した
「そしてカイム……君の事がずっと気になっていた」
「お、おれ?ですか?」
「そうだ
ーーーー君、強いだろ」
沈黙が走る
「…………………………………………そんな事無いっすよ」
「何で、本気で戦わないんだ?」
「い やそんな事…」
「おい、カイムが困ってるだろイアン。変なプレッシャーかけてやるな」
レイが言う
「へいへい…まあそういう事だよ。以下の理由で、追加二名だ。分かってると思うがパアワは怪我してるから来ない。
仲間の士気をあげてくれるアイツがいないのは少し痛いが…まあいい。しばらく見舞いとか行ってないけど確実に傷は治っているらしいしな。出発は荷物を整えて今からgoな」
「わーったよ。行ってやるクソ」
「………………」
「ごめんごめんカイム さっきのは軽い冗談だ。プレッシャーをかけてしまったね。"君はとても強そう"って言いたかったんだ」
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「……そうか、ーーじゃなくて、そうですか…」
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