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ニ章
第二十八話 違和感
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「結局ついてくんのかよ…」
「ああ、悪いか?」
「悪いだろ」
短い会話を繰り広げるパアワとイアン。ここはきのこ村から少し離れた平地だ。行く先は、廃墟
ここに徒歩で行く
キノコ軍はアポロ族との接触を図る為廃墟の先に潜入する…という話はついていた。
しかし、体が動きそう という理由でパアワが途中参加し、結果メンバーは
ハル カイム キク レイ イアン パアワ
という上級3人とヤミとの戦いで色々あった3という極端な編成になった。
今の間の村の防衛については、代理の上級がいるらしく、大丈夫らしい。
キクは不満げな表情をして最前列を見ながら進み
レイが後方の確認をし、完全な警戒大勢であった
(なにか、なにかやくにたつ。一つでいい。死なない程度に、何か役に立つ…!)
念じる。今日、夢にまで出た。アポロ族とやらが自分の体をアリを踏み潰すかのように潰される。そんな夢。他にも色んな死に方をした
正直 こわい。こわすぎる
だが…ここで存在価値をしめして強くならないと、
思った
「でっっっっかいな…」
カイムが言う。着いたのだ。廃墟に。
「そっか、みんな見たことなかったよな」
「はい…こんな大きな建物…キノコ軍本部より大きいんじゃないですかね…」
真っ白なタイルのようなものが貼り付けられていて、その上から泥、乾いた血のようなもの、生い茂るツタ、などなど、そこら中に穴が空いていて今にも倒壊しそうな見た目だが、建物の芯は生きているようで、原型を創造できる程度には形が残っている。
そして廃墟の壁をぶち抜けてつくった狭いトンネルのようなもの。このトンネルを通ると、廃墟の裏口…つまり、アポロ族の存在が噂されているエリアへと足を踏み入れる。もちろん施錠されていた
「よいしょ」
金属音が鈍く鳴り響く。レイが施錠を解いた
その軽やかな手つきにキクが驚く
「ずいぶんするする施錠が解けんな…なんでそんなに」
「ここ施錠したの…私なんだよ」
「え…」
「私が1級になって数ヶ月立った頃かな…ようやく覚えた名前の人が、ここに入ってさ、戻ってこなかったから。都市伝説はホントなんだーって…だからここ、施錠したんだ。まさか自分から入ることになるなんて…」
パアワが言う
「そういやそんな経緯だったな。じゃあきっと、そいつの死体はこの先にあるはずだ だから……………………………だから」
違和感
「???どうした………あ…」
ハルも感じる
皆感じる
違和感
違和感違和感違和感違和感違和感違和感違和感
違和感違和感違和感違和感違和感違和感違和感
足を踏み入れた 踏み入れてしまった
"入っては行けない場所"へ
「っっつ………………大丈夫かハル、皆…」
レイが隣りにいたハルを中心に声を掛ける
「俺は大丈夫です…」
「あ、ああ、私も、皆生きてるよ。でもこれ…は…」
仲間の声が聞こえれば、多少は生きている実感が湧き、血の巡りが戻って来る。いつもと変わらないこの景色、でも、何か
怖い
(ああ…)
思い出した。ハルはここに来る前あるゲームにはまっていた。
といっても、だだのよくある勇者が王を倒すRPG
そのゲームの知識がなかったころ。半年かけて
序盤のボスを倒したことがある。半年だ、半年
それまで負けイベントをよそうして、見慣れた最初の村に抜け穴でも無いか調べたものだ。
でも結局レベルが足りないだけで、レベル上げをしてたらある日自然とそのボスを倒した
ただの序盤のボスを倒しただけなのに。ラスボスを倒した以上の高揚感と何か、を得た。
ボスが塞いでいた道がなくなり、新しいエリアを歩けるようになる。半年の間同じエリアを行ったり来たりした自分だったから、新しい普通のエリア、それも景色が変わらないだだのエリアだけで、高揚感よりもとてつもなく先の遠さ、不安にかられた
(今の感覚、あの時と同じだな)
キノコとたけのこ。たった2つの小さな村を行き来し、十数年生活を行ってきた。その殻から今日抜け出し、同じただの草原でも 新たなエリア
新たな景色が目の中に詰め込まれた
違和感がして当然だ。こんな道、来たことなかった。廃墟を遠くから眺めたことはあっても、直接来たことはないしましてや裏口に出たことなどあるはずがない。その高揚感から、不安が滲み出ているだけだ
ーー違和感
(おちつけ、おちつけ)
ーーーいや、ちがうか
ーーそう、違和感だ
(きっと、レイさんたちも同じことを考えている。)
違う。この不安は、高揚感から来たものじゃない
「なんか…ビリビリするぜ…」
「ああ…っ…」
血の匂い 腐った匂い 緑の草原が灰色に見える 心臓に蜘蛛でもへばり付いたような感覚
高揚感とか、そうじゃない。
明確な違和感だ
ここは、いままでの考えじゃ起こり得ない
なにかが起こる
全員が感じる
違和感違和感違和感違和感違和感違和感違和感違和感違和感違和感違和感違和感違和感違和感違和感違和感違和感違和感違和感違和感違和感違和感違和感違和感違和感違和感違和感違和感違和感違和感違和感違和感違和感違和感違和感違和感違和感違和感違和感違和感違和感違和感違和感違和感違和感違和感違和感違和感違和感違和感違和感違和感違和感違和感違和感違和感違和感違和感違和感違和感違和感違和感違和感違和感違和感違和感違和感違和感違和感違和感違和感違和感違和感違和感違和感違和感違和感違和感違和感違和感違和感違和感違和感違和感違和感違和感違和感違和感違和感違和感違和感違和感違和感違和感違和感だ
「私達…やっべえとこきちゃったかもなぁ…」
「ああ、悪いか?」
「悪いだろ」
短い会話を繰り広げるパアワとイアン。ここはきのこ村から少し離れた平地だ。行く先は、廃墟
ここに徒歩で行く
キノコ軍はアポロ族との接触を図る為廃墟の先に潜入する…という話はついていた。
しかし、体が動きそう という理由でパアワが途中参加し、結果メンバーは
ハル カイム キク レイ イアン パアワ
という上級3人とヤミとの戦いで色々あった3という極端な編成になった。
今の間の村の防衛については、代理の上級がいるらしく、大丈夫らしい。
キクは不満げな表情をして最前列を見ながら進み
レイが後方の確認をし、完全な警戒大勢であった
(なにか、なにかやくにたつ。一つでいい。死なない程度に、何か役に立つ…!)
念じる。今日、夢にまで出た。アポロ族とやらが自分の体をアリを踏み潰すかのように潰される。そんな夢。他にも色んな死に方をした
正直 こわい。こわすぎる
だが…ここで存在価値をしめして強くならないと、
思った
「でっっっっかいな…」
カイムが言う。着いたのだ。廃墟に。
「そっか、みんな見たことなかったよな」
「はい…こんな大きな建物…キノコ軍本部より大きいんじゃないですかね…」
真っ白なタイルのようなものが貼り付けられていて、その上から泥、乾いた血のようなもの、生い茂るツタ、などなど、そこら中に穴が空いていて今にも倒壊しそうな見た目だが、建物の芯は生きているようで、原型を創造できる程度には形が残っている。
そして廃墟の壁をぶち抜けてつくった狭いトンネルのようなもの。このトンネルを通ると、廃墟の裏口…つまり、アポロ族の存在が噂されているエリアへと足を踏み入れる。もちろん施錠されていた
「よいしょ」
金属音が鈍く鳴り響く。レイが施錠を解いた
その軽やかな手つきにキクが驚く
「ずいぶんするする施錠が解けんな…なんでそんなに」
「ここ施錠したの…私なんだよ」
「え…」
「私が1級になって数ヶ月立った頃かな…ようやく覚えた名前の人が、ここに入ってさ、戻ってこなかったから。都市伝説はホントなんだーって…だからここ、施錠したんだ。まさか自分から入ることになるなんて…」
パアワが言う
「そういやそんな経緯だったな。じゃあきっと、そいつの死体はこの先にあるはずだ だから……………………………だから」
違和感
「???どうした………あ…」
ハルも感じる
皆感じる
違和感
違和感違和感違和感違和感違和感違和感違和感
違和感違和感違和感違和感違和感違和感違和感
足を踏み入れた 踏み入れてしまった
"入っては行けない場所"へ
「っっつ………………大丈夫かハル、皆…」
レイが隣りにいたハルを中心に声を掛ける
「俺は大丈夫です…」
「あ、ああ、私も、皆生きてるよ。でもこれ…は…」
仲間の声が聞こえれば、多少は生きている実感が湧き、血の巡りが戻って来る。いつもと変わらないこの景色、でも、何か
怖い
(ああ…)
思い出した。ハルはここに来る前あるゲームにはまっていた。
といっても、だだのよくある勇者が王を倒すRPG
そのゲームの知識がなかったころ。半年かけて
序盤のボスを倒したことがある。半年だ、半年
それまで負けイベントをよそうして、見慣れた最初の村に抜け穴でも無いか調べたものだ。
でも結局レベルが足りないだけで、レベル上げをしてたらある日自然とそのボスを倒した
ただの序盤のボスを倒しただけなのに。ラスボスを倒した以上の高揚感と何か、を得た。
ボスが塞いでいた道がなくなり、新しいエリアを歩けるようになる。半年の間同じエリアを行ったり来たりした自分だったから、新しい普通のエリア、それも景色が変わらないだだのエリアだけで、高揚感よりもとてつもなく先の遠さ、不安にかられた
(今の感覚、あの時と同じだな)
キノコとたけのこ。たった2つの小さな村を行き来し、十数年生活を行ってきた。その殻から今日抜け出し、同じただの草原でも 新たなエリア
新たな景色が目の中に詰め込まれた
違和感がして当然だ。こんな道、来たことなかった。廃墟を遠くから眺めたことはあっても、直接来たことはないしましてや裏口に出たことなどあるはずがない。その高揚感から、不安が滲み出ているだけだ
ーー違和感
(おちつけ、おちつけ)
ーーーいや、ちがうか
ーーそう、違和感だ
(きっと、レイさんたちも同じことを考えている。)
違う。この不安は、高揚感から来たものじゃない
「なんか…ビリビリするぜ…」
「ああ…っ…」
血の匂い 腐った匂い 緑の草原が灰色に見える 心臓に蜘蛛でもへばり付いたような感覚
高揚感とか、そうじゃない。
明確な違和感だ
ここは、いままでの考えじゃ起こり得ない
なにかが起こる
全員が感じる
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「私達…やっべえとこきちゃったかもなぁ…」
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