54 / 67
ニ章
第五十三話 地団駄
しおりを挟む
ぼろぼろの地面に痛々しく体を伏せるハル
呼吸を正常にするのも一苦労、ただ一つの絶望感が、その静寂に残っていた
その静寂の中、アデルによって投じられた物は
「私達の仲間になりなさい」
等という、全身の毛が逆立つような狂気だった
「……はぁ?」
声にならない声で、そう漏らす
「多くを語る必要などない…あなたが輝く場所はこんな陳腐な世界ではない、もっと高く、広大な目標をかかげられる世界に来るべきだ、」
痛みなど忘れていた
「…その世界が、タケノコ族に?」
「ええ…保証しましょう」
ハルは目を閉じる、深く考える
ーーこの、世界について
「行く…」
静かに、そう呟いた
「!ほう…素晴らしい…あなたは、自分をよくわかっている」
アデルは予想外という顔をしながらニヤリと下衆い顔をし、倒れたハルに手を差し出す
その笑みは仲間を手に入れた喜びなどではない、全く別の…
その手をハルはみつめ、そしてこちらも"右手"を伸ばす
「ーーー訳ないだろ!!!!!」
そう言って、強く、強く、叫んだ
「何ッッッ!!!!!!!!!!」
ーーーハルの"左手"は、剣を握っていて…その剣は、アデルの腹に突き刺さっていた
「こ………おっ………!!」
「………………っ」
あっけなく、ハルの演技は成功した
ハルにとって、こんなにもぐさりと剣を刺すのは初めてのことだ
だが、いつものような人を傷つけることの躊躇は、アデルに対する嫌悪感が、敵意が、それを許さなかった
初任務のあの時のように、体中からミミズの這うような、あの感覚は……今日はしない
「が……はっ………騙し……たな!!!!!!!」
「……………俺は、自分が強くなるためにいるわけでもない、輝きたいわけでもない…俺は…」
「………………何を」
「――俺は、好きな人達が沢山いるから、少しでも守りたいと思う人が、沢山いるから…"そうさせてくれたこの村が"好きだから…
だから、戦うんだ!!!」
「なん………だとっ…………!!!!!」
左手の剣をアデルの腹から抜き、その場からステップで距離を取る
この程度で死ぬとは毛頭思ってない、まだ、戦いは続く、だからこそハルは、2級への恐怖心を押し通してでもこの男に言いたいことがあった
「だから…!そんな弱々しい言葉で…!」
「くっ………!!!」
「軍の人間が、そんな言葉で騙されるかよッッッ!!!!!」
「………っ!!!貴ッ様あああっ!!」
アデルは、腹を押さえながら力強く立ち上がる
まっすぐとハルを見つめ、一直線の敵意をハルビリビリと浴びる
そのとき
「うおおお!!!!!」
煙の背後から覚えのある声と姿が飛び出す
カイムだ、なにか手に変な形のものを持っている
「ぬぅっ!!!」
1テンポはやく接近に気付いたアデルが体を回しカイムを剣で捉える
途端にあせったカイムは身をのけぞりアデルから離れる
不意打ちは失敗したものの、十分な隙をつくりだした
そしてハルのよこから突然声がかけられる
「ハル!ぼーっと立つな!!」
「アガレズ!」
「く…」
アデルはアガレズが突撃してくるのを予測しとっさに体制を立て直す
だがそれはダミーだった
「ーーはあああああ!!!」
アガレズの影からキクが飛び出す
「なに!!!」
ここずっと、アデルは圧倒され続けている、3人のチームワークに
唐突なキクの登場にアデルは剣を構えきれない、
そのまま間合いをつめ、不完全な状態でアデルはキクの斬撃を食らう
「がは!!!」
まともに食らったアデルは受け身も取れない、そのままもたもたと地面に倒れ込む
「なっさけねェ…こんな4人にダメージを食らうなんてょぉ…こいつに殺されていったキノコ軍はどれだけ弱かったんだ?」
剣を肩にやり、キクは上から釣り眼で煽る
「なにを……っ!!」
「悪いねハル、ただ突っ込むのは非合理的だとおもって、君が隙をつくり出すまでそれぞれ待機していた」
「いや…それ完全に他人依存じゃん!もし俺が隙を作り出せず死んでたら…」
「ーーーそうもおもったよ、でもきみはどうせ斬られようが死にはしない、そういうやつだろう」
「アガレズらしい…ともかく、助かった」
ーーそして、4人がアデルを囲む…
4級達とはいえ、負傷に負傷を重ねたアデルは流石にこの囲いを抜け出せない
(カイム……その手に持ってるやつはなんだ?)
右手にブーメランの様な形の物体をもつカイム、ハルはそれが気になるが、後だ
「改めて見ると、情ねぇな」
「黙れ!!!私は…!本気か!!!!この私を倒そうなど」
カイムに対してこれでもかというほどに怒号を浴びせる、だが、それは効かない
「言い訳でもしようってか?効かねぇよそんなの、だって…」
カイムが近づき、そうぼやく
「だって……なんだよ?」
「なんでもねー」
「…?」
「とにかくだ、アデル様さんよ、お前は、ここで」
「………ちくしょおおおおおおああああああああ!!!」
「!?!?」
唐突に、正気を失ったのか、アデルが聞いたこともないような声で叫ぶ
「くそ!!!くそ!!!!こんなはずではない!!!私は…!!!!!私は…ぁぁぁぁぁあ!!!」
「……アデル」
「くそ!くそ!ちくしょおおおっ!!」
悔しさを前面に出すアデル、しかし、周りにはその行動に別の意味があるように見えた
「アデルお前……なんでそんな、余裕そうなんだ?」
次の瞬間
「ぎああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!!!
!!!!!!!!!!!
!!!!!!!!!」
ーー人間の声など凌駕する、あの声が聞こえた
「?!?!」
一同、アデルでさえ、叫ぶのをやめ、声がした方向を全員が振り返る
「ヨツンヴァイン!!!???」
「あれで生きてたのかよ!!!?!」
轟音の主はヨツンヴァインだった。ぼろぼろの足で、くたびれた手で、人間の動きと同じように、立ち上がろうとする、立ち上がる
一つの過疎地区をほぼ土砂にするレベルでの激突を起こした
それでも、巨人にとっては、気を失う程度のダメージだったのだ
「ごおあああああああああああああああ
ああああああああああああああ
あああああああああああ」
アガレズは気付く
ヨツンヴァインが闇雲に地団駄を踏もうとし、腕を振りおろそうとしているのを
「ーーーーー全員!!ここから離れろオオオオ!!!!」
ーーなんで、腕を地面に叩きつける音が爆発音みたいになるんだよ
ハルたちは全力で逃げながらそうぼやいた
呼吸を正常にするのも一苦労、ただ一つの絶望感が、その静寂に残っていた
その静寂の中、アデルによって投じられた物は
「私達の仲間になりなさい」
等という、全身の毛が逆立つような狂気だった
「……はぁ?」
声にならない声で、そう漏らす
「多くを語る必要などない…あなたが輝く場所はこんな陳腐な世界ではない、もっと高く、広大な目標をかかげられる世界に来るべきだ、」
痛みなど忘れていた
「…その世界が、タケノコ族に?」
「ええ…保証しましょう」
ハルは目を閉じる、深く考える
ーーこの、世界について
「行く…」
静かに、そう呟いた
「!ほう…素晴らしい…あなたは、自分をよくわかっている」
アデルは予想外という顔をしながらニヤリと下衆い顔をし、倒れたハルに手を差し出す
その笑みは仲間を手に入れた喜びなどではない、全く別の…
その手をハルはみつめ、そしてこちらも"右手"を伸ばす
「ーーー訳ないだろ!!!!!」
そう言って、強く、強く、叫んだ
「何ッッッ!!!!!!!!!!」
ーーーハルの"左手"は、剣を握っていて…その剣は、アデルの腹に突き刺さっていた
「こ………おっ………!!」
「………………っ」
あっけなく、ハルの演技は成功した
ハルにとって、こんなにもぐさりと剣を刺すのは初めてのことだ
だが、いつものような人を傷つけることの躊躇は、アデルに対する嫌悪感が、敵意が、それを許さなかった
初任務のあの時のように、体中からミミズの這うような、あの感覚は……今日はしない
「が……はっ………騙し……たな!!!!!!!」
「……………俺は、自分が強くなるためにいるわけでもない、輝きたいわけでもない…俺は…」
「………………何を」
「――俺は、好きな人達が沢山いるから、少しでも守りたいと思う人が、沢山いるから…"そうさせてくれたこの村が"好きだから…
だから、戦うんだ!!!」
「なん………だとっ…………!!!!!」
左手の剣をアデルの腹から抜き、その場からステップで距離を取る
この程度で死ぬとは毛頭思ってない、まだ、戦いは続く、だからこそハルは、2級への恐怖心を押し通してでもこの男に言いたいことがあった
「だから…!そんな弱々しい言葉で…!」
「くっ………!!!」
「軍の人間が、そんな言葉で騙されるかよッッッ!!!!!」
「………っ!!!貴ッ様あああっ!!」
アデルは、腹を押さえながら力強く立ち上がる
まっすぐとハルを見つめ、一直線の敵意をハルビリビリと浴びる
そのとき
「うおおお!!!!!」
煙の背後から覚えのある声と姿が飛び出す
カイムだ、なにか手に変な形のものを持っている
「ぬぅっ!!!」
1テンポはやく接近に気付いたアデルが体を回しカイムを剣で捉える
途端にあせったカイムは身をのけぞりアデルから離れる
不意打ちは失敗したものの、十分な隙をつくりだした
そしてハルのよこから突然声がかけられる
「ハル!ぼーっと立つな!!」
「アガレズ!」
「く…」
アデルはアガレズが突撃してくるのを予測しとっさに体制を立て直す
だがそれはダミーだった
「ーーはあああああ!!!」
アガレズの影からキクが飛び出す
「なに!!!」
ここずっと、アデルは圧倒され続けている、3人のチームワークに
唐突なキクの登場にアデルは剣を構えきれない、
そのまま間合いをつめ、不完全な状態でアデルはキクの斬撃を食らう
「がは!!!」
まともに食らったアデルは受け身も取れない、そのままもたもたと地面に倒れ込む
「なっさけねェ…こんな4人にダメージを食らうなんてょぉ…こいつに殺されていったキノコ軍はどれだけ弱かったんだ?」
剣を肩にやり、キクは上から釣り眼で煽る
「なにを……っ!!」
「悪いねハル、ただ突っ込むのは非合理的だとおもって、君が隙をつくり出すまでそれぞれ待機していた」
「いや…それ完全に他人依存じゃん!もし俺が隙を作り出せず死んでたら…」
「ーーーそうもおもったよ、でもきみはどうせ斬られようが死にはしない、そういうやつだろう」
「アガレズらしい…ともかく、助かった」
ーーそして、4人がアデルを囲む…
4級達とはいえ、負傷に負傷を重ねたアデルは流石にこの囲いを抜け出せない
(カイム……その手に持ってるやつはなんだ?)
右手にブーメランの様な形の物体をもつカイム、ハルはそれが気になるが、後だ
「改めて見ると、情ねぇな」
「黙れ!!!私は…!本気か!!!!この私を倒そうなど」
カイムに対してこれでもかというほどに怒号を浴びせる、だが、それは効かない
「言い訳でもしようってか?効かねぇよそんなの、だって…」
カイムが近づき、そうぼやく
「だって……なんだよ?」
「なんでもねー」
「…?」
「とにかくだ、アデル様さんよ、お前は、ここで」
「………ちくしょおおおおおおああああああああ!!!」
「!?!?」
唐突に、正気を失ったのか、アデルが聞いたこともないような声で叫ぶ
「くそ!!!くそ!!!!こんなはずではない!!!私は…!!!!!私は…ぁぁぁぁぁあ!!!」
「……アデル」
「くそ!くそ!ちくしょおおおっ!!」
悔しさを前面に出すアデル、しかし、周りにはその行動に別の意味があるように見えた
「アデルお前……なんでそんな、余裕そうなんだ?」
次の瞬間
「ぎああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!!!
!!!!!!!!!!!
!!!!!!!!!」
ーー人間の声など凌駕する、あの声が聞こえた
「?!?!」
一同、アデルでさえ、叫ぶのをやめ、声がした方向を全員が振り返る
「ヨツンヴァイン!!!???」
「あれで生きてたのかよ!!!?!」
轟音の主はヨツンヴァインだった。ぼろぼろの足で、くたびれた手で、人間の動きと同じように、立ち上がろうとする、立ち上がる
一つの過疎地区をほぼ土砂にするレベルでの激突を起こした
それでも、巨人にとっては、気を失う程度のダメージだったのだ
「ごおあああああああああああああああ
ああああああああああああああ
あああああああああああ」
アガレズは気付く
ヨツンヴァインが闇雲に地団駄を踏もうとし、腕を振りおろそうとしているのを
「ーーーーー全員!!ここから離れろオオオオ!!!!」
ーーなんで、腕を地面に叩きつける音が爆発音みたいになるんだよ
ハルたちは全力で逃げながらそうぼやいた
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
旧校舎の地下室
守 秀斗
恋愛
高校のクラスでハブられている俺。この高校に友人はいない。そして、俺はクラスの美人女子高生の京野弘美に興味を持っていた。と言うか好きなんだけどな。でも、京野は美人なのに人気が無く、俺と同様ハブられていた。そして、ある日の放課後、京野に俺の恥ずかしい行為を見られてしまった。すると、京野はその事をバラさないかわりに、俺を旧校舎の地下室へ連れて行く。そこで、おかしなことを始めるのだったのだが……。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
エリート警察官の溺愛は甘く切ない
日下奈緒
恋愛
親が警察官の紗良は、30歳にもなって独身なんてと親に責められる。
両親の勧めで、警察官とお見合いする事になったのだが、それは跡継ぎを産んで欲しいという、政略結婚で⁉
冤罪で辺境に幽閉された第4王子
satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。
「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。
辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。
クラス最底辺の俺、ステータス成長で資産も身長も筋力も伸びて逆転無双
四郎
ファンタジー
クラスで最底辺――。
「笑いもの」として過ごしてきた佐久間陽斗の人生は、ただの屈辱の連続だった。
教室では見下され、存在するだけで嘲笑の対象。
友達もなく、未来への希望もない。
そんな彼が、ある日を境にすべてを変えていく。
突如として芽生えた“成長システム”。
努力を積み重ねるたびに、陽斗のステータスは確実に伸びていく。
筋力、耐久、知力、魅力――そして、普通ならあり得ない「資産」までも。
昨日まで最底辺だったはずの少年が、今日には同級生を超え、やがて街でさえ無視できない存在へと変貌していく。
「なんであいつが……?」
「昨日まで笑いものだったはずだろ!」
周囲の態度は一変し、軽蔑から驚愕へ、やがて羨望と畏怖へ。
陽斗は努力と成長で、己の居場所を切り拓き、誰も予想できなかった逆転劇を現実にしていく。
だが、これはただのサクセスストーリーではない。
嫉妬、裏切り、友情、そして恋愛――。
陽斗の成長は、同級生や教師たちの思惑をも巻き込み、やがて学校という小さな舞台を飛び越え、社会そのものに波紋を広げていく。
「笑われ続けた俺が、全てを変える番だ。」
かつて底辺だった少年が掴むのは、力か、富か、それとも――。
最底辺から始まる、資産も未来も手にする逆転無双ストーリー。
物語は、まだ始まったばかりだ。
復讐のための五つの方法
炭田おと
恋愛
皇后として皇帝カエキリウスのもとに嫁いだイネスは、カエキリウスに愛人ルジェナがいることを知った。皇宮ではルジェナが権威を誇示していて、イネスは肩身が狭い思いをすることになる。
それでも耐えていたイネスだったが、父親に反逆の罪を着せられ、家族も、彼女自身も、処断されることが決まった。
グレゴリウス卿の手を借りて、一人生き残ったイネスは復讐を誓う。
72話で完結です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる