タケノコの里とキノコの山

たけ

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ニ章 

第五十四話 瞬撃のニグ

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「…………………」


「もう、終わりか?」


「………たぶん」
  

 ヨツンヴァインの地団駄が響いてる間、一旦
 戦いから離れ、岩陰に隠れていた



 アガレズが影から顔をだす。目線の先の巨人は
 息をひゅうひゅうと切らし周りを警戒していた

 先程の大衝突を起こさせた犯人(アガレズたち4人)に警戒しているみたいだ


「これは不味いな…見てなかったけど恐らくアデルも地団駄をよけてここらへんのどっかにいる…それに加えてヨツンヴァインが辺りを歩き始めたら…もうキノコ村滅亡ってレベルじゃねぇか?」


「くそ…戦争でもないのに、ここまで壊れるなんて、」


「あ、カイム…その手に持ってるの、なに?ずっと気になってたんだけど…」



「ああ…これ、落ちてたから拾ったんだ、多分銃、強そうだから拾っといた」


「銃?にしては形が…」



「とにかくこれ以上被害を広げるわけには行かない、今ここで出て、ヨツンヴァインのアデルを、倒すのさ」


「ムリムリムリムリムリムリ!!!!だろうが!?!?」


 カイムがアガレズの胸倉を掴み静かに叫ぶ


「倒せなかったろ!このメンバーでも、壊れたクルマを使ってやっとだった…!さらにアデルもっ、て………皆、死ぬぜこんなの…」


「ごもっとも…………だが、このままでは被害は…」


「………ちっ!でも、結局勝てない、どうすりゃ…」




 そのとき、一人の男が"上空から声をかけた"






「ーーーおいおい、こりゃァどーゆーことだ?」





「「「「!?!?」」」」


 ハル達4人は顔をガクッと震わせ上を向く、自分達以外の生存はありえないと無意識に考えていた内に空から声が聞こえたわけだ、驚くのも無理はない


「えっ…」


 ハルが最初に声を出す、積み重なる土砂の頂点に、フードを被った黒い男がヤンキー座りでこちらをみている


「だ、誰、君は?」




「名乗る価値もねえ男だよ俺ァ、そんなことよりそっちの説明が先だ、人生で初めてってレベルなデケェ音聞いたから"上"から降りてきたけどよぉ、こりゃいったいどーゆーことだぁ!?」

 上から目線で話されてイライラしたのかキクが反応した


「ここじゃ語り尽くせないほど色々たぜ…!どっちかっていうとてめぇの謎のほうが強いだろうがよぉ…!お前の種族は?戦えるのか?なんの武器で戦うんだ?……敵か?誰だ?」



「…端的に答えよう、キノコ族、yes、銃、no、今は教える時間がない、だ。」


「銃…」


「まぁ…つまりは、助けに来た、と?」


「そーゆーことになるかァな?状況は見てたからあらかた知ってる、そこにいるアポロ族は初見だが、存在の認知はしている」 


「!!…俺たちの種族って、結構有名なのかい?頑張って隠してきたつもりなんだけど…」


「フン、色々アンダよ、それよりもまず、あいつらだ」


 と、いって、男が降りてきた。黒い服、黒いフード、ズボンは布とは違う何かで、ギザギザとした男性用のレザースカートのようなものをつけていた、こんな時に言う言葉でなはいが、とても似合っている


 珍しくアガレズがあわあわとしながら男に説明を加える、今新キャラが登場することはさすがのアガレズも予想外だったのだろう。誰も予想できることではないが…


「えーと、まあ、まずあいつはヨツンヴァイン、まあ、アポロ族の親族と思っていいさ、あと、この何処かにアデルがいる、そいつも今ここで倒す、アデルは知ってるかい?」


「知ってる、あいつまだ生きてたのかよ、なんでタケノコヤローの2級がいんのに上級がいないんだ?」


「さっき周りの地区の人を避難させるために駆り出した」


「はぁ…?お前等ァそんな強そうにみえねーけど…?4人だけで倒すつもりだったのか?」


「はあ~?舐めんなよ、俺達をよ」


 カイムが割って入ってくる、その言葉を気にもせず男はカイムの持ってる武器を見る

 そして軽く驚きながら指を差した


「あ!、それ、俺がさっき落としちまった小型銃じゃん、返せェ」


「ってぇ!?これお前のかよ!つよそうだなっておもって持ってたけど…」


「強くねぇよコレ、近距離になったとき用の量産型銃だもん」

「近距離になったとき用…?まあいいや、返すよ」



 カイムが銃を伸ばした時、男はう~んとうなり

「やっぱいらね、それ使わねぇし、なんか似合うからお前がそれ持ってろ」


「えええ!使っていいのか?」


「ああ、おれの直感は当たるんだ、多分お前は剣より銃のほうが向いてる」




「お、おう…ありがとう…えっと…」


 たじろぐカイムを見て男はハッとする

「あー、まだだれの名前もわかんねぇな」


「えー、おれはハル」


「キク」


「アガレズだ、よろしく」


「カイムだ」


「ほぉ~、…よし、覚えた、」


「…いや、てめぇも名乗れカス!!」


「ああ~ん?お前ぇ舐めてんなぁ??名乗る価値なんてねぇんだよォ~


 まあいいや、俺はニグ」


「読みずれ」


「黙れェ、っし、行くぞ」

 そして、ニグの雰囲気が代わり、背中から長身の銃を取り出す


 ジャコ、という銃器的な音が鳴り、趣を出す


「…っ!スナイパー!?!?」
 驚いたキクが声をあげる



「…へっ」



「ス、スナイパーって、上級レベルの精鋭しか持てないっていう超貴重戦力…!!そもそも銃を武器にすることが認められてることだけでも強いのに…!」






 キクはその言葉を聞いてため息を付きながらぼやく

「…んだよあいつ…突然来たと思ったら全部知ってるふうに…」


「まあ初対面ならそう思われるのも無理ねェか…実際おれ大体知ってんだよ、だからお前らと話しが合うの」


 キクの苛立ちが顕著にあわられる


「だ~からぁ!お前自身の情報が少なすぎって事なんだよ!なんだよ"大体知ってる"とか!頭に情報が浮かび上がらねぇ!!」


「じゃあ、俺に従えたらおしえてやる。俺がスナイパーで援護するから、お前ら4人はとびだせ,
 3.2....」


「……っくそぉ!!」


「1………!!」


「いくぞ、みんな!!」



「ぜ~~~~~ろ!!!!」


「おおおおおおおおっ!!!!」



 勢いよく4人は飛び出す、ニグはそれを確認してからヨツンヴァインの頭に狙撃銃の照準を合わせる


 そしてたまを込めながら、静かにぼやく

「下で戦うことすら異例なんだからよぉ…この俺様ァの素性なんて教えれるわけねーだろバカが、
 な~んたって…



 俺は裏のキノコ軍にして国家機密組織 [オブリバース] のリーダー…


 "瞬激のニグ"なんだからぉ…?」





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