55 / 202
55ファラン
しおりを挟む
「衛兵。構わない、捕らえよ」
「あっ何故、そんなっ」
有無を言わさず当然来ていた殿下の護衛、うちの家から門番も元伯爵の身柄を捕らえた
親族のライアットで約束が有るからと馬車を突っ込まれ、確認する間もなく入って行ってしまったらしい。主の親族かつ、元伯爵を強引に触れられずジェームスを呼んでいたのが騒ぎになって聴こえていたようだ
義兄か私の命があれば捕まえられる為、片方を置いてピッタリ着いて来ていたので伯爵の腕を即座に捕まえ護衛騎士が縛りあげる
貴族当主だった人物がこのような屈辱に耐えれる筈も無く怒鳴っていたが王族の命に逆らえる訳もない
「ライアット元伯爵、レンファラン侯爵令嬢に詫びよ!
彼女は国の発展の為に妃殿下教育すら受けた身で婚約解消をしてくれた、言わば国に取って感謝すべき淑女である。それをまるで非があるとでも言わんばかりの物言いは許さぬ!!」
殿下の激昂にハクハクと空気だけ吐いていたが、悔しげに私へ頭を下げた
当主の伯爵はただの婚約解消で無い事、殿下が国外で婚姻を外交上結ぶ事は通達されているので代替わりしたので知りませんは通らない。
本当の理由はさておき、だ
「失礼した。ただ余りにも度重なる当家への扱いに耐え兼ねての事。親族を軽んじ特定の家だけを重きを置くのは貴族社会としてまだお若い侯爵には解らないかも知れないが良くない。それを先輩の貴族が教えて差し上げるのも大事な事なのだ」
「屁理屈は止めよ、そんな言い訳をしても赦されないのだ。レンファラン嬢が例え愛称を呼ぶ程近しくともファランの名は使う事が赦されない。侯爵や彼女と本当に仲が深ければ知っている事だ」
予想外から責められ全く心当りが浮かばない元伯爵へ殿下は容赦無く留めを刺す
「レンファランは前国王陛下より名を賜ったそうだな?」
きっとあのお茶会の後に聞いたか察したのだろう。
孫の自分ですら同じ王城に住まいながらも会えない祖父が1人の令嬢の為に自ら足を運んだのだから
まして傍に居た私の祖父は金髪碧眼に金の光の瞳。
解り易く自分に無い王族の血を引いている容姿。
ただの1人も呼ばない名が私には在る、その意味を。
「前国王、陛下!!」
最早、声にならない引き攣る声を上げ、うろうろ視線を彷徨わせ私に助けを求められてもどうにも出来ませんよ
「ルー【ファラン】ス前国王陛下である。お名を元当主が知らないとは言わせない」
「わたくしに長年、ご子息との婚約の申し出、殿下と解消後は愛人の要望を頂いていたので【解っていた】と思っておりましたわ。わたくしはライアット家が拘る、ひいお婆様の血を引く娘なのだと言う事を」
王族は近親の婚姻が多く、伯爵家では降嫁は夢のまた夢。良くて王子の嫁は可能だが、実際に選ばれるのは公爵家
それが親族に王族と縁有る家が出来てしまって夢を見たのだろう。
ゆっくりと顔を上げ私を見詰める。ひいお婆様の面影は少ない筈だが元伯爵の中では何かを感じるのだろうか、やがてぐったり項垂れた
後ろ手に縛りあげた元伯爵を門番と護衛で運んで行くと殿下は私の前に移動し指先を持ち上げて頭を下げた
「最後に少しはお役に立てて良かった。愛人などとんでもない御身。どうぞお大事になさって下さい」
「っ殿下…」
「ミカエリスと、今更ですが。また何かの時に私の名で済むようでしたら存分にお使い下さい。それと…」
耳元の囁きは間近に居たライオンぐらいにしか聴こえない囁き声で
反応が遅れる内に殿下は帰られた
「お嬢様…」
「あ、うん。大丈夫だから心配しないで」
曰く、ベルナンディウス義兄様が貴女を諦めていないようです、と
空耳であれ
「あっ何故、そんなっ」
有無を言わさず当然来ていた殿下の護衛、うちの家から門番も元伯爵の身柄を捕らえた
親族のライアットで約束が有るからと馬車を突っ込まれ、確認する間もなく入って行ってしまったらしい。主の親族かつ、元伯爵を強引に触れられずジェームスを呼んでいたのが騒ぎになって聴こえていたようだ
義兄か私の命があれば捕まえられる為、片方を置いてピッタリ着いて来ていたので伯爵の腕を即座に捕まえ護衛騎士が縛りあげる
貴族当主だった人物がこのような屈辱に耐えれる筈も無く怒鳴っていたが王族の命に逆らえる訳もない
「ライアット元伯爵、レンファラン侯爵令嬢に詫びよ!
彼女は国の発展の為に妃殿下教育すら受けた身で婚約解消をしてくれた、言わば国に取って感謝すべき淑女である。それをまるで非があるとでも言わんばかりの物言いは許さぬ!!」
殿下の激昂にハクハクと空気だけ吐いていたが、悔しげに私へ頭を下げた
当主の伯爵はただの婚約解消で無い事、殿下が国外で婚姻を外交上結ぶ事は通達されているので代替わりしたので知りませんは通らない。
本当の理由はさておき、だ
「失礼した。ただ余りにも度重なる当家への扱いに耐え兼ねての事。親族を軽んじ特定の家だけを重きを置くのは貴族社会としてまだお若い侯爵には解らないかも知れないが良くない。それを先輩の貴族が教えて差し上げるのも大事な事なのだ」
「屁理屈は止めよ、そんな言い訳をしても赦されないのだ。レンファラン嬢が例え愛称を呼ぶ程近しくともファランの名は使う事が赦されない。侯爵や彼女と本当に仲が深ければ知っている事だ」
予想外から責められ全く心当りが浮かばない元伯爵へ殿下は容赦無く留めを刺す
「レンファランは前国王陛下より名を賜ったそうだな?」
きっとあのお茶会の後に聞いたか察したのだろう。
孫の自分ですら同じ王城に住まいながらも会えない祖父が1人の令嬢の為に自ら足を運んだのだから
まして傍に居た私の祖父は金髪碧眼に金の光の瞳。
解り易く自分に無い王族の血を引いている容姿。
ただの1人も呼ばない名が私には在る、その意味を。
「前国王、陛下!!」
最早、声にならない引き攣る声を上げ、うろうろ視線を彷徨わせ私に助けを求められてもどうにも出来ませんよ
「ルー【ファラン】ス前国王陛下である。お名を元当主が知らないとは言わせない」
「わたくしに長年、ご子息との婚約の申し出、殿下と解消後は愛人の要望を頂いていたので【解っていた】と思っておりましたわ。わたくしはライアット家が拘る、ひいお婆様の血を引く娘なのだと言う事を」
王族は近親の婚姻が多く、伯爵家では降嫁は夢のまた夢。良くて王子の嫁は可能だが、実際に選ばれるのは公爵家
それが親族に王族と縁有る家が出来てしまって夢を見たのだろう。
ゆっくりと顔を上げ私を見詰める。ひいお婆様の面影は少ない筈だが元伯爵の中では何かを感じるのだろうか、やがてぐったり項垂れた
後ろ手に縛りあげた元伯爵を門番と護衛で運んで行くと殿下は私の前に移動し指先を持ち上げて頭を下げた
「最後に少しはお役に立てて良かった。愛人などとんでもない御身。どうぞお大事になさって下さい」
「っ殿下…」
「ミカエリスと、今更ですが。また何かの時に私の名で済むようでしたら存分にお使い下さい。それと…」
耳元の囁きは間近に居たライオンぐらいにしか聴こえない囁き声で
反応が遅れる内に殿下は帰られた
「お嬢様…」
「あ、うん。大丈夫だから心配しないで」
曰く、ベルナンディウス義兄様が貴女を諦めていないようです、と
空耳であれ
259
あなたにおすすめの小説
私を選ばなかったくせに~推しの悪役令嬢になってしまったので、本物以上に悪役らしい振る舞いをして婚約破棄してやりますわ、ザマア~
あさぎかな@コミカライズ決定
恋愛
乙女ゲーム《時の思い出(クロノス・メモリー)》の世界、しかも推しである悪役令嬢ルーシャに転生してしまったクレハ。
「貴方は一度だって私の話に耳を傾けたことがなかった。誤魔化して、逃げて、時より甘い言葉や、贈り物を贈れば満足だと思っていたのでしょう。――どんな時だって、私を選ばなかったくせに」と言って化物になる悪役令嬢ルーシャの未来を変えるため、いちルーシャファンとして、婚約者であり全ての元凶とである第五王子ベルンハルト(放蕩者)に婚約破棄を求めるのだが――?
村娘になった悪役令嬢
枝豆@敦騎
恋愛
父が連れてきた妹を名乗る少女に出会った時、公爵令嬢スザンナは自分の前世と妹がヒロインの乙女ゲームの存在を思い出す。
ゲームの知識を得たスザンナは自分が将来妹の殺害を企てる事や自分が父の実子でない事を知り、身分を捨て母の故郷で平民として暮らすことにした。
村娘になった少女が行き倒れを拾ったり、ヒロインに連れ戻されそうになったり、悪役として利用されそうになったりしながら最後には幸せになるお話です。
※他サイトにも掲載しています。(他サイトに投稿したものと異なっている部分があります)
アルファポリスのみ後日談投稿しております。
逆ハーレムエンド? 現実を見て下さいませ
朝霞 花純@電子書籍発売中
恋愛
エリザベート・ラガルド公爵令嬢は溜息を吐く。
理由はとある男爵令嬢による逆ハーレム。
逆ハーレムのメンバーは彼女の婚約者のアレックス王太子殿下とその側近一同だ。
エリザベートは男爵令嬢に注意する為に逆ハーレムの元へ向かう。
勘当された悪役令嬢は平民になって幸せに暮らしていたのになぜか人生をやり直しさせられる
千環
恋愛
第三王子の婚約者であった侯爵令嬢アドリアーナだが、第三王子が想いを寄せる男爵令嬢を害した罪で婚約破棄を言い渡されたことによりスタングロム侯爵家から勘当され、平民アニーとして生きることとなった。
なんとか日々を過ごす内に12年の歳月が流れ、ある時出会った10歳年上の平民アレクと結ばれて、可愛い娘チェルシーを授かり、とても幸せに暮らしていたのだが……道に飛び出して馬車に轢かれそうになった娘を助けようとしたアニーは気付けば6歳のアドリアーナに戻っていた。
処刑前夜に逃亡した悪役令嬢、五年後に氷の公爵様に捕まる〜冷徹旦那様が溺愛パパに豹変しましたが私の抱いている赤ちゃん実は人生2周目です〜
放浪人
恋愛
「処刑されるなんて真っ平ごめんです!」 無実の罪で投獄された悪役令嬢レティシア(中身は元社畜のアラサー日本人)は、処刑前夜、お腹の子供と共に脱獄し、辺境の田舎村へ逃亡した。 それから五年。薬師として穏やかに暮らしていた彼女のもとに、かつて自分を冷遇し、処刑を命じた夫――「氷の公爵」アレクセイが現れる。 殺される!と震えるレティシアだったが、再会した彼は地面に頭を擦り付け、まさかの溺愛キャラに豹変していて!?
「愛しているレティシア! 二度と離さない!」 「(顔が怖いです公爵様……!)」
不器用すぎて顔が怖い旦那様の暴走する溺愛。 そして、二人の息子であるシオン(1歳)は、実は前世で魔王を倒した「英雄」の生まれ変わりだった! 「パパとママは僕が守る(物理)」 最強の赤ちゃんが裏で暗躍し、聖女(自称)の陰謀も、帝国の侵略も、古代兵器も、ガラガラ一振りで粉砕していく。
ヒロイン不在だから悪役令嬢からお飾りの王妃になるのを決めたのに、誓いの場で登場とか聞いてないのですが!?
あさぎかな@コミカライズ決定
恋愛
ヒロインがいない。
もう一度言おう。ヒロインがいない!!
乙女ゲーム《夢見と夜明け前の乙女》のヒロインのキャロル・ガードナーがいないのだ。その結果、王太子ブルーノ・フロレンス・フォード・ゴルウィンとの婚約は継続され、今日私は彼の婚約者から妻になるはずが……。まさかの式の最中に突撃。
※ざまぁ展開あり
【完結】私ですか?ただの令嬢です。
凛 伊緒
恋愛
死んで転生したら、大好きな乙女ゲーの世界の悪役令嬢だった!?
バッドエンドだらけの悪役令嬢。
しかし、
「悪さをしなければ、最悪な結末は回避出来るのでは!?」
そう考え、ただの令嬢として生きていくことを決意する。
運命を変えたい主人公の、バッドエンド回避の物語!
※完結済です。
※作者がシステムに不慣れかつ創作初心者な時に書いたものなので、温かく見守っていだければ幸いです……(。_。///)
※ご感想・ご指摘につきましては、近況ボードをお読みくださいませ。
《皆様のご愛読に、心からの感謝を申し上げますm(*_ _)m》
よくある父親の再婚で意地悪な義母と義妹が来たけどヒロインが○○○だったら………
naturalsoft
恋愛
なろうの方で日間異世界恋愛ランキング1位!ありがとうございます!
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
最近よくある、父親が再婚して出来た義母と義妹が、前妻の娘であるヒロインをイジメて追い出してしまう話………
でも、【権力】って婿養子の父親より前妻の娘である私が持ってのは知ってます?家を継ぐのも、死んだお母様の直系の血筋である【私】なのですよ?
まったく、どうして多くの小説ではバカ正直にイジメられるのかしら?
少女はパタンッと本を閉じる。
そして悪巧みしていそうな笑みを浮かべて──
アタイはそんな無様な事にはならねぇけどな!
くははははっ!!!
静かな部屋の中で、少女の笑い声がこだまするのだった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる