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We write study report
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大学の授業が始まった第一週目はまだ履修届を出す前で、お試しな内容なんだろうと嵐は勝手に思っていたけれども。
今、早速、宿題を出された必修科目のレポートを、同じ学科のみんなで集まって必死に書き上げていた。
それに必修じゃない科目でもその内容は始めから難しくて、選ぶとか選ばないとか以前に理解するのも大変で、嵐は目が回りそうに一日一日を過ごしていた。
「わーん! 英語でレポートとかむずかしいよー!」
嵐の横で唯がシャープペンシルを放り投げそうな勢いで悲鳴を上げる。
それを見て一緒にレポートを書くみんなは苦笑したり頷いたりで、やっぱり難しいと思っているのが大半だった。
嵐はレポート用紙に覆い被さって机に突っ伏す唯の背中を優しく撫でる。
レポートを出された授業は、英文作成Ⅰという英語で自分の考えを記述することを学ぶもので、レポートの内容は授業の内容を要約することと、その内容に関する自分の考えをエッセイ形式で、どちらも英語で記述するものだった。
英語に慣れていない一年目の学生には第一の試練と歴代で名高く、優しいけれど筋の通らないことは一切許さない教授が担当していることもあって、毎年多くの受講者が苦しむと真が言っていたのを嵐は思い出していた。
「あー、集中力切れる……カラオケ行きてぇ」
「お、いいな。これ終わったらみんなで行かね?」
男子二人が、レポートから目を逸らして脱線し始めた。
嵐は、みんなはどうするだろ、とさり気なく視線を巡らせる。
何人かは行きたそうにそわそわしているし、言い出しっぺにどこのカラオケに行こうかと相談を始める女子もいるし、結構みんな乗り気っぽい。
そこに、ぱんぱん、と手のひらを叩く音が差し込まれる。
「カラオケはいいが、まずはレポートをみんなで終わらせないのが先だろ? まぁ、時間だけ決めて、終わらないやつは自己責任、とかでも良さそうだが」
凛とした、という表現がよく似合いそうなイケメンな女子が、浮き立つみんなの意識を引き締めた。
確か、加賀美麻遊さんという名前だったと、嵐はオリエンテーションでした自己紹介を思い返していた。
生徒会長とか、そういう人をまとめるのが似合いそうだとその時も思ったし、今もまたその気持ちが強くなった。
「おー。なんか委員長って呼びたくなるな」
「ふふ、どちらかというと、牧羊犬かな?」
「牧羊犬?」
どうして急に犬なのかと、嵐は首を傾げた。
嵐の声はぽつりと小さかったけれど、麻紀は耳聡くそれを拾ったらしく切れ長の目を向けてきた。
「私達の学年は未年が多いだろう? 高校でクラスがざわつく度に軌道修正してたら、羊の群れを追い立てる牧羊犬みたいだと言われたんだ」
「なにそれ、うけるー」
真紀の解説に、嵐じゃなくて麻遊の後ろにいたギャルっぽい女子がけらけらと笑い声を上げた。真遊は笑われるのに気を悪くした様子もなく、むしろ狙い通りと言うように格好良くウィンクを決める。
「よーし、じゃ、五時過ぎたらカラオケ行こうぜ。来るやつ、この紙に名前書いといてなー!」
最初にカラオケに行きたいと男子が、ひらひらと一枚のルーズリーフを掲げてみんなに示した。
それに誘われて、早速何人かが名前を記入しに席を立つ。
「嵐ちゃんはどうする?」
そわそわとした声で唯が嵐に囁く。
唯ちゃんはカラオケに行きたそうだなぁ、と嵐は感じた。
カラオケに行きたい気持ちもあるけれど、それよりも先に嵐の脳裏には灯理の顔が過ぎる。
「ちょっと訊いてみる」
嵐は唯に断って、教室の隅、電話しても他のみんなの迷惑にならなさそうな位置に移動した。
『もしもし、嵐か?』
灯理のスマートフォンに電話を掛ければ、三コールもしない内に出てくれた。
「うん。あのね、灯理さん、今、みんなでカラオケ行こうかって話してるんだけど、その、行ってもいい?」
『そんなことでわざわざ電話してくれたのか? 嵐は嵐のしたいことを、俺なんか気にしないでやっていいんだよ』
「そう?」
今まで実家に暮らしていた嵐は、遊びに行くなら家族に行き先を言うのが当たり前で、わざわざ連絡しないで好きにしていいと言われたら戸惑ってしまう。
『あ、でも、分担した家事が出来ないとか、飯がいらないとか言う時は連絡してくれ』
「あ、うん。待って、訊いてみます」
嵐はスマートフォンを耳から離して通話口を指で塞ぎ、声かけに忙しくしてレポート作成にまだ戻っていなかった男子に向かって声を上げた。
「ねぇ、晩ご飯って、みんなで食べる?」
「お? あー、どうする?」
男子は考えてなかった様子で、周囲に視線を回して他のメンバーに伺いを立てる。
「いいじゃん、折角だし、どっか食べにいこうぜ」
「食べよう、食べよう」
そこから、何を食べたいか、カラオケとの時間配分はどうするのかと、熱を帯びて話し合いが始まるのを見て、嵐はスマートフォンにまた耳を当てた。
「灯理さん、晩ご飯、みんなと食べる」
『わかった。じゃ、俺も今日は外ですませるかな。帰っても食いもんないから、ちゃんと腹いっぱい食ってこいよ』
「はーい」
『じゃあな』
「うん、じゃあね」
灯理への連絡を終えて嵐はまた唯の隣に腰掛けた。
唯が肩が触れそうなくらいに嵐に擦り寄ってくる。
「嵐ちゃん、誰に電話してたの?」
地方から出てきた嵐の通話相手が興味津々な様子で唯が訊いてくる。
嵐も何となく、唯に耳に顔を寄せて、ひそひそ返す。
「一緒に暮らしてる人。ルームシェアしてるの」
「ルームシェア! 素敵だね。どんな人なの?」
「優しくて素敵な人だよ。年上で、作ってくれるご飯がとっても美味しいの」
「ふふ、それはとてもいい人なんだねえ」
訊いた唯の方が、こそばゆさそうに、はにかむ。
なんだか嵐は照れてしまって体が火食んだ。
「後でまた聞かせてね」
唯はこれ以上は掘り下げないでレポートに向かった。カラオケでもご飯の時でも、まだまだ話す時間はたくさんあると思ったのだろう。
隣の友人がレポートにシャープペンシルを走らせるのを見ながら、嵐は手持ち無沙汰な気持ちをどうしようかと考える。
「嵐ちゃん、レポートしないと終わらないよ。カラオケ行くんでしょ?」
嵐がレポートに戻らないのを見て、唯はその態度を窘める。
それに、嵐はまん丸の目できょとんと見返した。
「え、あたし、もう終わってるよ?」
「え、もう終わってるの!?」
信じられないと声を荒げる唯に、みんな一斉に視線を集めた。
「篠築さん、もう終わったってマジ?」
「うん。ほら」
問い掛けてきた男子に、本当だよ、と嵐はぴらりとレポート用紙を見せた。そこには、英語がびっしりと書き詰められている。
「え、うそ、文字数もめっちゃ多いじゃん」
「嵐ちゃん、すげー! 天才? 天才なの?」
「篠築さんは、英語コミュニケーションでも発音良かったからな。英語、得意なんじゃないか?」
麻遊の指摘に、嵐はえへへと頭を掻く。
確かに嵐は小学校から英語が上手で成績がいいとみんなから称賛されてきて、ちょっとだけ自慢だった。もしかしたら、いつも英語の歌を口ずさんで聞かせてくれたお母さんが、嵐にとっていい教育になったのかもしれないと思っている。
「嵐ちゃん! 助けて! 英語が作れないの!」
「めゅ!?」
英語が全然出来なくてレポートに苦しんでいた唯が、嵐に助けを求めて抱きついてきた。
その拍子に、唯の腕の力で胸が凹んで、嵐がおかしな悲鳴を上げる。
それから嵐は、唯を始めとして英語が苦手な生徒に囲まれてあっと言う間に時間が過ぎたのであった。
今、早速、宿題を出された必修科目のレポートを、同じ学科のみんなで集まって必死に書き上げていた。
それに必修じゃない科目でもその内容は始めから難しくて、選ぶとか選ばないとか以前に理解するのも大変で、嵐は目が回りそうに一日一日を過ごしていた。
「わーん! 英語でレポートとかむずかしいよー!」
嵐の横で唯がシャープペンシルを放り投げそうな勢いで悲鳴を上げる。
それを見て一緒にレポートを書くみんなは苦笑したり頷いたりで、やっぱり難しいと思っているのが大半だった。
嵐はレポート用紙に覆い被さって机に突っ伏す唯の背中を優しく撫でる。
レポートを出された授業は、英文作成Ⅰという英語で自分の考えを記述することを学ぶもので、レポートの内容は授業の内容を要約することと、その内容に関する自分の考えをエッセイ形式で、どちらも英語で記述するものだった。
英語に慣れていない一年目の学生には第一の試練と歴代で名高く、優しいけれど筋の通らないことは一切許さない教授が担当していることもあって、毎年多くの受講者が苦しむと真が言っていたのを嵐は思い出していた。
「あー、集中力切れる……カラオケ行きてぇ」
「お、いいな。これ終わったらみんなで行かね?」
男子二人が、レポートから目を逸らして脱線し始めた。
嵐は、みんなはどうするだろ、とさり気なく視線を巡らせる。
何人かは行きたそうにそわそわしているし、言い出しっぺにどこのカラオケに行こうかと相談を始める女子もいるし、結構みんな乗り気っぽい。
そこに、ぱんぱん、と手のひらを叩く音が差し込まれる。
「カラオケはいいが、まずはレポートをみんなで終わらせないのが先だろ? まぁ、時間だけ決めて、終わらないやつは自己責任、とかでも良さそうだが」
凛とした、という表現がよく似合いそうなイケメンな女子が、浮き立つみんなの意識を引き締めた。
確か、加賀美麻遊さんという名前だったと、嵐はオリエンテーションでした自己紹介を思い返していた。
生徒会長とか、そういう人をまとめるのが似合いそうだとその時も思ったし、今もまたその気持ちが強くなった。
「おー。なんか委員長って呼びたくなるな」
「ふふ、どちらかというと、牧羊犬かな?」
「牧羊犬?」
どうして急に犬なのかと、嵐は首を傾げた。
嵐の声はぽつりと小さかったけれど、麻紀は耳聡くそれを拾ったらしく切れ長の目を向けてきた。
「私達の学年は未年が多いだろう? 高校でクラスがざわつく度に軌道修正してたら、羊の群れを追い立てる牧羊犬みたいだと言われたんだ」
「なにそれ、うけるー」
真紀の解説に、嵐じゃなくて麻遊の後ろにいたギャルっぽい女子がけらけらと笑い声を上げた。真遊は笑われるのに気を悪くした様子もなく、むしろ狙い通りと言うように格好良くウィンクを決める。
「よーし、じゃ、五時過ぎたらカラオケ行こうぜ。来るやつ、この紙に名前書いといてなー!」
最初にカラオケに行きたいと男子が、ひらひらと一枚のルーズリーフを掲げてみんなに示した。
それに誘われて、早速何人かが名前を記入しに席を立つ。
「嵐ちゃんはどうする?」
そわそわとした声で唯が嵐に囁く。
唯ちゃんはカラオケに行きたそうだなぁ、と嵐は感じた。
カラオケに行きたい気持ちもあるけれど、それよりも先に嵐の脳裏には灯理の顔が過ぎる。
「ちょっと訊いてみる」
嵐は唯に断って、教室の隅、電話しても他のみんなの迷惑にならなさそうな位置に移動した。
『もしもし、嵐か?』
灯理のスマートフォンに電話を掛ければ、三コールもしない内に出てくれた。
「うん。あのね、灯理さん、今、みんなでカラオケ行こうかって話してるんだけど、その、行ってもいい?」
『そんなことでわざわざ電話してくれたのか? 嵐は嵐のしたいことを、俺なんか気にしないでやっていいんだよ』
「そう?」
今まで実家に暮らしていた嵐は、遊びに行くなら家族に行き先を言うのが当たり前で、わざわざ連絡しないで好きにしていいと言われたら戸惑ってしまう。
『あ、でも、分担した家事が出来ないとか、飯がいらないとか言う時は連絡してくれ』
「あ、うん。待って、訊いてみます」
嵐はスマートフォンを耳から離して通話口を指で塞ぎ、声かけに忙しくしてレポート作成にまだ戻っていなかった男子に向かって声を上げた。
「ねぇ、晩ご飯って、みんなで食べる?」
「お? あー、どうする?」
男子は考えてなかった様子で、周囲に視線を回して他のメンバーに伺いを立てる。
「いいじゃん、折角だし、どっか食べにいこうぜ」
「食べよう、食べよう」
そこから、何を食べたいか、カラオケとの時間配分はどうするのかと、熱を帯びて話し合いが始まるのを見て、嵐はスマートフォンにまた耳を当てた。
「灯理さん、晩ご飯、みんなと食べる」
『わかった。じゃ、俺も今日は外ですませるかな。帰っても食いもんないから、ちゃんと腹いっぱい食ってこいよ』
「はーい」
『じゃあな』
「うん、じゃあね」
灯理への連絡を終えて嵐はまた唯の隣に腰掛けた。
唯が肩が触れそうなくらいに嵐に擦り寄ってくる。
「嵐ちゃん、誰に電話してたの?」
地方から出てきた嵐の通話相手が興味津々な様子で唯が訊いてくる。
嵐も何となく、唯に耳に顔を寄せて、ひそひそ返す。
「一緒に暮らしてる人。ルームシェアしてるの」
「ルームシェア! 素敵だね。どんな人なの?」
「優しくて素敵な人だよ。年上で、作ってくれるご飯がとっても美味しいの」
「ふふ、それはとてもいい人なんだねえ」
訊いた唯の方が、こそばゆさそうに、はにかむ。
なんだか嵐は照れてしまって体が火食んだ。
「後でまた聞かせてね」
唯はこれ以上は掘り下げないでレポートに向かった。カラオケでもご飯の時でも、まだまだ話す時間はたくさんあると思ったのだろう。
隣の友人がレポートにシャープペンシルを走らせるのを見ながら、嵐は手持ち無沙汰な気持ちをどうしようかと考える。
「嵐ちゃん、レポートしないと終わらないよ。カラオケ行くんでしょ?」
嵐がレポートに戻らないのを見て、唯はその態度を窘める。
それに、嵐はまん丸の目できょとんと見返した。
「え、あたし、もう終わってるよ?」
「え、もう終わってるの!?」
信じられないと声を荒げる唯に、みんな一斉に視線を集めた。
「篠築さん、もう終わったってマジ?」
「うん。ほら」
問い掛けてきた男子に、本当だよ、と嵐はぴらりとレポート用紙を見せた。そこには、英語がびっしりと書き詰められている。
「え、うそ、文字数もめっちゃ多いじゃん」
「嵐ちゃん、すげー! 天才? 天才なの?」
「篠築さんは、英語コミュニケーションでも発音良かったからな。英語、得意なんじゃないか?」
麻遊の指摘に、嵐はえへへと頭を掻く。
確かに嵐は小学校から英語が上手で成績がいいとみんなから称賛されてきて、ちょっとだけ自慢だった。もしかしたら、いつも英語の歌を口ずさんで聞かせてくれたお母さんが、嵐にとっていい教育になったのかもしれないと思っている。
「嵐ちゃん! 助けて! 英語が作れないの!」
「めゅ!?」
英語が全然出来なくてレポートに苦しんでいた唯が、嵐に助けを求めて抱きついてきた。
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