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I want to ask you
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いつもなら一心不乱に食事を進める嵐が、心ここにあらずという様子で箸を咥えたままいつまでも咀嚼を続けている。
目の前でそれを見る灯理は、いつになくおかしい嵐の様子に不安がどんどんと膨らんでいった。
「嵐、どうした? 具合が悪いのか?」
灯理が意を決して話しかけると嵐はぼんやりとした眼差しを返して来た。
こんなことは今まで一度もなかったから、ますます灯理は心配で針鼓が痛んだ。
「灯理さん……」
ぼそりと、嵐が口を開いた。
どうしたのだろうかと、灯理は頭を悩ませる。大学の勉強についていけないのか、最近できた彼氏となにかあったのか、それとも彼氏が出来たからと少し距離を置くように意識している灯理の態度に不審を抱いたのか――最後のは流石に自意識過剰かと灯理は予測から抹消し、黙って嵐の言葉を待つ。
「ねぇ、灯理さん」
嵐の声が思い詰めて低くなっている。
灯理も深刻な話なのだと、ごくりと唾を飲んだ。
「男の人って、ぎゅって抱き着いておっぱい押し付けられたら、うれしいの!?」
「なに言ってんだ、てめぇ」
堰を切ったように心情を吐露した嵐だったが、その内容が余りにもひどくて、つい灯理は高校の頃のようなガラの悪い口調が出て来てしまった。
しかし灯理の口が悪くなっているのに気付かない程に思い詰めた嵐は、事情を懸命に説明し始める。
「唯ちゃんが恋人になったのに、真先輩への態度が変わってないねって! そんなんじゃ、真先輩に愛想つかされちゃうから、もっと積極的にならなきゃだめだよって! 腕に抱き着いておっぱいを押し付けるんだよ、嵐ちゃんの最強の武器だよって!」
灯理は余りに明け透けな会話をそのまま聞かされて、箸を落としてしまった。しかもそれを床から拾う気力も湧いてこない。
「灯理さん? とーりさーん? お箸落ちたよー?」
嵐が無邪気に目の前で手を振って意識があるのか確かめてくるから、灯理は内心でこいつ、ぶん殴ってやろうかと思いが過ぎった。
灯理はなんとか重苦しい溜め息でふつふつと沸く怒りを吐き出す。
「恋愛くらい、好きにしたらいい……俺にそんなこと聞くなよ……頼むから……」
今の数秒で一気に疲れてしまって、灯理の言葉には全く元気が宿っていなかった。
しかし嵐もしゅんとして目を伏せる。
「そんな……あたし、灯理さんしか恋の相談できる男の人いないのに」
しょんぼりと落ち込む嵐を見て、うっ、と灯理は胸が詰まる。
「ま、あ……好きな、女にくっつかれて、いやになる男はいない、だろ、うさ」
苦虫を噛み潰したように歯を食いしばってから、ぽつぽつと嫌そうに答えた。なんでこんなことを嵐に対して言わなければならないのかと、疑問の嵐が灯理の胸の内で吹き荒れる。ついでに、言い知れない悲しみも交えて。
「そっか。そっか。やっぱり男の人はおっぱいがセイギか」
灯理の答えを聞いたら聞いたで、嵐は声のトーンを低く落とす。
めんどくせぇ、どう答えれば正解だったんだよ、と灯理が眉を寄せた。
そこで、ふと、灯理は一つの疑問を抱いた。
しかしそれを口にするのは、とてもはばかれる。嵐と違って、灯理はしっかりとデリカシーというものを持っているのだ。
それに嵐の口振りから、まず間違いなく答えは、まだ、だろうと推測できる。
灯理はこれ以上、この居たたまれない会話が続くのを避けるために、箸を拾ってシンクに洗いに行った。
そして蛇口を捻って水がシンクを叩く音を聞いて、一つの懸念に思い至った。
「ああ、そうだ、嵐。もうすぐ梅雨入りするんだから、遅くなるのも天気を確認しろよ」
「めぅ?」
嵐が目を丸くして鳴くから、全くその危険を考えていなかったのが丸分かりだった。
あと一週間も経てば、カレンダーの絵柄も雨と蛙に変わる。天気は今週も曇りが多くなっているし、梅雨前線は海から迫っているとニュースが報じているのだ。
「夜に雨降る日は、言い寄られても、帰って来いよ。隣にいる恋人がいきなり別人に変わってみろ、大好きな先輩が腰抜かすぞ」
「め、め、そんなのだめだよ」
「だから、ちゃんとその前に帰って来いって言ってんだよ。嘘吐いてでもな」
言いながら、嵐は自由に恋愛もできないのかと、灯理は顔を曇らせた。
洗った箸を手にテーブルに戻っても、なんとなくすぐに食事を再開する気分にはなれない。
暗い気持ちの中で、嵐は抜けてるから天気予報を毎日確認して危ない日は帰って来るようにメールを入れてやろうと考える。そんなふうに危険を避けるために必要な行動を心の中で上げている方が、まだ気分を誤魔化せる。
「ね、ねぇ、灯理さん、あのさ」
「んー?」
そうやって考え事でやるせない気分から意識をそらしていた灯理は、さっきよりも躊躇いがちな嵐の問いかけに生返事をして先を促してしまった。
灯理は無意識の内に、嵐がその聞いていいか分からないようなことを訊く後押しをしてしまったのだ。
「やっぱり付き合って、セックスしないのって、きらわれちゃう?」
嵐の不安そうな声が、この上なくあざとく、灯理に縋る。
灯理が一瞬、間抜けな顔をして硬直し。
そして直後に、沸騰するように熱くなった血が全身を巡って、体が跳ねた。
その拍子に、テーブルを叩き、灯理の茶碗やお椀が引っ繰り返る。
「めっ!? 灯理さん、だいじょうぶ!? 熱くない!?」
灯理の太股に味噌汁が零れたのを見て、嵐が椅子から立ち上がった。
台所から濡らした布巾を握って、灯理の太股に押し付ける。自然、嵐は跪いて、灯理の足の間に入り込むような形になった。
「ま、ちょ、平気だ! もう冷めてるから!」
慌てた灯理は語気を荒げて嵐から布巾を奪い取り、距離を取る。
灯理に拒絶された嵐は、悲しみに愛鏡を濡らして、灯理の目を見上げた。
その目泉は、どうして、と、悲しい、という感情で溢れそうなのが、灯理にも見て取れた。
灯理はバツが悪そうに、嵐から顔を背ける。
「あかりさん……怒ってる……」
怖々と、嵐が震える声を漏らした。
灯理は必死に情けない顔を見られまいと手で覆い隠す。
「嵐、取りあえず零したところ拭くのを先にやらせてくれ」
嵐は大人しく言うことを聞いて、そろそろと場所を開けた。
灯理は黙々とテーブルと椅子を布巾で、床をキッチンペーパーで拭き取っていく。
その作業の合間合間で、嵐の様子を盗み見れば、彼女は意気消沈して床に体育座りして膝を抱えていた。
ひどい罪悪感が灯理の心内に渦巻く。
「嵐、一応言っておくけどな、高校生じゃないんだから、付き合うってのは、その……そういうこともオーケーだって言ってるようなもんだぞ」
ぼそぼそと、灯理は、嵐の投げ掛けた質問に返答をした。
嵐はその返事の内容よりも、灯理がきちんと答えてくれたことに安堵して、目を僅かに輝かせる。
「でも、まぁ、嫌なら嫌って言っていいが……男としては、嫌がられたら本当は嫌われているのかって不安にはなるかもな」
それから嵐が一番聞きたがっているだろう男の心情も灯理は付け加える。
しかしそれは自分のことを言っているように思えて、穴を掘って入りたいくらいの羞恥心を灯理に味わわせる。
「あかりさん! あかりさん、だいすきー!」
そして感極まった嵐が灯理に抱き着いてきて、灯理に背中から嵐の大きな胸の感触が伝わってきた。
「おま、彼氏持ちが他の男に抱きつくな、このバカ! なんで俺が嵐の性教育しなきゃならねーんだよ!」
灯理の嘆きは空しく木霊して、嵐による喜びのままのスキンシップ攻撃を受けるのには全くの無力だった。
目の前でそれを見る灯理は、いつになくおかしい嵐の様子に不安がどんどんと膨らんでいった。
「嵐、どうした? 具合が悪いのか?」
灯理が意を決して話しかけると嵐はぼんやりとした眼差しを返して来た。
こんなことは今まで一度もなかったから、ますます灯理は心配で針鼓が痛んだ。
「灯理さん……」
ぼそりと、嵐が口を開いた。
どうしたのだろうかと、灯理は頭を悩ませる。大学の勉強についていけないのか、最近できた彼氏となにかあったのか、それとも彼氏が出来たからと少し距離を置くように意識している灯理の態度に不審を抱いたのか――最後のは流石に自意識過剰かと灯理は予測から抹消し、黙って嵐の言葉を待つ。
「ねぇ、灯理さん」
嵐の声が思い詰めて低くなっている。
灯理も深刻な話なのだと、ごくりと唾を飲んだ。
「男の人って、ぎゅって抱き着いておっぱい押し付けられたら、うれしいの!?」
「なに言ってんだ、てめぇ」
堰を切ったように心情を吐露した嵐だったが、その内容が余りにもひどくて、つい灯理は高校の頃のようなガラの悪い口調が出て来てしまった。
しかし灯理の口が悪くなっているのに気付かない程に思い詰めた嵐は、事情を懸命に説明し始める。
「唯ちゃんが恋人になったのに、真先輩への態度が変わってないねって! そんなんじゃ、真先輩に愛想つかされちゃうから、もっと積極的にならなきゃだめだよって! 腕に抱き着いておっぱいを押し付けるんだよ、嵐ちゃんの最強の武器だよって!」
灯理は余りに明け透けな会話をそのまま聞かされて、箸を落としてしまった。しかもそれを床から拾う気力も湧いてこない。
「灯理さん? とーりさーん? お箸落ちたよー?」
嵐が無邪気に目の前で手を振って意識があるのか確かめてくるから、灯理は内心でこいつ、ぶん殴ってやろうかと思いが過ぎった。
灯理はなんとか重苦しい溜め息でふつふつと沸く怒りを吐き出す。
「恋愛くらい、好きにしたらいい……俺にそんなこと聞くなよ……頼むから……」
今の数秒で一気に疲れてしまって、灯理の言葉には全く元気が宿っていなかった。
しかし嵐もしゅんとして目を伏せる。
「そんな……あたし、灯理さんしか恋の相談できる男の人いないのに」
しょんぼりと落ち込む嵐を見て、うっ、と灯理は胸が詰まる。
「ま、あ……好きな、女にくっつかれて、いやになる男はいない、だろ、うさ」
苦虫を噛み潰したように歯を食いしばってから、ぽつぽつと嫌そうに答えた。なんでこんなことを嵐に対して言わなければならないのかと、疑問の嵐が灯理の胸の内で吹き荒れる。ついでに、言い知れない悲しみも交えて。
「そっか。そっか。やっぱり男の人はおっぱいがセイギか」
灯理の答えを聞いたら聞いたで、嵐は声のトーンを低く落とす。
めんどくせぇ、どう答えれば正解だったんだよ、と灯理が眉を寄せた。
そこで、ふと、灯理は一つの疑問を抱いた。
しかしそれを口にするのは、とてもはばかれる。嵐と違って、灯理はしっかりとデリカシーというものを持っているのだ。
それに嵐の口振りから、まず間違いなく答えは、まだ、だろうと推測できる。
灯理はこれ以上、この居たたまれない会話が続くのを避けるために、箸を拾ってシンクに洗いに行った。
そして蛇口を捻って水がシンクを叩く音を聞いて、一つの懸念に思い至った。
「ああ、そうだ、嵐。もうすぐ梅雨入りするんだから、遅くなるのも天気を確認しろよ」
「めぅ?」
嵐が目を丸くして鳴くから、全くその危険を考えていなかったのが丸分かりだった。
あと一週間も経てば、カレンダーの絵柄も雨と蛙に変わる。天気は今週も曇りが多くなっているし、梅雨前線は海から迫っているとニュースが報じているのだ。
「夜に雨降る日は、言い寄られても、帰って来いよ。隣にいる恋人がいきなり別人に変わってみろ、大好きな先輩が腰抜かすぞ」
「め、め、そんなのだめだよ」
「だから、ちゃんとその前に帰って来いって言ってんだよ。嘘吐いてでもな」
言いながら、嵐は自由に恋愛もできないのかと、灯理は顔を曇らせた。
洗った箸を手にテーブルに戻っても、なんとなくすぐに食事を再開する気分にはなれない。
暗い気持ちの中で、嵐は抜けてるから天気予報を毎日確認して危ない日は帰って来るようにメールを入れてやろうと考える。そんなふうに危険を避けるために必要な行動を心の中で上げている方が、まだ気分を誤魔化せる。
「ね、ねぇ、灯理さん、あのさ」
「んー?」
そうやって考え事でやるせない気分から意識をそらしていた灯理は、さっきよりも躊躇いがちな嵐の問いかけに生返事をして先を促してしまった。
灯理は無意識の内に、嵐がその聞いていいか分からないようなことを訊く後押しをしてしまったのだ。
「やっぱり付き合って、セックスしないのって、きらわれちゃう?」
嵐の不安そうな声が、この上なくあざとく、灯理に縋る。
灯理が一瞬、間抜けな顔をして硬直し。
そして直後に、沸騰するように熱くなった血が全身を巡って、体が跳ねた。
その拍子に、テーブルを叩き、灯理の茶碗やお椀が引っ繰り返る。
「めっ!? 灯理さん、だいじょうぶ!? 熱くない!?」
灯理の太股に味噌汁が零れたのを見て、嵐が椅子から立ち上がった。
台所から濡らした布巾を握って、灯理の太股に押し付ける。自然、嵐は跪いて、灯理の足の間に入り込むような形になった。
「ま、ちょ、平気だ! もう冷めてるから!」
慌てた灯理は語気を荒げて嵐から布巾を奪い取り、距離を取る。
灯理に拒絶された嵐は、悲しみに愛鏡を濡らして、灯理の目を見上げた。
その目泉は、どうして、と、悲しい、という感情で溢れそうなのが、灯理にも見て取れた。
灯理はバツが悪そうに、嵐から顔を背ける。
「あかりさん……怒ってる……」
怖々と、嵐が震える声を漏らした。
灯理は必死に情けない顔を見られまいと手で覆い隠す。
「嵐、取りあえず零したところ拭くのを先にやらせてくれ」
嵐は大人しく言うことを聞いて、そろそろと場所を開けた。
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その作業の合間合間で、嵐の様子を盗み見れば、彼女は意気消沈して床に体育座りして膝を抱えていた。
ひどい罪悪感が灯理の心内に渦巻く。
「嵐、一応言っておくけどな、高校生じゃないんだから、付き合うってのは、その……そういうこともオーケーだって言ってるようなもんだぞ」
ぼそぼそと、灯理は、嵐の投げ掛けた質問に返答をした。
嵐はその返事の内容よりも、灯理がきちんと答えてくれたことに安堵して、目を僅かに輝かせる。
「でも、まぁ、嫌なら嫌って言っていいが……男としては、嫌がられたら本当は嫌われているのかって不安にはなるかもな」
それから嵐が一番聞きたがっているだろう男の心情も灯理は付け加える。
しかしそれは自分のことを言っているように思えて、穴を掘って入りたいくらいの羞恥心を灯理に味わわせる。
「あかりさん! あかりさん、だいすきー!」
そして感極まった嵐が灯理に抱き着いてきて、灯理に背中から嵐の大きな胸の感触が伝わってきた。
「おま、彼氏持ちが他の男に抱きつくな、このバカ! なんで俺が嵐の性教育しなきゃならねーんだよ!」
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