落ちこぼれ天使の成長記

九条九重

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逃避と抗戦

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日が高い、ベットのユイを起こさないように椅子から起き上がった

結局昨夜の一件でテンも眠ってしまった

窓を開け煙草に火を付けると暖かな風と共に噂が吹いている

宿屋の二階の窓から耳を傾けながら煙草を吸う

噂は昨夜のユイが発した膨大な魔力のことらしい

龍の少女や白い少年といった言葉が多く

疲れた顔で悩む

どうしたものか、セイラからの合図こともあるがも大穴に向かう為にこの場所まできた

外に出ずらくなったが

刀を差し窓から静かに屋根に飛び屋根の上を歩いて渡る



少し遅れてユイが目醒める

部屋にテンの姿は無く、お金だけが机の上に置いてある

昨夜はテンに眠らされ起きたいない、なんと酷い

鍵のかかっていない窓とまだ重いまぶた開け外を見渡すがいない

その時フッと風が吹き、煙草の匂いがした

その方を見ると遠くに屋根を渡る白い影

ユイは飛び出して行った







テンは最上階とを区切る高い壁の前に来ていた

奴隷なのか浮浪者なのかわからない様な者を

偶に見かける程度しか人がいない

門から堂々と入れないだろうと思ったら案外そんな事無いのかもしれない



「君、噂の子かい?」

一人の浮浪者の様な落ちぶれた男に声をかけられた

足を引きずって歩いてくる

テンはその男の手を見た瞬間に奴隷では無いでだろうと踏んで話した

「そうかも、それよりこの壁の向こうはどうなってんの?」

「わからないよ、もう長い事あの門を閉ざしているからね」

高い壁を見上げてそう言う 

「どれくらいの閉ざしいるの?」

「ずっとずうっとだよ、私のお爺さんもそう言っていたからね

昔話だとね、孔があって天使が還るんだとお爺さんは聞いたそうだよ」

テンは単純な疑問を抱いている

「誰もこの門を開けよした人はいないの?」

「いるよ、私だ

 いや私達だな、でも開かなかったよ、

 魔法も通さない頑丈で不思議な門だなぁと思って調べたよだけども門も壁もそれだけじゃない、そのへんの遺跡の跡も調べれば調べる程に何なのかわからないんだ」

「…それでどうしたの」

テンはその男の言葉を欲していた

「私達は登ったよ、この壁を

 前にも登った人はいたが戻ってきた人はいなかった、恐ろしいだろ?だがそれこそ私達が求めていたものだった、けど残念だったな

 私は途中で糸が切れて落ちてしまったんだ…

 他の者は登りきった、けど何があったのか聞く機会は訪れなかった」

深くため息をつき

「どうして私の糸は切れてしまったのだろう」

壁を見上げる男をテンは理解してはいない

「なら僕が教えてあげるよ」

テンが飛ぼうとするとまた後ろから声をかけられる

「テン、どうして置いて行くの」

ユイだ

「起こしたら悪いと思ったんだ」

「置いてく方が悪いだろ」

まぁそうだけどさ、とも思いながら

「これは僕の個人的な用事だから」

「一言あってもいいと思うけど」

「はい…」

面倒だと思った事はもうバレているだろうな、

「そこに行ってどうするの?」

テンは悩んでから答えた

「わからない、何かがわかる気がする」

怒りと呆れが混じる声で突っかかる様に問う

「何かって何?」

また悩む

「どうして…僕は?かな…」

「行く必要あるの?」

ユイの言っている事は正しい…



「老婆心だけどね、あの事を私は今も後悔している

   糸が切れたのはね運命かもしれない、けど諦めたのは私なんだよ」

男はそれを言うと軽く手を振って去ろうとした

「ありがと」

テンの言葉に男は顔だけ振り返る

「それと会えてよかった」

男の表情は変わらなかったが少し笑った気がした

「その足治そうか?」

「気になさんな、ここまで堕ちればこの足も悪くない」

そう言いながら去っていく男



テンは壁に背を向けて行く

「ユイ昨日仲間から合図があった、先そっちに行く」

「えっ急に?仲間がいるなんて聞いて無いし」

テンはセイラの元に向かった





日が沈みかけた頃にクマとセイラは目的地に来ていた

「ここなの?」

「ええ」

セイラ達は街から少し離れた廃れた街の教会に来ていた

「少し遠かったですね、思ったより遅くなりました」

「そうだねでも平気だよ、書置きもしてきたし」





教会に入ると壁は壊されへ奥へと続く洞窟があった

「お嬢行きますよ」

奥へと入ろうとした瞬間、後ろに気配を感じたクマは

セイラに被さって背中に風を感じながら伏せる

押し倒されたセイラが振り返ると街を襲った緑の魔物が生えていた

セイラは咄嗟に魔法を撃ち注意を引き

魔物は体を叩きつけクマの鎌が魔物を斬ると

魔物の体は枯れて動かなくなった

「まだいますよ」

セイラが見上げて言う

天井に一体生えている

魔物から根の様な四本の触手が生え

それを突き刺すと魔物が生えて触手が切れる

新たに生えた魔物も同じ様に増やしていき、どんどんと数を増す

「セイラ」

クマはセイラにくっつきセイラの魔法で引力を生み出し一気に引き寄せ

月光環

クマの技で全ての魔物が刈り取られる



「終わり…で良いのかな」

「もう出てきませんから、」

まだ出てくるのではないかと不安を感じつつも決着とした

「この奥にこの魔物を使ってた者がいるはず」

セイラにはまだ憎悪が息巻いてる

「大丈夫なの?あんなに魔力を使ったのに」

心配を他所に暗い路に突き進む

決意に燃えるセイラについて来て良かったと本当にクマは思った
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