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双子と悪魔
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奥の広がった場所に蠢めく影
ユキのようなものが正気を失って暴れている
クマは理解できなかった
それがユキである事はすぐにわかったが
得体の知れないそれをユキとは認めたくはなかった
全身の震えが止まらない
姉の右の首の付け根と右肩の間から
姉の頭より少し小ぶりなおぞましい
裂けた大口のミミズの頭のような物が生えている
腕は四本あるが元々のユキの腕しか機能していないようだ
ユキは何かを探すように物を押しのけたり、ひっくり返して暴れていた
「どうして」
震え声を絞り出す
セイラは杖を構える
「ユキは今頃家に帰って、特訓でもしてるはずよ」
すぐ目の前の事を否定しても届くはずも無い
「お嬢、まだわかりません」
クマは本当に初めて憎悪と言う物をでセイラに向けた
セイラはわかっていて尚、殺させる気でいる
そして覚悟は?気持ちは、なんて自分勝手なんだろう
自分自身を疑い始めていた
「君達もああなるんだ」
後ろから男の声がした
振り向くと初老の白髪混じりの隊服を着た男がいた
クマとセイラには見覚えの無い人間だ
「貴方の仕業なの?」
冷静な口調とは思えない程に熱を帯びている
「あいつらのせいで黒馬を殺す事になったからな」
世間話をするように、平然とした喋り
「それだけじゃない、村を襲ったのもお前なのかって言ってんのよ」
「そうだ、この街はそおして豊かな暮らしを護ってきた」
セイラとは違いその顔は歪める事なし
「他の村を襲って豊かになろうなんてイカれてるわ」
見下してる、この街を
「だがこの世は争奪戦になっているのだよ、負けた者はお前達の様になる
自分の家族や友人を護りたいと思わないか?」
セイラは魔法を使った
男は一瞬にして移動してユキの後ろに下がった
ユキが前傾姿勢とって獣の様に襲い掛かる
指は十枚の氷の刃と化し
周りの物を切り裂きながら幾度となく振るう
クマは避ける弾くで注意を引いて
男の去って行く背が見える
「セイラは先に行って
今度はちゃんとするから
絶対にあいつを逃がさないで」
クマからは悔しさと怒りを感じていた
握られた拳は震え、目尻は涙を堪えている事は容易にわかる
だが奥には覚悟が静かに息づいている。
「お嬢が戦うなら私も」
「セイラはセイラの目的を果たして」
クマはユキに一撃で葬ろうとした
それで終わることを切に願っていた
ユキはそんな間抜けじゃなかったよ
不意を突いてセイラの魔法が胴を断つ
宵の明星
ルカを守れなかった事が引っ掛かる、
セイラはどうしても置いて行く事など出来なかった
胴を真っ二つにされようとも
探し求めるのはすぐそばにあるもの
「セイラ…」
「すみませんお嬢」
セイラだって覚悟も気持ちも、なんて自分勝手なんだ
「最後は私が送る
セイラ、ルカの最後は貴方が
貴方自身で決着をつけなさい」
それはセイラへの励ましだった
セイラの強い瞳は何も言わずに男を追いかけていた
その頃ユキの体は望まずとも
体の接着をしようとして不気味に蠢く
だが多少の傷なら自己治癒出来たのだろうが
体の接着など不可能
ただ死を待つだけのユキの目は安らいでいる
ユキは見つけていた
ちゃん…………
そのぬくもりを
姉ちゃん…
声も顔も体も
何もかも変わり果て
それでもこの暖かさは
ナツ......
そう信じた
正しく狂いを受領して
立ち上がる
ナツ、私たちの冒険はまだこれからよね
炎の熱気でクマがユキのほうに振り返る
クマは言葉を失った
炎の蕾は花開き
艶があり透き通るクリスタルの様な
氷の鎧に身を包み
機能していなかった腕は広げられ
炎の蕾は翼へと変わる
一緒に冒険...して......お母さんの…ところに
…帰ろう
どれだけもつ、その力
考えるまでもない
一時間と持つまいよ
ユキはクマには目もくれずこの場を去ろうとする
クマは意味がわからず呆気にとられたがはっとし
すぐにユキが飛び出す前に
ユキをこれ以上貶めさせたりはしない
立ち塞がり鎌を構えるが
炎の翼で振り払らってくる
それを躱し、直後クマを斬る
なんとか致命傷を避けたが決して浅くは無い
クマの頬に思わず一筋の涙、決意が揺らいだ
冷たく鋭いその剣は
間違いなく氷結剣、太刀筋はユキのもの
それからも斬りかかってくる
素早く強くなっているユキの攻撃
避け弾く、クマには分かっていた
これは…
わかるよどれも…一緒に…特訓したから
氷姫結晶
「キレが悪くなっているよ」
ユキの技を躱し弾き耐え忍ぶ
知っていてもなお完全に躱すことは難しく
増える切傷、翼の炎に負う火傷、双方長くない
辛いね、すぐ終わる
ユキのようなものが正気を失って暴れている
クマは理解できなかった
それがユキである事はすぐにわかったが
得体の知れないそれをユキとは認めたくはなかった
全身の震えが止まらない
姉の右の首の付け根と右肩の間から
姉の頭より少し小ぶりなおぞましい
裂けた大口のミミズの頭のような物が生えている
腕は四本あるが元々のユキの腕しか機能していないようだ
ユキは何かを探すように物を押しのけたり、ひっくり返して暴れていた
「どうして」
震え声を絞り出す
セイラは杖を構える
「ユキは今頃家に帰って、特訓でもしてるはずよ」
すぐ目の前の事を否定しても届くはずも無い
「お嬢、まだわかりません」
クマは本当に初めて憎悪と言う物をでセイラに向けた
セイラはわかっていて尚、殺させる気でいる
そして覚悟は?気持ちは、なんて自分勝手なんだろう
自分自身を疑い始めていた
「君達もああなるんだ」
後ろから男の声がした
振り向くと初老の白髪混じりの隊服を着た男がいた
クマとセイラには見覚えの無い人間だ
「貴方の仕業なの?」
冷静な口調とは思えない程に熱を帯びている
「あいつらのせいで黒馬を殺す事になったからな」
世間話をするように、平然とした喋り
「それだけじゃない、村を襲ったのもお前なのかって言ってんのよ」
「そうだ、この街はそおして豊かな暮らしを護ってきた」
セイラとは違いその顔は歪める事なし
「他の村を襲って豊かになろうなんてイカれてるわ」
見下してる、この街を
「だがこの世は争奪戦になっているのだよ、負けた者はお前達の様になる
自分の家族や友人を護りたいと思わないか?」
セイラは魔法を使った
男は一瞬にして移動してユキの後ろに下がった
ユキが前傾姿勢とって獣の様に襲い掛かる
指は十枚の氷の刃と化し
周りの物を切り裂きながら幾度となく振るう
クマは避ける弾くで注意を引いて
男の去って行く背が見える
「セイラは先に行って
今度はちゃんとするから
絶対にあいつを逃がさないで」
クマからは悔しさと怒りを感じていた
握られた拳は震え、目尻は涙を堪えている事は容易にわかる
だが奥には覚悟が静かに息づいている。
「お嬢が戦うなら私も」
「セイラはセイラの目的を果たして」
クマはユキに一撃で葬ろうとした
それで終わることを切に願っていた
ユキはそんな間抜けじゃなかったよ
不意を突いてセイラの魔法が胴を断つ
宵の明星
ルカを守れなかった事が引っ掛かる、
セイラはどうしても置いて行く事など出来なかった
胴を真っ二つにされようとも
探し求めるのはすぐそばにあるもの
「セイラ…」
「すみませんお嬢」
セイラだって覚悟も気持ちも、なんて自分勝手なんだ
「最後は私が送る
セイラ、ルカの最後は貴方が
貴方自身で決着をつけなさい」
それはセイラへの励ましだった
セイラの強い瞳は何も言わずに男を追いかけていた
その頃ユキの体は望まずとも
体の接着をしようとして不気味に蠢く
だが多少の傷なら自己治癒出来たのだろうが
体の接着など不可能
ただ死を待つだけのユキの目は安らいでいる
ユキは見つけていた
ちゃん…………
そのぬくもりを
姉ちゃん…
声も顔も体も
何もかも変わり果て
それでもこの暖かさは
ナツ......
そう信じた
正しく狂いを受領して
立ち上がる
ナツ、私たちの冒険はまだこれからよね
炎の熱気でクマがユキのほうに振り返る
クマは言葉を失った
炎の蕾は花開き
艶があり透き通るクリスタルの様な
氷の鎧に身を包み
機能していなかった腕は広げられ
炎の蕾は翼へと変わる
一緒に冒険...して......お母さんの…ところに
…帰ろう
どれだけもつ、その力
考えるまでもない
一時間と持つまいよ
ユキはクマには目もくれずこの場を去ろうとする
クマは意味がわからず呆気にとられたがはっとし
すぐにユキが飛び出す前に
ユキをこれ以上貶めさせたりはしない
立ち塞がり鎌を構えるが
炎の翼で振り払らってくる
それを躱し、直後クマを斬る
なんとか致命傷を避けたが決して浅くは無い
クマの頬に思わず一筋の涙、決意が揺らいだ
冷たく鋭いその剣は
間違いなく氷結剣、太刀筋はユキのもの
それからも斬りかかってくる
素早く強くなっているユキの攻撃
避け弾く、クマには分かっていた
これは…
わかるよどれも…一緒に…特訓したから
氷姫結晶
「キレが悪くなっているよ」
ユキの技を躱し弾き耐え忍ぶ
知っていてもなお完全に躱すことは難しく
増える切傷、翼の炎に負う火傷、双方長くない
辛いね、すぐ終わる
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